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東京が選ばれた。判官びいきで福岡をなんとなく応援していた私はがっかりするよりも
少しばかりしらけた気分になる。何も2回も東京でする必要もあるまいし、地方の都市で開催
した方がよほど地域活性化につながり、経済効果をもたらす。
あれから東京オリンピックも40年以上経つ。当時、まだ道も主要道路しか舗装されず、一歩
裏道に入れば土のでこぼこ道。車もほとんど通らない。その道は我々の格好の遊び場だっ
た。ケンパ、ビー玉、ベッタン、など道のど真ん中で夢中になっても誰も邪魔する物が通らな
い。雨が降れば道は水溜りが出来、アイスバーを浮かべて他愛もない遊びをしたものである。
物はなくてもみんな幸せな顔をしていたものだ。まだ冷蔵庫や洗濯機などもなく、ほとんどの
家にもテレビはなかった。東京オリンピックを境に、テレビの購買が増えていく。高度経済成
長の時代に入るのだがその時代と共に日本人は経済的に潤い、金満民族になっていく。
ある日、小学校の児童を全員引き連れて近くの道路に連れてこられた。無理やり日の丸の
小旗が渡された。先生が少々興奮気味に「力一杯、振るように!」道路は老若男女、人、人、
人で溢れかえっている。皆、嬉しそうな顔をしている。口数もやたらと多い。われ等チビッ子は
最前列に並び、日の丸の小旗で友達とこずい合いのまっ最中、日の丸の小旗も半分破れ
状態のとき、「来た来た!来たぞ~!!」その声と共に歓声が怒号の様に変化した。
北の方向から白煙が見えてきた。「あれが聖火ランナーか・・・」と幼い我々にも充分理解する
事が出来た。数十台の白バイとパトカーが物々しく先導しており、10名程度のランニン姿のラ
ンナー達が二列に並んで、まるで大名行列の様。顔はみんな誇りに満ちている。単純なもので
先生に言われたとおり、小旗が折れるぐらい必死で振っている目の前を凛々しく走っていく姿
と、足音は今でも鮮明に覚えている。
数日後、秋晴れの中、第18回東京オリンピックが開催された。