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本日ご紹介するのは「ササグモ」。本種は、日当たりの良い草や樹木の枝や葉の上で見られる徘徊性の蜘蛛です。やや白っぽい体色に、頭胸部、腹部ともにあいまいな褐色の縦筋が入っています。足は緑色でいずれも細長く、鋭い針状の毛が多数、まばらにはえているのが特徴です。小型の昆虫を捕らえる捕食者であるため、水田やスギ植林等で生物農薬として試験的に利用され、実際に効果があったといわれています。ササグモ Oxyopes sertatus クモ目ササグモ科 2016年6月11日 東京都 調布市 調布ケ丘1丁目 布多天神社
May 11, 2026
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本日ご紹介するのは「アオカミキリモドキ」。オレンジ色の体に金属光沢のある緑色の上翅を持つカミキリモドキの仲間で、灯火にもよく飛来します。「モドキ」と付くだけありカミキリムシに似ていますが、丈夫な体を持つカミキリムシと異なりカミキリモドキは柔らかい体をしています。見た目は美しく、大きさも体長1~1.5cm程度の小さな昆虫ですが、「きれいなバラには棘がある」の例え通りで、本種は体液中にカンタリジンという毒をもち、 刺激すると、脚の関節から毒を含んだ黄色い体液を出したり、つぶしたりしてこれが皮膚につくと、 水泡性皮膚炎になります。 実際、過去にやらかしたときは、気づくとチリチリとした痛みが始まり、あっという間に体表がじくじくして変色してしまい、学生時代にうっかり濃硫酸を手に付けてしまった時と同じくらいの不快感というか苦痛を味わいました。万一、アオカミキリモドキの体液に触れたら、ただちにせっけんを付けて洗い流し、そのあとの皮膚炎にはステロイドホルモンの入った塗り薬を塗ってガーゼで覆うのがとりあえずの対応で、その後、気になるようであれば病院に行くのがよいと思います。まあ、この仲間については、遠目に観察して、触らないようにするのが一番かもしれません。アオカミキリモドキ Nacerdes waterhousei 鞘翅目カミキリモドキ科 2016年6月11日 東京都 調布市 調布ケ丘1丁目 布多天神社うっかりやらかしたときの状態。ほっとくと1時間くらいでこんなになります。
May 12, 2026
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本日ご紹介するのは「ヨツボシオオアリ」。その名の通り、腹部に4個の淡黄色の円紋があるのが特徴のアリです。日本在来のアリは、ほとんどが無地の個体、あるいはヒメアリのように腹部だけ色が違うなど割と地味な種類が多いですが、そんな中でも模様があるアリということで、そういった地味な中では珍しい種とも言えます。以前、ご紹介したクロオオアリと同じく「オオアリ属(Camponotus)」に属しており、亜属こそ異なるものの斑紋が無ければかなり似ています。実際、アリみたいに小さな虫は、じっくり観察して、またいろいろな種がいるということを認識していないと、みんな同じに見えてしまうのが世の常です。ちなみに地中に巣を作るクロオオアリと異なり、本種は樹上営巣性で、森林に生育する樹木の割れ目や樹皮下に巣を作るため、どうしても地面ではなく、木の幹上で見かけることが多い種類です。また、オオアリ属ではありますが、あくまでもアリの仲間としては大きいというだけで、働きアリは体長5〜6mmと虫としてはやはり小型の部類に入ります。 幹の上にいた個体 2016年6月11日 東京都 調布市 調布ケ丘1丁目 布多天神社樹上性なので、葉の上にいることも多いヨツボシオオアリ Camponotus quadrinotatus 膜翅目アリ科 2026年4月25日 東京都 調布市 調布ケ丘1丁目 布多天神社
May 8, 2026
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本日ご紹介するのは「セマダラコガネ」。漢字では「背斑黄金」書きますが、その名の通り背面に斑模様がある小さなコガネムシです。しかし、実際のところ体色には変異があり、全身が黒色のものも見られます。もともと日本固有種で、琉球列島を除く日本全土に分布していましたが、近年北アメリカやミクロネシア、ハワイ等に侵入し、向こうで外来種として定着したようです。成虫は、体長9~13mmで、6~8月に見られ、広葉樹を中心に様々な植物の葉や花を食べます。幼虫は、地中で植物の根を食べて育ちますが、海外の移入先、特に北アメリカでは芝生など、イネ科植物について大きな被害が出ています。セマダラコガネ Blitopertha orientalis 鞘翅目コガネムシ科 2016年6月11日 東京都 調布市 調布ケ丘1丁目 布多天神社
