「思考と直覚」人間の霊魂を思考/スピノザ98 カントによる形而上学への批判は、以降の西洋の哲学に大きい影響を与え、後の思想家に神の存在証明や宇宙の始まりなどの形而上学的な問題を、哲学の中心的なテーマとして議論される傾向も時代の変遷に連れ抑制されていく傾向をみせてきます。事実、其の脈絡の途絶えんとするときに、其処に、アルトゥル・ショーペンハウアー(Arthur Schopenhauer/1788年-1860年)が現れます。彼はドイツの哲学者、主著は「意志と表象としての世界」Die Welt als Wille und Vorstellung 1819年)ですが、今時では珍しくもないが、当時の西洋では異端思想の扱いを受けるのみであった仏教精神そのものの思想を学び、其の精髄を語り尽くした思想家であり、其の根本を成す哲学は、後世の多くの哲学者、芸術家、作家に重要な影響を与え、生の哲学、実存主義の先駆者と覚(おぼ)しき人物とされています。彼ショーペンハウアーはカントのアンチノミー(二律背反)の問いを直接分析するのではなく、其の前提にある「なぜ」とは何なのかを分析しています。その上で、ライプニッツによって唱えられた「すべての事物の存在あるいは真理が成立するためには十分な理由(原因)がなければならぬ」という「何故(なぜ)」の適用範囲の判断に問題が有り、カントのアンチノミー(二律背反)は抑々(そもそも)の思考方法の判断にも誤りがあることを指摘しています。 哲学・思想 ブログランキングへ