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August 17, 2017
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ホスピス 19日目  曇り後晴れ

(午前のブログからの続き)


そして夕方

夫は先日「このお便りを最後に・・・・」と私に代筆させたT先輩の返信を今日も
待っていました。  「そろそろ返事が来ていると思う、家に行って見てほしい」 と言います。

更に 「メールが来ているかも・・・」 といいます。
「もう会わないことにしたい」 とメールを送った親友M氏からの返信でした。 
M氏は高校入学時から60年近い年月の交友が続いている夫の唯一の親友でした。


何度も繰り返す夫に私は言いました。  「お便りはもう来ませんよ」


「そんなことないよ、いつだって僕が出せばすぐ葉書をくれるし、
M君もメールくれて返信しないとどうしたかと心配してまたメールくれるんだから、
わざわざT子ちゃんに行って見てきて欲しいって、以前もそんなことあったんだから」
夫はあれこれ話し始めました。


そして、また私は言いました。  「だってあなたが断ったんだから・・・・」

私の言葉が終わらないうちに夫は激しく言い放ちました。
「あんたはクールだ、友達の事そんなこというなんて、大事な友達なんだ
来てないと決め付けるなんて、あんたはこうと言い出したら絶対、改めない。

わかったよ~もういいよ。」



私はびっくりしました。大きなショックを受けました。

激昂する姿、「あんた」、「クールだ」、「もういいよ」という拒絶、どれもがショックでした。

友人の多くは「あんた」「おまえ」と妻のことを呼ぶことを耳にしますが夫は決して私に

そのような言い方をすることはありませんでした。




夫も私も暫し無言、 私は夫の言葉の断片からようやく気が付きました。

夫はその時、彼らに告げた「最後のお便りです」「もう会わないことにしたい」という

事はまったく気持ちにはなかったのではないかと。

今までの友人・先輩との日常的なやり取りから生まれた言葉だったのだろうと。

夫も天井を見て何か考えているようでした。

しばらくの後、T先輩にあてた手紙の下書きを夫に渡しました。

読み終えると「そうだったね」夫の一言。



夫の精神が壊れ始めているのではないかという恐怖、思考回路の短絡が始まり、自分の

言動の前後の繋がりがわからなくなってしまっているのではないかという不安、

妻に対する今までに見られなかった苛立ちの表出は自己コントロールできなくなってきて

いるからであろうと大きな戸惑いを感じ、夫がこれから変わっていく姿を想い落ち込みました。




私の知らない夫になっていってきているのかもしれないと思いました。

夫は自分を理性的に気持ちをコントロールしてしっかり生きたいといつも言いました。

それができなくなっていくことをとても恐れていました。最後まで自分らしく生きたい、

不様に乱れた姿をさらしたくない、自己を律して逝きたいという願いを持っていました。

もし、堪え切れないほどの痛みで人格崩壊が始まり、どんなに私が罵倒されても

拒絶されてもかまわない、それが現実になって行くとしたら一番夫が可哀想です。




末期がんの夫を看取ったご近所の奥さんが「夫の暴言、暴力」で苦しんだことをかなり以前に

聞いていました。癌の痛みは知性も理性も感情もその人の心(精神)のすべてを奪ってしまう、

その人格を崩壊するほどの魔力を持つものだと聞いたことがありました。

夫も書物でこのことを十分理解していました、だから、最後まで自分らしく逝くことを

願っていました。



夜になると夫は自分の勘違いを詫び、しきりに私のご機嫌を取ることを言いました。

それでも私の不安と恐怖は鎮まりせんでした。私の負の感情は激昂し、拒絶した夫の言動を

責める気持ちにかわり、その夜は枕を自分のベッドに戻し夫に背を向けて休みました。





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Last updated  August 17, 2017 08:17:07 PM
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