2007年04月27日
XML
カテゴリ: 日記
励ましのお言葉をかけて下さった皆さん。ありがとうございました。

昨日オヤジ殿の手術が無事に終わりました。
予定より少し時間がかかりましたが……経過は今のところ良好。
母からの連絡では今日人工呼吸器も外され、Drから「今のところ心配なし」とのこと。

やっと、一息つくことが出来ました。


それにしても……

手術に立ち会うのが、こんなに苦しいとは思ってもみませんでした。

無論一番苦しかったのは親父殿であり、そして親父殿を手術してくださったDrとスタッフの皆さんであるのですが……

なんと言うか、時間がたつにつれて不安がどんどん増していくんですな。
最悪のことを考えまい、考えまいとしても。

控え室に居る間、看護婦さんが来る度に思わず立ち上がったものです。
母などは、時折手術室の入り口まで行っては不安そうにじっと待ち、兄や私、弟が声をかけて時々控え室で休むように説得したものです。

私たちの他にも、手術を待つご家族の方がいらっしゃいましたが…
私たちの後から来た方々の患者さんが無事手術を終え、笑顔で患者さんと共に病室に向かう姿を見ては

「ウチのオヤジはまだなのか」

言葉に出さずとも、一家全員そう思って待っていました。


手術の直前。
子供の頃、とても怖く逞しく見えた親父殿は、すっかり気弱になっていました。
そんな親父殿に、
兄は「大丈夫、心配せんでも。あいつ(兄貴の幼馴染で親父殿のDr)が太鼓判押し取るけん」
と快活に笑ってみせ。
福岡から駆けつけてくれた弟は、愛娘(つまり孫)の写メを見せて「また抱いてやり」
と励まし

私は……何も無い私は、ただオヤジ殿の手を握って、無理やり笑顔をつくり

「オヤジ、行ってこい そして無事に帰ってこい!」

──そう言ってあげるのが精一杯な状態でした。


そして待って 待って 待ちわびて


午後の9時近くになってようやくDrの姿が


「終わりました。 無事成功しましたよ」


その言葉にどれだけ安堵したことか。

そして親父殿が意識を取り戻すまで更に2時間弱。

人工呼吸器や様々な機器、薬品を取り付けられた親父殿の姿を見て、それでもなお、本当に、泣きたいくらい嬉しい思いでした。

そう言えばDrが
「奥さん、ご主人の手を握って上げて下さい」
といって下さり、母が泣きながら手を握ると

父も、涙を流して弱々しく握り返してました。

初めてでした。 30年以上生きてきて、父の涙を見たのは。


後のことは、最早言うまで無いでしょう。
安心した私達は明るく声を弾ませて帰宅し、緊張と不安から開放されて泥のように眠りました。


けれど


人の生と死とはひどく不平等なものではないかと思うことが今日ありました。

安心して職場に来た私を待っていたものは、同僚の義父さんが亡くなったという情報だったのです。
交通事故だったそうで、親父殿が手術を受ける前日の事だったそうです。



病から生還する命がある一方で、当然訪れる死。


看・介護の仕事を始めてから多くの「死」を看取ってきた私ですが……
今回の事で思い知った事があります。

自分の言葉では上手く言えないので、私が好きなあるコミックの一節から。



「生きているのは当たり前のことではなく
 毎日が…一分一秒が奇跡の瞬間なのだと───」




癒しの葉(全8巻)<8冊全巻セット>






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年04月27日 21時37分39秒
コメント(8) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: