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原題: I SAW THE DEVIL監督: キム・ジウン 出演: イ・ビョンホン 、チェ・ミンシク 、オ・サナ 、チョン・グックァン 、チョン・ホジン公式サイトはこちら。冒頭の不気味さ、先の展開が読めてしまいますが、そう分かってはいても、ギョンチョルの残虐さ、異常さは伝わってきます。これが悪魔か、ということ。対して、悪魔を追いかけるスヒョン。婚約者を殺され、復讐に燃える・・・という設定で、それなりにクールには演じてはいるのだけど、ギョンチョルの異様さに対抗できるまでには、彼のキャラクターは作り上げられてはいなかったようにも感じる。それは、「悪魔になるかどうかの迷い」という部分に左右されたが故に、幾分抑え気味の人物設定になったのかもしれませんが。ギョンチョルを追いこんでいく、そして完全に果たしたと思っていたところに抜けがあったという設定ですが、ここが何となく辻褄が合わないような感じもしてしまいまして。(韓国の警察が、またしてもあんまり有能には描かれてはいない様子だったっていうのも影響しているかも)最後の最後は、スヒョンが考え抜いたトリックということで、ここは見ていて納得はできる。 最後もスヒョン自身は考えが揺れていて、そして「悪魔になった」後でさえも、そのことを問いかけているのでしょうか。その表情を見る作品です。ただし全体的にはやっぱりグロい。 ですが、この作品のようにただの自己満足っぽく終わったグロさではなく、そこには犯罪者に対しての警鐘も盛り込まれているので、自分としては圧倒的にこちらの方に共感できました。★★★☆ 3.5/5点
2011.03.05
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原題: HARMONY監督: カン・テギュ出演: キム・ユンジン 、ナ・ムニ 、カン・イェウォン 、チョン・スヨン 、パク・ジュンミョン試写会場: スペースFS汐留公式サイトはこちら。まずこれを観る前に思い浮かべていたのが、『私たちの幸せな時間』です。韓国の刑務所ものそして死刑囚を描く映画ですから。同じく死刑囚でも、日本の死刑ものは、『休暇』とか、『TOKYO!』(レオス・カラックス監督「メルド」)ですね。それらもまたどこまでが真実で、どの辺が脚色なのかが不明ですが、照らし合わせる限りでは、この『ハーモニー』、ずいぶんと韓国映画らしくなってしまっているように思えるんですよね。韓国の刑務所のしくみがわからないので何とも言えませんけど、一般の囚人と死刑囚が一緒に過ごしている、ということで、この映画にもいろいろなドラマが生まれてきます。(日本では確か別ではなかったかな?)そのドラマですが、前半はかなりユーモラスに描かれてたのはいいんですが、刑務所の中でそれはさすがにしないでしょう・・・? というエピソードも多くて。それ本当にしてもいいんだったら、韓国の刑務所はすごい! と思いますね。まず、18か月まで子育てができるということがすごいです。日本だとどうなんだろう? 雑居房に同居する人たちと一緒に、子どもが寝泊まりすることってあるんでしょうか。ここは知識がないのでわからないのですけど。『私たちの幸せな時間』で、韓国の囚人服についての知識が少しあったため、予告で誰がどういう状況なのかが少しわかってしまったし、そして結末もその予想通りになってました。ミヌに対して愛情を持つ、そして18か月が終了した後の展開も大体予想を大きく外れることはなかったです。最後のムノクのシーンなども、あの送り出し方は実際あるのでしょうか。そこは伺ってみたいです。事実だとしてもとても驚きますよね。試写会後のアンケートで、「どのくらい泣きましたか?」という質問があったわけなのですけど、で、確かに場内泣いている方も多かったんですが f^^; 、泣くよ、泣くよ、 なんて言われると結構引くタイプの自分としては、いろーんな場面で疑問点が生じてしまって、????だったせいか、あんまり泣けなかったです。。。 ごめんなさいですがー。かなりこれは、「映画」を意識した作りになっているため、リアルでいろいろと質問が出てしまうともう、話に入り込めなくなっちゃうかもしれません。まあ、それでも、ミヌの可愛らしさとか、合唱団のコミカルな雰囲気とか、ジョンヘの猪突猛進さとか、ムノクのひたむきさなどはよかったんですけどね・・・。あ、それと、一番印象に残ったのは、パン課長!彼女なかなかよかったです(笑)今日の評価 : ★★☆ 2.5/5点
2011.01.17
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原題: SECRET COUPLE/7 GRADE AGENT監督: シン・テラ 出演: キム・ハヌル 、カン・ジファン 、チャン・ヨンナム 、リュ・スンリョン 、カン・シニル鑑賞劇場 : シネマート六本木公式サイトはこちら。<Story>国家情報院海外部に務める特殊要員のベテランスパイのアン・スジ(キム・ハヌル)。身分を明かせない仕事のため、普段は旅行会社のガイドを装っている。恋人のジェジュン(カン・ジファン)にフラれて以来、スジは仕事にまい進し、ミッション成功率100%を誇っていた。そんなある日、任務中にスジは国際会計士になったというジェジュンと3年ぶりに再会する。ある産業スパイを追っている時に必ず現れるジェジュンを、組織側の人間なのではないかと疑うスジだが…。7級公務員?-?goo?映画<感想>実はキム・ハヌルって好きなんです。前に「Happy Together」も見てましたし、あとは『彼女を信じないでください』、『氷雨』も観てます。コメディもシリアスも両方できる、花のある女優さんって感じですよね。これ、シネマートでしか上映がなかったので行って来ました。こういう、男女ペアでアクションとかスパイものの映画が最近多かったので、それと比べるとどうしても「お笑い」というか、チープになっちゃうんですよね。ありえなーい! なことの連続ではあるのですが・・・。どこかズッコケた感じがちょっと違和感あったかもしれません。主役2名のシーンというか、サービス映像はたっぷりありまして、その分長くなりましたかね。。。キム・ハヌルはさすがスタイルいいですね。ウエディングドレスのシーンなどは見せ場でしょう。ロマンティック・コメディってこんな感じなんでしょうかね? アメリカ&ヨーロッパとはまた違う、韓国ならではの展開を楽しむ作品です。今日の評価 : ★★☆ 2.5/5点
2010.12.22
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原題: A BRAND NEW LIFE監督・脚本 : ウニー・ルコント出演 : キム・セロン 、 パク・ドヨン 、 コ・アソン 、 パク・ミョンシン 、 ソル・ギョング鑑賞劇場 : 岩波ホール公式サイトはこちら。<Story>1975年、ソウル近郊。9歳のジニ(キム・セロン)は状況もわからないまま父親に連れられて、カトリックの児童養護施設に預けられる。父(ソル・ギョング)のもとに帰りたいと願うジニは、院内の人々に反発を繰り返し、脱走も試みる。そんなジニを気にかけるのは年上のスッキ(パク・ドヨン)だった。2人は庭で傷ついた小鳥の世話を始める。スッキはアメリカや遠い国への憧れをジニに語り、一緒に外国へ行こうと誘う。かたくなだったジニの心も、少しずつ和らいでいくが…。冬の小鳥?-?goo?映画<感想>前売り券を持っていたのに、いろいろと忙しく、岩波ホールはロングランだからいつでも行ける・・・ と思っていたらもう終わりなんですね。慌てて駆け込み鑑賞です。これはほぼウニー・ルコント監督の自伝のようです。監督自身がこの体験をして、実際に渡仏しています。そこで幸せになれたから、今があるし、この映画を作ることにもなったのでしょうね。この作品の1番の魅力は何と言っても主演のキム・セロンちゃん。撮影開始2週間前に決まった主役の彼女、他メディアで演技はしているものの、映画は本作が初めて。黙っていても、どこか周りを惹きつける存在感は抜群でした。そして透明感があるんですね。2000年生まれだから現在10歳ですが、幼いながらにも自分の立ち位置をよくわかっている、勘のいい子役さん。成長したら韓国美人のいいところを取った感じの顔立ちになりそうです。親に捨てられる子は韓国では多いのかどうかわかりませんが、キリスト教が根付いている国ですから、日本よりは養子制度がしっかりしているのかもしれません。児童養護施設というと、日本では施設内の虐待やいじめといったマイナスイメージが大きいですが、この映画の中の施設では、事情があって養育できない家庭が、子どもを連れてきて、しかるべき人のところに貰われて幸せになってほしいという目的があって、運営されているような気がします。それでも親に捨てられるということはもちろん大変な衝撃で、ジニもそのことに絶望していきます。こんなことを子どもが感じないといけないのは観ていて辛い。ようやくその環境をジニが受け入れようと思えたのは、やはりスッキのせいでしょう。ですけど、人は自分が幸せになりたいという気持ちが根底にあり、それが人の幸せを願う気持ちよりもどうしても優先になる。そうして裏切られてきたジニだから、父を恋しいと思いながら生きてきたけど、スッキとの出来事や、寮母さんの様子などを垣間見て、自分の心をいったん「葬り去った」のかもしれません。あの儀式によって、彼女はそれまでの優しいだけの自分に区切りをつけて、自分がどっちに行かないといけないのかを悟ったのでしょう。施設から去っていく時に、残る人たちが歌う歌。あの歌を歌っている時のみんなの胸中には一体何があるのでしょうか。ただ単に、別れを惜しんではいなさそうです。歌詞とは全く裏腹に、心にもないことを考えている子もいるだろうし、去っていく方は去っていく方で、名残惜しいなどとはこれっぽっちも思わないでしょう。その門を出て、どんな人生が待っているかはそれぞれですが、幸せになれたからこそ、こうして振り返ることができるのではないでしょうか。ルコント監督は、自伝でこれだけ出しきってしまった分、次回作はどうなるのでしょう。 と思わなくもないですが、それほど何もかもが自然だったように思いました。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.11.30
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原題: 苔/MOSS監督 : カン・ウソク原作 : ユン・テホ脚本 : チョン・ジウ出演 : パク・ヘイル 、 チョン・ジェヨン 、 ユ・ジュンサン 、 ユ・ヘジン 、 ユ・ソン 、 キム・サンホ 、 キム・ジュンベ 、 ホ・ジュノ公式サイトはこちら。<Story>長年、音信不通だった父(ホ・ジュノ)の死の知らせを受けて、ヘグク(パク・ヘイル)は山奥の村へとやって来た。突然のヘグクの登場に、村人たちは困惑を隠せない。死因が不明な事に納得できないヘグクはしばらく村にいる事にする。やがて、父所有の土地の名義が書き換えられ、財産も全額が引き出されている事を知る。秘密を探っていくヘグクだが、次々に事件が起き、死人が出ていく。そして30年前に起きたある事件に、父や村長(チョン・ジェヨン)が深く関わっていたことを知る。黒く濁る村?-?goo?映画<感想>これすごく楽しみにしてました。パク・ヘイルくんは『10億』で初めて見て、いい役者さんだと思ったし(彼いろいろ出てるんですね。今度観てみよう)、ホ・ジュノも「オールイン」以来の好きな役者さんだし。そしてチョン・ジェヨンも『トンマッコルへようこそ』以来かな? 変装がすごそうだったし。10月の東京国際映画祭で観たかったんですが、この日は行けなくて。 なので一般公開は絶対に行こう!って思っていました。原作は漫画なんですね。職場に韓国の方がいるので、ネットからマンガを見せてもらったんだけど、この画像も凄いよ(笑)韓国では、漫画と言えば、web漫画が一般的だそうです。 日本のようなコミックの単行本はあまり売れないんだとか。 これには驚きました。 ネットが発達している韓国ならではですね。とにかく凄味があるんですよね。人物たちの風貌も、ストーリーも。「八つ墓村」を思い出してしまったわ。。。1人1人のトラウマや罪が明らかにされて、それ相応の報いを受けていく。 そのシーンがまたお化けやしきみたいで緊迫感あるんだよね。人間の欲望というか、支配欲には限りがない。自分よりも優れた人間をつぶして、自分がのし上がりたい、影響力を広げたいという欲望ってキリがないなと。他人の弱みを握って支配し、コントロールして、逃げ出せないようにするのは、今で言うならモラハラですよね。そこから自分を取り戻す作業も勇気がいるけど、自分の命と引き換えだったから。 でもあれだけ悪いことしてたら同情もできないけど。あの村の人間はほんと気持ち悪かったな。。。そして、「これは私の戦い」と言いきったあの人の、最後の最後に投げかける目線ですよね。これにはやられました。最後はほんわかと、お茶を濁して終わるのかと思ったら。。。職場の韓国の方もこの映画は鑑賞済みで、「この場面ってどう思う?」って訊いたら、「あれは、自分を支配していた人に取って代わって、自分が支配者になりたかった、そのために工作したことなんじゃないか」とのご意見でした。そうだねえ・・・結局人間はその程度のものだし、歴史だってそういう事実がある。恐ろしいけどどうしようもなく引き込まれてしまった作品でした。パク・ヘイルくんの、始めは恐る恐るだけど、父に対して行った罪は絶対に許さない青年の姿。チョン・ジェヨンの鬼気迫る変装。 剃髪した変装も迫力あったし。腰ぎんちゃくの3名の異様さも、らしかったし。そしてユソンですよね。 やってくれました。これ今年の韓国映画じゃ自分は一番かも。今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2010.11.24
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原題: SECRET REUNION監督・脚本 : チャン・フン原作 : チャン・ミンソク脚本 : キム・ジュホ 、 チェ・クァンヨン出演 : ソン・ガンホ 、 カン・ドンウォン 、 チョン・グックァン 、 パク・ヒョックォン 、 チェ・ジョンウ公式サイトはこちら。<Story>ソウル市内で起きた、北朝鮮工作員との銃撃事件で犯人を取り逃がした責任を問われ、国家情報員のイ・ハンギュ(ソン・ガンホ)は免職を余儀なくされる。それから6年、逃げた妻や外国人妻を捜す探偵まがいの家業で食いつないでいた彼は、工事現場で韓国に潜入していた工作員のジウォン(カン・ドンウォン)に偶然出くわす。ジウォンはこの6年間、パク・ギジュンという偽名を使って潜伏生活を送っていた…。義兄弟~SECRET REUNION?-?goo?映画<感想>奇しくも今、朝鮮半島が緊張状態にある中、この映画の公開なんだなあ・・・と、感慨深かった。朝鮮戦争は終結ではなく、「休止状態」な訳ですから。もっとも、北の工作員の話だったら『シュリ』みたいなほうがたぶんリアルなんでしょうけど。(本作は非情に殺す部場面はありますが、それ以上の細かい裏指示みたいなのはあまり出てきませんから)実際はもっと水面下で動くだろうし(あれじゃ見つかるって)、残酷なもんなんじゃないかな?そうではなくて、これは主演2名の交流を見る映画ですよね。まあ実際は、このシチュエーションはあり得ないんですよね・・・たぶん。そうなる前にどっちかが死んでないとおかしいです(笑)それをさせなかったのは、もしかしたらファンサービス?かもしれませんし、そこのあたりは分からないけど、あれだけ緊迫感あるファイトシーンだったなら、ラストはああいう風にするべきじゃなかった感じがします。あくまでも、リアル感を貫いて欲しかったんですけどねえ・・・。2人とも好きな俳優さんだし、何だかこれだけ揃えたのにもったいない感じでした。今日の評価 : ★★☆ 2.5/5点
2010.11.24
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原題: TAKE OFF監督 : キム・ヨンファ 字幕監修 : いとうせいこう 出演 : ハ・ジョンウ 、 ソン・ドンイル 、 キム・ドンウク 、 キム・ジソク 、 チェ・ジェファン 、 イ・ジェウン 鑑賞劇場 : シネマート六本木公式サイトはこちら。<Story>1990年代の韓国。冬季オリンピック誘致のためスキージャンプ競技の代表チームが急遽結成される事になり、地方都市ムジュで国家代表チームが結成される。コーチに任命されたスキー教室の講師パン(ソン・ドンイル)は早速選手集めを開始するが、ジャンプ競技が盛んではない韓国に良い選手がいるはずがない。まず白羽の矢を立てたのは、幼いころ養子としてアメリカに渡り、実母を捜しに来たボブ(ハ・ジョンウ)。次に薬物使用でメダルを剥奪された元スキー選手フンチョル(キム・ドンウク)をスカウトする。国家代表!? - goo 映画<感想>シネコンでの上映がどんどん終わってしまい、シネマートだけになってしまいました。ハ・ジョンウくん好きなんで、もっと早く行きたかったけど。。。ミッドタウンのライブの前に鑑賞しました。もともとオリンピック、それもどっちかというと冬季オリンピックが大好きなので、一体どんな映画? ってことで興味津々でした。懐かしいですよねー、長野オリンピック。子どもが小さかったので、あのころはあんまり外に出れなかったな。(今じゃ嘘みたいだけどw)日本勢も大活躍だったし、観ていて楽しかったんですけど、本作には、そういう日本勢の活躍は一切出てきません(笑)一体どこへ行ったのやら・・・各国の選手も出てきますけど、たぶんみんな架空の名前で、日本の選手は確か「Etoy」→ えとい(いといしげさとみたいだった)、とか書かれてて(笑)、こういういい加減なところが韓国映画っぽくて面白い~しかしながら上映時間146分は少々長いかも。前半がちょっとテンポがもたっとしてるんですよね。実際に韓国のスキージャンプ競技のことを参考にはしているけど、個人個人の選手のことは全くのフィクションなので、それぞれのバックグラウンドを説明しています。いいんだけど長いのよね。2時間くらいで作った方がよかったかな。韓国では子どもを海外に養子に出すことはよくあるのでしょうか? この話の背景になっていますが、ここから韓国人としてのアイデンティティを確認するという運びになっています。そしてここに出てくる5人の選手+コーチのそれぞれの生き方も織り交ぜちゃってます。設定としてはほんとにあり得ない(子どもスキー教室のコーチが、ナショナルチームのコーチになることはまずないよ)し、選手の集め方とか、本当にツッコミどころだらけなんですけどね。上に書いた、養子の件でも、そんなことあるかいな・・・というべきご都合の良さがありますね。。まあ、細かいことは気にしない、笑ってもらえれば。 くらいなノリなんだとは思いますけど。競技シーンも、リアルな長野五輪の選手の設定は一切出さずに、あくまでもこの映画の設定での韓国のスキージャンプ競技の様子を、実際の競技成績に当てはまるように設定しています。ジャンプ競技につきもののいろんなこと、例えば団体戦でも個人個人の成績の出し方が違ったり、風の影響を受ける、失速する、緊張する、大ジャンプ、K点越え、テレマーク、などなど、あああるある・・・という用語がいっぱい出てきて結構観てて楽しめますね。ここでたぶん失速するだろうなっていうところでちゃんと失敗させる脚本っていうのも、かなり笑えました。韓国のスキージャンプ競技の現状っていうか、そういうことも垣間見ることができました。何でも、韓国のスキージャンプ競技に登録している選手はたったの7人しかいないんだそうです(日本では500人くらいが登録しているそうです)。この競技人口の幅の狭さは深刻ですよね。長野五輪の時と、2009年現在の韓国ジャンプ選手の顔触れが同じという説明を読んで、「え?」って思いましたが、世代交代をしたくても、自分たちを入れてたったの7人じゃできないですし、下が育ってないから無理なんでしょうね。日本よりも韓国の方が、国家としてはスポーツに予算を取ってそうな気がするんですが、登録する人がいないのでしょうか・・・?このことについて、船木和喜さんが、「日本ではオリンピックで勝っても国からの報酬はなく、名誉のみだけ。外国は日本よりもずっとスポーツ選手育成に予算を取っている。国家としての取り組み方が違います」と言及していて、なるほどと思わせます。とまあ、映画を見ながらあれこれと考えたりしましたけど、難しいこと、ホンモノは置いといて、とりあえず観客を映画に乗っけちゃおう!という考え自体がもう、韓国映画だったり。そういう視点ではかなり面白かったです。音楽とかもウィンタースポーツに合ってましたし、競技映像なんかも3DやCGを駆使して工夫してました。今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.11.19
