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<Ginga Opera へ Warp一押し、お願いします!~☆>Ginga opera ◆ 第十六話 ◆ クローンDNAブロードバンド時代の仕事 デジタルという単純化された情報が無限に増殖し始めてから数世紀後の25世紀では、「シゴト」という語句は適切ではないかもしれなかった。21世紀ごろまでは会社という建造物へ大半の人類系が毎日一定の時間を同時に働くために集まり、大半は非創造的で退屈で、相互に脅迫的な関係で刺激しあいながら、非効率な「業務」という作業を繰り返しては、過程と結果をBOSSへ報告するという原始的な慣習が続いたが、当時は銅線や光ケーブル、あるいは無線NETで接続されたインターネットと称した地球的なNET環境が普及したばかりであり、それでも「効率化」したと勝手な空想で全員がなっとくできる時代であった。 当然、現在の25世紀では集合自体が無意味である訳で、どこに居ても同時会話が量子CPUを内包した頭脳の意識だけで、デジタルNETへ接続されていく。同時意識も選択意識を持たなければ、イメージ共有が可能である。個々の人類系のみならず、クローン人造系でも同様な原理が利用されており、思考自体が共有化されながら進化して行っている。そうした情報と機械系の環境や生産、街を形成するあらゆる状態系との無条件あるいは条件付アクセスができている。例えばシゴト?「仕事」か?、に必要な設計図面の参照データが必要だと意識すると、国家図書館の関連ロケーションに蓄積されているデータや意識情報などが、自動的に配信されてくる。そして、頭脳周辺意識を集中させてくれると同時に、近くにある映像表示環境へ投影する。表示の大きさや作業環境は、生活空間のあらゆるところに表示機能が備わっているため、自由に移動しながらでも確認できるように自動追尾してくる。 こうした時代では、イーゼス国とユピタルク帝国の間で、情報隔離されたカテゴリーの情報以外は、ほとんど全て共有できてしまう。したがって、設計をイーゼス国の設計技術者が終了すると同時に、既に情報意識を共有していたユピタルク帝国の製造技術者が製造装置へ指示を与え、生産が始まってしまったりする。その生産が確認できたと同時にサンマーロイ国で製品取引と納品時間がきまり、その情報がサンマーロイでの金融取引相場を変えるといった連鎖が常に起こっている。情報仮想空間に参加している事が「仕事」となっており、本人の所在地が、労働対価を規定はしない時代だ。デジタルNET就労者の大半が国家の多様な生活・就労プログラムに参加しているが、その成果をより優遇してくれる企業集団などを選択しながら、年間での就労賃金を稼ぐのが通常である。そして、そうしたNET就労者を雇う、あるいは評価し支払いながら莫大な収益を上げるNET企業家がおり、そのNET企業家への融資や、市場金融をそうした経済で運営して富を増殖させているNET金融家があって、そのバランスを巧みに利用して政治的な活動で収益を掻きあさるNET政治家がいる。そして国際銀河経済競争は、全ての経済バランスの循環の中で、巧妙に地歩を固めていくユピタルク帝国や政治的かつ金融的な支配力をもつサンマーロイ国などとのせめぎあいの中で、イーゼス国が奮闘せざるを得ない状況へ追いやるのである。一体この国のNET就労者は如何に適応べきなのか? 年金問題は、この時代も過去の数世紀と同様に大きな問題である。人口制御を女性種偏重型クローン人類系構成で改善はしたが、国家と個人が持ち合う生存権限と永久生存価値の妥当性については永遠の課題であろうか。
2009.01.24