May 10, 2026
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本日ご紹介するのは「メダカチビカワゴミムシ」。チビの名にたがわず、体長が4mmほどしかない小さなゴミムシの仲間です。布多天神には、多くのケヤキが生育していますが、本種はそのケヤキの樹皮の裏に隠れて住んでいます。体は小さいですが、拡大してよく見ると、全体が銅色の金属光沢をしており、上翅には細かい点刻が密にほどこされていますが、所々この点刻がない部分があり、全体としてとても複雑できれいな模様を生み出しています。なお、小さいうえに動きもすばしっこく、更にすぐに翅を広げて飛んで行ってしまったりするので、越冬している冬場などは観察しやすいかもしれませんが、めくった木の皮を元に戻すのに苦労しますので、そこのところは要注意です。。メダカチビカワゴミムシ Asaphidion semilucidum 鞘翅目オサムシ科 2016年6月11日 東京都 調布市 調布ケ丘1丁目 布多天神社
May 9, 2026
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身体や脚が細長く全体に白色を帯び、暗所に生息することが、「幽霊」を連想させるためユウレイグモと呼ばれます。その中でも本種は、主として家屋内に生息しているため「家幽霊蜘蛛」と名付けられました。本種の成体は、一年中見られ、天井や壁の隅などに網を張ってコバエなどを捕食する益虫です。しかし、この網がいわゆる不規則網とよばれるボロ網であり、コバエやチャタテムシ、ダニなど微小な虫の天敵であるにもかかわらず、これらの死体やほこりがつくため不快がられた挙句、スス払いの対象になってしまうというちょっとかわいそうなクモです。なお、産卵期は6〜8月で、成体は30〜40個の卵を糸でくるんだ卵嚢を口に加えて保護する習性があります。体長は8~10mm程度ですが、脚が長いため、全体として大きなクモという印象があります。蛇足ながら、英語ではザトウムシと一緒くたに「daddy long-legs(あしながおじさん)」と呼ばれています。イエユウレイグモ Pholcus phalangioides クモ目ユウレイグモ科 2017年2月12日 東京都調布市染地2丁目 調布市多摩川自然情報館
Apr 20, 2020
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本日ご紹介するのは「コエンマムシ」。その名の通り、体長3~5mmの小さなエンマムシの仲間です。ちなみに漢字では「小閻魔虫」と書き、何故に閻魔様というところですが、この仲間は動物の死体等の腐敗動物質や糞便に飛来する種類がよく知られているため、死者と閻魔様の関係性を踏まえてこの名がついたといわれています。しかし、実際の糞や死体そのものを餌とする他の糞虫と異なり、本種が餌とするのは死体や糞でを餌にするハエのウジ等で、実はこの生態は、かの有名な「ファーブル昆虫記」の中にも書かれています。逆に言えば、ハエのウジさえいれば、糞や死体にこだわる必要が無く、樹液の発行しているような場所や傷んだキノコなどでも見ることができます。腹部についているのはダニの仲間飛ぶ時は、たたんでしまってあった後翅を広げて、小さな蝿のようにも見えるコエンマムシ Margarinotus niponicus 鞘翅目エンマムシ科 2016年6月11日 東京都 調布市 調布ケ丘1丁目 布多天神社
May 7, 2026
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アドベンチャー IN 多摩川2016調布水辺の楽校 を開催します。【開催日時】:2016年8月11日(木・祝) 9:00~11:30【開催場所】:多摩川多摩川原橋下流【集合場所】:多摩川原橋下流の河川敷(「水辺の楽校」水色のぼり旗が目印です)【参加対象】:市内20 小学校の4 年生以上の親子ペア【定員】:50組(親子ペアで)【参加費】:一人400円(保険代。大人も子供も同額)当日集金します。【タイムスケジュール】: 8:45 受付開始9:00 挨拶。内容説明。安全講習。9:20 川流れ体験10:30 投網と生き物調査11:30 解散【持ち物】: 川用の靴(古靴で構いません)、帽子、タオル、着替え、水筒。ライフジャケットを持っている人は持ってきてください。※ 親子とも全身川に浸かりますので「水着の上にシャツと長ズボン(ジーパンは×)」「クツは磯遊びシューズまたは古くなった脱げにくい運動靴(ひも靴は×)等で参加してください。