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原題: HAEUNDAE/TIDAL WAVE監督・脚本 : ユン・ジェギュン 出演 : ソル・ギョング 、 ハ・ジウォン 、 パク・ジュンフン 、 オム・ジョンファ 、 イ・ミンギ 、 カン・イェウォン 、 キム・イングォン 公式サイトはこちら。<Story>遠洋漁船に乗っていたマンシク(ソル・ギョング)は、事故と津波により、幼なじみのヨニ( ハ・ジウォン)の父を死なせてしまう。そのため、ヨニへの想いをなかなか打ち明けられずにいた。マンシクの弟で海洋救助隊員のヒョンシク(イ・ミンギ)は、海で溺れていた若い女性ヒミ(カン・イェウォン)を助ける。一方、地質学者のキム(パク・ジュンフン)は、日本海で連続して発生している地震から、やがて巨大な津波が韓国の沿岸を襲うことを予告。そして、とうとう“その日”がやってきた。TSUNAMI-ツナミ- - goo 映画<感想>イ・ミンギくんが出てますのでこれも必修科目です(笑)字幕版の公開は極端に少ないので困りますが、仕方がないので「<超>日本語吹替版」行って来ました。字幕で観たかったよねえ。。。はっきり言って、これを見てとても感動した! という訳ではなかったのですが(すみません)、本当に津波が襲来したら、こういうことが起こりうるんじゃないかという実践形式で教えてもらえる映画かなと。津波本体には飲まれなかったけど、その他のところで命を落とす人たちもたくさんいて、何故かそこがものすごくリアリティたっぷりに描かれています。津波が来たら、それに注意しないといけないのか!? などね。 よくわかります(笑)高層ビルが跡形もなくなくなるのに、残っているビルがあったりするのは、単に耐震強度の違いかしら?そのくらいのいい加減さで、丸めこまれた方が、この作品は楽しめるように思います。作りはいい加減なんだけど、終わってみると案外楽しめてました。韓国映画なので、当然のこととしてその「らしさ」は各所に出てまして、女性が烈火のごとく怒りだしたり、男性のセ○ハラまがいの発言があったり、指令を出すべき人間が詰めが甘かったり(笑)、観光地ならではの「馴れ合い」とか、そういうものは「あるものだ」と思って鑑賞する必要があります。そして、こういうディザスタームービーにつきものの、「いざという時に、判で押したように確認する、身近な人々への愛情」とか、主要人物は(全員ではありませんが)生きているとか、そういう部分は覚悟しましょう。個人的には、『仁寺洞(インサドン) スキャンダル~神の手を持つ男~』 に出てきたオム・ジョンファが、今回はまともなメイクだったのが笑えました。 あれはすごすぎたからね。。。ですが、このママのキャラは彼女に合っているようにも感じました。そして、イ・ミンギくん!彼カッコよかったな~。 自分の中での株が一気に上がってしまいました(笑)これで彼の作品は4本目の鑑賞ですが、これからも注目して行きたいと思います。**********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.09.27
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監督:イ=ソン・ヒイル出演:キム・ナムギル 、イ・ヨンフン 、キム・ドンウク韓流シネマ・フェスティバル2010 ~新しい風~ 公式サイトはこちら。<Story>孤児院を出て派遣として働く青年。派遣先企業の御曹司は彼に一目惚れし、猛烈なアタックを重ね、ふたりは恋に落ちるが、現実は彼らに容赦なかった・・・。韓国ではまだタブー視されている同性愛を繊細なタッチで描いたラブ・ストーリー。(韓流シネマ・フェスティバル2010 公式サイトより)<感想>韓流シネマ・フェスティバル2010の特別上映作品だったんですが、都合が合わず行けなかったんで、DVDで鑑賞しました。確か去年かな? L&G映画祭でもやってて気になってたんだよね。どっちも上映回数が少なくて。。。冒頭はほの暗い感じです。ここからどういう風に展開するのか? って思ってたんですが、意外と明るい方向に行ってしまった。これ、『チェイサー』風にサスペンスというか、不条理みたいなのを前面に出した方がよかったかも。もちろん出てはいるのですが。。。あそこまでの目に遭ったら間違いなく命なさそうに思えるのですが。そこまでするのなら、とことん行きつくところまで行っても、映画の雰囲気としてはいい感じだったんじゃないかなと。それにしてもみなさんイケメン揃い、BLを演じ切ったなと思います。イ・ヨンフンくんがやっぱりよかったなあ。抑えた感じで、報われない境遇を淡々と演じてました。でも、日本じゃこういう感じの企画は通らないかも。。。ここまでイケメンくん揃えられないような気がします。誰か作ってくれないかな?いつもBLだと、愛の描写が中心っぽい感じで、ハードボイルド調のBLってなかなかないだけに、期待したいです。********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.09.13
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監督&脚本:チョ・ミノ出演: パク・ヘイル 、パク・ヒスン 、シン・ミナ 、イ・ミンギ 、チョン・ユミ鑑賞劇場 : シネマート新宿韓流シネマ・フェスティバル2010 ~新しい風~ 公式サイトはこちら。<Story>優勝賞金10億ウォン――。正体不明のインターネット放送局ディレクター、チャン(パク・ヒスン)が主催する7日間のサバイバル・ゲームに、年齢も職業も異なる8人の男女が招待された。参加者たちはそのゲームの目的も知らされないまま、1日1名ずつが脱落するというルールの下、熾烈なゲームを開始。やがて彼らは、脱落者を平然と殺すチャンを目の当たりにし、これが生きるか死ぬかのサバイバル・ゲームであることを知るのだった......。 (韓流シネマフェスティバル公式サイトより)<感想>正直今回の韓フェスで自分のツボに来た作品があまりなかったので、どーかなあと思ってたんだけど。。。これ面白かったです。邦画でも最近こんな感じのが多いですよね。『カイジ』とか。 一攫千金、負けたら退場=死、みたいな。本作、どうしてこの人たちが集められたのかが最初うやむやになりそうだったんですが、それらは明らかになりますのでご安心を。ここで集められた人たちが、苦しめられていると言うのに、誰もそれを止めない。人が困っていても誰も助けない。 だったら、自分が困っているときに助けてもらわなくてもいいんだろうか? そうではないはず。 しかしながら、目の前に困っている人がいても、誰も手を差し伸べず、 傍観しているだけ。 殊勝なことなんていつでも言える。 では自分が実際に取っている行動は何だ? 見られる側になった時の絶望感は味わいたくない、だけど人のことは見ていたい。 自分を絶望させた人に同じ思いをさせたい。 自己憐憫のなれの果てというものは、苦々しさしか残さない。 ストーリーはツッコミどころがあるのですが、 それでも、緊迫感と、俳優の演技で見せた映画でした。 シン・ミナちゃんの成長の度合いがよくわかります。陰鬱な表情も似合ってきていますね。 そしてパク・ヘイルは初めてでしたが、いい俳優さんですね。 パク・ヒソンはイ・ビョンホンに似てるな。。。 10億円(この場合は10億ウォンですが)あげますと言われても、 疑ってかかった方が安全ということもよくわかります(笑) そうそういい話なんてないですから。。。 ************************************今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2010.09.11
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監督:アン・サンフン 出演:ソン・ユナ 、イ・ドンウク 、イ・ジョンス 、チュ・サンウク 、イム・ジュファン鑑賞劇場 : シネマート新宿韓流シネマ・フェスティバル2010 ~新しい風~ 公式サイトはこちら。<Story>停職処分から復帰したばかりの刑事ソヨン(ソン・ユナ)は、新米刑事ヒョンギ(イ・ドンウク)とコンビを組んで男性変死事件の捜査を担当することに。ところが、捜査を開始してすぐに、被害者の友人だったふたりの男性が同じような変死体で発見されてしまう。被害者たちのコンピュータに共通して"ミンジョン"という女性を紹介したホームページが映し出されていることに気付いたソヨンは、彼女の消息を辿っていくが......。<感想>1つ前の『浮気日和』は最後まで何となくみてしまったのですが、反動でその後のこの作品が睡魔が来てしまいました。画面が暗くて、目を凝らさないと見れないっていうのもあったかな。あとは、殺人のシーンが多かったので、一体誰が今殺されてるんだろうと、似た感じのシーンを観てるようでしたので。全体的にきちんと作ってある印象はありました。塩倉庫(そういうのがあるのですね)というのもちょっと不気味ちっくでなかなかホラー的要素ありましたし。「阿娘伝説」を元にしているそうです(殺された女性が、霊となって殺された真実を伝えようとする)。途中でもちょこちょこと伏線出たりしてまして、犯人はわかりすぎるくらいわかってしまいます。しかしながらよーく観ていくと、実は隠された真実があったりもして。。。ここはちょっと気の毒な部分です。それをうまく生かして作ってはあるのですが、何となく凄味に欠けてしまう印象。ここまでちゃんと作ってあるのですから、気迫のようなものがあったらなあと。 ラストまできちんと伏線張ってますからね。ただ、あのオルゴールはかなり耳に残りました。 怖いね(笑)ソン・ユナは、最近『シークレット』でも観ましたが、割と落ち付いた雰囲気がある女優さんですね。私はこういうタイプの女優さんが好きなので、これからもレベルの高い作品にどんどん出ていただきたいです。***********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.09.08
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監督&脚本:チャン・ムニル出演: キム・ヘス 、ユン・ジンソ 、イ・ジョンヒョク 、イ・ミンギ 、ファン・ジョンミン鑑賞劇場 : シネマート新宿韓流シネマ・フェスティバル2010 ~新しい風~ 公式サイトはこちら。<Story>陽気で勝ち気な性格のマダム、イスル(キム・ヘス)。たとえ夫の前であろうとも本性を見せないカマトト女のチャグンセ(ユン・ジンソ)。退屈な日常に刺激を求めるふたりは、それぞれ出会い系サイトで知り合った男性との秘密の逢瀬を重ねていた。そんなある日、大学教授であるイスルの夫が彼女の浮気現場に刑事と共に乗り込んできた! さらに彼女の浮気相手が、夫の教え子であったことから事態はますます収拾がつかなくなり......。 (韓流シネマ・フェスティバル2010公式サイトより)<感想>『ロマンチック・アイランド』の、イ・ミンギくんお目当てで行って来ました。どんなのかなーと思ったんですが。。。まあ、タイトルからして中身的には賛否分かれるだろうなと予想してました。こういう素材って、人間の本質みたいなのが出るから結構観ている分には面白いんですよね。去年、一昨年の自分的ランキングの1位は不倫系ですし(笑)ただし、この映画に出てくる人物たちにとっては、ポリシーってものが全く感じられなかったんですよね。イスルは日本でおなじみの、某熟女系モデルさんにとても似ててナイスバディだし、いかにも浮気しそうですといった感じ(笑)なのですが、いかんせん柄が悪い・・・。そして最後には何だかなあなあになるというのもねえ。男は奴隷! みたいな扱いで、しおらしさが全くないのが気になりました。韓国のコメディだからそんなものか?もう1人のチャグンセ、この方がもっともやもや感が強くて(笑)、私が男だったらもう二度とチャグンセには逢いませんよ(爆) だってあれじゃ意味ないでしょーーー。彼女は一体何なんだろ? 単に引きのばしたりぶりっこしたりする性格なんだろうなあ。今時なかなかいないタイプでした(笑)男は男でこれまた情けなさいっぱい(笑)なキャラでしたね。イ・ミンギくんも、おねえさんたちに押され気味でしたしwもう1人の男(名前調べるのも面倒です)に至ってはもう論外なキャラ。。。お隣に座ってた、韓流詳しそうなおばちゃまたちは、「難しい題材を、うまくコメディにしてたわよねえ」と仰せでしたが、断じてそうは思えなかったなあ。笑うに笑えないんですけど。。。内面とか、そういったことが本当に薄くて、愚痴を聞いているようでしたので。 あしからず。***********************************今日の評価 : ★ 1/5点
2010.09.08
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原題: THE NAKED KITCHEN監督: ホン・ジヨン 出演: チュ・ジフン 、シン・ミナ 、キム・テウ 、チョン・ヘジン 、パク・サンフン <Story>天使のように天真爛漫で純真無垢なモレ(シン・ミナ)と年上のサンイン(キム・テウ)が結婚して1年。兄のようにサンインを慕うモレは、趣味の絵を活かした日傘の店を営みながら、甘い新婚生活を楽しんでいた。ある日、モレは開館時間外にこっそり忍び込んだ現代アートの展示会で、不思議な青年・ドゥレ(チュ・ジフン)と出会う。キッチン 3人のレシピ - goo 映画<感想>公開当時、チュ・ジフンが起こしてしまった事件の余波で公開館が縮小されたり、後悔期間が短縮されてしまったりといったことがあったように記憶していて、それで見逃してしまった作品。 やっと観ました。設定に無理がある・・・? とは思うんですよね。初めて会った(というかこの場合、「すれ違った」に近いかも)男性とそんなことするかなあ・・・? そして1つ屋根の下に住むかなあ?と考えると、結構展開としては無理めです(笑)そしてだんなさんのことを「ヒョン」とはさすがに言いませんよね。 これは結構びっくりしました。 「オッパ」でもないし。ここの感覚がもう、モレにとってもサンインにとっても、結婚とは少し違うものだったのでしょう。小さい頃から一緒にいる。 何となく結婚する運びになっていた。それもまた自然なのかもしれないけどね。でも長いこと暮らしていくうちに、これは違うんじゃないかと思ったはずです。だから突然現れた(あんまりあり得ないことですが。 笑)ドゥレに、モレは心がなびいてしまったのかもしれませんね。なのでモレがきちんと自分の道を選んだことに対しては、その方が彼女のためになったように思うんですよね。違和感がある生活なら、そこを直したくなるのが人間というものですから。鑑賞前は、かなりドロドロした感じ? と思っていただけに、意外とサラリと描いていたのが印象的でした。最後だけは大人だったような気がします。**********************************今日の評価 : ★★☆ 2.5/5点
2010.09.08
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監督:イ・グァンジェ出演:イ・ナヨン 、 キム・ヒス 、 キム・ジソク 、 チョン・エヨン鑑賞劇場 : シネマート新宿韓流シネマ・フェスティバル2010 ~新しい風~ 公式サイトはこちら。<Story>美人フォトグラファーとして活躍するソン・ジヒョン(イ・ナヨン)は、映画のスチール撮影、個展の準備と大忙し。さらに好意を寄せる特殊メイクアップアーティストのジュンソ(キム・ジソク)からは猛アプローチされ、恋も仕事も充実した毎日を送っている。だが、彼女には誰にも言えない秘密があった。それは、29歳まで"男性"だったということ――。そんなある日、彼女のもとに「パパを捜している」という少年ユビン(キム・ヒス)が現れて......。 (公式サイトより)<感想>『私たちの幸せな時間』の、イ・ナヨンが出演ということで観てきました。 設定なのですが、これはイ・ナヨンだからこそできた役なんだなとは思うものの、一方で、ちょっと厳しいんじゃないかなーという感じもしました。どうしても見た目女性っぽく見えますしね。体つきや声も女性らしいですし。それでも、この境遇に置かれた方の切なさは伝わってきましたし、イ・ナヨンの新境地も十分感じられます。その点はよいのですが、では、どうしてあの時に彼女を愛したのか? というところで、すごく引っかかるものがありました。それは果たして愛なのか? ということも含めてです。ジュンソとのことも含めて、ラストに持って行っちゃった感じもしなくもないし。。。この手の展開は難しいですね。**********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.09.05
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原題: SECRET監督・脚本 : ユン・ジェグ 出演 : チャ・スンウォン 、 ソン・ユナ 、 リュ・スンニョン 、 キム・イングォン 、 パク・ウォンサン 鑑賞劇場 : 横浜ブルク13公式サイトはこちら。<Story>殺人事件が起きた。殺されたのは犯罪組織のボス、ジャッカル(リュ・スンニョン)の弟のドンチョル。現場に駆けつけた刑事ソンヨル(チャ・スンウォン)は遺留品を見て驚く。それは彼の妻ジヨン(ソン・ユナ)のものだった。とっさに証拠隠滅をはかったソンヨルは、その後、ジヨンを問い詰めるが、ジヨンはあいまいな返答しか繰り返さない。ソンヨルは当日、ドンチョルに会っていた男ソクチュンを犯人に仕立て上げようとするが、警察とは別に犯人探しを続けるジャッカルは、「彼は違う」と警察を嘲笑。そしてジヨンに狙いをつける。シークレット - goo 映画<感想>これも上映館が少ない作品。 ブルクで珍しくかかっているので行って来ました。なのでスクリーンはかなり人が埋まってました。ですが。始まって、通路を隔てて右に座っている男性が、いちいちスクリーンの文字を声に出して読むんですよね。 何ですかそれ? って。耳障りでしょうがない。よっぽど注意しようかとも思ったのですが、いちいち独り言だけではなくて、格闘シーンになると身を乗り出して一緒に格闘らしきことをはじめまして。あ、これは注意するだけ無駄だしわからない人だと思い、最前列の空席へ移動しました。それでもブツブツ言ってるのが聞こえましたが。気を取り直して映画です。「『チェイサー』の制作スタッフが送る、予測不能サスペンス・スリラー」ということなのですが。。。何となく、韓国の警察ものでいつも感じることなのですが、ホントに警察の描写がいい加減だなーと。これって本当にそうなんでしょうかね。 闇と結託してて・・ って、そんなに多い? まあ、日本でもないとはいえないようにも思うので、ここのところでは真実に近い!?ただ、お世辞にも正義に生きるって感じしなかったですよね。もともとこの事件が起きた原因が、あんまり褒められたものじゃないだけに、自分を陥れた相手のことを責められるのか? って思うんですよね。最後の方の、病室でのほのぼのとした会話なんて、お互い化かし合いみたいなことしてるのに、今更!? ツンデレ!? なーんて言葉も浮かんでしまう(笑)最後の格闘シーンも、何となく、そんなもんかあ・・・ と感じてしまいました。『チェイサー』の緊迫感には遠く及ばず。。。そして、エンドロールであれだけしゃべってしまうのはどうなのでしょうか。ネタばらしまで。。。映画本体に入れてよかったのに。それでも、ソン・ユナの美しさが残りましたね。彼女、今やってる韓フェスでも出てるので行ってみようかな。**********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.09.01
