これは、私が以前に勤めていた不動産会社の
元同僚の山口(仮名)におきた実際にあった話です。
この元同僚の山口は
本当に様々な体験をしており彼からはたくさんの話を聞きましたが、
これも、そのうちの一つの体験談になります。
これは元同僚の山口がとある賃貸不動産会社に勤めていた時のお話です。
元同僚の山口が、
いつもの様にお店で業務をしていると
あるカップルのお客様がご来店されました。
二人は結婚の為のお部屋探しで
元同僚の山口も色々な物件を提案しました。
そして、2人が気になるという3件の物件を
案内する事になったそうです。
1つ目は、駅から少し距離が出るけど
築年数も浅めでキレイな物件
2つ目は、駅距離は近いけど
少し築年数が古めの物件
3つ目は、駅距離も近く
築年数は古いが内装がリフォームされた物件
1つ目の物件を見に行くと、2人ともが
“うわぁ、キレイ~!”
“もう少し駅距離が近ければなぁ”
という感じで、
それに対して、元同僚の山口も
“そうなんですよ!
この物件は凄くいいんですけど、駅距離が少しあるんですよ”
と、言いながら対応し
やはり、1件目の物件よりは古さを感じたのか二人とも
“駅距離は良いけど、
さっきの物件を見ると、ちょっとね・・・”
という感じで、
あまり気にいる事がない様子で
最後に3件目の物件を見に行く事になりました。
3件目の物件に到着すると
時間も遅くなり少し日も暮れており
少し古い外観が異様な感じもしていたそうです。
そして、その外観を見た彼氏さんは
“ここって、リフォームされているんですよね?”
とも尋ねてきたそうです。
元同僚の山口は、
リフォーム後のお部屋を見た事がなかったので、
“はい、ボクもリフォームされてからは
見たことないですけどキレイにしてるみたいですよ”
と、答えたそうです。
そして、3人はマンションに入りエレベーターで
目的階である3Fに行く事にしました。
エレベーターで三階に到着し
エレベーターを降りると
彼女さんが急に
“えっ?”
と周囲を見渡しました。
元同僚の山口も、
彼女さんの反応に気付き
“どうかされましたか?”
と確認すると
“いえ、大丈夫です”
と言い、
周囲を不思議そうに見渡しておりました。
そして、案内する部屋の前に着き
元同僚の山口が扉を開けました。
すると、いきなり部屋の中から風が吹いてきたました。
元同僚の山口は、部屋の中から風が吹いてきたので
ベランダが開いていると思い
“すんません、これベランダが開いてますね!”
“少し暗いですけど、入って頂いて大丈夫ですよ”
と言い、先に部屋へ入り
バルコニーの方へ窓の確認をしにいきました。
この部屋の間取りはというと
典型的な2LDKの間取りで
玄関を開けて真っすぐ廊下があり
リビングに行くまでの右側に洋室があり左側はお風呂場です。
そして、廊下を抜けるとリビングがあり、
そのリビングの横に和室があるというタイプでした。
元同僚の山口は、
バルコニーの窓を確認したのですが鍵が掛かって閉まっておりました。
≪あれ、おかしいな?≫
と思っていると
彼氏さんがリビングの方へ来られて
“あれっ、結構キレイですよね~!”
“外観見た時は、ダメかなって思ったけど
全然、いいじゃないですか~!”
と、言いいながらキッチンや周りを見渡しているので
≪まぁ、窓は開いてなかったからいいや≫
と思い、
特に気にずに彼氏さんと少し話をしたそうですが
彼女さんがリビングの方へ来ないので
元同僚の山口は、お風呂場でも見ているのかなと
リビングから廊下の方を覗いてみると、
彼女さんが玄関の前で扉を開けたまま青白い顔をして立っているのです。
それを見た、元同僚の山口が異変に気付き立ち止まっていると
“早くおいでよ!
キッチンも結構いい感じやで!”
と彼氏さんがリビングから彼女さんに声を掛けました。
すると、彼女さんは怯えた声で
“ダメ、入れない・・・”
“お願い、早く出てきて・・・”
彼氏さんはリビングを見渡しながら
声を掛けていたので彼女さんの異変には気付いてなかったのですが
さすがに彼女さんの返答を不思議に思い
元同僚の山口と同じように
リビングから廊下の先の彼女を覗きました。
すると、彼女さんの表情があまりにも怯えているので
さすがに彼氏さんも何かを感じ
“山口さん、
すいません、出ましょうか、、”
と言い、
そのマンションをスグに出ました。
そして、お店に戻る車の中で
彼女さんに何があったのか彼氏さんが尋ねました。
始めの方は彼女さんも身震いをしていだけなのですが、
時間が経過するとともに落ち着きを少しづつ取り戻し
ゆっくりと、あのマンションで彼女自身の身に
何が起きたのか話し始めました。
その内容は、こうでした。
まず、最初に異変を感じたのは
マンションの目的階である3Fに到着しエレベーターを降りた際に
女性の
≪フフフッ≫
という、小さな笑い声が聞こえてきたそうです。
この時、彼女さんは
≪あれっ、笑い声?
どこからだろう?≫
という感じだったそうですが
声も小さかったので空耳かなという感じだったそうです。
そして、次に案内するお部屋に着き
元同僚の山口がお部屋の扉を開けた瞬間に
また
≪フフフフッ≫
という笑い声が部屋の中から
今度はさっきより大きく聞こえてきたそうです。
この時、彼女さんは恐くて少し放心状態になっしまい、
その間に、元同僚の山口と彼氏さんは中へ入ってしまったのです。
2人が中へ入ってから彼女さんも我に返り
≪行かないで!≫
と声を掛けようと中を覗くと
廊下を真っすぐ抜けてリビングの一番端の壁に
白い服を着た髪の長い女性が立って彼女さんの方を見ていたそうです。
そして、その白い服を着た髪の長い女性は彼女さんと目が合うと、
≪フフフフッ≫
≪フフフフフッ≫
≪フフフフフフッ≫
と、少しづつ大きな声で笑い続け
そして、そのまま笑いながらゆっくりと手を挙げて
彼女さんに向かって手招きしてきたのです。
彼女さんは、
怖さのあまり完全に固まってしまっていたらしいのですが
ちょうど、その時に彼氏さんが声を掛けてきたので
少し我に返り、かろうじて返事をする事が出来たのです。
ただ、彼女さんが我に返った後
リビングの端にいたはずの白い服を着た髪の長い女性は
気付くと元同僚の山口と彼氏さんの真横にいて2人を睨み付けていたそうです。
P.S
元同僚の山口は、
この日、家に食塩しかなかったらしいですが、