里の種

里の種

2007/08/18
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カテゴリ: 記憶
学生の頃、ひと夏だけ、古墳を発掘するアルバイトをしたことがある。暑い夏だった。小さな丘の頂近くを、指示されるままに掘っていった。いくら掘っても、出土品は出なかった。夏休みが終わる頃、穴の隅の方から、ようやく現れたのは、赤く錆び朽ちた短い剣だった。嬉しいというより、ほっとした気分だった。僕らは気楽なアルバイトで、暑かったけれど、仲間たちと笑いあいながら作業をしていただけだったが、綿密な調査をして、それなりの金をかけていた上の人達は、結果を求められていたようだった。その必死さが段々と伝わってきて、僕らも真剣になっていった。だから、剣が出てきたときは皆で喜んだ。暑い夏だったが、思い出深い夏だった。

赤錆びた剣をつくりし人遥か古代を見ていた夏の日のこと





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最終更新日  2007/08/18 09:42:02 PM
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