「霊魂論」エチカ詳解170 ピタゴラスの定理・ピタゴラス音階などで有名なピタゴラス(Pythagoras)は多才の哲学者として知られますが、此れは何もピタゴラスに限らず古代哲学はフィロソフィア、フィロが愛でソフィアが知という意味で、学問はすべて知を愛するフィロソフィアというわけですから全ての学問の頂点にあった分野別思考を総合し統合する学問でしたから、驚天するには値しません。然し乍ら、東西南北紀元前此の時期の文明に於いて孔子はもとより釈迦やタロスが同じ頃に出現したことには何かしらの奇特さを感ぜざるを得ません。何がしらかの世界の内面の意思が働いたのかとの疑問も生じます。ピタゴラスが前世はトロイの英雄エウポルボス(Euphorbus/エウポルボス)であったにせよ、ピタゴラスが魂の輪廻(metempsicosi)あるいは転生(trasmigrazione)という教義を教えていたものなら、「一にすべてが由来する(ab uno disce omnes)」ものでないことは間違いない。ピタゴラスがピタゴラスに始まりピタゴラスで終わるわけではないからです。諸々他のからだ(コルプス)への輪廻(魂の再生/metempsicosi)あるいは転生(移動/trasmigrazione)を語らぬばかりか、その断片では、死が魂をからだから分ける時、魂は非コルプス的な途を通じて宇宙(コスモス)へと導かれる、と言っている。つまり魂の実在、それがからだ(コルプス)の死後にも生きつづけること、非コルプス的な途の可能性を認めていたことになります。