子供も大人もサンダル類では川に入れません。川に入る準備をしてきて下さい。終了後の着替えはテントを準備します。【雨天】:布田小学校理科室(前日正午の天気予報で決定。また、晴天でも川が増水している場合中止になることもあります)メールまたは電話で連絡致します。【主催】:調布水辺の楽校【協力】:布田小学校おやじネット【問合せ】:SWC 事務局杉山典子(すぎやまのりこ)042-488-4863 (携帯090-4737-8135)調布市環境政策課042-481-7086【集合場所への行き方】自転車の場合:多摩川の土手を来て下さい。京王線鉄橋より400m 程上流です。電車の場合:京王線「京王多摩川駅」下車。高架沿いに多摩川に向い信号を渡ると河川敷です。上流に水色の旗が見えるので、そこまで来て下さい。車の場合:なるべく避けて下さい。河川敷への車の乗り入れは許可が必要で台数も限られます。どうしてもの場合は事前に事務局までご連絡下さい。*雨天時の布田小学校へは、調布駅から歩けますが、バスは調布駅南口から「多摩川住宅西」行きに乗り、「電通大グランド前」で降り、グランドとは反対側に歩くと学校が見えてきます。
Aug 5, 2016
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本日ご紹介するのは「ハクチョウゲ」。漢字では「白丁花」と書きますが、これは、白い丁字型の花を付けるところから名づけられました。東南アジア原産の常緑広葉樹の小低木で、高さ0.5~1mになります。日本でも沖縄で見られる他、各地で生垣や庭木として利用されています。花期は5~7月頃で、いっぱい咲くときれいですが、実は葉には揉むと独特の香りを出すため注意が必要です。布多天神では、本殿に向かって右手あたりに植えてありますので、これから開花期ということもあり、参拝ついでに見てもらえればと思います。ハクチョウゲ Serissa japonica リンドウ目アカネ科 2025年7月13日 東京都 調布市 調布ケ丘1丁目 布多天神社
May 6, 2026
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漢字では「万宝貝」と書き、以前は「万年貝(マンネンガイ)」とも呼ばれていました。インド・西太平洋域に広く分布し、日本国内でも紀伊半島以南でごくまれに見られることがあります。潮間帯から水深10mくらいまでの珊瑚礁に生息し、大きい個体では殻長15cmを越える大型の貝です。本種の一番の特徴は、ごつごつとして重厚な貝殻ですが、もう一つ、有名なことがあります。それは、カメオの原料として使用されていることであり、特にイタリアで造られるシェルカメオの原材料として、本種の貝殻が多く用いられています。このシェルカメオの制作は、ルネサンス期以降のヨーロッパで始まったといわれており、その技術が現在に至るまで職人の手により引き継がれています。殻口は、成貝では外側の縁が厚くなって内方へ曲がり、殻口を細長く狭めており、この外観が英名の一つである「bull mouth helmet shell」の由来にもなっています。マンボウガイ Cypraecassis rufa 吸腔目トウカムリ科 2007年9月9日 山口県下関市豊北町大字角島 つのしま自然館 展示標本
Oct 4, 2020
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先日「ベイツ型擬態」を紹介しました。これは、無毒など無害な生物が、有毒など有害な生物の外観を模倣することで身を守るものです。さて、ここで一つ質問です。この「ベイツ型擬態」が、擬態として成立するために必要な前提条件は何でしょうか?答えは簡単です。擬態のもととなる生物が、捕食者から見て「有害だ」とすでに認識されていることです。例えば、「ハチの仲間は捕まえようとすると、毒がある針で刺して攻撃する」と捕食者に認識させることで、攻撃を低減させます。しかし、たった一種類のみが有害な状況を呈したとしても、捕食者全体に有害であるという認識が定着するには時間がかかってしまうと考えられます。ここからは単純に掛け算、割り算の考え方なのですが、それでは同じような外観・色彩をもつ有毒の生物が複数いたとするとどうでしょうか?個体数がみんな同じであれば、有毒の種が2種類いれば被害を受ける率も2倍になり、3種いれば3倍になると考えるのが普通です。実は、自然界ではこのような状況を産み出しています。