《櫻井ジャーナル》

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2013.07.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカでは 5人のおとなのうち、人生のどの時点かで、4人が失業、貧困の瀬戸際、あるいは生活保護を受けるような状況に追い詰められる という。ワシントン大学のマーク・ランク教授の調査に基づく数字だ。「1%」と「99%」という表現がよく使われるが、決して大げさではない。アメリカの悪夢が始まっている。

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 1933年にアメリカ大統領となったフランクリン・ルーズベルトはニューディール政策を掲げ、巨大企業の活動を規制して労働者の権利を認めようとしていたが、彼を中心とするグループは彼が1945年4月に急死してから急速に力を失い、大企業を拘束していた規制は緩和され、労働者は権利を奪われていく。その最終段階が「新自由主義経済」であり、総仕上げがTPP。

 この「理論」に基づく政策は基本的に富を一部に集中させることになり、「カネ余り」と貧困化を同時に推進する。「弱者にも配慮を」などというコメントも見かけるが、脳天気にもほどがある。

 昔から日本では「カネは三欠くに溜まる」とか、「金持と灰吹(はいふき)は溜るほど汚い」と言われる。「三欠く」とは、義理、人情、交際の三つをおろそかにするということで、そうしないとカネは溜まらないものだというわけだ。ちなみに、この「義理」は物事の正しい道筋、守るべき道理といった意味。

 実際、世界の富豪を見ると、過去にろくなことはしていない。19世紀のアメリカには不公正な手段で先住民や国民の財産を手に入れ、巨万の富を築いた「泥棒男爵」がいたが、その前、11世紀には「十字軍」という強盗団を編成して中東や北アフリカを荒らし回りはじめ、富と知識を盗んでいる。これがなければルネッサンスもなかっただろう。

 16世紀にはエルナン・コルテスが武力でアステカ王国(現在のメキシコ周辺)を滅ぼして莫大な金銀を奪い、インカ帝国(現在のペルー周辺)ではフランシスコ・ピサロが金、銀、エメラルドなどを略奪しながら侵略を続けた。南米ボリビアのポトシ銀山で採掘された銀はヨーロッパへ持ち去られ、一部の人間に巨万の富をもたらした。そのほか、アフリカの資源を奪い、インドや中国を侵略した。

 アメリカ海兵隊のスメドリー・バトラー少将は戦争を犯罪行為、ようするに押し込み強盗に例えたが、まさにその通り。最近、戦争は国の資産を巨大企業へ流すポンプでもある。





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最終更新日  2013.07.30 04:59:15


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