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ある。当時駄菓子屋は我々にとっては憩いの場であり、社交性、そして人間の
醜さを体験できる、数少ない所であった。ところせましとおもちゃやお菓子が
乱雑に並べられた空間は我々のユートピアの世界が存在する。
「金魚や」別名「がめじじぃ」そう名前の通り「がめついじじぃ」の略語であり、我らが
与えた名誉ある称号である。ここのオヤジはがめついと子供どころか近所の主婦
までにも浸透している。なにせ当りくじが出ても素直に認めない。
以前、5円で1回くじを引いた。壁紙に昆虫の模型が1等から30等まで貼り付けてある。
もちろん1等は大きなカブトムシであり30等となれば虫眼鏡で見ないと解らないぐらい
お粗末なもので、今まで何回と挑戦したが25等以上のものがあたらない。25等と
言っても30等と大きさは変わらず、噛みきり虫が小金虫に変わっただけに過ぎない。
友達に聴いてもそれ以上当たった奴は見当たらない。
ところが引いたくじが1の数字を鮮明に刻印してある・・・しかも朱色で・・・
興奮の余り「1等や!」と叫ぶと横にいた仲間もくじを見て「おぉ~!」と驚嘆の声を出した。
ところがである。オヤジは苦虫をかみ殺した顔をしながら「あぁ~どれどれ・・・・」と
当りくじを取り上げ「え~1等か・・・・?」「1等かな・・・・?」「11等かなぁ・・?」
一人で当りくじをクシャクシャにしながら「わからんな~もう1回さしたるわ」その言葉に
のったのがやはり子供である。当時少しの知恵と交渉術があれば1等のカブトムシが手に入
ってた訳だが案の定、オヤジの策略に乗せられ26等の紋白蝶になってしまった。
一枚も二枚もオヤジが上であった。この悔しさは今思い出しても胸糞が悪くなる・・・。
こんな人間のずるさを経験できるのも駄菓子屋の一つのよさかも知れない。