Emy's おやすみ前に読む物語

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Jan 30, 2009
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カテゴリ: 連載小説・中編
「藍の言いなり 紅のぬくもり」**Scene 6-2**


私は右手で三村のスーツの胸の辺りに手を置く。

三村が私を見下ろす。

私は視線をはずす――。


今度はスーツの胸から手を入れ、Yシャツの上から触る。

心臓の鼓動が右手に伝わる。

私は再び三村を見上げる。

「・・・生きてる。」

「そりゃ、そうでしょ。」


あの表情にはならない。


「――ちょっと、やめて。」


耳元で小声でささやかれて我に返り、慌てて右手を引っ込める。



なんて恥ずかしい。

なんて惨め。

顔が熱く赤くなる。




私も里美のようになれるかも・・・、

話術は無理だけど、いつも孝夫に触るようにすれば

私でも三村をあの時の困った表情にできると思った。

私も小悪魔になれるかも、と・・・。

大失敗。


でも、このまま沈黙が続いたら涙がこぼれてしまいそう。

私は気丈に顔を上げて、まるで懲りてないように明るく

「せっかく会えたし、これから飲みましょうか。」

なんて・・・冗談のように、本音をもらす。


「俺、疲れてるから。」

即答。


断られた。


もう三村の顔を見ることはできない。


どうしてよいか分からず、電車内を見回す。






私は、三村に会いたかった。


しかし、三村は私の名前さえも覚えていない・・・。

話も面白くない、ビジュアルも好みで無いとすれば、眼中に無い。



私は自分を忘れてしまっていた。



ふと、孝夫の顔が浮かぶ。

私を相手にしてくれるのは、孝夫だけ。

孝夫の言う通りにしていればいいはずの私が、

男を望むなんて、なんて身の程知らずなのだろう。



私の思いなど、この世界のどこにもいらない―――。









「藍の言いなり 紅のぬくもり」を楽しみにしてくださっている皆様へ、
一月ぶりの更新で、しかも新年初めてのブログです!(><)
続きを楽しみにしてくださってた方々、お待たせしてホントにすみません~~。
・・って、最近こればかりでもう反省のacoです。

遅ればせながら、今年も「おやすみ前に読む物語」をどうぞよろしくお願いいたします。

インフルエンザもまだまだ流行っているようなので、
皆様もどうぞお気をつけて!






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Last updated  Jan 30, 2009 11:13:09 AM
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