里の種

里の種

2008/07/26
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カテゴリ: 自然
今年もまた、近所で花火が上がるようになった。毎年の恒例だ。アパートの近くで音がする。小さな花火の音が、十分くらい続いてぱたりと止む。ここに住んで随分になるけれど、花火を見たことはない。酒を飲みながら、音だけを楽しんでいる。
子供の頃、海沿いの町から二駅以上離れた地元の町の畦道を歩いているとき、ぽんっ、ぽんっ。と何かの弾ける音がした。山と山との間に、川が海まで流れていく切れ目があって、その先にテニスボールくらいの花火が上がっていた。空は薄い紫色をしていて、周りはまだ明るかった。畦道の真ん中に座って、しばらく花火を見ていた。花火が見えてから、少しして、ぽんっ、と音がするのが不思議で、見ているうちに周りは暗くなっていた。けれど、一本に伸びた白い畦道だけは、ぼんやりと浮き上がっているように見えた。

散髪をして夏の夜に花開く鏡に映る銀色花火

畦道の夕暮れに咲く遠花火静かに絹の舞い降りる町





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最終更新日  2008/07/26 08:36:38 PM
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