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原題: GOOD MORNING PRESIDENT監督・脚本 : チャン・ジン 出演 : チャン・ドンゴン 、 イ・スンジェ 、 コ・ドゥシム 、 イム・ハリョン 、 ハン・チェヨン 鑑賞劇場 :シネマート新宿公式サイトはこちら。 <Story>任期終了まで半年となった大統領キム・ジョンホ(イ・スンジェ)は、前職大統領の恩赦案が紛糾し、苦労している。そんなある日、イベントで応募したロトが当たり、244億ウォンの当選者となる。しかし当選の暁には、全額寄付すると宣言したこと思い出す。豊かな老後をとるか宣言を守るかが彼の最大の悩みになり…。半年後。そのキム大統領の盟友の息子、チャ・ジウク(チャン・ドンゴン)は、最年少で野党の総裁となり、大統領に就任する。妻と死別し5歳の息子を男手ひとつで育てている彼は、キム大統領の娘で初恋の相手だったイヨン(ハン・チェヨン)の帰国に動揺する。彼は、北朝鮮、日本、米国と渡り合い、朝鮮半島を巡る一触即発の危機を脱するが、市内視察のイベント会場で謎の男(パク・ヘイル)に襲われて…。キム・ジョンホ政権では法務部長官、チャ・ジウク政権では、野党の総裁を歴任したハン・ギョジャ(コ・ドゥシム)は、韓国初の女性大統領に就任する。だが多忙な妻ギョジャと共に青瓦台暮らしを強いられることになった夫のチャンミョン(イム・ハリョン)は、ストレスを溜め込む。思わず青瓦台のルールを破りギョジャの支持率低下を招いてしまったチャンミョンは、その責を取ろうと離婚を切り出すが…。グッドモーニング・プレジデント - goo 映画<感想>試写に行けるチャンスがありましたが見送り、気にはなっていたのですが、単館上映でなかなか足が向かなかったのに、もう今週で上映終了とのこと。慌てて行きました。ちょうど韓フェスが始まっており(私も券持ってるんだけど。消化しないと~)、受付はその指定と、本作のレディースデー狙いできたお客さんでごった返し。。。連れ立ったおばさまが多く、何となくいやーな予感(苦笑)がすると思い、人が少なそうな前方の席をお願いするのですが、この日は入りが良くて前方もぎっしり。案の定(!)、始まっても後ろのおばちゃん3人組が話を止めないのには閉口しました。ファンで来ているのはわかるけど、映画の最中にいちいちくっちゃべるな! 迷惑。と、言いたかったのですが、この日忙しかったんでいちいちケンカする気も起きずに(笑)放置しましたけど。こういう人とは友達にはなれないっすね。何の前情報もないまま行きました。で、ポスター観てるとどうしてもチャン・ドンゴンが主演? と思ってしまうのですが、実は3人の歴代大統領のお話なのです。なので正確に言うとオムニバス形式なのかな?要所要所で3名が繋がっています。全体的にコミカルな要素が多く、たぶんですが絶対にこんなことは現実にはありえないでしょうというエピソードがちらほら。。。こんな大統領だったら国民はどう思うでしょうね。ロトくじ買ったり、夫婦喧嘩してみたり。。。もしもチャン・ドンゴンのエピソードを本当に一国の総裁とか首相とか大統領がやったとしたら!?票稼ぎと言われてしまうかもしれないですよね。あくまでもそこに「人を救う」という意識があるとは思うのですが・・・。ただ、大統領だって条件がそろったら、こんな事態になってしまうのでしょうか。それは知りたい気もします。個人的に好きなのは最後のエピソード。韓国に女性大統領誕生だなんて、考えただけでも面白い。そして多忙なパートナーを持ったら、自分が背負う想いも男女の区別はないということ。そこに本当に相手を信じる気持ちがあるのか?原点に還っていく、この夫婦、素敵です。そして女性大統領役のコ・ドゥシムがまたいいんですよね。普段はただのおばちゃんにも見えてしまうかもしれないけど、いざスーツを着て仕事となったらもう大統領。 ただのおばちゃんのように好き勝手に自由行動はできないけど、でも仕事を離れたら、彼女だって1人の女性。 家族があって、愛する人がいる。視点を変えて、そういう人間臭さを見せてもらえるのもまた面白いことです。3名の大統領を陰から見てきた、「官邸の料理人」の存在もよかったですね。決して人には言えない愚痴、表には出さない表情なども、裏方さんは見つめています。 淡々と、しかしながら愉快に描いているのも興味深かったですね。***********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.08.25
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原題: CASTAWAY ON THE MOON監督・脚本 : イ・ヘジュン 出演 : チョン・ジェヨン 、 チョン・リョウォン 鑑賞劇場 : シネマート六本木公式サイトはこちら。<Story>人生に行き詰まり、ソウル市内に流れる漢江に飛び込んだサラリーマンのキム(チョン・ジェヨン)は、目が覚めると孤島に漂着していた。そこは都会にぽっかりと存在する、立ち入り禁止の無人島だった。幼い頃のトラウマで泳げないキムは自力で脱出もできず、目の前に街があるのに誰にも気付いてもらえないという孤立無援の状況。しかし、絶望の中で小さな“希望”を見つけ、アイデアをふりしぼり、サバイバル生活を始める。一方、対岸のマンションに住む女(チョン・リョウォン)は、3年間の引きこもり生活を送っていた。ある晩、カメラ越しにキムの姿を見つけて好奇心を抱いた女は、キムが砂浜に書いた「HELLO」のメッセージに応えるため、外の世界への一歩を踏み出す……。彼とわたしの漂流日記 - goo 映画<感想>『トンマッコルへようこそ』のチョン・ジェヨン主演ですので、ぜひとも観たかった作品。もうすぐ公開終了らしかったので、間に合ってよかった。こんな島って日本にもありそうですね。多摩川とか荒川とかでも見たような感じ。住んでいるお方も、いるような。。。ここでかなりの間気がつかれなかったのか? というのは置いておいて、何もない、救出されない状況で生きていくことができるんでしょうかね。自給自足ができたならもう何も怖いものはないような気がする。(実際はここまではできないと思うんだけど)今に絶望している、ということでは、キムも女も同じだった。だけどどこかで、今の状況をどうにかしたいという想いがあり、そして、どうにかしようと必死なキムを見つけて、女は自分と同じものを感じる。 すなわち「隔絶の、絶望の中で這い上がる」ことへの憧れ、自分がしたくてもできない形をキムに見出す。最初は興味本位、覗き感覚だった女も、キムの姿を応援したくなり、次第に自分には欠かせない存在になって行く。彼を応援したい、支えたい、そう思ってしまうのは、自分の心が未だ落ち着かない状態で、気ままに引きこもっているにも関わらず、これからどうなるのかという不安が彼女自身にあり、どういう結末を迎えるのか分からない彼と同じように感じたからではないだろうか。ジャージャー麺の一件も、敢えて拒否したってところに、彼の根性みたいなのがあって。 最終的に自分の意志を貫徹して、目的を成し遂げるところはよかったです。突然終わってしまうこの奇妙な「漂流」、しかし、なくなったことによって、彼女にとって本当に大事な物の存在が分かる。本能的に行かなくては! という気持ちが彼女を元の世界に戻したんでしょうね。何もかも失って、何もない生活を送ってきたと思っていた彼にとっても、いきなり何の問題もなくバスに乗れてしまうということが、空白だった時間を、拍子抜けするくらいにあっけなく埋めてしまっているようでした。半年ごとの、空襲警戒訓練という設定も、このジレンマを際立たせるのに効果的に使われています。あれだけのことを成し遂げた自分なのに、やはり取るに足らない存在かということが虚しく思った時の、ラストシーン。待っている人がいてくれるというだけで、人は生きていくことができるような気がしました。映像がとても綺麗なんですよね。キム版ジャージャー麺のシーンなんかはすごく美味しそうだったし。無人島なんだからもっと汚くてもいいはずなんですが、何故かそれは感じませんでした。つっこむとすれば、清掃に来た人たちは、彼を病院に連れていくべきなんじゃないかなーとは思うんだけど、そうしたらラストはないからね(笑)*********************************今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2010.08.04
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原題: INSADONG SCANDAL監督・脚本 : パク・ヒゴン出演 : キム・レウォン 、 オム・ジョンファ 、 イム・ハリョン 、 ホン・スヒョン 、 キム・ジョンテ 、 白竜鑑賞劇場 : シネマート六本木公式サイトはこちら。<Story>ある日、仁寺洞(インサドン)の骨董街を牛耳るギャラリーのオーナー ペ・テジン(オム・ジョンファ)は、朝鮮王朝期を代表する水墨画家・安堅の幻の名画「碧眼図」を手に入れる。修復に成功すれば時価数千億にもなるというこの水墨画の発見は、韓国内のみならず、世界的な注目を集める。この国家的な規模となる修復プロジェクトのために雇われたのが、神の手を持つと呼ばれながらも、ある事件により表舞台から消え去っていた天才修復士 イ・ガンジュン(キム・レウォン)。プロジェクトはイ・ガンジュンの登場により、更なる注目を浴びていく。しかし、その裏では、様々な人物による思惑が蠢いていた……。仁寺洞(インサドン) スキャンダル~神の手を持つ男~ - goo 映画<感想>本当は、パク・ヨンハ追悼上映『作戦 The Scam』が観たかったんですが、既に立見・・・ ということで、こちらも気になってはいましたので切り替えて鑑賞。キム・レウォンは初めて、オム・ジョンファは、『私のちいさなピアニスト』以来です。こういうテーマって決して嫌いじゃないんですよ。ただねえ・・・いかんせん、雑過ぎやしませんかね?特に感じたのは日本語のシーン。クロド? これはすごい。 笑いを通り越して、がっくし。。。白竜さんはいいんですが、会話する相手の方がね・・・。 オム・ジョンファはまだ少しは聞き取れましたけど(それでもちょっと映画レベルではないと思う)、ひどかったのは手下の男。 何言ってるのかわかんない(笑)字幕つけてもわからないレベルの外国語をスクリーンに出しちゃいけないような気もします。全編、マンガちっくな雰囲気が漂ってるんですよね。ペ会長のコスチュームとか髪型とか、結構お笑いに近いものがありました。もっと普通にしてもいいような感じがしたんですけどね。 あそこまで「いかにも悪役」っぽくしなくてもと思うんだけど。そして「神の手」なイ・ガンジュンなんですけど、どっからどこまでがいいやつで、どっからが悪い奴なのか? 微妙にも感じました。正義の味方っぽい気もするんですが、そこまでクリーンでもないような。。。最後の方などは、ファンサービスっぽいシーンなどが挿入されてしまっていて、やっぱり少し引いてしまうんですよね。ビターにしようと思えばすごく膨らますことができた素材だけに、残念だなーと。絵画のミステリーなんてすごく奥が深そうなのに、知識レベルのことがほとんど感じられず、追いかけに終始してしまってました。***********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.08.04
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原題: CROSSING監督 : キム・テギュン出演 : チャ・インピョ 、 シン・ミョンチョル 、 チョン・インギ鑑賞劇場 : ユーロスペース公式サイトはこちら。第21回東京国際映画祭 「アジアの風」部門 ページはこちら。第81回アカデミー賞外国語映画賞・韓国代表作品<Story>中国との国境に近い北朝鮮のとある寒村で、親子三人で暮らすヨンス(チャ・インピョ)は、肺結核にかかった妻の薬を求め、命がけで中国へ渡る。しかし、脱北の罪で追われる身となり、北朝鮮に戻ることができなくなってしまったばかりか、他の脱北者たちとともに韓国に亡命することになる。その間に病状が悪化した妻はとうとうかえらぬ人に。一人残された11歳の息子・ジュニ(シン・ミョンチョル)は、父を探しに、あてのない旅に出るのだが…。クロッシング - goo 映画<感想>『掌の小説』に続いて鑑賞。予告でも気になっていた映画。最初、上の画像がすごく不思議でならなくて、ジュニはどうしてこんなところにいるのか、何をしているのかがわからなかった。 ストーリーが進むにつれ、これが実に残酷な意味を持ってくる。実際に映画のスタッフに脱北者の方たちを起用したというだけあり、収容所や豆満江越え、北朝鮮の生活のシーンなどは、ご意見が生かされているのでしょうか。実に生々しく、リアルな生活ぶりが描かれている。情報統制がなされている状況では、頼りになるのは知人の情報くらいしかないのかもしれません。 その中で彼らは必死に選択肢を探る。この選択肢がこれまた実に現実的でした。 脱北に際しての注意事項のあれこれ、現実的な脱北ルートなども恐らく実際に使われるものでしょう。、そして、瀋陽日本総領事館で起きた駆け込み事件をなぞっているところも近年記憶に新しい。ジュニやミソンが、親に対して使う言葉遣いが丁寧なような気がして、(韓国語・朝鮮語はきちんとはわかりませんが、語尾に「~ニダ」がついていた回数が多かったような気がします。「~です」という丁寧な表現でしたでしょうか。)ちゃんと親を敬う教育が子どもたちになされているんだなというのが感じられます。ジュニが、死んだ母親が埋葬のために連れて行かれてしまうシーンで、「ウリオモニ!」と何回も叫んでいたのが哀しかった。ミソンもとても目上の人に礼儀正しい子でしたね。親は生活のために必死になる。 先立つものがないと暮らせない。 だから手段を選ばない。そんな親の背中を子は見てしまうんでしょうね。何とかして、どうにかして、お父さんとの約束を果たしたい。 普通なら誰も助けてくれないから、人を押しのけてまでも生きようとするのに、ジュニは絶対に人を貶めることはしない。 むしろ困っている人を助けるような性格でした。 ミソンのことをずっと心配して、事あるごとに彼女を助けている姿は男らしかったな。逆境の中にあるときに、その人の本性が出てきてしまう。 そのことを痛感します。ヨンス一家が望んだもの、そして恐らく、他の人々も望むものは、「みんなが笑って暮らせること」なのでしょう。そこには体制だとか国情というものは一切区別はないはず。どこにいてもその人らしい生活を全うできるようにしてあげるのは国家の義務と思うのですが、それが叶わない地域もあるということです。当たり前のものを手に入れるために冒した危険の結果はあまりにも残酷すぎることがほとんどではないだろうか。この状況に置かれている子どもたちがこうして存在している事実。 その実情を知らしめて、こういう問題が解決してほしいと切に願わずにはいられません。*********************************今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.04.20
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原題: BREATHLESS監督・製作・脚本・編集・出演 : ヤン・イクチュン出演 : キム・コッピ 、 イ・ファン 、 チョン・マンシク 、 ユン・スンフン 、 キム・ヒス鑑賞劇場 : シネマライズ公式サイトはこちら。<Story>友人が経営する取り立て屋で働いているサンフン(ヤン・イクチュン)。その容赦ない取り立てと暴力は時には仲間にも向けられ、怖れられていた。ある日、サンフンの父(パク・チョンスン)が刑務所から出所。幼いころ、家庭内暴力が元で母と妹を死なせた父親。その父をサンフンはただ殴りつける。そんなサンフンが出会った女子高生のヨニ(キム・コッピ)は、サンフンの暴力的な態度にも怖がらない。そんな彼女に、サンフンはどこか惹かれるものを感じる。そんな彼女の家庭も暴力を抱えていた。息もできない Breathless - goo 映画<感想>火曜渋谷ミニシアター系ハシゴ2本目。そのままル・シネマで、中途半端鑑賞のままになってた『ニューヨーク、アイラブユー』も再鑑賞したかったんだけど、本作はライズでしかやってないなーと思い、こっちにすることに。やたら評判よいので。。。火曜ということもあってかなりな入り。 男子多し。韓国映画では結構暴力モノって実は多い。ドラマなんかでも頻繁に登場しますしね。言葉使いも汚い時は相当なもんですし・・・。 だから「シ~バ~ラ~マァァ~」(→ って言ってるの?)の連発には大して驚かなかった。 英語なら "f○ck" の連発だと思えばいい。 要するに「合いの手」みたいなもんですから。 仲間うちというか、あるコミュニティでしか通用しない会話のなかに挟まれる合いの手。 そう思えばそんなに気にはならない。そうとは言えども、観ていると胸が痛くなってくるサンフンとヨニの生い立ちではある。両者ともに暴力の連鎖の中で生きている。サンフンはヨニに、失ってしまった家族を見ていて、ヨニはサンフンに、こうあってほしいという家族の1つの在り方を見ている。 互いにないものを相手に見つけた2人。 そして、ないものを埋めてくれる存在だからこそ、絶対に今まで人には見せてこなかった部分を見せてしまう。どういう訳か理由なんて詳しくは言えないのに、どうしても気になってしまう存在ってある。 その感覚に近いのだろうか。求めても求めても、抜け出せない暴力の連鎖が、彼らを絶望と無念に追い込んでいってしまう。韓国映画は好きですし、また重ためな映画も好きですし、本作の言わんとしていることも、ギラギラとしていてリアルで決して悪くはないのですが、やはりここまで暴力シーンが多くて、救われない結末ですと、観ている方としては心が沈んでしまうかな。場内、男性が多かったこともあるので、これはどちらかというと男性の方にウケがよさそう。とはいえ、ここまで内蔵を抉り取るような描写をしてきたヤン・イクチュン、これからも楽しみです。 『チェイサー』を彷彿とさせます。**********************************今日の評価 : ★★★ 3/5点
2010.03.30
