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私自身は中東に住んでいますから、中東が私の人生観を変えたものであり、インドに行って人生観が変わったということは特にありませんでした。それでもインドは興味深い国の一つだと思います。
世界遺産もたくさんありますが、今回はデリーにある世界遺産「クトゥブミナール」をご紹介。
このクトゥブミナールの歴史は、さかのぼること約800年。インドの北部にあるデリーがイスラム教徒であったアイバク将軍によって征服された際に、勝利を記念して建てられたものだそう。
「クトゥブ」とは実はアラビア語で、「書く」という動詞の受動態。つまり「書かれた」という意味です。ミナールはミナレット(塔)のことです。実際、この石のミナレットの壁面にはコーランからの章句が刻み込まれています。
クトゥブミナールは塔のことですが、敷地内にはモスクなどの建造群があり、とても広い遺跡です。
これらの建造群はヒンズー教の寺院などを破壊して建てられたもので、遺跡のあちこちにヒンズー色が見え隠れするのが特徴。例えば、右の回廊。
柱はヒンズー教の寺院からの再利用です。そして、柱の上部を見ると…下の写真にあるように、ヒンズー教の神々の顔が破壊されています。偶像を禁じるイスラム教では、こうした神々の像は使ってはならないもの。それで、このように削り取られているのです。
クトゥブミナールの高さは72.5メートルだとか。先端が細くなっているので、実際より高く見えます。実は昔は現在の高さよりも高かったのですが、現在では先端に取り付けられたドームは地上に降ろされており、このドームも遺跡内で見ることができます。
←下から見上げた様子。
遺跡内はとても広く、木もたくさん植えられていて落ち着ける空間です。たくさんの人が観光に来ています。地元のインド人の観光客も多い。日本語の音声ガイドを受付で申し込むこともできます。質はそれほどよくありませんが、クトゥブミナールの歴史を知ることができるので、お勧めです。
デリーにある観光地の中で一番心に残っている遺跡でした。ところがこの遺跡内で、ちょっとした「事件」も。この「事件」については、次回のブログでアップいたします。