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<Ginga Opera へ Warp一押し、お願いします!~☆>Ginga opera ◆ 第十二話 ◆ ES細胞性クローン人造技術と人口管理社会 もう21世紀ごろからクローン生成技術は世界中で研究され実用化されてきたが、とりわけES細胞を基にした人造臓器や皮膚、あるいは女性用の美形改造肢体製品の販売は急速な市場拡大があった。すでに4世紀が過ぎるが、その消費は留まる所を知らない感じだ。といっても、既にES細胞組成ではないが。 各先進優越国の街角には、その国ごとの最高?の美形と同形の美人やその最適なカップルとされるか、好みの美形の彼や彼女が一緒の情景が頻繁に見られる。子どもの素顔なども、生まれた直後から数年で一定の形状モデル・サービスへ大抵長期契約して大きさとカスタマイズの調和を楽しむ事ができるようになっている。この時代既に男性の割合は女性の1/3以下となっている。生命体としての優位性と生殖自体が完全に制御できる時代では、増殖機能の優位な女性体を多くして、人口変動を 安定化させてきている。体内受精でなくても子どもの誕生は可能となっているが、生後のDNA異常発生確率は圧倒的に母体育成が優れている。授乳は完全人工授乳剤で行われるが,人類系の本能として自然な母乳育成を行う家族もある。当然、25世紀の結婚は、性別は意味を持たないか、あくまでも個性的な差異のレベルとなっており、女性しか居ない大家族が数代続く家系も多い。男性の役割は、優秀なDNA確保と、かなり極度の危険がともなう宇宙空間での軍需的な業務遂行といった歴史的にも、女性という母性保護的な領域を担当するためである。 ミーツ・ザ・ビートルズ アーティスト: ジョン・ピザレリ ビートルズ・ナンバーをジャズ・アレンジでスウィンギーに歌っている作品。ジャズメンによるビートルズ曲集は多いが、アレンジのよさ(ドン・セベスキー)といい、サマになっている点といい、これは出色の一枚。ジョンは達者なギター・ソロも披露する。 アーティスト:ジョン・ピザレリ曲目タイトル:1. キャント・バイ・ミー・ラヴ 2. 夢の人 3. ヒア・カムズ・ザ・サン 4. 今日の誓い 5. 悲しみをぶっとばせ 6. エリナー・リグビー 7. アンド・アイ・ラヴ・ハー 8. ホエン・アイム・シックスティ・フォー 9. オー!ダーリン 10. ゲット・バック 11. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 12. フォー・ノー・ワン(ボーナス・トラック)
2009.01.18
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<Ginga Opera へ Warp一押し、お願いします!~☆>Ginga opera ◆ 第十話 ◆ 外国人労働マーケット税制と生活水準序列制 イーゼス国は21世紀初頭に外国人就労マーケット制を導入した。当時国の人口構成が急速に老齢化していた。既に当時の産業社会で就労できる人口は全人口の1/3を切っていた。一人の若者が2倍の非就労者の生活保障のために労働していたのである。政府は問題はあるにせよ低級なコピー製品や1コイン(当時はまだ実物の貨幣を使っていたが、その最低単位貨幣硬貨で1品買えるサービスショップが繁盛していた時代だ)製品で氾濫している国内の市場での自国製品産業の復活と人口バランスおよび税制の革新のために、海外労働者を一定期間雇用保障すると同時に税制への導入に導き、製造力やサービス力の回復と自国消費市場の拡大を狙って、外国労働者就労市場(マーケット)制を導入した。自国民とは区別された労働職場(多くは低賃金かつ低就労条件の職場)での大量導入を法制化した。これにより、当時コスト競争力で劣勢にあった国内中小企業でも、充分な国際競争力を回復した独自製品が再び生産販売できるようになり、同時に帰国してもイーゼス国程の収入を得がたい外国人就労者達は、20年間の就労期限の間に子どもを育てイーゼル国へ残し帰国すると、その子どもの仕送りで生活を保障できるといった生涯サイクルを完成させられた。こうした人口就労マーケット制は、22世紀には先進優越国家の大半が採用するに至り、人類系民族毎の生活水準序列が規定されていく事となった。