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原題: THIRST監督・脚本 : パク・チャヌク出演 : ソン・ガンホ 、 キム・オクビン 、 シン・ハギュン 、 キム・ヘスク 、 パク・イヌァン公式サイトはこちら。<Story>サンヒョン神父(ソン・ガンホ)は、無力感からアフリカの研究所で“死のウィルス”の実験台に志願する。発病し一度は死亡したサンヒョンだが、すぐに復活。奇跡と思われたが、彼の体には異変が起き始めていた。聴覚や嗅覚が研ぎすまされ、太陽光を嫌い、人の血を求めるように。研究所の輸血の影響でバンパイアになっていたのだ。同じ頃、幼なじみのガンウ(シン・ハギュン)の妻テジュ(キム・オクビン)とめぐり合う。急速にひかれあった2人は、やがてガンウを殺害しようとするのだが…。渇き - goo 映画<感想>映画感想日記のネタが溜まり放題溜まっているので、ピッチ上げます(笑)これはヴァンパイアものということだけ予備知識で仕入れて鑑賞。ソン・ガンホなのでぜひとも観たいと思っていました。パク・チャヌク監督の『オールドボーイ』は観たいとは思っているんですが未見。 本作の雰囲気と比較したいので、機会があれば観たいと思います。実はこの映画に向かう途中、乗っていた路線で人身事故が発生。途中駅で電車が止まってしまったために、行くことも戻ることもできないままじーっと待っている羽目に・・・ チケットはネットで買ってあるし、やだなー困ったな~と思いながら待つこと30分遅れで出発。少々早めに家を出たのでどうにか間に合いましたが、冒頭の数分は欠けてしまいました。 予告編があるから大丈夫でしょうと思っていたら、意外と予告編は少なく(涙でも大体の筋は追えたと思いますので問題ないです。 全体的な感想として、久しぶりに韓国映画らしい韓国映画を観たという感じがしました。実はヴァンパイアものはちょっと苦手なんですが、やっぱりこれも血がいっぱい出てまして(苦笑)、血をすする音や水が滴る音などの、「液体」の音が効果音としてうまく働いていました。(おかげさまで目をつぶる場面も多かったですが。 笑)タイトルが『渇き』ということですので、液体はかなり出てくるんですが、血が苦手な方には本作はお勧めしないです。この映画のタイトルは一体、何に対しての渇きなのか。テジュの渇きは、恐らくは人生そのものに対して。 あんなダンナと義母がいたら、そりゃー気が変になりそうなのもわかる。義母には人間として虐げられて、夫には女としても何一つ大切にしてもらえない。サンヒョン神父の渇きとは、人を助けてあげられないことに無力感に加えて、信仰の世界に身を置いたがために、欲望の中に身を置くことがなくなってしまったこと。そんな2人が出会ってしまう。互いの中に「渇き」があることを本能的に感じ取れる能力というのは、実際にあると思います。 この人は自分と同じ匂いがする、同じものを背負っている、そういう第六感にも似た感覚。そこから始まっていく2人の逢瀬や情交はどこか破滅的な香りすらしてきます。愛する人を救うために同じものを分かち合った、しかしそのとたんに相手が変貌していく。 そして自分の目的も同時に変化していってしまう。初めは愛のためだけだったのに、いつの間にか自己満足の度合いが強くなってしまって行くのは、どんな男女の仲にも言えることではないでしょうか。どうにもならないところまで来てしまった2人に残された道というのも、自ずから決まっていたようにも思いますが、そこに至るまでの互いの欲の貪り合いは迫真のものがありました。ソン・ガンホは、『グッド・バッド・ウィアード』からはずいぶん変わったと思ったら、何と10kg減量したとのこと。 ストイックだけど破滅的な神父役にはぴったり。 ミステリアスな役って彼にはいいですよね。そしてテジュ役のキム・オクビン。 彼女の眼差しや仕草には、アンニュイな中にも隠しきれない情欲が現れていて、それがために自身を御しがたい方向に持っていってしまうところなども、どうにも彼女がぴったりとはまっているように感じました。あとはガンウ役のシン・ハギュン。 最初わからなかったけど、ガンウのマザコン気味な異常さが憎たらしいくらい出ていて、彼の性格俳優っぽさがよくわかる作品。義母役の女優さんの目線も怖かったですね。 普通に見られているのが、もしかしたら一番怖いのかも。こういう、身近な人間たちの濃密さが仇になったり、また思い切り話が飛躍していく部分も韓国映画らしいと言えばらしい作品だなと思いました。***********************************今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2010.03.03
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監督:クォン・ジョングァン 出演:キム・ソナ 、コン・ユ 、イ・ヒョヌ 鑑賞劇場:シネマート六本木韓流シネマフェスティバル2009公式サイトはこちら。<Story>29歳の誕生日、ジニはチャンに「今までの男も君を愛していたとは思えない」という捨て台詞とともに振られてしまう。そんなことは全く信じられないジニはこれまでの恋愛の日々を克明に記録した日記を取り出し、昔の男たちに会いに出かける。初めて恋に落ちた男性 クヒョン、大学時代の2番目の恋人 ジョンソク、社会人になってからの3番目の恋人 ユイン。あの日記に書かれていたように昔の男たちは今でも私を愛しているはずと思っていたが、彼らから出るのは冷たい態度のみ。怒りに燃えたジニは3人に恋愛の補償金を請求する。<感想>この日にようやく実家に年始の顔出しをして(→ 遅いって)、そのついでに韓フェス5回券残り1回分を消化することに。本当は『赤ちゃんと僕』の方が内容が面白そうで興味があったんですが、これ開映が19:00。 最近遅い映画は疲れるので正直避けたく、2回目の上映の本作にしました。簡単に言うと、1人の女性の恋愛遍歴と、それを通じた成長を追っていくお話です。3人の男性との恋。 それぞれ違う思い出たちを大事にしたいけど、相手がそう思っているかはまた別の話なので、そのギャップがコメディになっています。韓国映画の代表的なラブコメ?の『猟奇的な彼女』を観ていないので比較ができないんですが、本作はどうも笑いのツボが笑いになっていないようにも感じました。それはひどい、と言いながらも、普通あれだけのことするかなあ・・・? ってね。そのあたりは韓国映画らしいと言えばらしいんですけど、特に最初の神父さんに関しては、そんなにひどいキャラでもなかったし、気の毒になっちゃいました。 笑えるからいいんですけど。警官になった先輩は、正直男性としてはひどい性格。これはじゃんじゃんやっつけてくれって感じでした。ジニを支えるオンマがあったかくて、いくら娘が破天荒でもここまで辛抱強いと逆にそれでいいのかしらとも思っちゃったり。 頼もしいオンマでした。観ていると年代が古いっていうか一昔前の感じで、気になったんですが、制作年が2004年なんですね。そしてこの日の帰りに立ち寄った○SUTAYAにて、本作のDVDがレンタルコーナーにあるのを発見。あちゃちゃ。。。 これってDVDでもよかったってこと?ここでかなりレビュー書くテンションが下がっちゃいました。。。今回の韓フェス、いい作品ももちろんありましたが、全体の印象としては小粒な感じでした。大物スターは特別作品に行ってしまって、枠が少なかったし。そしてレンタル可能な、かなり過去の作品が出てきてしまいますとねえ。。。 これは興醒めです。 まだ未公開の新作なんかをいつも期待するのですけど。とりあえず今回観賞した5本中、よかったのは、『あなたは遠いところに』『少年は泣かない』この2本。 お勧めします。********************************今日の評価 : ★★☆
2010.01.11
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監督 : ペ・ヒョンジュン 出演 : イ・ワン、ソン・チャンイ 鑑賞劇場:シネマート六本木韓流シネマフェスティバル2009公式サイトはこちら。<Story>1953年、ソウル。戦争で両親や兄弟を亡くして一日一日の食事や泊まる場所を探さないといけない少年たちが集まった収容所。 喧嘩上手で多血質だが義理のあるジョンドゥ(イ・ワン)と、同い年にくらべると計算が早くて頭のよいテホ(ソン・チャンイ)はそこで知り合って友達になる。2人は力を合わせて米軍密輸品を盗み、地獄のような収容所を脱出する。少年を守ってくれる法も、モラルもない乱れて混乱な世の中を自ら生き残るため、テホは市場の最大組織マンギ派を訪れて行って露店を出してジョンドゥと共に商売を始める。<感想>残り2枚となった韓フェス回数券、これは観賞したかった作品です。原作は北方謙三の「傷痕」。太平洋戦争後の舞台を、朝鮮戦争後のソウルに移して制作しました。イ・ワンくんは、キム・テヒの実弟だそう。 ソン・チャンイも「シンデレラ・マン」などに出演。 本作は若い韓国の才能が楽しみな感じです。内容は、北方作品だけあってハードです。闇市で孤児たちが生き抜いていく。 情け容赦、綺麗事などない世界。 生きるか死ぬか、生きたかったら手段は選べない。情に厚いジョンドゥが突っ走るなら、仲間はいらないと思っていたテホはそれをコントロールする役割をしていた。ジョンドゥとテホはたぶん表裏一体だったんでしょうか。「お前さえいれば何だってできる」テホのこのセリフ、恐らくジョンドゥも同じだったはず。周りに誰一人として頼れるものがない、そんな世界で生き残るために、少年たちが考えたことが軌道に乗って行く。手を汚さずにどうやってみんなが豊かになれるのか。 仲間たちの様々な思惑を表面上は隠して、生きるためにそれぞれの役割を果たす。 希望が見えそうなはずなのに、観客はひりひりと胸騒ぎが収まらない予感がする。 そしてそれはまぎれもなく的中する。最後まで着地点がどこに行くのかハッキリとわからない展開も、観ている方の胸騒ぎを加速していく。主演2人は好演。 今後も楽しみな若い才能です。イ・ワンの鞭使いは相当練習したのでしょうね。 アクションも結構大変だったように思います。パク・クリナも、隙を見せない激しさの裏側に隠した、戸惑う女心を熱演。映像の繊細さ、あどけない子どもたちの可愛らしい表情が、さらに虚しさを誘う。 骨太な筋書きをうまく映画化しています。***********************************今日の評価 : ★★★★
2010.01.09
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原題:Sunny監督:イ・ジュニク出演:スエ、チョン・ジニョン、オム・テウン、チョン・ギョンホ鑑賞劇場:シネマート六本木韓流シネマフェスティバル2009公式サイトはこちら。<Story>時折近所のおばさんたちの前で歌を歌うのが唯一の楽しみのスニ(スエ)は、一人息子サンギル(オム・テウン)だけが生きがいの姑ソンファには勝てずに、毎月軍隊にいる夫の面会に行く。しかし、いつも優しい言葉もかけてくれない夫サンギル。ある日、彼女に酔ったサンギルが尋ねる。「お前は俺を愛してるのか?」 サンギルの問いに何も言えずに帰ってきたスニは、翌月もいつものように面会に行くが、サンギルがベトナム戦争に志願して行ったという知らせを受ける。行方さえ知る術のない夫を探して、ベトナムに発つことを決心したスニ。ベトナムに行くことができるという言葉に、後先も考えずにジョンマン(チョン・ジニョン)を追って慰問公演団のボーカルとして、「サニー」という新しい名前を得た彼女は、炎と銃声のベトナム戦争の真っ只中に飛び込むが…(Innolife.netより)<感想>この日最後の作品。スチール写真からのイメージが、何となくコメディに思えてしまっていて、ちゃらちゃらしてるだけだったらしょうがないか、と腹をくくっての観賞。ところがこれが結構自分的にはツボに来ました。 想定外。これだから韓国映画は面白いんだよね。 観ないとわかんないから。大鐘賞主演女優賞、釜日映画賞主演女優賞等々、各賞にも輝いている作品。この映画の唯一のマイナスポイントとして、スニが夫を追いかけるほどの理由が強く感じられなかったということがある。姑に対してメンツを保つだけではないし、かと言ってサンギルとの対面シーンでも言葉に詰まっているので、理由としては少し弱い。それでもなお、彼女が慰問公演団に入ってまでも戦火のベトナムに行ったというのは、言葉にこそしなかったけど夫のことが好きだったからだろうし、また半分は行き場のないことで意地になっていたんだとも思う。自分が夫にはるばる会いに行って、彼の本心を確かめたかったのかもしれない。初めはどうにかなるとたかをくくっていたと思うけど、そのうち、これは普通の旅ではなく戦時下であること、頼りになるのは自分の芸だけということがわかってきたようで、それに伴って彼女の歌やステージパフォーマンスもグレードを上げていった。なかなか夫の赴任地に行けないもどかしさと、目の前で突然始まる、敵味方の区別がない戦いの現実。 戦争の恐怖と自分の希望とのあまりの落差にも関わらず、スニの決心は鈍ることはなかった。 お前は俺を愛してるのか? というサンギルの問いかけに、 「愛していると言えばよかった」という歌を返歌にするスニ。 愛していると言えばよかった。 あなたは遠くに行ってしまうのね。。。 たいていの場合は、いなくなってから気がつくものかもしれない。 自分の選択はこれでいいのかと自問自答しても、結局のところ彼女を動かしているのは、夫への愛と、それとは裏返しの憎しみなのかもしれない。 それまでのためらいをかなぐり捨てて、全てを賭けて彼女が歌う、"Susie Q"。 初めて人前で歌った時のあの羞恥心はもうそこにはない。 あるのはただ、自分の決心へ向かってひた走る、己の心だけ。 とにかくスエがいい。 表情を押し殺して生きてきたような彼女のどこに、そんな勇気があったのかと思うくらいの変身ぶりを見せてくれる。 足の震えまでもわかるような初舞台、 韓国軍の慰問で見せる、思いもよらない楽しみを見つけた時の弾むような気持ち、 そしてありったけの自分を表現したパフォーマンスの凄み。 彼女の声が好きです。 ちょっとハスキーな感じで。 いろんな場面でいろんな歌い方をしていて、器用に使い分けていました。彼女の作品は初観賞ですが、今後もフォローしていきたい女優さんになった。 サンギル役のオム・テウンというよりは、チョンマン役のチョン・ジニョンの、調子のいい男の方がなぜか印象に残っている。 とにかく人を乗せるのがうまい。 そのくらいしたたかじゃないとあの状況じゃ生きられなかっただろうし、打算で生きてきた男ということはわかる。だがそのチョンマンでさえも、スニの信念にほだされてしまうところも、何となく人情味を感じてしまう。あとは韓国軍、米軍、ベトコンそれぞれの特色もよくわかる。 実際に戦っている立場からの本音もうっすらと垣間見えるのではないだろうか。この映画では、ベトナム戦争への韓国軍派兵という、日本ではまず詳しく教わる機会がないことを改めて観ることができる。 日常にある戦争、味方なのか敵なのかわからない、農村での戦いの緊迫感は、完璧とは行かないが、再現シーンは工夫されていると感じる。 70年代のヒット曲、そして当時の世相もよくわかる。 先にも述べたように、理由づけが弱いことや、設定に少し甘い部分はあるものの、全体としてはかなり見応えのある作品だった。終映後、スタッフさんとのジャンケン大会で勝った人1名に、『あなたは遠いところに』 の海外版ポスターをプレゼントしますというのがまたまたあり、前の 『ロマンチック・アイランド』で見事に負けてしまったので(30人くらいいたからね)、当然リベンジです^^今回は7~8人くらいでした。よーし、じゃんけん。。。。。。。。。ぽいっ!。。。。。勝ちましたぁ!!! 見事にゲットさせていただきました。いやあ、ものすごい嬉しかったです。これは額に入れて飾りたい。デザインも私好みです。DSCI0592 posted by (C)rose_chocolatいただくときにスタッフさんに、「この映画ものすごくよかったです!」と感想を思わず言っちゃいました。シネマートさん、本当にありがとうございました。*********************************今日の評価 : ★★★★☆
2010.01.02
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原題:Romantic Island監督:カン・チョルウ主演:イ・ソンギュン、 イ・ミンギ、 イ・スギョン、 ユジン鑑賞劇場:シネマート六本木韓流シネマフェスティバル2009公式サイトはこちら。<Story>クビの危機に立たされたイケメンCEOジェヒョク(イ・ソンギュン)、職場でも家庭でも嫌な思いばかりしているOLスジン(イ・スギョン)、面接で失敗続きの就職浪人ジョンファン(イ・ミンギ)、嫌われ者のスーパースター、カヨン(ユジン)。クリスマス直前、辛い現実を忘れようとフィリピンのボラカイ島に出かけた4人は、そこで夢のようなロマンスに身をゆだねる。eiga.comより<感想>2本目はこの映画。境遇の違う3組のカップルが、同じリゾートアイランドで繰り広げるオムニバスストーリー。 軽い雰囲気で楽しめるコメディです。飛行機に思いっきりKALと書いてあったり、フィリピン観光庁が映画撮影を支援したりと、フィリピンの美しい景色やリゾート地としての魅力をアピールしつつ映画を楽しんでもらおうという試みなのでしょうね。DSCI0551 posted by (C)rose_chocolat登場人物は3組6人。中年夫婦、セレブ男&冴えないOL、学生&歌姫です。ツアーパックの旅行なんて行くと、いろんな年代の人たちと一緒になるけど、その中で個人個人がどんな生活をしているかなんてわからない。 だけどそれぞれに、その数だけドラマがある。まあ、これを、そんなの普通出会う訳ないでしょ!? って言ってしまえばそれまでなんですが、そこをちょっとだけ抑えて(笑)、少女マンガのような感覚でふんわりと楽しむ映画のように思いました。歌姫カヨン役のユジンは、自身もアイドルだけあってやっぱり可愛い。 このカップルが実は自分は一番よかったと思いました。いつもいつも管理されて自由がなくて、という毎日。 人気絶頂なのに、何一つ自分では成し遂げていないまま、流されているような感覚というのも、恐らく実感として彼女はあったようにも思いました。そういう時の非日常で、自分を取り戻すことができるんでしょうか。対するジョンファンは、逆に日常のどうしようもないことにどっぷり漬かってしまっている。現実から逃げたい2人が出会う。 けれども抱くイメージの違いがすれ違いを生んでしまう。 そこから何をつかんでいくのかが面白かった。御曹司としがないOLというのは、やっぱり普通にしていたらあんまり出会うことはないようにも思うんだけど(笑) 張り詰めた毎日だからこそ、何も考えなくてもいいような素朴な女性に惹かれるのかもしれないですね。中年夫婦。 彼らの危機は、お互いに話せなかったのか? あまりにも深刻すぎると話せないものなのかもしれないけど。ただ年月を経たからこそわかるものもありますね。ポスターなんかには彼らの写真がなくて、若者4人だけ(苦笑) おじさんおばさんはいらない、かあ。 うーん、さすがこのあたりは韓国?終了後に、上の写真(シネマート館内に展示してありました)にもあるポスターを1名にプレゼントする、じゃんけん大会(笑)がありましたが、これは負けちゃった^^でも綺麗なポスターですよね。ボラカイ島の景色も楽しめますよ。**********************************今日の評価 : ★★★
2010.01.02
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原題:帰休 / His Last Gift監督:キム・ヨンジュン出演:シン・ヒョンジュン、ホ・ジュノ、ハ・ジウォン鑑賞劇場:シネマート六本木韓流シネマフェスティバル2009公式サイトはこちら。<Story>組織のために愛する女性と人生を捨てて殺人を犯した無期囚テジュ(シン・ヒョンジュン)。彼の旧友である刑事ヨンウ(ホ・ジュノ)は、重い病を抱える自分の娘セヒの肝臓移植の条件にテジュが合致していることを知る。移植に合意して10日間の帰休を得たテジュは、逃亡するチャンスを窺う中で驚くべき事実を突きつけられる。eiga.comより<感想>去年11月から開催していた韓フェス。チケぴで5回券を買っていたにも関わらず、何やかんやで全然行けてなくて。。。 まだ5枚とも残ってる(大汗)これも1月15日で終了してしまうことに気がついて、何とかしなくちゃ! どーにか消化! と、空いている日にちを考えたら、まとめて観れるのは正月だけ。。。観たい映画と、空いている日にちを考えないと行けないからね。。どうしようもないので、正月なんだけどこの日にまとめて行って来ました。この日の1本目。そうですねえ・・・。これ、タイトルがネタばれなのです。 原題も邦題も。 あと画像も。そこは観る前から大きくイメージされちゃうんですよね。 なので予測がつきやすくなっちゃってます。まず、テジュが帰休するということなんですけど、こういうシチュエーションって韓国ではあるんですね(調べてないので架空なのかもしれませんが)。ただ、移植の条件に合うからという理由で外に出れるのか? ってまず思っちゃうんですよね。 日本じゃ聞いたことないものですから。たぶんそういう風に進むのかな・・・? と思ったら本当にそういう結果になっちゃってまして(書くとネタばれになるんで濁しますが)、韓国映画のパターンみたいな流れの典型的な感じ。。。シン・ヒョンジュンはモムチャンで、さすがにおおっ! と思いました(笑) 逃げるシーンなんかはその体力を生かしてました。たぶん初めて韓流に触れた10年くらい前なら、私も本作はどっぷりと泣いてしまうところなんですが、さすがにいろいろ観ておりますと、いろいろわかっちゃう部分もあり。。。 それも良し悪しでしょうか。 親子愛なんかがお好きな方なら楽しめると思います。***********************************今日の評価 : ★★ 2/5点
