Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2021年09月20日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-175
 スピノザは人間精神の本性を必ずしも善とは看做していません。人間の偏見から、善と悪、功績と過罪、賞讃と非難、秩序と混乱、美と醜その他こうした種類の他のことどもに関する諸偏見が何故に生じたのかを述べ、人間の本性の全てが真ったき善から成り立っているとは考えません。AIコンピューターや量子コンピュータが白紙の状態では善悪の区別がつかないように、人間の本性が無垢ではあっても、人間の生物学的本能や欲情に晒されるからでしょう。
  付 録
 第三項
 しかしこのこと(神はすべての物を人間のために造り、神を尊敬させるために人間を造ったととの偏見。)、多くの人々がこの偏見に甘んじ、且又、何故すべての人が生来この偏見を抱く(いだく)傾向があるかの理由を、人間精神の本性から導き出すことはこの場所では適当でない。ここでは何びとも承認しなければならぬこと、即ちすべての人間は生まれつき物の原因を知らないこと、およびすべての人間は自己の利益を求めようとする衝動を有しかつこれを意識しているということ、そうしたことを議論の根底とするので十分であろう。何故なら、このことから次のことが出てくるからである。それは第一に、人間は自分を自由であると思うということである。実際、彼らは自分の意欲および衝動を意識しているが彼らを衝動ないし意欲に駆る原因は知らないのでそれについては夢にも考えない。第二に、人間は万事を目的のために、すなわち彼らの欲求する利益のために行なうということである。この結果として、彼らは出来上がったものごとについて常に目的原因のみを知ろうとつとめ、目的原因のみを聞けばそれで満足する。彼らにはそれ以上疑念をいだく何の理由もないからである。これに反して仮に、それを他人から聞くことができない場合は、自分自身を振り返って見て、自分が平素、類似のことをするように決定されるのはどんな目的からであるかを反省してみるよりは他ない。このようにして彼らは必然的に、自分の性状から他人の性状を判断することになる。さらに彼らは、自分の利益を獲得するのに少なからず役立つ多数の手段を、例えば見るための目、咀嚼するための歯、栄養のための植物や動物、照らすための太陽、魚を養うための海のごときものを自分の内外に発見するから、そして他のほとんどすべてのものに関してもこれと同じ次第であって、彼らはそうしたものの自然的原因が何であるかについて疑念をいだく何の理由も持たないことから、彼らはすべての自然物を自分の利益のための手段と見るようになった。そして、それらの手段は彼らの発見したものではあるが、彼らの供給したものではないことを知っているから、これが誘因になって彼らは、そうした手段を彼らの使用のために供給した「他のある者」が存在することを信ずるようになった。すなわち、一度物を手段と見てからは、彼らはそれがひとりでにできたと信ずるわけにはいかなくて、彼らが平素自分自身に手段を供給する場合から推し量り、人間的な自由を賦与された一人あるいは二、乃至、三或いは幾多の自然の支配者が存在していて、これが彼らのためにすべてを熟慮し、彼らの使用のためにすべてを造ったと結論せざるをえなかった。彼らはまたこうした支配者の性情については少しも聞き知ることがなかったので、これを自分の性情に基づいて判断せざるをえなかった。そしてこのことから彼らは、神々は人間に感謝の義務を負わせ、人間から最高の尊敬を受けるためにすべてのものを人間の使用に向けるのだと信じた。この結果として各人は、神が自分を他の人々以上に寵愛し・全自然を自分の盲目的欲望と飽くことなき食欲の用に向けてくれるように、敬神のいろいろの様式を自分の性情に基づいて案出した。こうしてこの偏見は迷信に堕し、人々の心に深い根をおろした。そしてこれが原因となって各人は、すべてのものについて目的原因を認識し・説明することに最大の努力を払うようになった。
 アインシュタインの世界の美学、1905年、アインシュタインが特殊相対性理論を発表した年、物理学は巨額な研究費など必要としない純粋な学問であり、それ以上に宇宙の姿を描き出す美しい数式を探求するわくわくするような頭の中の冒険でした。実際、アインシュタインは「特殊相対性理論」を紙と鉛筆だけで考え出したのです。それは世界の神秘を自らの生み出した理論で描き出す、究極の美学だったのです。しかし、その後の量子力学の発展によって、アインシュタインやボーアらは原子爆弾の誕生を目にすることになります。彼らはその時、自らの求めた美学が人類絶滅の危機を生み出したことに衝撃を受けることになります。残念ながら21世紀の物理学の地球人類の状況は、すでにアインシュタインらが目指した美学の追求とは無縁の存在、脅威になりつつある危惧さえ見られます。


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最終更新日  2021年09月20日 06時10分04秒
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