時間の陥穽265 宇宙論的な赤方偏移は、オーストリアのクリスティアン・アンドレアス・ドップラー(Christian Andreas Doppler/1803年-1853年)、物理学者であり数学者・天文学者の発見に基づいた理論です。ドップラーは観測者と震動源との相対運動によって振動数が変化することを詳細に調べ、1842年には其の成果をもとに数学的な関係式、 所謂、「ドップラー効果」の数式を発表します。1845年にはオランダのユトレヒトで、列車に乗ったトランペット奏者がGの音階を吹き続け、それを特に絶対音感を持った音楽家が聞いて音程が変化する事で証明されます。然し乍ら、当時は左程、この発見はあまり注目されませんでした。ところが、フランスの物理学者のアルマン・イッポリート・ルイ・フィゾー(Armand Hippolyte Louis Fizeau/1819年-1896年)が、地上で初めて光速度を測定します。其の結果、フィゾーは、世界初の太陽の写真撮影や水中の光速度が空気中より遅いことの証明し、更には、1849年に回転歯車を用いて光速度の測定を行なった野外実験があります。彼フィゾーの得た値は3.15×105km/sでした。