2010.01.02
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原題:My Dear Enemy監督:イ・ユンギ出演:チョン・ドヨン、ハ・ジョンウ、キム・ヘオク、キム・ジュンギ、キム・ヨンミン観賞劇場 : 有楽町スバル座韓国映画ショーケース2009 公式サイトはこちら。<Story>仕事もなく恋人もいないまま30歳を過ぎたヒス(チョン・ドヨン)が、貸した金を返してもらうため元彼のビョンウン(ハ・ジョンウ)と再会し、突拍子もない一日を過ごす。(ブロコリ ニュースより)<感想>あまり東京フィルメックスは毎年チェックしてないのですが、今年はプレリザーブを2本かけてみました。 これと、チャン・ドンゴン主演の『グッドモーニング・プレジデント』ですが、こちらのみ当選。 ということで、大好きなチョン・ドヨンの新作を観賞できました。 これは日本公開はあるような気がします。 何といっても共演がハ・ジョンウですし。冒頭の競馬場のシーンがあまりにも無彩色で、おまけに登場したチョン・ドヨン演じるヒスのメイクが、アヴリル・ラヴィーンやクムジャさんも真っ青な「目の周りぐるりメイク」だったので、これはいつものように何かものすごいものが隠されているのか? もしかして殺人犯? などと思いながら観ていましたが(笑)、まったくそうではなくて、日常の1日をじっくり描いた作品。とは言ってもただの日常では映画にならないので、元カレに貸した金を返してもらいに行くというのがヒスの目的。 350万ウォン(だったかな?)=約264,000円ということで、べらぼうな大金ではないものの、1人の若い女性にとってはそれなりの意味を持つ額かも。 そのお金を巡って出てくる人間関係を観察するのがこの映画の楽しみどころではないでしょうか。ほぼ、チョン・ドヨンとハ・ジョンウのダイアローグで進んでいく。 車の中でのシーンが多く、ガラス越しに反射する姿まで計算して撮影しているのがわかり、うまいカメラワークとなっている。観るにつれ、この2人の姿が明らかになっていくのだけど、特にハ・ジョンウの天然さというかいい加減さというか、そのとぼけた部分は、『チェイサー』や『ノーボーイズ、ノークライ』とはまた違う、彼の新たな演技の一面となるだろう。 対するチョン・ドヨンは、『シークレット・サンシャイン』のような、不可解だったりミステリアスな雰囲気は漂わせつつも、実態をあまり語らないので、本質がハ・ジョンウに比べるとあまり見えてこないかも。魂まで役に入れ込むというのが、チョン・ドヨンに対する自分のイメージだけど、外見に惑わされつつも実は静かに、成り行きに身を任せるという今回のヒス、落ち着きどころが最後までなかなか見えなかったところは面白いかもしれません。 そういう意味では一風変わったブラックコメディと言えるでしょう。★★★☆ 3.5/5点
2009.11.28
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原題: MOTHER監督・原案・脚本 : ポン・ジュノ 出演 : キム・ヘジャ 、 ウォンビン 、 チン・グ 、 ユン・ジェムン 、 チョン・ミソン 公式サイトはこちら。<Story>漢方薬店で働く母(キム・ヘジャ)は、早くに夫を亡くして以来、子供の心を持ったまま純粋無垢に育った一人息子トジュン(ウォンビン)と静かに暮らしていた。ある日、街で女子高生が惨殺される事件が起こり、トジュンが第一容疑者になってしまう。事件の解決を急ぐ警察は、乏しい物証にも関わらずトジュンを犯人と決めつける。無能な弁護人も頼りにならない中、母は自分の手で真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとするのだが…。母なる証明 - goo 映画<感想>何だか最近めちゃくちゃ忙しくて、映画も感想書いてないのが溜まってますんで、手短に。これ、ウォンビンくんの復帰作ということで、とりあえずチェックしとかないとなあということで鑑賞。彼の映画は『ブラザーフッド』を鑑賞しています。 これ、結構好きな映画でした。 チャン・ドンゴンもイ・ウンジュもここでファンになったんですよね。 懐かしい~ポン・ジュノ作品は、昨年『TOKYO!』を鑑賞。 重たい映画はどっちかというと好きな方なんですが、これも冒頭から重たさを感じさせる。 ひたすら我が子一筋の母と、目の前のことに無邪気に懸命になる息子。・・・・・・・・自分のところが、こういう「ひたすら子を見つめる」というタイプの親子じゃないからかもしれないけど、この親子の距離感に、違和感を感じてしまいました。もっとも、この親子のおかれた状況を考えると、そうせざるを得ないようにも思いますし、子のためにひたすら生きないといけなくなってしまうんでしょうね~。「親という字は、木の上に立って見る」と言いますが、そうではなく、親が子と同じ目線で生きなくてはならない生活。 その立場にならないと想像できないのだろう。この親子がどうして母一人子一人なのかという事情は説明がない。 だが、どんなことがあっても生き抜いてやるという母の執念だけが、この親子を支えてきたのは想像がつく。人に何と言われようとも、私がこの子を守る。その念だけが、この母を支えてきたのだろう。だからこの母の結末も納得がいく。・・・・ なのですが。そうですね、難しいんですが、やはり私は共感はできないかな。私なら、こうすると思う、という方向がちょっとこの話とは違うから。 なので観終わったあとはあまり話に入りこめてなかったのがわかる。細かいところでは、冒頭や、「ある結末」を迎えてしまった母が荒野でダンスするところなんかは、うーんやっぱりそれはないんじゃないか、などと感じた。あと韓国の警察の捜査の杜撰さ(わざと?)なんかもあり得なかったし。 これは『チェイサー』もそうでしたね。ラスト、子が母にあるものを渡しますが、その感覚は自然だったしうまかったと思いますが、韓国ならではの親子の距離感なのでしょうか。 やはりこの後味の悪さに引いてしまったかな。あと、この作品で嬉しかったこととして、ドラマ『オールイン』でイ・ビョンホン演じるイナの少年時代を演じたチン・グくんが出てるんですね。 彼ももうすっかり大人だし、何気にお腹周りにうっすらとお肉がついているあたりは年月を感じちゃいましたね。**********************************今日の評価 : ★★★
2009.11.03
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原題: THE GOOD, THE BAD, THE WEIRD監督 : キム・ジウン 出演 : ソン・ガンホ 、 イ・ビョンホン 、 チョン・ウソン 、 リュ・スンス 、 リュ・チャンスク 、 イ・チョンア 、 キム・グァンイル 鑑賞劇場 : TOHOシネマズシャンテ公式サイトはこちら。<Story>混乱が続く1930年代の満州。こそ泥のユン・テグ(ソン・ガンホ)は大陸横断鉄道に強盗を仕掛け、日本軍人から謎の地図をせしめることに成功した。だがその時、列車が別の何者かに襲撃を受ける。襲撃したのはパク・チャンイ(イ・ビョンホン)の率いるギャングたちで、彼らは偶然テグが手にした日本軍の宝の地図を狙って来たのだ。さらにそこに列車に乗っていた賞金ハンターのパク・ドウォン(チョン・ウソン)も参戦。3人は宝の地図を巡って争奪戦を繰り広げ……。グッド・バッド・ウィアード - goo 映画<感想>一応、韓流に入ったのはヨン様の「冬ソナ」がスタートで、その次にハマったのがイ・ビョンホンという履歴です(笑なのでblog開設前からビョンホンssiをウォッチしており。。。チョン・ウソンssiはそのあとにハマってます(笑イ・ビョンホン鑑賞歴 ↓『誰が俺を狂わせるのか 』 『我が心のオルガン 』 『バンジージャンプする』 『純愛中毒』 『美しい夜、残酷な朝』 『誰にでも秘密がある』『甘い人生』 『G.I.ジョー』チョン・ウソン鑑賞歴 ↓『私の頭の中の消しゴム』 『デイジー』 『Sad Movie <サッド・ムービー>』 『レストレス ~中天~』ソン・ガンホ鑑賞歴 ↓『親切なクムジャさん』 『シークレット・サンシャイン』3人3様で、いい俳優さんだと思います。なのでこのタイトル、『グッド・バッド・ウィアード』っていうのもこの3人のイメージにぴったり。 このタイトルありきで映画を作ったんじゃないかと思うくらい。私は西部劇ってもともと全然守備範囲じゃなくて、だからこの映画がいろいろな西部劇をモチーフにしているということは全くわからないです。初見で全く予備知識がない人にも楽しんでもらえるのが映画だと思いますので、それは問題ではないと思うんですが、それを差し引いても、この映画はちょっとアタマ抱えちゃいました。まず、どこを目指しているんだろう? という疑問。「キムチ・ウエスタン」「韓国ウエスタン」らしいものを作ろうということなんですが、それがコメディ路線なのかそれとも残虐路線なのか、あるいはごった煮の路線なのかがわからない。銃撃戦のシーンなんかは、あり得ない感じがたくさんたくさんで。あれでどうして主役級だけ生きているのかがまず不思議なんですよね。どこかで死んでいるはずの人が次の銃撃戦で生きているのも不思議 f^^;満州が舞台というのは確かに面白くはあります。 実際に様々な勢力が覇権争いをしたわけですから。なのですが、あんなに自由に彼らは振舞えたのか? というのと、日本軍もあれに兵力をかけるのは無駄のような気がしてしょうがなかったですね。馬賊を抑えるという大義名分は確かにありますけど。。。3人の俳優は好きですが、これは目指す方向がはっきりしてなくて、申し訳ないけどバラバラな印象がほとんどでした。日本公開版はカットシーンがあったらしく、そのせいで話がつながらないようにも感じました。3人の中で、チョン・ウソンのエピソードが弱かったように思えたのは私だけかしら?ただ単に「賞金稼ぎ」しか情報がなかったような気がしたんですけどね。イ・ビョンホン、見せ場はありました。「売国奴」を撫で切りするシーンなんかは、芸術的と言えば芸術的。(モムチャンもなぜかやっぱりあり f^^;)俺様一番!なのもまあキャラなのでそれもありかなとは思うんですが・・・。悪役っぷりは悪くはないのですが、『甘い人生』には到底かないません。ソン・ガンホも、ワルっぷりが今1つ伝わって来なくて、コメディタッチに感じてしまったので、それもちょっと残念です。*********************************今日の評価 : ★★
2009.09.04
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原題: HAPPY END監督: チョン・ジウ出演: チョン・ドヨン 、チェ・ミンシク 、チュ・ジンモ<Story>子供英語学院の院長を務める美しい女性、チェ・ボラ(チョン・ドヨン)。彼女は、会社をリストラされた夫ミンギ(チェ・ミンシク)が失業中の今、家事や育児を彼に任せ、家計を支えるため働いている。だが一方で、ボラは夫に言えない秘密を持っていた。それは、学院のHPデザイナーで大学時代の恋人キム・イルボム(チュ・ジンモ)との不倫関係だった。ボラは結婚後にイルボムと再会して以来、その関係を続けている。純粋に身体だけの付き合いのはずが、イルボムは次第にボラと彼女の子供と一緒に暮らすことを夢見がちになっていった。そしてある時、彼がボラに渡した合鍵がきっかけで、彼らの運命が狂い始めてゆく。ハッピーエンド(1999) - goo 映画<感想>韓国の女優さんで誰が一番好き? と訊かれたら、間違いなくチョン・ドヨンを挙げますが、これまだ観てなかったなあと思ってたので鑑賞。去年の『シークレット・サンシャイン』の彼女の演技も素晴らしかったですし。いつも思うんですが、彼女の演技は、それが素なの? と思いたくなるくらい、役に乗り移ったような感じなんですよね。そのリアリティがまた自分は好きだったりするんです。公開当時はかなりベッドシーンが話題に、というよりも問題になったそうで。まあ、これだけ激しかったらねえ・・・。 ですけど彼女の身体は本当に綺麗です。見た感じは本当に普通の女性なんだけど、醸し出しちゃってる雰囲気が、魔性の女なんですよね。1度付き合ったらもう離れられない、離したくないと言わせるようなものが彼女の魅力であって、また魔力でもあるのでしょう。とことん、のめりこむ・・・ 何事においても彼女はきっとそうなんだろうし、相手も彼女にのめりこんでくる。 そういう魅力にうまくあてはめた役だと思います。「ボラは、家計を支えるために働いている」と上のあらすじには書いてありましたが、家計を支えるために院長はしないんじゃないのか? などとお話自体はかなりつっこめる感じではあります。舞台となる家庭は、隙間風が初めから吹いちゃってるんだけど、これはミンギのリストラと関係がなさそうですね。 そのあたりがあまり詳しく描いてないのですが、焼けぼっくいのパターン??とりあえず目の前のことは映像になっているんですが、つなぎが何となくハッキリしてないんですね。 観ていくうちに出しますから・・・という感じ。そして、最初はボラ側の目線なんですが、途中からミンギの目線にシフトしていってます。 これもストーリー上、仕方ないところではありますが。お話自体は日常でもよく見かける記事のような感じなんですが、それでもチョン・ドヨンの迫力は十分ありました。 彼女の初期の作品ですが、その後の成長を予感させている演技です。それにしても、黙っている男性は結構怖いもんですね。 今まで溜まったものが一気に出て来られてもすごく困ってしまう。でも、男性の堪忍袋の緒が切れる時ってこんな感じなのかな。 やっぱり、自分の子どものことになると、人は目の色が変わりますからね。*********************************今日の評価 : ★★☆
2009.08.22
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原題: THE BOAT監督 : キム・ヨンナム 脚本 : 渡辺あや 出演 : 妻夫木聡 、 ハ・ジョンウ 、 チャ・スヨン 、 徳永えり 、 イ・デヨン 、 貫地谷しほり 試写会場 : 一ツ橋ホール公式サイトはこちら。<Story>韓国から来た男は、背中を丸め必死に“何か”を抱え込んでいた。岸辺でランプを照らし彼を出迎える日本の男にも、抱え込んでいる目に見えない“何か”がある。幼い頃に親から捨てられた孤児のヒョング(ハ・ジョンウ)と、絶望的な状況にある家族が重荷となり自身の幸せを諦めていた亨(妻夫木聡)。韓国と日本に生まれ、家族を持たない男と家族に縛られる男-BOYS-は、闇の仕事の下っ端同士として出会った。あくまでも楽観的に考えようとするヒョングにとって、無口で無愛想な亨は何を考えているかわからない存在。しかし、失踪した父を探す韓国人少女・チス(チャ・スヨン)の出現によって、互いが心の奥底で抱え込んでいた“何か”が形になりはじめる。[ 2009年8月22日公開 ]ノーボーイズ,ノークライ - goo 映画<感想>先日観た『チェイサー』の犯人役・ハ・ジョンウくんと、今や日本を代表する若手俳優になっちゃった妻夫木くんの共演ということで、話題にもなっているこの作品。 先行で観てきました。この日は19時開映ということでかなりの混雑。 ほぼ満席でした。座席の幅が狭めなので、左に座った、ゴマ塩頭の人の肩がピッタリくっつくのが嫌だったなー。 もう少し遠慮してよ!! 自分ちのリビングじゃないんだから、どでーんと座るな!! だよねえ。。。最初この映画のカテゴリ分けに悩んだんですが、これは明らかに韓国映画寄りかなあと。。。 まず監督がキム・ヨンナムさんだし。 渡辺さんのストーリーも、「日本での韓国人の姿」を描いた部分が大きいですし。 どちらかと言うと、妻夫木くんよりもハ・ジョンウssiの方が(やや)前面に出てたような。 妻夫木くんが韓国語のセリフを流暢に(→ と私は感じましたが、韓国語をご存じの方からしたらいかがなのでしょうか)話しているのに対し、ハ・ジョンウssiは日本語のセリフはほぼなし。今、日韓で旬な2人の俳優の共演だけに、彼らの自然体の魅力は十分伝わるのではないだろうか。 ハ・ジョンウssiって結構ガタイがよいのね。。。 妻夫木くんのポロシャツ姿はちょっとうーん。。。 でしたが(苦笑(C)2008『The Boat』フィルム・コミッティ題材的には、これをもしも韓国バージョンで全部リメイクするならば、かなりシビアな展開になるような気がする。 裏稼業の話なんで、追って追われて。。。 の展開になると思うんだけど何故かそうではなくて、ファンタジーの領域に入っていく。普通に考えると、携帯の番号がわからない、居場所がわからない、ということはないはずなんですが。。。そこが渡辺さんのお話の優しさなんでしょうね。どうしようもない運命に囚われて、そこから逃れる術もなく、自分の周りの大切なものが1つまた1つ、なくなっていくのを眺めているしかない人生。 そんな自分が嫌だった。 そこから逃れるのには、金しかない。だが一攫千金などというものがあるわけではなく、ましてそれを裏稼業の人脈を欺いて手に入れることは一体何を意味するのか。その恐ろしさを分かっていながらも、走り出したクルマはもう後には戻れない。抱えたものの重たさや辛さはもう充分にわかっている。 だからこそその瞬間から逃れたい時もある。 彼らのデュエットシーンにはそんな含みを感じました。 あのシーンはただ単純に楽しめたし、彼らのカッコよさとかズッコけた感じも可愛かった(笑まとめると、優しさに包まれた残酷さ、といったところだろうか。ただ、そこにまとめるがあまり、都合の好さみたいなものがどうしても出てきてしまう。 そして優しくしてしまったがあまりに、掘り下げていかなければならない部分が曖昧になってしまったのは事実だし、そこをクリアに描いたら深みのあるものになったのではないだろうか。 韓国映画のギラギラした感じにしていったら、一体この作品、どうなっていったかなと考えさせる余地が出てきてしまう。***********************************今日の評価 : ★★★
2009.08.04
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原題: SEVEN DAYS監督・脚色 : ウォン・シニョン 出演 : キム・ユンジン 、 パク・ヒスン 、 キム・ミスク 、 チャン・ハンソン 、 チェ・ミョンス 、 イ・ラヘ 、 ヤン・ジヌ 鑑賞劇場 : シネマート六本木公式サイトはこちら。<Story>シングルマザーで勝率100%の弁護士ユ・ジヨン(キム・ユンジン)。ある日彼女は娘ウニョン(イ・ラヘ)の運動会に参加するが、競技の最中にウニョンを誘拐されてしまう。警察に連絡して犯人からの連絡を待ったものの、犯人の不信を買い「取引は終了だ」と冷たくあしらわれるジヨン。しかしその後犯人から再度連絡が入り、ジヨンは特殊な要求をされる。それは、殺人事件で有罪目前の被告チョン・チョルチン(チェ・ミョンス)の無罪を勝ち取れというものだった……。セブンデイズ - goo 映画<感想>もう『シュリ』から10年も経つんだなあ・・・ と改めて思います。相変わらずキム・ユンジンは美しい。あの衝撃的な役も大好きなのです。その後彼女はTVシリーズ「LOST」でブレイクしていきました。 この『セブンデイズ』は韓国に帰って久々の作品だそうです。先日、『コネクテッド』を観賞しましたが、これも同じく「娘が誘拐」というストーリー。ちょっと似てるなあと思いました。ただ、『セブンデイズ』は、話の持って行き方は韓国映画らしく、ヒロインがどんどん先へ先へと進んで行って、その先には・・・ という展開。これも直近で鑑賞した『チェイサー』に似ています。でもこれは、これら2つの作品ともまた違っている。 そこが面白い所以なんです。全体を通して不安定なカメラワークが多く、またサウンドもざわざわとした感じのもので、それが内容の不安定さにもつながっている。誘拐と交換条件で弁護を依頼される。 姿の見えない敵は常にジヨンを見張っている。 そしてその取引は他に知られてはならない。 その緊張感がたまらない。二転三転、話もひっくり返っていく。 「秩序と無秩序」、これがキーワードで、次から次へと展開されていく話の中でも、これに対応することを見極めていくと、オチがつかめるかも。 ただ非常に展開は速いので、それを考える暇は正直ないくらいだが。この取引と並行して、「母と娘」という関係がクローズアップされていく。 旅立って行く木曜日の子。その引き裂かれるような想いは共通なのに、それを出さない強靭さと、母の顔に戻った時の狂おしい子への想いと。その相反する2つの顔を使い分ける演出は見事です。子を想う母親の執念の凄まじさは、今更言うまでもありませんが、こうして見せつけられると何物もかなわないような気がする。こういう執念深さとか、怨念とか、そういうものを描かせるとやっぱり韓国映画はピカイチのように思います。これもリメイクが決まったそうですが、果たして一体どこまでこういうドロドロとした想いを保てるんだろうというのはいつも気になります。*******************************今日の評価 : ★★★★
