《櫻井ジャーナル》

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2013.01.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ガザでファタハが集会 を開き、数万人が参加したという。現在、ガザを統治しているハマスはイスラム同胞団系で、民族派とは敵対関係にある。マフムード・アッバース大統領のパレスチナ自治政府とも対立している。にもかかわらず、集会が開かれた背景にはアメリカ、イスラエル、そしてサウジアラビアの意向が働いている可能性が高い。

 調査ジャーナリストの シーモア・ハーシュが2007年に書いた記事 によると、その時点でアメリカ、イスラエル、サウジアラビアは協力関係にあり、(1) イランを脅威だと認識し、(2) パレスチナで影響力を持つハマスとファタハ(パレスチナ祖国解放運動。パレスチナ自治政府の中心)との話し合いを促進してイスラエルへの敵対的姿勢を弱め、(3) シーア派の勢力拡大を防ぐためにブッシュ・ジュニア政権はスンニ派の国々と行動を共にし、(4) シリアのバシャール・アル・アサド体制を弱体化させるためにサウジアラビアが資金や物資の援助を行うということを決めていたという。

 実際、この3国はイランを敵視、スンニ派の多い湾岸産油国とトルコと手を組み、シリアの体制転覆を目指してサウジアラビアが傭兵を雇い、武器を提供している。あとはハマスとファタハの話し合いを促進してイスラエルへの敵対的な姿勢を弱めるだけ。ガザでの大規模な集会は、NATOや湾岸産油国によるシリア攻撃が最終段階に入りつつあることを示しているのかもしれない。

ヨルダンではイスラエル政府とシリアの反政府派が話し合い を続け、アメリカ、ヨルダン、イスラエルの特殊部隊と反シリア政府軍がシリア政府軍と衝突しているともいう。これまでの 報道 ウィキリークス の情報によると、イギリス、アメリカ、フランス、ヨルダン、トルコ、カタールといった国の特殊部隊がシリアに潜入して活動している可能性があり、戦闘のないほうが不思議だ。

 こうした中、NATOはトルコに「愛国者ミサイル」システムを配備しつつある。この地対空ミサイルは「ミサイル防衛」としてなら無力だが、160キロメートル圏内の航空機を攻撃する能力はあり、NATO側がどのように弁明しようとも、反シリア政府軍を支援することが目的だと見る人は多い。

 NATOの地対空ミサイルの配備に対抗し、ロシアは 地対地ミサイルの「イスカンダル」 (NATOは「SS-26ストーン」と呼んでいる)をシリアへ運び込んだという情報が流れている。配備されるのは合計24システムで、トルコのほか、ヨルダンとイスラエルに向けられるという。また、数百名の海兵隊員を乗せた ロシアの上陸艦5隻 を新たに地中海の東部へ派遣したと伝えられ、NATOの動きを牽制するのが目的だと推測する人もいる。

 地中海東部の天然ガスが目的なのか、「大イスラエル構想」が目標なのか、あるいは別の理由があるのかはわからないが、中東/北アフリカが軍事的に緊迫していることは間違いない。「アラブの春」などという脳天気なシナリオに浸っている場合ではない。

 軍事的な緊張の出発点は1990年代の初頭にホワイトハウスのネオコンが描いた世界制覇の青写真。具体的な 攻撃目標 は2001年秋に作成されたリストに記載されている国々、つまりイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダン。シリアは現在進行形であり、次はイランということになる。

 そして、ネオコンは最も警戒している地域である東アジアの破壊を目論んでいる。日本と中国を共倒れにさせようと考えているようだ。





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最終更新日  2013.01.07 04:22:59


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