《櫻井ジャーナル》

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2011.12.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ムアンマル・アル・カダフィ体制が崩壊したことを受け、リビアでは42年ぶりに「 独立記念日 」が祝われたようだが、その一方でイギリスを中心とするNATO軍や地上の反カダフィ軍による戦争犯罪的な行為が問題にされている。

 もっとも、アフガニスタンやイラクでも欧米の占領軍は非武装の住民を殺戮している。リビアだけ例外だとは考えにくいわけで、NATO軍の空爆で住民に被害が出ていても不思議ではない。

 NATO軍による住民殺害の問題については アムネスティ・インターナショナル が夏頃に調査を要求、その前に ヒューマン・ライツ・ウォッチ は反カダフィ軍がカダフィ派とも見られる人びとを不適切な手段で拘束していると批判している。

 カダフィ派をどのように扱っているかが問題になっているだけではない。 サハラ以南から労働者 として移民してきた人々を反カダフィ派は片っ端から拘束したようで、この点も非難されている。こうした移民が大半を占めていた タワルガではNATO軍/反カダフィ軍の攻撃を受けた後、住民が消えてしまった 。「民族浄化」の一環だとも言われている。一部は処刑された疑いがある。

 リビアへの軍事侵攻でNATO軍は基本的に空爆を担当、地上部隊はアル・カイダ系の武装集団、 LIFG (リビア・イスラム戦闘団)が中心的な役割を果たした。この集団は アメリカ政府も「テロリスト」だとしている 。つまり、自分たちがテロリストだと思っている集団と手を組んだということだ。内乱の当初、カダフィは反政府派とアル・カイダを結びつける発言をしていたが、本当だったのである。

 リビアの内乱を「独裁者と民主化勢力の戦い」だとして描くことは根本的に間違っているということでもある。その背景にはリビア自体の資源だけでなく、カダフィ政権が推進していたアフリカの自立も絡んでいることは本ブログで何度も書いている。

 こうしたリビアの状況を調査するべきだと国連で発言しているのがロシアのビタリー・チュルキン国連大使。そうした要求をするひとつの根拠とされているのが ニューヨーク・タイムズ紙の記事 だ。

 これに対し、アメリカのスーザン・ライス大使は強く反発、NATOの成功に泥を塗ろうとするスタンド・プレーだと主張し、 ロシアと激しく対立 することになった。ライス大使に言わせると、アムネスティ・インターナショナルもヒューマン・ライツ・ウォッチも欧米のメディアもNATOの成功をねたんでいるということになるのだろう。

 ところで、12月24日を独立記念日とするということは、1951年12月24日の「独立」を肯定するということである。この日、国連の決議に基づいて「王国」として独立、カルト色の濃いサヌーシ教団なる宗派を率いていたイドリス・ア・サヌーシがイドリス1世として国王の座についている。この人物を国王に選んだのは事実上、アメリカとイギリスである。





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最終更新日  2011.12.25 15:07:45


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