先日紹介した「フトハチモドキバエ」と今回紹介する「キイロスズメバチ」の外観は黄色と黒の縞模様など類似している点が多く、「ベイツ型擬態」の例として挙げましたが、これは捕食者にとってハチが危険だからということと、それだけ有害な種の方が無害な種より多かったということにもなります。スズメバチやアシナガバチの仲間は、いずれも毒性が強く、刺されるととても痛いというのはよく知られていますが、見た目もよく似ています。体形やシルエットはともかく色彩や模様に着目すると非常に多くの種がこの黄色と黒の縞模様を基調としていることがわかります。この黄色と黒の縞模様があることで、「自分たちは有毒だ」と顕示しており、いわゆる「警戒色・警告色」と呼ばれています。前置きが長くなりましたが、このように種類が違い、それぞれの種が有毒・有害で個別に身を守ることができるにも関わらず、互いが同じような色彩・斑紋になることを、発見者であるドイツの博物学者であるヨハン・フリードリヒ・テオドール・ミューラー(Johann Friedrich Theodor Müller)にちなんで「ミューラー型擬態」とよびます。この擬態は、ハチの仲間の他、体に毒を持つチョウであるドクチョウの仲間やマダラチョウの仲間にも見られます。今回例として紹介したキイロスズメバチは、ケブカスズメバチの本州以南に生息する亜種で、体長17~24mmとスズメバチの仲間ではどちらかといえば小さい部類に入ります。しかし、性格は凶暴で警戒心が強く、神経質なうえ、敵に対して執念深いため、下手に刺激すると集団で襲われえらい目に遭います。これから出現期・活動期に入っていきますので、ススメバチの仲間はくれぐれも刺激しないで、見かけたら静かに撤退するように心がけましょう。キイロスズメバチ Vespa simillima zanthoptera 膜翅目(ハチ目)スズメバチ科 2017年7月25日 神奈川県川崎市宮前区初山1丁目 生田緑地
May 11, 2020
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ゴキブリの仲間が属するゴキブリ目は、大きく3つの上科に分けられています。その3つの上科は、それぞれムカシゴキブリ上科、オオゴキブリ上科、ゴキブリ上科であり、現在、シロアリの仲間は、ゴキブリ上科に含まれています。今回紹介するムカシゴキブリは、もちろんムカシゴキブリ上科のムカシゴキブリ科に属しています。何故「ムカシ」と呼ばれるかというと、お察しのとおり、古い系統の一群であることに由来します。そもそも、嫌われ者のゴキブリですが、ゴキブリの仲間が最初に出現したのは、今から約3億年前の古生代石炭紀であり、「生きている化石」ともいわれる所以でもあります。実は、日本における最古の昆虫化石も、中生代三畳紀の地層から発見されたゴキブリの前翅であり、言い換えると日本で最初の昆虫がゴキブリであったとも言えます。ちなみに、この日本最古のゴキブリは、山口県美祢市大嶺町奥畑で発見され、オカフジムカシゴキブリ (Triassoblatta okafujii)と命名された体長1.8cmの小さな種です。現生のムカシゴキブリは、胸の部分が一部窓状の半透明になっており、それが垂れ眼の人の顔に見えてしまいます。それにしても、頭部が隠れてしまうだけでも、嫌われる外観のゴキブリとかなり感じが変わってしまうものだなと、つくづく感心してしまいます。ムカシゴキブリ ゴキブリ目ムカシゴキブリ科 2018年8月4日 東京都国立科学博物館特別展「昆虫」展示標本
Jun 19, 2020
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以前紹介したドブネズミに近縁なネズミであるクマネズミ。家ネズミの一種で、天井裏で運動会している鼠は、結構本種であることが多い。都会のビル街でも多く見られ、渋谷や新宿、池袋などでも良く見かけます。ただ、ドブネズミ同様、衆人環視の中でシャッターを切る勇気はなかなかなく、写真を撮らせてくれない生き物の一つです。ドブネズミが名前にもある「ドブ」に掲揚されるよう水辺や湿った場所を好むのに対し、本種は暖かく乾いた場所を好みます。頭胴長14.6~24.0cm、尾長15~26cm、体重150~200gと、やや中型の齧歯類です。ドブネズミと比べて、尾が長く、黒い色をしているのが特徴です。雑食ですが草食性が強く、穀類や種子などを餌にしています。学名は「Rattus rattus」で、英語でRatが何かわかる人なら、本種の学名の由来もわかってもらえると思います。ちなみに、本種は高層ビルにも平気で侵入し、今回の写真もサンシャイン国際水族館屋上部分のマーラのふれあいコーナー部分に勝手に侵入した野生個体を撮影したものです。ドブネズミ Rattus rattus 齧歯目(ネズミ目)ネズミ科 2008年4月29日 サンシャイン国際水族館