全ての人口移動の状態はDNA検査にて常に管理され、思考思想のパターンのDNA依存性の解析技術も高度化しており、20世紀までよく発生した体制そのものへのゲリラ的な組織運動は、事前の受精卵時点での排除法案成立以後は、殆どなくなっている。 【1億Σ傑作SF-CINEMAシリーズ <2001年宇宙の旅>】ご紹介*このblogで記憶を甦らせたら、ちゃんと正しくDVDなどの作品を購入してください*スタッフ製作・監督:スタンリー・キューブリック 脚本:スタンリー・キューブリック/アーサー・C・クラーク 撮影監督:ジェフリー・アンスワース 特殊効果監督:スタンリー・キューブリック SFX:ウォーリー・ビーバーズ/ダグラス・トランブル/コン・ペダースン/トム・ハワード 特殊メイク:スチュアート・フリーボーン キャストデビッド・ボーマン船長:キア・デュリア フランク・プール:ゲイリー・ロックウッド ヘイウッド・フロイド博士:ウィリアム・シルベスター HAL 9000声:ダグラス・レイン 月を見るもの(ヒトザル):ダニエル・リクター フロイドの娘:ビビアン・キューブリック 2001年宇宙の旅(にせんいちねん うちゅうのたび, 2001: A Space Odyssey)は、スタンリー・キューブリックとアーサー・C・クラークがアイデアを出し小説版としてまとめ、スタンリー・キューブリックが監督・脚本し、1968年4月6日にアメリカで初公開されたSF映画である。あらすじ遠い昔、ヒトザルが他の獣と変わらない生活をおくっていた頃、謎の物体がヒトザル達の前に出現する。やがて1匹のヒトザルが物体の影響を受け、動物の骨を道具・武器として使う事を覚えた。獣を倒し多くの食物を手に入れられるようになったヒトザルは、反目する同じヒトザルに対しても武器を使用して殺害する。時は過ぎ月面で人類が住むようになった現代、アメリカ合衆国のフロイド博士は、月のティコクレーターで発掘した謎の物体「モノリス」を極秘に調査するため月面基地に向かう。調査中、400万年ぶりに太陽光を浴びたモノリスは強力な信号を木星に向けて発した。18ヶ月後、宇宙船ディスカバリー号は木星探査の途上にあった。乗組員はデビッド・ボーマン船長ら5名の人間(うち3名は人工冬眠中)と、最高の人工知能HAL(ハル)9000型コンピュータであった。順調に進んでいた飛行の途上、HALはボーマン船長に、今回の探査計画に疑問がある事を打ち明ける。その直後HALは船の故障を告げたが、実際には故障していなかった。2名の乗組員はHALの故障を疑い、思考部の停止について話し合うが、それを知ったHALは乗組員達を殺害する。唯一生き残ったボーマン船長はHALの思考部を停止させたあと、モノリスの件や探査の真の目的を知ることになる。ボーマン船長は一人で計画を遂行、木星圏内で巨大なモノリスと出合い、驚愕の体験を経て人類より進化した存在・スターチャイルドへと進化を遂げる。(続編の映画『2010年』冒頭によると、月のモノリス発見が1999年、ディスカバリー号内の出来事が2001年。)映画では、リヒャルト・シュトラウス(1864 - 1949)の『ツァラトゥストラはかく語りき』(Also Sprach Zarathustra)によるオープニングや、月へ向かう場面でのヨハン・シュトラウス2世の『美しく青きドナウ』、ディスカバリー号が木星に向かう途上でのアラム・ハチャトゥリアン『ガヤネー(ガイーヌ)』、モノリスに遭遇する場面でのジェルジ・リゲティの『ルクス・エテルナ』、同じくラスト近くでのリゲティの『アトモスフェール』など、全篇にわたってクラシック音楽が用いられている。それまで、未来的イメージの電子音楽などが用いられることが多かったSF映画で、これ以後通常のオーケストラ音楽が主流になるきっかけとなった。キューブリックは、最初は自らの『スパルタカス』の音楽を手がけた作曲家アレックス・ノースに作曲を依頼し、前半部分まで完成したスコアの録音まで完了していた。しかし、それ以降は一切の連絡もないままノースの音楽を没にし、リヒャルト・シュトラウスなどの音楽に差し替えてしまう。その上、リゲティには一切映画についての説明や承諾もないまま、彼の曲を4曲も採用した。リゲティが印税を受け取ったのは、1990年頃になってからだという。
