《櫻井ジャーナル》

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2011.12.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ホルムズ海峡周辺の海域で イラン海軍は軍事演習「ベラヤト90」を12月24日から10日間の予定で始めた 。イランに対する攻撃があったなら、湾岸の石油をタンカーで運び出すことはできなくなると「西側」に警告しているのだという見方がある。事前にロスタム・カセミ石油相が述べていたように、演習の一環で海峡を封鎖はしていないようだが、軍事的な緊張が高まったときに封鎖する能力があることは示している。

 イランは自らが軍事演習を行うだけでなく、イラク軍との連携を図っている。アメリカ正規軍の撤退をハッサン・フィロウザバディ参謀長は祝福、イラクとイランの軍事的なつながりを強める意向も示している。

 こうした連携を目指す動きはイラク側にも見られる。11月中旬にはイラク軍のババケル・ゼバーリ参謀長がイランを訪問、やはり両国の連携に言及している。アル・カイダなど国内に不安定要因が残っているため、イランの協力が必要だと語り、イラン側もこの提案を歓迎したのだという。湾岸の独裁産油国にとっては大きなプレッシャーだ。

 現在、イラクの体制はイランと同じようにシーア派が主導権を握っている。破壊活動へ関与した疑いがるという理由で、12月に入ってから イラクではタレク・アル・ハシェミ副大統領に対する逮捕状が発行された 。ハシェミはクルド人が支配する地域に逃げ込み、まだ逮捕されていないようだ。

 ハシェミは容疑を否認、湾岸諸国が主導権を握っているアラブ連盟の介入を求めているが、ノウリ・マリキ首相はイラク国内の刑事事件だとして要求に応じていない。

 現在のイラク体制で主導権を握っているのがイランと同じシーア派で、ハシェミ副大統領はスンニ派。イラクの北西部、シリアに近い地域はスンニ派が多く住んでいる。この地域でスンニ派の自治が認められる事態をマリキ首相は懸念しているとも言われている。

 現在、NATOがシリアに軍事介入を始めていることは本ブログで何度も指摘してきたこと。その最前線にたっているのがトルコだ。「平和的抵抗運動」をシリア軍が弾圧しているという反政府派のストーリーを「西側」のマスコミは垂れ流しているが、トルコを拠点とする武装勢力の越境攻撃にシリア軍が反撃しているのが実態のようだ。

 もし、NATOの作戦が成功してシリアの現体制が倒れ、スンニ派の政権が成立した場合、シリアとイラク北西部が一緒になることも考えられる。そこでイラク政府は警戒しているわけである。





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最終更新日  2011.12.27 15:06:05


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