3月14日にオプション市場で起きた「想定外」の事態。
市場関係者の間では「今回のような異常値は証券取引所が約定を取り消すという対応も
選択肢としてあったのではないか」との見方も出ている。
想起されるのが昨年5月6日にニューヨーク市場で起こった
「フラッシュ・クラッシュ」だ。
ダウ工業株30種平均が突如急落し、一時1000ドル近く下げたこの事件。
原因は究明されていないが、株価指数先物への誤発注をきっかけに
高速度の電子取引により様々な裁定が働き、株価が急落したものとみられている。
米ニューヨーク証券取引所などは価格が60%以上変動した取引を
無効とするなどの異例の措置で対応した。
日経225オプションを上場している大阪証券取引所の規定では
「過誤のある注文により取引が成立した場合において
その決済が極めて困難であり、本所(大証)の市場が混乱する
おそれがあると認めるときは,本所が定める取引を取り消すことができる」としている。
だが、「過誤のある注文」「決済が極めて困難」に数値などの
明確な基準を設けることは難しい。
「サーキットブレーカーなどの措置で誤発注などによる市場の
混乱を防ぐ仕組みはある程度用意しているが
むやみに規制を強めすぎてしまうと自由な取引に支障をきたす」
(大証)という側面もある。
こうした状況を踏まえ、大証はネット証券各社と共同で、ワーキング・グループを設置。
個人投資家のオプション取引での損失の原因を検証し、改善策の検討に入った。
6月末までに議論をまとめ、必要な改善策は実施していく構えだ。
ハイ・フリークエンシー・トレーディング(HFT、超高速・高頻度取引)や
金融工学に基づいたロスカットルールの仕組みは金融市場の効率性や流動性を
高める上で重要ではある。だが、プログラムにまかせきると
なんらかのショックが起こったときに、事前に想定していなかったかたちで
プログラムが「暴走」するリスクもある。
今回の事件は効率性がもたらす副作用を投資家のみならず
証券会社、証券取引所にも改めて突きつけている。