Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年06月14日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-440
 定理四四 愛および欲望は過度になりうる。
 証明 愛は外部の原因の観念を伴った喜びである(諸感情の定義六 愛とは外部の原因の観念を伴った喜びである。により)。ゆえに(第三部定理一一の備考我々は、精神がもろもろの大なる変化を受けて時にはより大なる完全性へ、また時にはより小なる完全性へ移行しうることが分かる。この受動が我々に喜びおよび悲しみの感情を説明してくれる。こうして私は以下において喜びを精神がより大なる完全性へ移行する受動と解し、これに反して悲しみを精神がより小なる完全性へ移行する受動と解する。さらに私は精神と身体とに同時に関係する喜びの感情を快感あるいは快活と呼び、これに反して同様な関係における悲しみの感情を苦痛あるいは憂鬱と呼ぶ。しかし注意しなければならないのは、快感および苦痛ということが人間について言われるのは、その人間のある部分が他の部分より多く刺激されている場合であり、これに反して快活および憂鬱ということが言われるのは、その人間のすべての部分が一様に刺激されている場合であるということである。次に欲望の何たるかは第三部部の定理九の備考において説明した。この三者〔喜び・悲しみ・欲望〕のほかには私は何ら他の基本的感情を認めない。なぜならその他の諸感情は、以下において示すだろうように、この三者から生ずるものだからである。により)外部の原因の観念を伴った快感も愛の一種である。したがって愛は(前定理四三 快感は過度になり得(う)るしまた悪であり得る。しかし苦痛は快感あるいは喜びが悪である限りにおいて善でありうる。により)過度になりうる。次に欲望はそれを生ずる感情がより大なるに従ってそれだけ大である(第三部定理三七 悲しみや喜び、憎しみや愛から生ずる欲望は、それらの感情がより大であるに従ってそれだけ大である。により)。ゆえに感情が(この部の定理六により)人間のその他の働きを凌駕しうるのと同様に、その感情から生ずる欲望もまたその他の欲望を凌駕しうるのであり、したがってまたそれは前定理において快感について示したのと同様に過度になりうるであろう。Q・E・D・
 備考 善であると私の言った快活については単に観察するよりも概念的に考える方がいっそう容易にわかる。すなわち我々が日々捉われる諸感情は、もっぱら身体の何らかの部分がその他の部分以上に刺激されるのに関係するのであり、したがってそうした感情は一般に過度になり、精神をただ一つの対象の考察に引きとどめて精神が他のことについて思惟しえないようにするのである。人間は数多くの感情に従属するものであって、常に同一の感情に捉われている人間は稀にしか見られないけれども、それにしても同一の感情に執拗にまといつかれている人間もないではない。すなわち人間がただ一つの対象から強く刺激されて、その結果それが現在していない場合にもそれを自分の前にあるように信ずるのを我々はしばしば見かける。もしこうしたことが眠っていない人間に起こるならば、この人間を我々は狂っているとか気違い沙汰だとか言うのである。また恋に焦れて夜も昼もただ恋人あるいは情婦のみを夢みる者も同様に気違い沙汰と思われる。こうした者は通常我々の笑いをさそうからである。ところが食欲者が利得や金銭のほか何ものもえない場合、また名誉欲者が名誉のほか何ものも考えない場合などにはそうした人々は狂っているとは信じられない。それは彼らは通常我々の不快の種であり、憎悪に価すると思われるからである。しかし食欲、名誉欲、情欲などは、一般には〔精神〕病に数えられていないにしても、実際はやはり狂気の一種である。
 記:貪欲=「貪欲」は「欲深い」や「欲張り」よりも、次々と欲を出して満足しないこと、非常に欲が深いこと、むさぼって飽くことを知らない様子を表すとします。欲深さの度合いに従い強い否定的意味合いが濃い熟語ですが、ここにスピノザが名誉欲を追加しているのは特筆すべきであり、国家権力のみならず汎ゆる分野で現代も解消はされていません。明治時代の日本の陸軍軍人、教育者。日本帝国の乃木希典(1849年 - 1912年)は、決して栄誉を誇って驕ることはありませんでした。天皇崩御のあとの夫妻の自決は文豪からの非難はあるものの潔いことは日本に生きる倭人、秦時代の中国人の紀伊半島渡来説や天皇百済来血脈、出雲の国人や八咫烏族を含めて「和道」が培われてきたのでしょう。日本思想史には名誉を得るには自己よりも永年一世の御門への精神の拠り所が未だ現代にも健全であると想われます。



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最終更新日  2022年06月14日 06時04分19秒
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