2009.01.11
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暖かな日本人「太陽の国の住人」達よ、We Can Change! 「みんなで、日本の田舎 ナルニア共和国 を 建国しよう !」オバマさんが大統領選への道のりを始めたとき、ほんの10ドルを集めることから始まったそうです。本当に庶民の貧しい人々と共に共鳴をバックにして、「CHANGE(変化)」をアメリカ合衆国へもたらすことを公約にしています。 あのお金が掛かると言われる米国の大統領選挙を勝利しました。 そこには政治家の明確な個人自身が持っている強烈なメッセージとビジョンがあります。一人当たりGDPがいまや先進8カ国で最低となった日本で、国家財政を賄えないので増税する云々。派遣法を作っておいて、非正規労働者のリカバリー(SAFETY-NET)もろくに構築でききない国政。企業にISOがあるように国家公務員や議員にもISO審査がいるんじゃないだろうか?と、勘ぐりたくなるのは、わたしひとりであろうか。企業の損益分岐点を例にするなら、いったい日本の国家財政はどんな収支バランスを計画できているのか? 当然人材と知恵しか資源のない日本にとって、回答は実に単純で昔の所得倍増論ではないが、ひとりあたりGDPを現在の4~8倍にしてようやく辻褄が合うことになる。そんなところで、国民の懐やキャッシュフローを減衰させる企業優先、米国優先弁論は寒すぎる。コンポンから国家建設の財務公開とビジョンを示すことと、国民にはGDPを少子高齢化に連動させて増加させる一人一人の創意工夫が必須であることを認識することが求められる。たぶんに、就労人口の低下と社会運用効率低下への対策としての環境エネルギーやROBOTICS生産技術、商業サービスなどの新産業の創出は不可避であろう。 まずは、無尽蔵な自然財産の宝庫 日本の田舎 「何とかナルニア共和国」を豊かにしよう~☆ すれば、当然国家全体が豊かになる。
2009.01.08
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[カルロス・ザウリの魁け] by iMAC@Apple 第二回 「さきがけの波紋」 カルロスは無心に今度は自分の心情に従うままに、大地と空間の光と風の波動を形にしていた。何度も土を練り直しては、繰り返し次第に空気と地球の磁力線に反応する自分の脳の興奮が、手の動きに連動しだしていた。ただひたすら、同じ題材を作り続ける。既に30個は作り、壊している。いくつかようやく納得できそうな候補を天日干しの板に並べるところまで来た。 「ふ~つ。なにか掴めたな...。 ジュリアの奴、今日はどうしたのかな? 午後になっても静かだ。」そうだった。昨日も考えてみれば、いつになく無口な感じだった。あんなに「好きだ、あんた修行が足らない」だのなんだのと、煩いやつだが...と、一瞬手を休めたところだった。 「わ~!、カルロス~!」(どこに隠れていたのか、突然作業台の下から顔を覗かせたのはジュリアの妹のフローラだった。 ジュリアとは本当は別の母親の子だったが、ジュリアとフローラの共通の父である叔父さんの今の奥さんの子だった。先妻つまりジュリアの母親はまだジュリアが2歳のときに急性白血病で他界していた。突然2歳の子供を抱えながら、陶芸芸術家の叔父さんは暮らせないため、俄かに隣町の工場へ日雇い工夫仕事を請け負いで食いつなぎ始めた。働く間ジュリアを預ける先を今の奥さんのアンナに無理に頼み込んだ。二人は幼馴染だったが、それまでは祖父とアンナの間が上手くいかず、そのうちイタリア男の叔父さんの「できちまった結婚」になっていまった。その祖父が亡くなった後、ようやく運命の絆が結びついたといった感じだった。周囲もジュリアの母の時よりも、自然に受け入れていた。 