2009.07.22
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原題: ANTIQUE監督 : ミン・ギュドン 原作 : よしながふみ 出演 : チュ・ジフン 、 キム・ジェウク 、 ユ・アイン 、 チェ・ジホ 、 アンディー・ジレ 鑑賞劇場 : 109シネマズ川崎公式サイトはこちら。<Story>甘いものが苦手なジニョク(チュ・ジフン)は、「女性客が多い」という理由で洋菓子店アンティークを開く。パティシエとなったのは、イイ腕を持ちながら恋愛絡みのトラブルが絶えない“魔性のゲイ”ソヌ(キム・ジェウク)。 高校時代、ジニョクが手酷く振った相手だ。さらに元ボクサーのギボム(ユ・アイン)、ジニョクに忠実に仕える幼なじみスヨン(チェ・ジホ)も加わり、店は軌道に乗り始める。そんな矢先、町では子供の連続誘拐事件が発生。次第に、ジニョクの幼い頃の悲しい記憶が甦る…。アンティーク~西洋骨董洋菓子店~ - goo 映画<感想>『チェイサー』に続けて韓国映画。 原作、テレビドラマ一切見ていないので、これは正直鑑賞どうしようかとかなり迷いましたが、まず美味しそう(笑) なのと、先ごろ麻薬でチュ・ジフンが逮捕されてしまったということもあり、彼の作品を観る機会がこの先当面の間なさそうな感じがしましたので。 待機作『キッチン』も予告が何となくいい感じで、ポスターも可愛く、シン・ミナちゃんも好きなので観たかったのですが、この公開も当面延期ということですし。。。(なぜか試写会の応募があるところとないところがあるのが不思議なんですが)ちなみに「宮」「魔王」は未見。全体的にふんわりとした感じ、というのは予想通り。 少女マンガの世界。画面全体やセット、小物、そして何よりもケーキがどれもこれも何と美味しそうなことか。。。(笑「西洋骨董洋菓子店」というサブタイトルによく合っています。ジニョクやソヌの演技も自然と優しめなあたり、女性を意識した作りですね。最初、ソヌの「魔性のゲイのパティシエ」っていう設定がどうにも??? だったんですが、不思議と観ているうちにソヌが可愛らしく見えてくる(笑) 彼はモデル出身だそうです。 このあたりのキャスティングもうまいですね。(C) 2008 Showbox / Mediaplex, Inc., United Pictures, SooFilm & ZIP CINEMA. All Rights Reserved元ボクサーのギボムくんは最初から最後まで食べっぱなしでしたが、NGもあったでしょうからそれを入れるとかなりの量のケーキを口にしたのでは。 この映画の中で、彼のキャラが終始頭に血が昇りやすい雰囲気で、あんなに優雅な店内でしょっちゅうケンカしていたのは違和感あったのですが。。。画面いっぱいに甘い甘いものばかりではアクセントがないから、そんなキャラなのかもしれませんが。あと、犯人とジニョクが出会うところを中盤に持ってきて、そこから話をもう少し進めればストーリーとして面白かったのにとは思いましたが、原作未読なのでこの2点は何とも言い難いところ。スヨンとジニョクのお互いの自立のところなどはすっきりとしていて、ジニョクの自己分析もちゃんとできているあたりなどはよかったです。日本版のドラマも観ていないのですが、逆にそれが映画単体としてこの作品に入り込むことができたからそれはそれでよかったかも。気軽に見れる韓国映画、観た後にみんなでおしゃべりしながらお茶したくなります。 もちろんケーキ付きで(笑********************************今日の評価 : ★★★
2009.05.06
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原題: THE CHASER監督・脚本 : ナ・ホンジン出演 : キム・ユンソク 、 ハ・ジョンウ 、 ソ・ヨンヒ 、 キム・ユジョン 、 チョン・インギ 、 チェ・ジョンウ 鑑賞劇場 : 109シネマズ川崎公式サイトはこちら。<Story>街では連続猟奇殺人事件が起こっている頃、元刑事でデリヘノレ嬢の斡旋を生業としているジュンホ(キム・ユンソク)は、彼の元から行方をくらませた2人の女の行方を探っていた。その手がかりを握る男を見つけるも、探りを入れさせたデリヘノレ嬢ミジン(ソ・ヨンヒ)も失踪。だが偶然ジュンホは疑惑の人物ヨンミン(ハ・ジョンウ)を見つけ、捕獲する。すると警察でヨンミンはとんでもない告白を始めた。「女たちは自分が殺した。そして最後の女はまだ生きている」と――チェイサー - goo 映画<感想>本当に久しぶりの韓国映画です。 自分の日記を見たら昨年はたったの4本しか鑑賞していませんでした。 9月の『ファン・ジニ』以来。本当は韓国映画好きなのですが、最近は日本公開の本数も減りましたし、また自分でも吟味して観に行くようになってしまいました。 そのせいかあまり大きくハズレもないのですが。正直これは知っている俳優さんがあまりいないのと、あとR-15ということで結構迷ったのですが、お友達の評価もよいので試しに鑑賞してみることにしました。10か月に21人を殺害した疑いで逮捕された、韓国で“殺人機械”と言われた連続殺人鬼ユ・ヨンチョルの事件をベースにした映画。全体的に画面が暗いせいもあるのだけど、冒頭から不穏な空気が漂っている。 そして予想通り残虐なシーンの連続。う・・・。 血が苦手な自分がよく観てるな(苦笑出てくる女の子すべてがいなくなる。 犯人は本当に一見して「普通に見える男」。 だけどその内側に巣くっているコンプレックスが、女性に対しての残忍な行動に向かっていく。今も昔も、性的コンプレックスが一番弱いものに向かう。 被害者には何も罪はないのに。 憤りを禁じ得ない。元刑事、そして今はデリヘノレを経営しているジュンホ。 自分の店で抱えている女の子たちが次々と姿を消していく。彼は最初はいい加減なんだけど、だんだんことの次第がわかるにつれてこの事件に深く関わっていく。元刑事なんで、捜査の勘っていうのがまだ残っているんでしょうね。この映画に出てくる警察がとにかくダメダメに描かれてる。 初動捜査の失敗以外の何物でもなく、尋問の様子も観ているこちらが思わず笑ってしまうほどの間が抜けた感じになっている。 こんな警察じゃ頼りにならないから、じゃあ自分で調べるっていう動機付けには十分すぎるくらい(笑(C) 2008 BIG HOUSE / VANTAGE HOLDINGS. All Rights Reserved.すぐそこに犯人の息遣いが聞こえてきて、手が届きそうなのにそう簡単には届かないところはもどかしく、この映画の見所でもある。そして犯人の残虐性。 ヨンミンを演じるハ・ジョンウはそれこそ普通にしていれば「虫も殺さぬほど」穏やかに見える。 だが凶行を決意したときの豹変ぶりは凄まじく、普段が穏やかであるが故にそのギャップを観客に植え付けていく。 自分がどうしたら罪を逃れられるのかを考えているあたり、のほほんと見えるようで策士というのを感じさせ、憎たらしさを増幅させている。最後の、雑貨屋さんでのことまでもが果たして実話なのかどうかはわからない。 だがこの場面が、この映画の残酷さをさらに深め、観客は犯人を追い詰めていったジュンホの心情により近づくことができる。彼は決してスマートなタイプではないけれど、観ている方はその執念にほだされてしまう。ミジンの娘の勘のよさはおそらく脚色だろうけど、その無邪気さがより一層悲しみを引き立てている。風俗嬢が危ない目に遭うのはそう珍しくない話だけに、ただその仕事をしていたからという理由で犠牲になった方々は本当にお気の毒です。ハリウッドでレオ様がこれをリメイクすることが決定したそうですが、どうかこの研ぎ澄まされた持ち味を消さないで! とお願いしたくなるくらいの良作だったと思います。**********************************今日の評価 : ★★★★☆
2009.05.06
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原題 : HWANG JIN YI / 黄真伊 監督 : チャン・ユニョン 出演 : ソン・ヘギョ、ユ・ジテ、リュ・スンリョン、ユン・ヨジョン、オ・テギョン、チョン・ユミ 試写会場 : 新宿安田生命ホール公式サイトはこちら。<Story>16世紀、朝鮮王朝時代。身分階級まで運命が決まっていたこの時代に、両班(やんばん)の娘として育ったファン・ジニ(ソン・ヘギョ)。ある日、ファン・ジニの元へ縁談話が舞い込んでくる。しかし、出生の秘密が原因で彼女の結婚は破談。そして、家を出て実母と同じ“妓生(きーせん)”としての道を選ぶことを決意する。ファン・ジニは、最初の男として、ずっとそばで支えてくれたノミ(ユ・ジテ)に体を捧げ、妓生としての道を歩き始める。5年後、一流の芸妓となったファン・ジニは、町を騒がせている窃盗団を率いているのがノミだと気づき、彼の逃亡を手伝うのだが…。身体を捧げながら、一人の男への愛を貫き通した一人の名妓の激動の物語。CinemaCafe.netより<感想>シネトレさんで当選しました。いつもありがとうございます^^韓国映画の試写は初めてでした。普通の試写会とは、一種雰囲気が違っていて、独特の模様ですね。いらしている層がまず違う。そして。映画鑑賞のマナーも、違うのかしら^^;あまり詳しくは書きませんが、これではいろいろと言われてしまうのも無理はないでしょうね。「秋の童話」、「オールイン」で日本でもファンが多い、ソン・ヘギョちゃん。 しばらくご無沙汰だっただけに楽しみにしていました。しかも私の好きな時代劇&恋愛もの^^予告も美しそうですしね。。朝鮮王朝時代、妓生(キーセン)と呼ばれた女性たちがいました。 妓生といっても、本来は歌舞音曲・学問・詩歌に秀でた人物がなるもので、昨今のいかがわしい意味とはずいぶん違うそうです。日本で言うなら、花魁や芸妓に近いものがあるのでしょうか。 身分制度が厳しかった時代、生まれた家の階級に一生を縛られて生きていかなくてはならなかった時代。 両班(ヤンバン)の家に育ち、高い教養を身につけてきたチニ。しかし運命は彼女に、自らそれまで守られてきた人生を捨てさせ、妓生として生きることを選ばせる。 育った環境が授けてくれた芸術に関する知識と、天性の才能、そして美しさによって、チニは明月(ミョンウォル)となり、押しも押されぬ妓生となった。 彼女は自分をこの境遇に追いやった世の中を嘲笑いながら生きていくと誓った。 そして、ただひとりの男・ノミ(ユ・ジテ)を胸に秘めつつ、自分に恋い焦がれたり利用したりする男たちに、自分たちの愚かさを身を持って悟らせる役割もしていった。 どこまでも気高く、まっすぐに生きる。 いつ、いかなる環境においても、自分の心にプライドを持ち、 自分の教養に磨きをかけ、 そして人々からも一目置かれる存在になっていく。そして、どんな境遇でもそれを失わないこと。そうするとその人の顔に輝きが生まれてくる。それが、朝鮮の身分制度を生きる上での知恵でもあったのだろう。だがそれ以上に、自分を貶めないということは、人間としての魅力を存分に引き出す上でなくてはならないものではないだろうか。 ソン・ヘギョちゃんは、この映画でぐっと成長したような気がする。 彼女が本来持つ芯の強さが、とてもいい方向に生きている感じがしました。 ラストで、冬山をひたすら登って行くその瞳の凛々しさ。彼女の美しさを際立たせていました。 「オールイン」のときでしょうか、ちょうどイ・ビョンホンと交際していたけど、「お互いの将来のために」別れてしまった2人。 その時は残念だなと思ったけど、この映画をみるとその選択は決して間違いではなかったと感じるのです。 恋人と別れて、更に強く美しくなって、磨かれていく女性。 そんな女性も、素敵です。 **********************************今日の評価 : ★★★★
2008.09.18
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原題: SECRET SUNSHINE/密陽監督・脚本 : イ・チャンドン 出演 : チョン・ドヨン 、 ソン・ガンホ 、 ソン・ジョンヨプ 、 チョ・ヨンジン 、 キム・ヨンジェ 鑑賞劇場 : シネマート六本木公式サイトはこちら。<Story>夫を交通事故で亡くしたばかりのシネ(チョン・ドヨン)は、夫の故郷で再出発するため、息子(ソン・ジョンヨプ)とソウルから密陽(ミリャン)に引っ越して来る。車が途中で故障してしまい助けを呼ぶと、自動車修理工場を営むジョンチャン(ソン・ガンホ)がやってきた。それ以降、何かと気にかけてくれるジョンチャンの尽力もあって、シネは無事にピアノ教室を開くことができた。隣人たちとなかなか馴染めないことに不安を抱きながらも、なんとか順調に新生活を送っていたが、ある日…。シークレット・サンシャイン - goo 映画<感想>2007年カンヌ国際映画祭主演女優賞受賞作品。その他韓国内外の数々の賞に輝き、そして大好きなチョン・ドヨン主演なんで、これは絶対に観に行こうと気合い入れて行ってきました。シネマートの水曜の初回・・・ 何となく予感はありましたが、映画館の外まで列が!!上映館が少ないのでどうしても集中してしまうんでしょうね。チョン・ドヨンの作品は割と多く鑑賞しています。『私にも妻がいたらいいのに』、『スキャンダル』(日記なし)、『我が心のオルガン』、『ユア・マイ・サンシャイン』の4本。どれも難しい役なんですよね。彼女は、役の中に必ずと言っていいほど自分を同化させているような気がするんです。そんな表現ができる数少ない女優さん。韓国の女優の中ではこれは右に出るものはいないような気がします。その努力、というか、天性のものもあるんだろうなあ。。。今回の受賞にもつながったのだと思うんです。普通、夫をいくら愛しているとはいえ、夫の故郷で再出発するってすごく珍しい選択のような気がします。劇中でも密陽アジュンマたちに驚かれてる。大概そんな時は、今住んでいるところとか自分の故郷とかでやり直そうかなって考えるのが自然なんじゃないかなと。そしてやり直そうとした土地、ミリャン(密陽)で、シネは周りに馴染もうとしないばかりか、自分を誇大に羽振りがよさそうに宣伝している。それが引き金となり最悪の結果を生んでしまうわけなのだけど、彼女がそんなにまでしてよく見せたかったのは何だろうかって思ってしまいます。虚勢なのか、見栄なのか。それを解明するシーンは追々出てくるんですね。死んだ前夫との関係、前夫の家族との確執なんか。そういうものに負けまいと必死に生きていこうとするシネ。しかし運命は彼女に過酷な試練を与えてしまう。「許す」って人間にとって一番難しいこと。私が許す、それなら私は救われる。でも私が許す前に他人によって許されてしまっているのならば、それでは私が救われないではないか。極悪人を許そうと思っていた、そしてそれは完璧に成し遂げられると思っていたシネの表情は、相手が自分よりもとっくの昔に平安を得ていて、そして自分が犯した罪は自分の信仰によって許されると悟っているとわかった瞬間から、みるみるうちに崩れ去っていく。その表情の見事さ・・・。 天女のような「許す」表情から、夜叉の顔に変わる瞬間。人の心には光と闇が同時に存在することを改めて思い知らされる。そんなに簡単に許せるわけはないのだ。(C) 2007 CINEMA SERVICE CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED許せない、そんなに簡単には。そうなるとすべてのことが嘘に思えて。シネが怒りを込めて牧師のBGMと取り替えてかけるCDも見事な選曲。でもそんなことじゃ彼女の怒りや虚しさは埋まらない。だから最高に清らかなものを汚させようとしていくのだが、それもインコンプリートに終わってしまう。自分の心を癒そうとすればするほど、行く先々に傷つけるものばかりが現れる。そこから逃れようと辺りを見渡した時、いつもそばにいてくれたのはジョンチャン、そして暖かい陽射し。何も見えないから信じないと言い切っていたシネ。けれど、ずっと自分を見守っていてくれた存在の偉大さにいつか気がつくときがあると信じたくなった。無骨な男を演じたソン・ガンホの包容力も素敵でした。じれったいほどの心のいやらしさ、汚さ、そういったものをチョン・ドヨンはきっと限界まで自分を追いつめて演じているんだろうなと感じました。また1つ彼女の傑作が生まれていきます。このサイトに、この映画の説明とロケ地の写真が出ています(ハッキリ言いますがネタばれしてますんで、ご覧になる方はそこのとこ了解してください。かなり詳しくロケ地が出てます)************************************今日の評価 : ★★★★★
2008.06.11
