第1の扉@佐藤研

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報告者@佐藤研

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2006.09.10
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カテゴリ: 芸能

 宝生会月並能の公演。入り口に向かおうとするところで、とても懐かしい方に出会う。私の(書類上の)4番目の師匠である。退官と同時に一切の公務を離れたのだが、それはご事情あってのこと。当時は私にまで世間様から色々と質問があった(サグリを入れるというか……)が、それももう昔の話である。奥様とお二人での能鑑賞で、とても久しぶりのことだと伺う。ホールと違ってたいした人数ではないが、入り口でばったりというのは本当に奇遇だ。お元気そうでなにより。


 そもそも『平家物語』としては格別魅力的な人物ではなく、その他大勢の1人という感じが強い。一方能の世界では、近年数多く演じられた<恋之音取(ネトリ)>の小書まであり、比較的多く上演されている。修羅能らしい修羅道の苦しみは“付けたり”的だし、優美さが勝りがちな気もするのだが、わりと人気な曲だろうか。 シテは小林与志郎さん。簡素にして優美という風情で、すばらしい地謡に盛り上げられ、なかなか良かった。ツレがもうちょっとなんとかなったら、と思わないでもなかったが……。面に描かれた毛筋と鬢がはっきりずれているのは、この流儀としては珍しいのでは。着付けも……
 詞章に出てくる歌の本文は『平家』諸本で多少に違いがある。この辺りはちょっと興味深い。

 能の次の狂言は大蔵流山本家の「素袍落」。東次郎さんがすごい!能の会でここまで見させていただいていいのですか?というくらいすごかった。酒の匂いが席まで漂いそうというか、一緒に酒が飲みたくて喉が鳴るというか。

 「班女」のおシテさんや「紅葉狩」も楽しみだったのだが、校務のため狂言後の休憩で能楽堂を出る。返す返すも残念。自分のコンディションがどうでも、舞台が良いと眠くならないということを再確認したことを付記しておく。






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Last updated  2006.09.13 01:27:25
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