ジュリアは幼い時は優しい性格のアンナに懐いていたが、次第に天の知るところなのか、カウロスの母を慕うようになっていた。カルロスの母エリスは、叔父の先妻の妹だからなのか最近は事あるごとに相談にやってきた。 「おいおい、お前ら姉妹はなんで、俺にいつも脅しを掛けるんだ~?ううん?文句でもあんのか。」 「ううん、お姉ちゃんの真似してるだけ。いいじゃない、お姉ちゃんとはいちいちゃしてるのに、あたしは同じように扱ってくれないの~?」 カルロスは今は悩んでいるが、田舎に居て陶芸芸術家を目指す一族の伝統を単純に受け入れてしまったのだが、結構隣町からもあわよくば伊達男の若気の過ち的に愛してほしくて、様子見にやってくる女の子が居るくらいの美形美男子である。 アルバイトで何度か請われて美術学校のモデルにもなったくらいだ。フローラもどうやら、自分のすきな男の子の一人にしたいようだが、フローラ自身は、ジュリア以上の美人だ。ただし可愛らしさは姉のジュリアが一段上だが、芸術的な黄金比率の整い方では、フローラが勝っていた。 カルロスもジュリアに夢中になれない理由の一つには、男の愚かさだがこのフローラの美しさに惹かれていることは否定できない。そのフローラが今日は自分から大胆にも、ちょいと近づいてきたのだ。イタリア男児として、美女を無言でそのまま返したとあっては男が落ちる。 「いえいえ、これは失礼致しました。天下の美女フローラ嬢を差し置いてどこに我輩の居所が御座いましょうか陛下...。 ぷふふ~つ、ちょっと言い過ぎか~?」 「お~ほほほ、これカルロス、汝そのむさ苦しい泥だらけの衣服を脱ぎ捨て、この王女の忠実なる側近として、天上の寵愛を受けんとするや、如何に?...なんちゃってね! ねえ、今夜ジュリアも行きたがってるんだけどファエンツアの町(隣町)の祭りに行かない? 今日はあたしの僕のロメオが風邪で倒れちゃって、使い物にならないのよ~ん。」 「ぶくそ~、なんだいちょっと気取って礼儀をつくしてやりゃ~、結局アッシーかよ!俺さまを誰だとおもってるんだ!ええ~、ちょっとびじんだからってね。」 「なに、たんなる貧乏芸術家きどりのカルロスじゃない。金持ち男爵には困ってないわよ!良い男が居なくて困ってるって訳よ!ちょっと、これは金じゃないから。」 「馬鹿やろ~、そりゃこっちのセリフだぜ~、まったく。ところで、なんで今日はお前なんだ?」もともと気のあるフローラのためか、カルロスはやや緊張を隠そうと粋がりが酷くなっていた。 「それがね~、どういうわけかジュリア姉さん元気がないのよ~、カルロス貴方なにかしたんじゃない? 罪滅ぼしにパ~とファエンツアのカーニバルを観にでもいけば気が晴れるかな~ってね。」 「俺なにもしてね~よ。二日前の午後は、ちょっといちゃいちゃしてたけどな。」 「なんですって~、おい色男やろ~、女を舐めんなよ~、姉貴だけじゃなくてアタイも愛してよ~」 「っど、おいおい幾ら俺が伊達男でも、同時に二人はみがもたね~よ。」 「んったく、どうして男はみんな直ぐに女の子とちょめちょめだけしか考えないんだろうね~、ちょっとキスして抱いてくれるだけでいいのよ。それ以上はこちもごめんだわさ。だいたい男の子の下は気持ちわり~んだから、まったく。女の子のほうがよっぽど綺麗だかんね。まあ、そんなことはどうでもよくって、ファエンツアいく?、いかない? ねえ、姉貴元気ださせてよ、我が家はお通夜状態なんだから~。」 「ええ、そんなにジュリアが落ち込んでる~? どうして~? 俺そこまで意地悪してね~よ。」 「へえ~、そうなの? じゃなんで、朝から晩まで一言も喋んなくなったんだろうね~??」 「うえ~、そんなに重態? そりゃそうそう出かけるか~、ちょっと数分まってくれ、この出来損ない壊してくっから~。」 カルロスは集中できなくなったせいで、形が歪んだ壷の出来損ないを元の土の塊に戻して、手をあらいお出かけの衣装に着替えた。美男子の面目に変わっていた。近くでフローラがうっとりとカルロスの手際の良い仕事を見ていた。 