穏やかな爆弾

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富山県の子@ Re:【声】 こわくて・こわくて(09/17) 富山弁でこわくてこわくて‥は、かたくてか…
ターコ@ Re:マシュマロ戦争 マシュマロ…危ない兵器ですね(>_<) …
ターコ@ Re:はまる男 はまりましたか…(笑)男の人は、たまにある…
ターコ@ Re:【奮】 民間伝承 まぐろ泥棒さん スイカ…私も小さいころ信…
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May 21, 2002
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その日は、前日から降り続く土砂降りの雨が
視界を朧げなものにする憂鬱な朝でした。

カッパを着て、雨の中を走り抜けていると
完全に外界から、隔絶された気分になるから不思議です。
存在を認識できるものは、僕自身と雨だけ・・。
だから、僕が「あの」アパートの駐車場を横切った時も
何も、気付かなかったのです・・。



明け方になると、雨は幾分か勢力を弱めていました。
僕は配り終えた脱力感に酔いしれながら
煙草に火をつけます・・。
その時、辺りがいつもとは違う
喧騒に満ちていることに気付きました。

少し奥まった路地に人が溢れています。
僕の区域では、時間指定云々の都合上
同じ道を二度通らなければならないのですが
その路地は、つい1時間前に僕が通過した時の
雰囲気とは明らかに異なっていました・・。

ふと覗き込んでみると

人垣の向こうには
路地を塞ぐ黄色いビニールテープ・・。
制服姿と背広姿の男達が、入り混じるように慌ただしく動き回り
周囲には見慣れない「警視庁」と書かれた大型の車が数台止まっています。

明らかに、何か事件の匂いが漂っています。

しかも鑑識や機動捜査隊が出張っているのを見れば
酔っ払いの喧嘩程度の事件ではないことは僕にも検討がつきました。
しかし、底冷えする寒さに濡れた体が震えはじめたのと
野次馬に成り下がっている、自分の愚かさに気付いたのとで
その場は、大した確認もせず早々に立去りました・・。



夕刊の時、真っ先に届いたばかりの新聞を開きます。
書かれていた記事は・・

「殺人事件。」

あの路地の奥にある駐車場で男性が、待ち伏せていた何者かに
腹部を刺されて死んでしまった模様です。

記事を読み薦めていくと、ある一点に目が止まりました。
犯行時刻・・僕がその場所を横切った

わずか五分後・・。

つまり・・僕がその前を新聞抱えて横切った時には
犯人はもう既に駐車場にいて、被害者となった男性が出てくるのを
息を殺して待っていたことになります・・

明らかな殺意を持ちながら・・。

僕の中で血の気が引くのが分かりました・・。





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Last updated  Oct 13, 2004 02:50:33 PM
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