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来年度の入学案内などがあって狂言などは観られず、途中の休憩時間に到着。とりあえず間に合ってほっとする。
さて、シテは勿論今井泰男さんで、ツレの常世の妻を水上輝和さん。宝生の女役らしい声で、しっとりした妻だ。今井さんの常世は老いさらばえてなお誇り高く、という気概が感じられる。同じ流儀の近藤さんの「鉢木」が2年くらい前にあって、こちらはもう少しきりっとした感じであったが、それとは少し違う無骨者常世が造形されていたのではなかろうか。
「あぁ、降ったる雪かな」から、雪深い佐野の景色が広がる。いいなぁ……
ラストの対面は、もう涙なしには観られない。おん年85の今井さんであるが、どっしりとして、確かな謡が素晴らしい。こういうのが国の宝だなぁと思う。“玉華会”“縁の会”と続いた公演もこれで終了かと思いきや、なんと“老女の会”全2回公演が来年からあるということだ。初回が来年9月2日なんと「関寺小町」である。先年、近藤乾之助さんが番囃子形式で行なったが、現役最長老が100年の空白を越えて、演じる。そして再来年4月には「姨捨」再演。うはぁ~!