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原題: MAY 18監督 : キム・ジフン 出演 : キム・サンギョン 、 イ・ヨウォン 、 イ・ジュンギ 、 アン・ソンギ 、 ソン・ジェホ 、 ナ・ムニ 、 パク・チョルミン 、 パク・ウォンサン 、 ソン・ビョンホ 、 チョン・インギ 鑑賞劇場 : 109シネマズ川崎公式サイトはこちら。<Story>1980年5月18日、韓国・光州市。この町で25000余名の戒厳軍が民主化を要求する学生、市民らと衝突した“光州事件”…タクシー運転手の青年ミヌ(キム・サンギョン)は早くに両親を失い、たった一人の弟ジヌ(イ・ジュンギ)と暮らしていた。父親代わりでもあるミヌは、弟に格別の愛情を寄せていた。そして、ミヌが想いを寄せる看護師のシネ(イ・ヨウォン)。彼女は母親を亡くし、父親フンス(アン・ソンギ)との二人暮らしだった。彼らの平和な日常は、その日を境に突如として襲った嵐のような戦禍にまみえていく。ミヌは、ただその現実が夢であることを願った。軍の銃弾に倒れた弟のジヌ。かけがえのない愛と命が次々と犠牲になっていく。ミヌは、ただ愛するものを守りたい一心で戦いを挑んでいくのだが…。光州5・18 - goo 映画<感想>109シネマズデーの2本目。大きめのスクリーンはほぼ満席です。心なしか年配のお客さんが多かったような。光州事件の詳細はこちら。アジアで起こった大規模な民主化運動の中で、光州事件の詳細というのはあまり知らされていないような気がします。当時は韓国内でも報道規制がされていましたから、正確な事実は国民に知らされることはなかったようです。天安門事件の方が記憶に新しいこともあり、日本ではこちらの方がよく知られていると思います。ですのでこの映画は鑑賞前に多少なりとも光州事件の知識が必要となってきます。映画鑑賞の平和な場面から、いきなり民衆弾圧へと場面が移動してしまいますので・・・。ここでは、軍の弾圧に対して組織した市民軍が抗戦したという簡単なストーリーになっていますが、実際はもっと複雑だったようです。そこのところの細かい説明は省略して、あくまでも戦いをバックに据えて、兄弟・親子・男女の愛を話の軸にして映画化しています。(C)2007 CJ Entertainment & KiHweck ShiDae. All Rights Reserved.今回期待したのはアン・ソンギ。予備役の大佐にして光州市民、彼は市民軍の指揮者という設定です。ほとんど無謀とも言える戦いを指揮して、何の予備知識や戦術もない市民軍を統制していかないといけない立場。この映画ではあくまでも穏やかな雰囲気ですが。あとは『ホテル・ビーナス』『王の男』『初雪の恋』と観てきたイ・ジュンギくんですね。この映画の主人公であるミヌ・ジヌ兄弟やシネも、光州を愛する正義感にあふれた一市民として描かれます。デモ参加の学生と、一般市民の見境なく撲殺して弾圧する。子供でも老人でも女性でも容赦なく銃弾を浴びせて殺す。その場面の哀れさ、そして残された遺族の悲しみは涙を誘う。そして軍部による光州市民軍への攻撃、何もなすすべもなく死んでいく者たち。勝ち目のない戦いをしても守りたいものがあると訴えています。そしてシネがミヌを守るために軍人を殺したとき、看護婦でありクリスチャンでもある彼女の中の誇りは崩れ落ちてしまいます。罪のない人々を殺す理不尽な軍部に対する怒りと、大切な人を愛する心だけが彼女を動かしていく。(C)2007 CJ Entertainment & KiHweck ShiDae. All Rights Reserved.軍部の光州制圧を黙認した駐韓米軍の存在などの説明はさらっと流し、死にゆく者たちをひたすら美しく描いているわけです。(そうでないと話にならないので)インボンとヨンデのお笑いのシーン、ジヌの高校教師の思いやり、牧師の市民軍参加などのエピソードが、最後の1枚の写真を見たときにまた思い起こされるしくみになっており、そこでまた観客は改めてこの事件の残酷さと、1人だけ笑わないシネの慟哭を感じていく。実際はもっともっと生々しかったり、迎え撃つ市民も意見がいくつかの派閥に割れていたらしいが、そこまで詳細に描いてしまうと映画としての「華」がなくなってしまうためにストーリー性を重視したものと思われる。そういうところに重きを置かないで、光州事件を紹介した「物語」として観ること、そして光州事件を忠実に再現することがこの作品の意図したところではないだろうか。とはいえ当時報道されたエピソードを再現した、遺影を掲げる子供のシーンなどは悲しいです。**********************************今日の評価 : ★★★☆
2008.05.10
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原題 : 200 POUNDS BEAUTY監督 : キム・ヨンファ 脚本 : キム・ヨンファ 、 ノー・ヘヨン 原作 : 鈴木由美子 出演 : キム・アジュン 、 チュ・ジンモ 、 イ・ハヌィ 、 キム・ヒョンスク 、 キム・ヨンゴン 、 ソン・ドンイル 、 イム・ヒョンシク 公式サイトはこちら。<Story>身長169cm・体重95kgのダイナマイトボディを持つカンナ(キム・アジュン)。彼女は唯一の取り柄である美声と歌の才能を活かし、スター歌手の“ゴースト・シンガー”をしている。スポットライトのあたらない裏方でも、想いを寄せるプロデューサー・サンジュン(チュ・ジンモ)に会える仕事を楽しみにしていたカンナだったが、偶然にもサンジュンの本音を聞いてしまう。「才能があっても美貌はないカンナなど、せいぜい利用すればいい」決定的な現実を突きつけられた彼女は、命がけの“全身整形”を決意するが…?!カンナさん大成功です! - goo 映画<感想>この映画ですけどねえ。。。 評判いいみたいです。まあ、すごいおデブちゃんが痩せて綺麗になって成功、ですから。一般ウケすると言えばするテーマだね。で、私としてはもう少しメンタルな部分を求めて観たわけですが・・・これが期待ハズレ。(c) 2007 KM Culture co, ltd All Rights Reserved/KMうーん、結局文化の違いなんですよね。美容整形天国の韓国、そして何となくタブー視する空気が残る日本ですから。整形したもん勝ち!な概念がある社会では、この映画は文句なく受け入れられると思いますけど、日本ではどうかなあ・・・きれい、可愛い、好きな人のために努力するのはいいことだ、そんなご感想はごもっともだし、私もその通りだと思います。キム・アジュンの迫真の変身ぶりはよかったと思います。中途半端じゃないからね。歌もうまかったです。「外見より心」とはよく言うものの、それでは通用しない世界があるわけです。ショービズやモデルなんかはそうですね。なので、その目標に近づくために努力したり整形したりっていうのを否定はしないけど。もちろん、外見と共に実力がなければ、こういう世界だって平気で淘汰されちゃうわけですから、アミ(カンナがゴーストしていた、歌えない美人歌手)みたいに中身スカスカなのはもうダメダメなんだよね。(c) 2007 KM Culture co, ltd All Rights Reserved/KMだけどやっぱり引っかかるところがあって、サンジュンが好きになったのは、「整形して綺麗になった後のカンナ」じゃないのかなと。元々、心が綺麗なのはわかっていたけど、それでも「利用すればいい」と言い放っていたわけですからね。もし「前から好きだった」のなら、おデブちゃん時代にその言葉があったはずですけど?綺麗になって帰ってきて、改めてカンナが好きになったなら、これはもう、外見から入ったということです。それなら、「実力」とか「こころ」とか、敢えて言わなくてもいいんじゃないかと(爆そこまでいい子ぶることもないのになあ~ヒールならヒールに徹して、本音で行って全然いいのになあと思います^^;それとも、心重視派への気遣い!?なのかね(爆なので、劇中に、「オタクのコンセプトは?」と聞かれるシーンがありますが、まさにそんな映画でした。ハッキリしないところで観客ウケ狙いというところでしょうか。それでも、「おまえはニセモノ」という落書きに、整形やったもん勝ち派だけじゃないという証拠は観ることができたので、まあちょっと安心はしましたけど(苦笑原作は鈴木由美子さんのマンガですが、原作とはやはり大きく違うようで。。。読んだ方の感想をお聞きしたいですね。**********************************今日の評価 : ★★(コンセプトの解釈が、観る人によって大きく変わってくる1本。興味のある方はどうぞ)
2008.01.02
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監督 : クォン・ヒョンジン 脚本 : キム・ミンスク 出演 : オム・ジョンファ 、 シン・ウィジェ 、 パク・ヨンウ 、 チェ・ソンジャ 、 ユン・イェリ 、 チョン・インギ 、 ジュリアス=ジョンウォン・キム 公式サイトはこちら。<Story>ソウル郊外のアパートで、小さなピアノ教室を始めたジス(オム・ジョンファ)。天才ピアニスト・ホロヴィッツをこよなく愛するジスは、ピアニストとして大成できなかった挫折感を噛みしめていた。そんな時、ジスにイタズラばかりしてくる近所の悪ガキ・キョンミン(シン・ウィジェ)が絶対音感の持ち主だと知り、ジスは個人レッスンを開始する。驚異的なスピードでぐんぐん上達していくキョンミン。いつしか彼を世界的なピアニストに育てることが、ジスの夢になっていく。私のちいさなピアニスト - goo 映画<感想>散々、スケジュールが合わなくて、もう見逃すかと思ったら、ようやく見ることができました。これは韓国映画には珍しく? 評判がよかったので、観なくては!! と思っていましたので。この映画の見どころとして、音楽を徹底的にリアルで追求したところがあります。キョンミン役のシン・ウィジェくんは、実際に子どものピアノコンクールで優勝した腕前の持ち主。なのでピアノのシーンも本物です。オム・ジョンファも、この役のためにピアノを猛特訓したとか。そしてキョンミンの成長した役のジュリアス=ジョンウォン・キムは韓国を代表する若手ピアニスト。彼の弾く、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」は、ラストの感動を一層盛り上げていく。吹替えではない、真の迫力に、私たちは息を飲む。(c) 2006 Sovik Venture Capital & DCG Plus All Rights Reserved始めは己の境遇を恨んで、周囲を僻んでいたジス。キョンミンのことも、ただの「道具」としてしか見ていなかった彼女は、キョンミンと離れてみて感じた愛情に気付く。それは親子ではなく、師弟でもない、肩書きを越えた愛情。そしてキョンミンを思うが故に、彼と離れることを決意する。(c) 2006 Sovik Venture Capital & DCG Plus All Rights Reserved可愛い子には旅をさせよという諺がある。親でもなかなか、子離れは難しいものがある。自分の子でもないのに手塩にかけたキョンミンとの別れは、本当の親子の馴れ合いがない分、より一層胸に迫るものがある。無償の愛を乞うた幼いキョンミンに十分答えたジス。そして、それを立派に返したキョンミンに、観客は拍手を惜しむことはないだろう。*******************************今日の評価 : ★★★★(臨場感を追求した音楽がよい。そして、愛を注ぐということがきちんと描かれている。)
2007.10.19
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監督 : イ・チョルハ出演 : ムン・グニョン、キム・ジュヒョク、チン・グ鑑賞劇場 : シネマート六本木韓流シネマ・フェスティバル2007ルネサンス公式サイトはこちら。<Story>女性客が会社の金を横領したことで、逮捕されたホストのジュリアン(キム・ジュヒョク)。巨額の借金を抱えた彼は、父親の遺産を相続した盲目の少女ミン(ムン・グニョン)が16年前に行方不明になった兄を探していることを知り、兄になりすまそうとする。<感想>韓流シネフェスも、私が観るのは今年はこれが最後。あとは日程や中身の関係で観れません。これは、2002年にTBSで放映された、「愛なんていらねえよ、夏」の韓国版リメイクです。このドラマは残念ながら見てないですが、グニョンちゃんが出るので観てきました^^グニョンちゃんも大人になりました。もう大学生だもんね。「国民の妹」も、そろそろ大人にならないといけないし。。。この役は、年齢的にはいいけど、中身としては難しいところを要求されているから、彼女の役の幅を広げるにはいい作品なのかも。原作では広末さんがやってました。(C)2006 IM Pictures and Sidus FHN. All Rights Reserved. 盲目で、莫大な財産を相続した若い娘。誰からも注目されても、誰にも愛されない。自分の周りは皆、誰も自分のことなんて思ってくれない。金目当てなだけ。所詮愛なんてないから・・・偽者と知りつつも、ジュリアンに心を許すことが出来たのは、彼女が愛を探すことを諦めなかったから。ジュリアンもまた、ミンのひたむきさに心惹かれていく。若い2人の転機となる作品だったと思います。これからも、いい演技を見たい、そう思わせる映画でした。******************************今日の評価 : ★★★(ムン・グニョンちゃんファンにとっては、彼女の成長を感じる1本。)
2007.10.05
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監督 : ホン・サンス 出演 : キム・スンウ、コ・ヒョンジョン、ソン・ソンミ、キム・テウ鑑賞劇場 : シネマート六本木「韓流シネマ・フェスティバル2007 ルネサンス」公式サイトはこちら。<Story>新しく演出する作品のシナリオ創作に難航している映画監督チュンネ(キム・スンウ)は、後輩の美術監督チャンウク(キム・テウ)に訳もなく旅行に行きたいとせがむ。チャンウクは、自分の恋人のムンスク(コ・ヒョンジョン)も一緒に連れて行くという条件でチュンネの要請を受け入れ、二人の男と一人の女は、同じ車に乗って旅行に出発する。 『浜辺の女』 詳細はこちら。こちらもどうぞ。<感想>水曜日が仕事になってしまって、なかなかレディースデーに観に行けないのですが^^;シネフェスのチケはかなり前に取ってましたので、何が何でも行かないと^^;今回も20本以上の作品があるんですけど、観るのはほとんど、主演の俳優とテーマで決めてます。今回は、「ホテリアー」の、キム・スンウが出ていたので迷わずGO!でしたね。↑ シネマートにはポスターがたくさんあったので、気になるのはみんな写真撮ってきましたよ^^客席は6割くらいの入りでしょうか。おばちゃん多いけど^^; (→ あんたはどうよ!? って 笑)作品そのものは非常に地味な展開なんです。韓国に「西海岸」っていうものがあるのって初めて知りました。この作品のロケ地は、シンドゥリ海岸というところだそうです。延々と遠浅が続いているリゾート地みたいですね。その海岸で出会った男女が、お互いに駆け引きしていきます。韓国の男を信用しきれないムンスクと、昔のトラウマが忘れられないチュンネ。互いに駆け引きしながら、嘘もつきながら、手探りで触れ合っていくうちに、本当に求めているのは何か、その答えを出していく。 ***************************今日の評価 : ★★★(ストーリーとしては単調なんですけど、観終わった後にいろいろ考えさせられる作品です。)
2007.09.20
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監督 : チョ・ドンオ出演 : チョン・ウソン、キム・テヒ、ホ・ジュノ、ソ・イヒョン 鑑賞劇場 : シネマート六本木「韓流シネマ・フェスティバル2007 ルネサンス」公式サイトはこちら。<Story>統一新羅末期の反乱に加担した兵士イグァク(チョン・ウソン)は、生きているまま中天に吸い込まれる。そこでイグァクは自分の死んだ恋人そっくりの天女ソファ(キム・テヒ)に出会う。そうするうちに中天では魂たちの反乱が起こるが、イグァクはその反乱軍が自分の仲間たちであることを知り…。 <感想>この日の韓流シネフェス2本目。やっぱり、ウソンssiに目がないワタシ・・・ 笑ついでに観ちゃいました^^[c]2006 CJ ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.「中天」とは、魂が49日間とどまる場所だそうです。ここで繰り広げられるドラマ。魂はあてどもない世界を漂い、記憶に残る想いは時間を超えていく。誰でも、想いを寄せる人に対してはきっと、「変わらないで・・・」って願うのでしょうか。生まれ変わっても忘れない、きっとどこかで会える、転生輪廻という概念も、本当にあったとしたらと思わずにはいられない。とにかく、映像が美しいのです。CGを駆使して、細部にわたって幻想的に仕上がっています。それぞれのキャラクターの持ち味も生きていて。どろどろしないで、映画のテーマに違和感なく入っていけます。ただ・・・ これは日本でのウケってどうなんでしょうか?私はとてもいい映画だと思うのですが・・・? ********************************今日の評価 : ★★★☆(歴史ものにCGを効果的に使用することで、ストーリーがより幻想的になり、まとまりがある。テーマもしっかりと捉えられていてよかったと思います)
2007.09.10
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監督 : ビョン・スンウク出演 : ハン・ソッキュ、キム・ジス 鑑賞劇場 : シネマート六本木「韓流シネマ・フェスティバル2007 ルネサンス」公式サイトはこちら。<Story>薬剤師のイング(ハン・ソッキュ)と、イングの薬局に何度も訪れる女性ヘラン(キム・ジス)は、新しい恋を育んでいく幸せな時間を過ごしていた。二日酔いの薬を買い来るヘランに出会ってから、夜空の月も明るく見えるようにイングは恋に落ち、普通の恋人同士のように家まで送ってあげ、ドライブを楽しみながら、互いに少しずつ心を開いていった。しかし、イングは病気の兄を持ち、ヘランは父親のために5億ウォンの負債を抱えているという、それぞれの事情があった・・・。 <感想>やっと、韓流シネ・フェスの作品を観ることができました^^一昨年から始まったこの企画、大体20本前後の作品が出ますが、ついつい、5本くらい観ちゃうなあ・・・。最近は日本で公開される韓国映画の量も減り、また質も考えられているためか、隠れた名作のような作品になかなか出会えないんですね。なので、シネフェスは貴重な機会。仕事開始日の前日に2本観てきました。これは1本目。大抵、俳優と内容で、どれを観るか決めます。ハン・ソッキュも好きですし、「恋」っていうテーマも大好きなので、迷わずに選んだ作品。[c]2006 CJ ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.まっすぐに、無邪気に進んでいきたい恋だけど、進めない事情が横たわっている。進むにはあまりに重い日常。これでいいんだ・・・ って、あきらめていた毎日に、その出会いはやってきた。おずおずと進んでみると、それまでわからなかった素直な気持ちに気付いた。カッコ悪くても、悩みがあってもいい、まるごとぶつかっていって、受け止めあう2人。等身大の恋愛してます、っていう感じの描き方です。きれいきれいだけじゃない、日常に疲れている様子や、壁にぶち当たって悩む様子とかがよくわかる。その中で、心の拠り所が見つけられるのは幸せなこと。じんわりと、余韻を残している雰囲気です。****************************今日の評価 : ★★★☆(ゆっくりと考えていく、大人の恋。飾り気がなくてよかったです)
2007.09.10