Jan 20, 2020
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「絢爛」華やかで美しいさま。きらびやかなさま。全身にちりばめられたオパールのような輝きがとても素晴らしく、また美しくもありますが、あえて言います。本種も「ゴキブリ」です。本種は、ベトナム原産のゴキブリで体長は21mm程度しかありません。しかし、各体節の表面が構造色によって美しく彩られており、まさに「絢爛」の名にふさわしい種です。おまけに色の出所が構造色ということは、タマムシやモルフォチョウの翅と同じで、体表の構造が物理的に破壊されない限りこの美しさが永遠に保たれるということでもあります。幼虫もほぼ同じ外観をしており、危険を感じるとダンゴムシのように丸くなるため、見方によると大きなメタリックのダンゴムシという感じです。なお、国内でもニジイロゴキブリやエメラルドジュエルローチの名でペットとして流通しています。ケンランマルゴキブリ Corydidarum magnifica ゴキブリ目オオゴキブリ科 2018年8月4日 東京都国立科学博物館特別展「昆虫」展示標本
Jun 9, 2020
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漢字では「髭長浜跳虫」と書きます。その名の通り、触角が長い砂浜海岸に生息する飛び跳ねる虫です。まあ、ムシとはついていますが、実際は甲殻類であるヨコエビの仲間です。眼は大きく半円形で、第2触角は長く、鞭状部は柄部より長いのが本種の大きな特徴です。砂浜海岸の潮上帯に生息し、打ち上げられたマコンブやアマモ、小甲殻類、昆虫等を餌にしています。近づくと、ピョンピョン跳ねて飛んで逃げる姿に、本当にハマトビムシの名前を現わしているなと感心してしまいます。ヒゲナガハマトビムシ Trinorchestia trinitatis 短脚目ハマトビムシ科 2006年8月13日 石川県珠洲市蛸島町鉢ヶ崎
Dec 18, 2022
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ウミヘビ(海蛇)というからには、海を泳いでいるものと普通は考えるもの。しかし、時にはというか、割と陸上で見かけることが多い。実際は、海に入る機会が少ないので、海中で遭遇する機会が少ないだけなのでしょうが・・・。アオマダラウミヘビ。その名のとおりきれいな青い模様を持つウミヘビです。コブラ科に属し、極めて毒性が高い神経毒を持っていますが、性格がおとなしいため、わざわざ捕まえようとしない限りはかまれることは無いでしょう。本種はウミヘビの中でも、特に陸に上がる傾向が強くあり、平気でがけを登って行ったりしています。日本に生息するコブラ科のヘビは、ヒャンとかハイとか割と派手な種類が多く、個人的には制覇してみたいのですが、これらの陸ヘビにはなかなかお目にかかれず、遭遇するのは地味なエラブウミヘビとか、本種とかウミヘビに偏っています。こいつら、そのうち、生で見てみたい・・・・。アオマダラウミヘビ(有鱗目コブラ科 沖縄県西表島/2004年7月15日)アオマダラウミヘビ(有鱗目コブラ科 沖縄県西表島/2004年7月15日)崖を登って行ってしまった。
Feb 4, 2016
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今日から2月。あっという間に1月が終わり、1年の12分の1が過ぎてしまいました。というわけで、今月は、「調布市の生物(外来種編)」でいってみたいと思います。まずは、ワカケホンセイインコ。漢字では「輪掛本青鸚哥」と書かれるインコの仲間です。ホンセイインコの亜種で、雄は首周りにワカケの由来となった黒帯が走るのが特徴です。全長約40cmと比較的大きなインコです。体は全身緑色で、雄の成鳥には喉から首にかけて広い黒帯が走り、首の後ろは細い桃色の帯となります。本種は、ペットとして飼われていた個体が逃げ出し野生化するいわゆる「籠抜け」と呼ばれる行為に起因する外来種に該当します。日本国内への侵入は1969年といわれており、来日してからちょうど半世紀が経過したところです。羽を広げて飛ぶ姿は、十字型のシルエットを呈し、わかる人にしかわからない「艦これの龍驤の式神型の艦載機」を彷彿させます。本来の分布は、インド,パキスタン,スリランカですが、日本だけでなく世界各地でペットとして飼育されていたものが逃げ出し、分布を広げています。公園の樹木や人家の庭木,大木が残る神社や寺の樹林地に生息し、高さ20m以上のケヤキの樹洞等に営巣します。なお、本種は、在来の樹洞性鳥類と営巣場所を巡る競合の可能性がある他、電柱への営巣による漏電事故、原産地では農作物への被害が報告されているため、国内でも農作物を荒らすのではないかといった影響が懸念されています。ワカケホンセイインコ Psittacula krameri manillensis オウム目 インコ科 2017年2月18日 東京都調布市入間町
