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CAROLが来ると笑いあり、
CAROLが来ると楽しいぞ~
CAROLが来ると福がくる!

兎にも角にもなんと人の出入りの多い家であった。母に人徳が有るのは有難いことだ
が正直、回りの人間には迷惑な事が多い。家が狭いせいか客人が上がりも擦れはおちお
ちとだらけた姿を見せることも出来ないし、下着姿でウロウロする事も出来ない。作りたく
ない笑顔も作らなくてはならないのだ。叔父の嫁が帰ったと思いきや今度は近所の奥様
の登場である。当時50歳ぐらいか、いつも和服を着こなしており、子供の目に写るその姿
はいつも上品で美しかった。何故か来ると私を見つけては両手で優しく抱いてくれる。少し
幼心に照れ臭さはあったもののあの奥さんの上品な着物の匂いは脳裏にこびり付いてい
るのだ。ただこの奥さん、家庭に悩みがあったのかいつも旦那と娘の愚痴ばかりなのだ。
上品な口調が段々と汚くなり美しい顔もやがて高潮しついに身振り手振りを入れる始末で
ある。そして最後にはテーブルをたたき出す。非が全くない私の意見の正当性を改めて認
めて欲しいのだろう。人の悪口を言ったことが無い母も内心へきへきしていたと思う。いつ
もなだめては二人で一緒に買い物に出かけていった。経緯のはっきりとした事は解らない
がどうやらその奥さんは二号さんだったようで、旦那は前妻と別れ、娘を引き取り再婚し
たらしい。娘もなつかない。当たり前のことである。いろんな事情があるにせよ苦労を覚悟
で奪略婚したのだからその罪は限りなく大きいのである。しかも当時はこんな浮ついた話
は一杯あった。近所に住む親戚のオヤジは平気で愛人を連れ、なんと法事にやって来た
し、並びのお菓子やの奥さんはどうやら近くのアパートに住む若いツバメと仲が良いと噂
になっていた。もっともショックだったのは近所に住む幼なじみの悪友のお母さんが若い
男と駆け落ちしてしまった事である。乱れて嘆いている昨今とて昔と同じである。倫理観
など少しも変わっていないのだ。悪友の父親が家に来て母の前で大粒の涙を流しながら
泣いていた姿が目に浮かぶ。男に悔し涙を流させる女は罪である。