《櫻井ジャーナル》

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2011.05.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 国際人権理事会の理事国を決める投票が5月20日に予定されている。現在、アジア地区の候補としてリストアップされているのは4カ国。つまり、インド、インドネシア、フィリピン、そしてシリアだ。この シリアをクウェートと入れ替えようと 「西側」は画策している。

 シリアを外すべきだとする理由は、現在の国内情勢にある。「民主化運動」を暴力的に弾圧している国は人権理事会の理事国にふさわしくないということである。確かに一理あるのだが、 シリアの反政府派をアメリカ政府が支援してきた ことは米国務省の外交文書でも明らかになっている。シリアの場合、民主化運動の弾圧と言うよりも、内戦に近い状態だと言える。

 それでも現在のシリアが人権理事会の理事国として問題があることは否定できないのだが、その代わりがクウェートだというのはブラック・ジョークとした言いようがない。クウェートでは政党が禁止され、議会が機能しているとは言い難い。つまりサバーハ家による独裁国家なのであり、人権理事会の理事国としてふさわしいとは言えない。

 クウェートといえば、1990年8月にイラクが軍事侵攻した国だと記憶している人も少なくないだろう。その遠因は石油相場の下落にあった。クウェートやアラブ首長国連邦は過剰生産しているとイラクは考え、不満を抱いていたのである。

 この年の7月、エジプトとサウジアラビアの仲介により、イラクとクウェートは直接交渉を行うことになり、その間にイラクは軍事行動にでないことで合意していた。その頃、米大使はサダム・フセインに対し、アラブ諸国間の問題に口を出さないと発言している。

 ところが、クウェートの代表団は突然、話し合いの席を立ってしまう。怒ったイラクはクェートへ軍事侵攻するのだが、その際にアメリカ政府はサウジアラビア政府に対し、クウェートにいるイラク軍がサウジアラビアを攻撃するという偽情報を信じ込ませ、アメリカ軍がサウジアラビアに展開することを許可させた。この決定が後の中東情勢に大きな影響を与えることになる。

 イラク軍がクウェートへ侵攻した2カ月後、「ナイラ」と名乗る少女が米下院人権執行委員会に登場、クウェートに侵攻したイラク兵は病院の保育器に入れられていた赤ん坊数百人を連れ出して殺したと証言し、反イラク感情を煽ることに成功した。

 ところが、この少女の証言はウソだった。アメリカ駐在クウェート大使サウド・ナシール・アルサバーの娘である彼女がイラク軍に侵攻されたクウェートの様子を目撃しているはずはなかったのである。

 反イラク感情を広めた上で、1991年にアメリカ軍はイラクへ軍事侵攻し、多くの死傷者を出すが、その際にアメリカ軍は劣化ウラン弾を使用(公式な数字でも約300トン)、深刻な放射線障害を引き起こしていると言われている。





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最終更新日  2011.05.11 16:46:06


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