Feb 1, 2020
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頭の部分が「笄」に似ているためコウガイビルと呼ばれます。ヒルと呼ばれていますが、環形動物門ではなく扁形動物門に属します。扁形動物門の生き物といえば、ヒラムシやウズムシ(プラナリアの仲間)に代表されますが、コウガイビルは陸生のプラナリアの仲間と思っていただくのがわかりやすいと思います。「笄」に例えられる頭部(頭板)は、ぱっと見イチョウの葉形にも見えます。体は薄茶色で、背面に黒い5本の線模様(体側の細いものが2本、その内側に太いものが2本、正中線上に細いものが1本)があります。大きさは伸びても15cm程度で、この仲間としては中型です。本種は東南アジア原産の移入種で、今では汎世界的に分布しており、日本国内でも各地で見られるようになっています。乾燥に極めて弱いため、湿った石やプランターの下などに隠れて生息しています。こう見えても肉食で、カタツムリほか、ミミズや小さな生物を餌にしています。また、プラナリアと同じく再生能力が高く、場合によっては体を自切して身を守ります。なお、本種を含め、このコウガイビルの仲間にはフグ毒あるいはそれに近い毒を持つものが多いことから、絶対に口に入れたりせず、触った後は手を洗うようにしてください。ワタリコウガイビル Bipalium kewense 三岐腸目コウガイビル科 2015年9月19日 東京都調布市佐須町 神明宮
Feb 15, 2020
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漢字では「黄色細大蚊」と書きます。体長15mm程度の黄色くて細いガガンボです。以上。これで終わらせると身もふたもないですが、比較的よく見ることができる普通種のガガンボの一種です。幼虫は植物の根を餌にしており、なかなか目にする機会はないと思いますが、成虫は、よく草の葉の上に止まっていて、見つけやすいです。類似種も何種飼いますが、生殖器のほか、分布や腹部の斑紋形状などでも何となく区分できます。なお、ガガンボ類は一見するとカを大きくしたように見えますが、口器の形状をはじめ生体が大きく異なっており、成虫が血を吸うことはないので安心してください。キイロホソガガンボ Nephrotoma virgata 双翅目ガガンボ科 2022年5月19日 東京都日野市大字日野
May 19, 2022
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朝、玄関を開けると久しぶりに「アシダカ軍曹」に遭遇しました。とは言いつつ、また、体長1cmあまりの幼体で、実情としてはようやく「一等兵」になったかどうかといった感じでしょうか?本種は、漢字では「足高蜘蛛」と書きますが、その名の通り脚が長く、日本に生息する徘徊性のクモとしては最大な種として知られています。また、人家に棲息する大型のクモとしてよく知られており、その外見と大きさから家屋内の不快害虫として扱われることもあります。しかし、実態として屋内のゴキブリをせっせと駆除していると考えると、個人的には「軍曹」の赴任がとても頼もしく思えます。ちなみに、本種はインド原産の外来種で、元来は日本には生息していませんでしたが、九州で見つかったのを皮切りに、どんどん東進・北上を続けています。本種が2~3匹程度居る家では、繁栄しているゴキブリが半年以内に全滅するともいわれていることから、今朝の個体も順調に昇進を重ね、立派な「軍曹」になってもらいたいものです。アシダカグモ Heteropoda venatoria 真正クモ目アシダカグモ科 2022年5月26日 神奈川県横浜市青葉区恩田町
May 26, 2022
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窓を開けて車を走らせていると、一匹の小さな昆虫が飛び込んできました。何気なく捕まえて、車を停めた後、ケースに入れてよく見ると、本種でした。その名の通り、北アメリカ原産のカツオブシムシの仲間で、原産地ではマイナーな穀類害虫とされています。日本国内では、愛媛県松山市で2005年に採集されたのが最初の記録となっており、その後、各地で見つかっていますが、外来種であるということと、体名が3mm程度と小型なため記録が少なく、全体としては、国内ではかなりレアな種類となります。アメリカマダラカツオブシムシ Trogoderma sternale 鞘翅目カツオブシムシ科 2022年6月4日 東京都昭島市緑町3丁目
