広汎性発達障害の子供を持つ、おかあさんのページ

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2012年11月21日
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カテゴリ: 仕事先でのこと




職場の「あの人」。
今日も絶好調だった。
あだ名は「フレッシュさん」。
付けたのはわしだ。
わしは予想をはるかに超えた悪人なのだ。



フレッシュさんは毎日のルーチンをも
キレーサッパリ忘れる。
いや、皆がルーチンだと思っていることは
フレッシュさんにしてみれば、
毎日違うことに見えるだろう。

排泄介助を行う。
足元にふらつきがあるけれど
ご本人に自覚がない為、
ひとりで立ち上がった時はトイレのサイン。
但し、正面以外から話しかけるとびっくりしてしまうので、
驚かせると転倒の恐れあり。

という高齢者がいたとしよう。

立ち上がったのを見たら
そっと寄り添って、耳元で言う。
「おトイレだったら、一緒に行きましょう」
と歩行介助をして、
そしてトイレの外で見守り。

これがそのご利用者への支援。

だがフレッシュさんは違う。
発見したら
ドタドタドタドタと足音を立ててマッハで近寄り、
「はいはいはいはい。どうしたのー?」

ああ、もう。
何でそんな足音が立てられるんだ。
いつもなんだ。
何度注意しても直らないんだ。
その時のフレッシュさんの言葉。
「私、こういう人なんで~」

あなた、運動神経ないでしょう?

わしは悪人です。
本当は、
「あなたの足音は非常に音が大きく、うるさいです。
ご利用者さんがびっくりしています。
その音にびっくりしてご利用者さんが転倒したら
どうするのですか。
そこまで考えて、足音を立てないようにして下さい」
と1から10までキチンとお伝えすればいいのですが、

遠まわしに言ったところで
「そういうことを言ってんじゃねえよ!」
とぶん殴ってやりたいほどです。

わー。
この場合殴った方が悪いということになるので、
わしはぶん殴ったりしませんが、
相当イライラします。
「そういう人なのだ」とわかっていても、です。

こちらの質問に対して訳わかんない回答をされると、
皆一様に
「またか」
という顔つきをするのですが、
勿論人の顔の表情でどう思われているかなど
読み取れるわけではないらしく、
20分も前に終わった話題を蒸し返してみたり、
時間厳守の事務仕事をしている先輩に、
のんきに話し掛けていたりして
ああ、時間が読めないのだな、とも思います。

年間計画実施一覧というものがあります。
週ごとに行うリハビリの計画は、
年度末に自分の担当が決められるので、
その気になれば1年分の計画が
自分の中では予定として決めておけるのですが、
フレッシュさんは
「来週が自分の当番」という段になっても
先輩から指摘されてようやく計画を練るということもままあり。


枚挙に暇がない。






時間に追われるデイサービスですから
ご利用者さんを送迎車に乗せて
時間通りにご自宅へ安全に事故なくお送りする、
その為に大げさなようですが分刻みのスケジュールです。

「なるべく手出しせず、
本人が力を付けるように」
という大変大雑把な支援内容ではあるものの、

今日もスケジュールが
押して押して押し捲っているにもかかわらず、
のんびりとご利用者さんとお話をしているフレッシュさん。

こそっと先輩に
「このフレッシュさんの仕事、どうしましょうか」
と聞いてみたれば、

「なるべくさー。
フレッシュさんが自分でやれるようにって思ってるけど、
無理なんだよねぇ。
だって時間が押すんだもん。
見てるこっちがヤキモキしなくちゃいけないし、
本人全く気付いていないし、
「手伝ってもらった。今日もなんとかなりました」的には
思っていないんだもんね」

嗚呼。
結局手出ししてしまうのだ。



何度も言うけれど、
わしは悪人だ。

「この前も言ったと思うけど」
「初めて聞いたって、不思議だね」
「覚えようとしてますか」
「あっ、そうでしたって言うけど、この前も言ってたよ」


気付いてくれ。
気付いてくれ。
自分の弱点を。

メモを書け。書いてくれ。
そして書いたことを忘れないでくれ。
どこかに書いたはずだって、思い出してくれ。
そんな切れ端みたいなメモ紙に書くな。
あなたはそのメモ紙をなくすんだよ。
でっかいノートに書け。
今日の日付を書け。
そうでしたっけって言うな。
取り繕うな。
何度も指摘されることを恥と思ってくれ。
頭の中で考えてからモノを言ってくれ。
苦手なら紙に書いてから言ってくれ。
何度も同じことを言わせないでくれ。

気付いてくれ、自分の弱点に。






上司に今日、
「仕事を辞めたい」
と伝えた。


却下された。
理由も伝えたが却下された。
上司は息子の障害を知っている。


「フレッシュさんを見ているとツライ。
我が子の将来像を見ているようで胸が痛い。
中学生になるまであと1年、
親の言うことを素直に吸収するうちに、
療育を一歩進めたい。

今のままの勤務体系では、
思うように家庭内療育出来ない」


上司は言った。

「プチくんとフレッシュさんを重ねるから
胸が痛むのだ。
プチは何度も見ているが、
自閉症の子というより、
個性的な子どもだ」

上司は児童福祉のプロだった人。
バッサリ斬られた。


上司に噛み付くことも出来ず、しかし、

「親ひとり、子ひとりです。
 収入を犠牲にしても
 一歩前進させたいです」

と言いました。

上司は困った顔をしていました。





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最終更新日  2012年11月21日 22時50分59秒
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