「ああ~、きちんとするとカルロスみたいな良い男を、お姉ちゃんや他の女の子に見せたくなくなっちゃうのよね~。独り占めしたいな~。」 カルロスもまんざらじゃないが、ジュリアの気持ちと生い立ちを考えると、可愛そうになってくる。フローラに真剣にはなれない。その深いところでの愛情があることをしっかり理解できたのも最近のことだが、近づく別離の時間をできれば忘れて、今日は単純にみんなで楽しみたいと思っていた。 「ふふ~んと、じゃあフローラ、ジュリアを呼んできてくれ俺は車を回してくるから。」 「うん、OK~! じゃ、家の門のところでね。 今日も良い男で格好良いよ、カルロス!」 「ああ、当然だね。これが伊達男ってもんさ。女にゃこまってねんだ。苦しいのは~...。」 Ginga opera
2009.01.05
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スコット・フィッシャー&1a.m.アプローチ『ANDROID LOVE』Autobot V/AAutobot V/A『Android Robotix』 President アンドロイド・プレジデント(第二話)「神市民 愛しい時間」 by iMAC@Apple いまはもう二人には還って来ない愛しい生活の時があったことを、HIDEもREAEもその後同時に思い起こしていた。こんなことになるなんて... そこは、CITYの中心街でも特別な至福の空間だった。 REAEはその頃大学の研究室の地球の姿が見える一室で、彼女の研究論文を仕上げていた。同じCRYSTALで同居しているHIDEが部屋の外から、そろそろ一緒に帰宅しようと手を振っていた。それにテレパシー伝送で答えた。 「は~い、HIDE判ってるわよ。時間だから早く出て来いっていうんでしょう。もう少しで、イメージが記録できてしまうからね。検索範疇が広がりすぎてて、サイプレス卿のご機嫌が悪いのよ~。判るでしょう。結構彼は機嫌を損ねると能力を勝手に下げてくれるのよね~。」 「はいはい、いつもの言い訳ね。ここの利用時間は毎日決まっているんだからね。それに検索はCRYSTALでもできるでしょう。どうして、そこでやるの?」 「HIDEは孤独が好きらしいけど、政治家を目指すわたしには、それこそいろいろな人が集まるこの場所が観察するのに最高なのよ。CRYSTALは居心地良すぎるの。政治学は民衆の苦しみや煩悩をしることから始まるのよ。」 「ええ、そうらしいわね。私なんか、こんな最新伝送が遮断されている空間、旧地球人類系の生活感が充満した世界なんて、息苦しいだけなんだけどね。」 「まあ、貴方と私じゃ目指す世界が違うんだからさ、それにこのむっとした古臭い、妙に動物的なおしゃべりと実態と逆説的に考える論理空間なんて、この大学でしか再現できないんだから、 記憶再生はこの月面都市中どの大学でも再生できるけど、この人と人がくっつきあって反証的なおしゃべりできる空間や響きが重なる建造物の家屋の感じを実感できる施設が完備しているところって、ここしかないのよ。そのためにこの大学選んだんだからさ。」 「あれ~、ねえ早く出てきてよ。待ってるのよ。わたし政治学専攻学生じゃないからそこへ入れないんだからね。それにあれ観て!素敵ね~綺麗だわね彼女は、REBELNだわ!」 「ほんと!今日は大学きてるの? ファッション・モデルの売れっ子だから、大学殆ど登校してないんだよ。だから、年に1回も偶然実態講義が重ならないと会うことも無い。 でも彼女あんなんで良く成績TOPで居られるわね? 不思議でしょうがない。 どうして大昔の地球人類系の文学や政治の駆け引き情勢学なんか完璧に解けるんだろうね?」 「なんでも、彼女のDNAの親DNAシードには旧地球で最高の科学者のアインシュタインの頭脳から採取したDNAが使われているとかいう、まことしやかな噂があるってよ~!」 「げ~、すご! あたしのパパ博士はアンドロイドだし、ママは元ORIGINだけど平民だし、形無しね。 やっぱ努力だけで政治家になるっきゃないね。」 