Jun 4, 2022
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英名は「Curious Skink」といいます。 本来は、パプアニューギニアの固有種ですが、ミクロネシアのヴエノ島とグアム、北マリアナ諸島のサイパンに帰化しており、侵入先の各地で在来種を圧迫しています。確かにグアムに行くと、街中や海岸で目につくのは本種ばっかりだったと記憶しています。見本国内で見ることができず、見た目には、つぶらな瞳と滑らかな体表がとてもきれいでかわいいのですが、グアムでは外来種と分かったとたん、ちょっとだけ複雑な気持ちにもなります。ちなみに種小名の「ailanpalai」は、パプアニューギニアの言葉で島を意味する「ailan」とトカゲを意味する「palai」にちなんで名付けられました。Carlia ailanpalai 有鱗目スキンク科 2007年1月3日 Ypao Beach, Tamuning, Guam, USA
Dec 16, 2022
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本日ご紹介するのは「モザンビークティラピア」。本来は、東アフリカ~南アフリカに至る東岸地方に分布する淡水魚です。もちろん、台湾にはもともといませんでしたが、1946年に呉振輝氏と郭啟彰氏の二人がシンガポールから導入したのが最初の記録といわれています。その後、本種の養殖に関する功績が認められ、台湾省農林庁が二人の苗字を取って「呉郭魚」と名付けたのが、現在の台湾での本種の名前の由来となっています。ティラピアの仲間は、カワスズメ科に属しており、いわゆる「マウスブリーダー(mouthbreeder)」です。どういったものかというと、その名の通り、雌が卵及び仔魚を口腔哺育するのが特徴です。ちなみに、日本国内にも帰化しており、北海道,鹿児島本土,沖縄島,石垣島,小笠原で記録があります。南方系の種であり、適温範囲は20~35℃、15℃以下で死亡するといわれているため、鹿児島や沖縄にいるのはさほど不思議はありませんが、何故に北海道とびっくりしてしまいます。種を明かすと、本種が大量発生したのは足寄郡足寄町の阿寒国立公園にある国の天然記念物「オンネトー湯の滝」の池で、見てわかる通り温泉で水温が一年を通して20℃をキープしており、本種やグッピーが生き残れたようです。話を台湾に戻すと、たいていの池にはフナの代わりに本種が見られます。最初は、どこにでも見られるナイルティラピアかと思っていたのですが、よくよく調べると、モザンビークティラピアで、導入経緯からみても本種のようです。モザンビークティラピア Oreochromis mossambicus スズキ目カワスズメ科 2024年9月16日 台湾 台北市 文山区 新光路 台北市立動物園
Apr 27, 2026
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本日ご紹介するのは「アマサギ」。漢字では「飴鷺」と書き、夏季に頭部から頸部、胴体上面はオレンジがかった黄色(飴色)の羽毛で被われることが、名前の由来になっています。台湾だけでなく、日本を含むアジア東部から南部、オーストラリア、ニュージーランドまで広く分布しています。本種の分類については、現在でも様々な意見があり、学会レベルで採用している学名や分類区分が異なっており、誰の意見に従うのかという点についても本当に苦労します。そもそも、最近の系統分類のトレンドとして、鳥の仲間は爬虫類の一部とみなされることが多くなってきており、昔の分類は単純だったなぁとため息が出てくる今日この頃です。話を本種に戻すと、台北市にある大安森林公園の生態園池は大きな鷺山と化しており、本種をはじめコサギやゴイサギが多数見られます。また池周辺にはズグロミゾゴイが人を恐れることもなく、そこいら中に転がっており、サギ類の観察場所としては最適地の一つです。ちなみに英名は「Eastern Cattle-Egret」といい、畑を耕す牛の後を追いながら、飛び出す虫を捕食する様子が名前の由来です。アマサギ Ardea coromanda ペリカン目サギ科 2025年5月3日 台湾 台北市 大安区 大安森林公園
Apr 7, 2026
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