時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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June 14, 2008
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 世間では、 「理系」 「文系」 という目に見えない壁があるようだ。たかだか高校の数年間に、理数系の科目が得意であったかどうかによって決まるらしい。そんな分離の壁が、日本社会の発展を阻害しているとして、これを壊そうという目論見で毎日新聞に連載された 「壊そう文理の壁」 という記事や、分離にかかわる特集記事を編集しなおして1冊の本にしたのが 「「理系」という生き方(理系白書2)」 (毎日新聞社:講談社)である。

○「「理系」という生き方(理系白書2)」(毎日新聞社:講談社)


 日本のような、人しか資源のないような国は、科学技術に関する教育を充実させ、知的財産で武装していくしかないのではないかと思う。しかし、現状はお寒い限りだ。ゆとり教育の弊害で、本来必要な教科を履修していたない学生が多く、大学で補習をやらなくてはならないということはよく聞く。特に、科学技術の基礎となる物理の履修率が低くなっていることには、我が国の将来に大きな不安を持たざるを得ない。

 また、いわゆる 「理系」 人間たちにとって、伝統的に 「文系」 支配である我が国の現状は、とても魅力あるものとは思えない。それは、この 「理系白書」 という表題の本が出ることからも明らかであろう。 「文系白書」 なんてタイトルの本は、まず出ないからである。 「理系」 としての生き方に夢が持てないため、理系の卒業生は、金融機関などに 「文系」 就職をしていく。

「理系」 出身者は論理的で数字に強いため、ビジネスに向いている人間も多いはずである。最近は 「理系」 社長も次第に増えているというが、手放しでは喜べないのではないかと思う。

「文理の壁」 を破ることは、結局は、 「理系」 の人間が 「文系」 の世界に歩み寄ることなのだろうか。本当の意味での 「文理の壁」 の打破とは、 「理系」 が本来の 「理系」 としても、社会から十分に評価されるということではないのか。もっとそんな視点でも、この本を書いてほしかったのだが。


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Last updated  June 14, 2008 06:14:38 AM
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