「まあまあ、あなたの競争心はどうでもいいから、その研究室から早くでてきて素敵なREBELNがどこかいっちゃうよ! 今なら主任教授のORIGIN人類のジョージ先生との熱々キスシーンだかんね!はやく!」 「わお~、それ観たい。最高ね~」 大学の広大なキャンパスに、今日はどういう噂が飛び交ったのかファッション業界最高の売れっ子大学生であるREBELNが登校してきたというので、 数100人の男女学生が集まっていた。 その公衆のど真ん中で、こともあろうにREBELNは恋人である主任教授の頬を平手でひっぱたたくかと思うと、 あたりに構わず泣き叫んで、そして飛びついてキスしてしまったのだ。 どよめきが起こるとさらに野次馬が輪を架けて集まってきてしまった。 HIDEもそのひとりだった。 そして、直ぐ近くの講堂研究室で古代政治学セミナーが終わって論文を構成中だったREAEを呼んでいるのだった。 REBELNの抱擁はしばらく続いた。ようやく、REAEも雑踏に割り込み、その姿を見つけたとき二人が離れると、いきなり主任教授が足早にそこを去っていきかけたところだった。 「ジョージ! これはどうして? 貴方が裏切ったんだわ! どうして私の心を踏みにじるのよ。 」 男は、再びなにも答えられずに、その場から走り去っていった。公衆全体が、驚きとやや憤りの女性達の声に変わった。 「そうだったのね~、あの教授は REBELN以外の関係を持ってたんだわ。 いい気なものね。 しっかり見返しておやりね~REBELNちゃん!」 体制派は圧倒的に女性で、REBELNの味方だった。 全員直感的に、彼女の誠実さを理解できた。裏切った教授の講義はこの後不人気で、いつしか彼は大学を去ったのだったが。 実は意外に知られていないが、REBELNは確かに、親のORIGIN階層が裕福な階層にいまは安住しているが、またそのお陰で最高のDNA遺伝子医学の恩恵をREBELNは手に入れられたのは事実だが、 その父親のORIGINとアンドロイド・ママの家庭を築き上げるまでの階層違いの夫婦の苦悩は並ではなかった。結果としてアンドロイド・ママであるMARIA・REBELNのファッション業界での並々ならぬ活躍と大成功と名声があり、その娘のREBELNの現在があることは幸運であるのだが。 「あ~あ、可愛そうだったね。REBELNちゃん。 あれはないよね。 別の女性教授に手?を出してたらしいよう。 いやらしいね。だからね~ORIGINの男性はね。」 REAEがうんざりな感じでしゃべっていた。HIDEはそこで、意味は無かったかもしれないが「ORIGINの...」という台詞にひかかった。 「別に、ORIGINだからって。たしかにアンドロイドでは男は本質的には必要はないけどさ。でも、愛情の問題は本来は別でしょうに。ORIGIN云々じゃないんじゃないの!」 「だって、それって旧地球の崩壊だって、遠い原因はORIGINの男性の仕業じゃない!軽蔑したい気にもなるわよね~!」 「それって、あなたがアンドロイドだから抱く軽蔑じゃないの! 人間の尊厳に対してあなたは反逆しているところがあるんじゃないの!」 「...? ええ? HIDEって、もしかしてあなた。 ORIGINだったら何をしても良いって言っている訳? それは捨てて置けないわ。この倫理の問題は、 ORIGINもアンドロイドも無いはずよ。 たまたまCITYでは、アンドロイドは、当然だけど、男性は必要ないだけよ。 その男性が問題なんであって、 ORIGINであることが問題なんじゃないわよ。 何を噛み付いているの? 今日は少しおかしくないHIDE?」 「そうかしら? 私には、ORIGINであることへの不満があるらしく聞こえたけど...ふふん!」 いきなりREAEがHIDEに抱きついてキスしてきたので、それ以上会話は続かなかった。しばらくお互いの愛情をしっかりと確かめ合った。Ginga opera
2009.01.05
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