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監督 : ソン・へソン 原作 : コン・ジヨン 出演 : カン・ドンウォン 、 イ・ナヨン 鑑賞劇場 : 109シネマズ川崎公式サイトはこちら。<Story>裕福な家庭に生まれながら、愛情に飢えて育ったユジュン(イ・ナヨン)。一度は歌手として成功したが、今は引退し大学で美術を教えながら、投げやりに生きていた。ある日、シスターである叔母に連れられて向かった刑務所で死刑囚のユンス(カン・ドンウォン)と会った。ユンスはユジュンのファンだったというのだ。叔母に代わり、翌週もユンスに会いに来たユジュン。そんな中、子供の頃から孤独に生きてきたユンスに、やがて愛情を感じるようになっていくが……。私たちの幸せな時間 - goo 映画<感想>昨日の109ファーストデイ2本目です。昨日は映画の日だけあり、ロビーは真っ黒でした (笑夏休み&千円、ということで、シネコンのあらゆるところで列が出来ますので、この時期はネット予約が正解なのです。おかげさまで、エグゼクティブシートを千円でゲットできました。これはわかりやすく言えば、「グリーン車の座席みたいなもの」で映画を観る、ということです。両脇にテーブルがあって、リクライニングも出来るんです。映画館は今やここまで来ています。。。韓流も定着してきました。なので、日本に入ってくる映画も、厳選されているようです。ただし、同じパターンの話が多いので、正直観る前と後で、印象が全く違うこともあります。ちょっと残念な部分なのですが^^;その中で、評判がいい本作を観て参りました。前作『デュエリスト』が散々だったカン・ドンウォン、ここで新境地を見せています。心に傷を負ったあの日から、時間を止め、周りのものに心を閉ざしたユジュン。世間を、どこか斜に構えている眼差しで見ている。(c) 2006 Bear entertainment co., ltd. (c) Prime entertainment co.ltd. All rights reserved.そして物心付いたときから常に孤独だったユンス。生まれて初めて信じられるものができたのに、助けたかったのに、その代償はあまりにも過酷だった。ユンスの胸についている赤い札。「最高囚」、つまり、「死刑囚」を意味する。その他の囚人は白い札。死刑囚は、時間を奪われることが確実。その他の囚人達とは、まるで表情が違うのだ。死刑囚同士の交流と、そうじゃない囚人たちとの交流では、全くユンスの表情が異なっている。同じ運命を辿る、赤い札の男には許している心がある。その他の人間には決してわからない孤独。(c) 2006 Bear entertainment co., ltd. (c) Prime entertainment co.ltd. All rights reserved.自分の運命を呪い、周囲を呪っていた2人。互いに初めは拒絶していたが、死に行く人間になら安心して秘密を打ち明けられるから・・・と、互いにトラウマを打ち明けた時、似たもの同士だったことに気がつく。そしてそれは同時に、心から初めて相手のために何かしてあげたいと思った瞬間だった。(c) 2006 Bear entertainment co., ltd. (c) Prime entertainment co.ltd. All rights reserved.いつなくなるのかわからない時間、そのわずかな時を精一杯、相手のために尽くしていく。こんな心が、まだ自分の中にあったのか・・・何の役にも立たないと、早く死にたいと、そればかり思ってきたのに。自分が今、生きているという実感は、喜びとなって胸に湧き上がってくる。愛するって、その人のために何かしてあげたい、その気持ちだけなのかもしれません。多少フィクションがあるとは言え、死刑囚の日常や死刑のシーンがこんなにリアルだと、見ているほうも胸が痛くなってきます。死刑が決まる、死刑場に赴く足取りは、やはり尋常ではないです。自分の時間がいよいよ奪われるとわかった時に感じる恐怖、それこそが、死ぬことよりもさらに酷な罰なのだろう。私は死刑賛成論者でも反対論者でもありません。何故なら、お互いに言い分がありますから。ただ、こんな映画を観てしまうと、人の側面とは何だろうと考えさせられます。いい悪い、白か黒か、だけでは決められないものがある。国家が命を奪うことの非情、それさえももしかしたら法で定められている殺人ではないのだろうか。執行官にとってもそれはむごい職務です。****************************今日の評価 : ★★★★(愛する人を想う気持ちに、上下はない。心の底からの涙が伝わってきました)この原作の日本語訳が、蓮池薫さんなのです。彼もまた、時間を取り戻すことを考えながら生きてこられたのかと、想いを馳せました。
2007.08.01
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監督 : ハン・サンヒ 出演 : イ・ジュンギ 、 宮崎あおい 、 塩谷瞬 、 森田彩華 、 柳生みゆ 、 乙葉 、 余貴美子 鑑賞劇場: TOHOシネマズららぽーと横浜公式サイトはこちら。<Story>陶芸家で大学教授の父の転勤で、京都の高校に転校してきたミン(イ・ジュンギ)。ある日、自転車に乗っている時に転んでできた傷を神社の巫女さんが手当てしてくれた。その可憐な姿にミンは一目惚れ。彼女が同じ高校に通う、七恵(宮崎あおい)だと知ると、父親がくれたナンパ用テキストで日本語を勉強し、アプローチを始める。ミンの気持ちに動かされ、二人は付き合い始める。しかし、七恵には、誰にも言えない家族の問題を抱えていた。初雪の恋~ヴァージン・スノー - goo 映画<感想>とにかくピュアですね。日韓の主役2人のひたむきさというか、真剣さがいい。話自体はごくありふれた感じです。中盤の盛り上がりがもう少し後半欲しかったかな・・・??それだけ、ラブストーリーの緊張を持続させるのは難しいということでしょう。京都の風景の美しさもこの映画の見どころです。あと付け加えるなら、塩谷瞬くんですね。成長株、楽しみです^^(C)2007 角川映画・CJ Entertainment・Dyne Filmブームから5年くらいでしょうか。韓流ってある程度日本のメディアではその位置を確立してます。そして、ある程度淘汰の時期も終わり、生き残るものは生き残り・・・という縮図です。イ・ジュンギは後発組ですけど、確実に存在感がある俳優になってきたかなーと思います。ブームもここに来て一段落、この隙に?よりメジャーな方面に活躍してほしいですね。宮崎あおいも、年齢ごとの役作りはよかったです。あえて彼女が『NANA2』を蹴った理由も何となくわかるような・・・。蒼井優ちゃんのような天才肌ではないにしても、ただ、かわいい!だけでは終わらない資質がありますね。*******************************今日の評価:★★☆(ストーリー自体は既出な感じ。それを補う、主役陣の迫力です。京都の美しい風景もよいよ。ただねえ・・・。 やっぱり型にはまった感じは否めません)
2007.05.23
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合格発表の日なのでしたが、何かしないと落ち着かないので、こんな映画を観ておりました。今年は全く萌えなかったお正月映画でしたが(今年の自分に限っては逆にそのほうが都合がよかったかもしれません)唯一興味があったのがこれでした。*************************『王の男』 (2005) / 韓国監督 : イ・ジュンイク 出演 : カム・ウソン 、 イ・ジュンギ 、 チョン・ジニョン 、 カン・ソンヨン <Story>16世紀初頭、漢陽にやってきた旅芸人チャンセン(カム・ウソン)と相棒の女形コンギル(イ・ジュンギ)。都で時の王・燕山君(=ヨンサングン チョン・ジニョン)が、妓生上がりの官女と日夜遊び呆けている噂を聞きつけた2人は、芸人仲間と宮廷を皮肉った芝居を始める。興行は人気を博すものの、一座は侮辱罪で逮捕されてしまう。重臣に「王を笑わせることができれば、侮辱ではない」と反論したチャンセンたちは、死をかけて王の前で芸を披露する。彼らの芸は王を魅了することができるのか…。(以上 goo映画より)公式サイトはこちら。<感想>これは史実を基にした話だが、ここでは、忠実にというよりは、人物の内面を描く方に重点が置かれたようである。そのため、話の辻褄が合わなかったり荒唐無稽な部分も多々生じている。とはいえ、これは3人の男たちの「愛」を描いたものである。(C) 2005 Cinema Service Co. Ltd. All Rights Reserved.生来の機転を武器に生きてきたが、幼馴染の美形の芸人に抱く性別を超えた愛情のために、流れ流れて人生の終着点にたどり着いてしまう男=チャンセン。その美形のために、生涯を通じて不本意な愛を受けざるを得なかった男=コンギル。幼少のころから愛を知らぬまま国王となり、器に不釣合いな立場を思うがままに振り回し、最後に全てを失う運命の男=ヨンサングン。運命の中でそれぞれに与えられた愛情は不公平だが、その中で精一杯生きざるを得なかった男たちは哀れである。(C) 2005 Cinema Service Co. Ltd. All Rights Reserved.王の側近のチョソン(ユ・ヘジン)の指図どおりに演じるたびに血塗られた場面が展開されるのが、話的には山場となりやすい。、欲を言えば、コンギルが宮廷に残った理由とか、ヨンサングンが幼少のころから抱いてきた鬱屈した想いとかを、もっと掘り下げてもらいたかったりもする。(C) 2005 Cinema Service Co. Ltd. All Rights Reserved.イ・ジュンギくんは『ホテル・ビーナス』のかけ出しのころとは全く線が変わっていて、がっしりとしていて、なおかつ、今回の女形(妓生・キーセン=高級芸者)に役作りをキッチリ合わせてきたのがよかったです。*************************今日の評価:★★★(絢爛豪華なセット、衣装はみどころです。あとはストーリーの丁寧さが欲しい。ファンタジーならそれに徹して欲しかったし、史実を優先ならそちらを描いたほうが・・・ 中途半端。)
2007.01.10
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群像劇。多くの人物が登場して、それぞれの側面から1つのストーリーを追っていきます。1話でいろんな場面が見れてお得感があるんですよね。さてさて、今回は、どんな群像劇??*********************『Sad Movie <サッド・ムービー>』 (2005) / 韓国監督:クォン・ジョングァン 出演:チョン・ウソン(『私の頭の中の消しゴム』『デイジー』) 、 チャ・テヒョン(『猟奇的な彼女』『僕の、世界の中心は、君だ。』) 、 イム・スジョン(『箪笥』「ごめん、愛してる」) 、 ヨム・ジョンア(『箪笥』) 、シン・ミナ(『甘い人生』「美しき日々」) 公式サイトはこちら。<Story>消防士(チョン・ウソン)とニュース番組の手話キャスターとして働く女性(イム・スジョン)、聴覚障害者の女性(シン・ミナ)と、その彼女がアルバイトをする遊園地に毎日やって来る似顔絵描きの青年(イ・ギウ)、3年間無職の生活を続ける青年(チャ・テヒョン)とスーパーのレジのパートタイマーの女性(ソン・テヨン)、キャリア・ウーマンとして働く母親(ヨム・ジョンア)とその息子(ヨ・ジング)という、4組のカップルが織り成す様々な別れのスタイルを描いている。(goo映画より)Sad Movie <サッド・ムービー> - goo 映画<感想>確かに、別れなんですけど・・・。どれも中途半端。それぞれのカップルをどこかでリンクさせて、いわゆる「群像劇」っぽいんですが、4組それぞれのエピソードを掘り下げていないんですよね。(C)2005 I Love Cinema Co.,Ltd.強いて言えば、チョン・ウソン&イム・スジョン組がメインなんですけど、私がイマイチ好きじゃない、「さ~泣け ほら泣け 泣かんかい!!」なパターンなんですよねー。まあ確かにかわいそうなんだけどさ。『消しゴム』『連理の枝』的な、涙流せよ~~~ゴルァ!!っぽくて、泣けない~~~(笑フツー火事の現場で愛を伝えるか!?夢がないねえ~~~って言われてもいいけど^^この中では、シン・ミナちゃんがよかったかな。(C)2005 I Love Cinema Co.,Ltd.顔にある火傷の跡を隠さずに、ありのままの自分を好きな人に伝えたい気持ち、切なくて可愛かったですね。(C)2005 I Love Cinema Co.,Ltd.というか・・・ 『美しい人』みたいに、それぞれの持つ主題が、短時間で深く掘り下げられていればいいのですが、それがないのが致命的。群像劇の失敗パターンってこうなんだ・・・って、1つ勉強になったかなと。むしろ、チョン・ウソン&イム・スジョンカップルと、イム・スジョン&シン・ミナ姉妹を中心にストーリーを組み立てるべきではなかったかなと思う。(C)2005 I Love Cinema Co.,Ltd.この2人の心情の変化だけでももっと詳しく描けばよかったのにね。チャ・テヒョン&ソン・テヨン組、ヨム・ジョンア&ヨ・ジング組のエピソードが霞んじゃうよ・・・。掘り下げればもっとよかったんですけどね。*********************今日の評価:★★(ホントは★☆にしたかったけど、ウソン様に免じて1個にしてあげよーか・・・甘いな私 ヾ(>▽<)o)
2006.11.15
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原題: WELCOME TO DONGMAKGOL監督 : パク・クァンヒョン 音楽 : 久石譲 出演 : チョン・ジェヨン 、 シン・ハギュン 、 カン・ヘジョン公式サイトはこちら。<Story>(goo映画より)1950年代、朝鮮戦争が続く中、戦争とはまるで無縁の平和な村が山奥にあった。その名はトンマッコル。そんな村へまるで導かれるように、アメリカ人パイロットのスミス(スティーブ・テシュラー)、韓国軍の少尉、ピョ・ヒョンチョル(シン・ハギュン)と衛生兵のムン・サンサン(ソ・ジェギョン)の2人、それに敵対する人民軍の中隊長リ・スファ(チョン・ジェヨン)、下士官チャン・ヨンヒ(イム・ハリョン)、少年兵ソ・テッキ(リュ・ドックァン)の3人がやってきた。(C)2005Showbox/MediaplexInc.顔を合わすなり、銃を持ってにらみ合う両者だが、銃や手榴弾を見たことがない村人たちは呑気なもの。偶然から村人たちの食料貯蔵庫を爆破してしまった兵士たちは、ひとまず協力して村人たちの畑仕事を手伝うことに。やがて両者に心の交流が生まれてくるが…。トンマッコルへようこそ - goo 映画<感想>まずありえない設定ということは抜きにして。1つのところに敵味方が集まること、そしてそこから派生する様々なこと。共存していくことの何と難しいことか。(C)2005Showbox/MediaplexInc.善良なトンマッコルの村人達を、初めは心底から信頼できなかったピョ少尉。味方に見えても実は敵かもしれない、常に眼光が鋭い。先に韓国軍と米軍のスミスがトンマッコルに到着していたことから、手榴弾を取り出すスファ中隊長。彼はしかし、最初にトンマッコルの魅力に気づいていく。一切争わないトンマッコルというユートピアを目の当たりにして、次第に協力していく6人。こんな時代じゃなければもっといい関係で、楽しかったのに・・・その大切なものを守りたい。でも残念ながら、守れなかったものもあった。争うことの愚かさは、幻想的な風景に乗って、観客の心を伝わるのでしょう。名もなき墓碑銘に刻まれた精一杯の想いは、風に乗って、人々の胸に残るのだろう。朝鮮戦争って、私たち日本人にとっては、恐らくは、「戦後史の中で習う1項目」くらいの認識しかないのかもしれません。しかしながら、その原因・背景には、当然日本の植民地支配が深くかかわっている事、そして朝鮮戦争の犠牲の上に、早期の日本の戦後復興があったことも、忘れてはいけないと思います。******************************今日の評価:★★★★
2006.11.08
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監督:パク・チンピョ出演:チョン・ドヨン、ファン・ジョンミン鑑賞劇場:シャンテ・シネ公式サイトはこちら。<Story>老いた母親と農村で暮らすソクチュンは36歳の独身男。結婚相手がいないことが最大の悩みだ。そんな彼が夢のように可憐なウナに一目惚れして、猛烈なアプローチをする。過去の不幸な経験から男に不信感を抱くウナだったが、水商売で訳ありの自分を真っ直ぐに愛してくれるソクチュンに心を動かされ、やがて結婚を承諾する。しかし、ウナの別れた夫が現れ新婚生活は一変し、次いでウナがHIVに感染していることが判明する。(以上 goo映画より)ユア・マイ・サンシャイン - goo 映画<感想>シャンテ・シネの会員チケの最後の1枚、この映画か、こっちか、どちらにしようかと最後まで迷いましたが、これにしてよかったかな~~。ベタ~な韓国恋愛話??かと思ったのですが、意外とそうでもない。(C) 2005 CJ Entertainment. Inc. & BOM Film Productions Co. Ltd. All Rights Reserved.どう見ても○辺徹ちっくな、純なソクチュンが、コーヒーショップ(※)に務める、ワケありなウナに惹かれて・・・というところからしてもう、いかにも・・・という話なんだけど。(※コーヒーショップ 出前のコーヒーを届けに行った女性が、男性の相手をするタイプの喫茶店。つまりコーヒーは口実ね)でも、今回は、今までのガッカリ韓国映画とはちょっと違った。とにかくドン臭いくらい一途なんですよ。ソクチュンが。これは韓国での実話を基にした話だそうだが、普通ここまで障害のある恋なら、面倒になって止めちゃいますよね。保守的な地域の生活、狭い村コミュ、HIVに感染した女性ときたら、もうあきらめるところですが、貫き通したというのはすごいね。実際に、このモデルになったご夫妻は、今でも発病せずに元気に暮らしておられるそうです。(C) 2005 CJ Entertainment. Inc. & BOM Film Productions Co. Ltd. All Rights Reserved.チョン・ドヨンの映画はこれで4本目です。『我が心のオルガン』では、進級の遅れた17歳の小学生。『私にも妻がいたらいいのに』は、温かく愛を育てる女性。『スキャンダル』では、貞淑から奔放という、対極に変わる女性。今回の役は一番難しかったのではないでしょうか。暗い過去を持つ売春婦、妻、そしてHIVに侵される囚人。(C) 2005 CJ Entertainment. Inc. & BOM Film Productions Co. Ltd. All Rights Reserved.可愛い外見とは裏腹な彼女の大胆さには、いつも関心させられます。そのきっぷの良さがきっと最大の魅力なんでしょうね。地に足のついた女優さんです。************************************今日の評価:★★★☆
2006.11.06
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監督:アンドリュー・ラウ出演:チョン・ジヒョン、チョン・ウソン、イ・ソンジェ公式サイトはこちら。<Story>ヘヨン(チョン・ジヒョン)は、オランダ・アムステルダムで祖父の経営する骨董品店を手伝う傍ら、週末には広場で似顔絵描きをしている。そんな彼女の前に客として現れたジョンウ(イ・ソンジェ)。彼がデイジーの花を持っていたことから、ヘヨンは、ジョンウに運命的なものを感じ取る。(C)2006iLoveCinema.AllRightsReserved.ヘヨンとジョンウが広場で親密にしているところを、もう1人、見つめる男がいた。デイジーの送り主、パクウィ(チョン・ウソン)だ。プロの暗殺者である彼は、潜伏していた先で、たまたまヘヨンを見かけ、彼女を遠くから見つめていた。<感想>チョン・ジヒョンは、『僕の彼女を紹介します』(2004)の演技とは打って変わって、色彩のない表情をしていた。この前作が、あまりにも彼女のプロモ的映画だったために、あまり印象がよくなかったのだが、この作品では、待ち続ける女という役柄を、見事に演じていた。チョン・ウソンは、昨年の『私の頭の中の消しゴム』で一気にその知名度が日本でも高まったわけだが、役作りに関していえば、『消しゴム』とは比較にならないくらい、今回は素晴らしかった。ヘヨンを想い続ける少年のような表情、そして冷酷なまでに標的を暗殺する裏の顔。彼をおいてこの役をできる俳優はいただろうか?(C)2006iLoveCinema.AllRightsReserved.イ・ソンジェ、『氷雨』でも素晴らしかったが、今回も抑えた演技が光っていた。真実を告げぬまま帰国、そして再度へヨンの前に現れたときの葛藤、内面の心情を表すのは非常にうまい俳優です。「彼女にはじめて出合ったのは、初めて人を殺した翌日だった。」もし・・・?、・・・・だったら、ということは恋愛には付き物だけど、もし殺し屋じゃなくてパクウィがヘヨンと出合ったなら、もしヘヨンが絵を描かなかったら、もしジョンウが他の絵描きのところに座ったなら、・・・・3人はどうなっていただろうか。すれ違ってしまった恋人達の魂に聞いて見たい様な気がする。アンドリュー・ラウ監督の展開もスッキリしていた。余分な言葉や場面を省いたことで、人物の心情を切々と描いた。アムステルダムの街並みの美しさも、この悲劇を引き立てる要素であった。余談ですが、ベトナム戦争の時に、銃口に花を差し込んだ人々の話をご存知でしょうか?あれを思い出しました。"Where Have All The Flowers Gone?"一足、遅かったんでしょうか。フィクションではあるのですけどね・・・。**********************今日の評価:★★★★
2006.06.07
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