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Jun 7, 2008
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カテゴリ: CINEMA
大好きです。こういう作品。

「凜」とした、背筋がピンとなる物語でした。
観ようかどうしようか迷ったけど、観て良かった。
すごく、良かった。

とても静かで、美しい画面です。
そして人の心も美しいのだと再確認。
余分な言葉もなく、荒々しい悪口もない。
時代劇としての基本、「悪い役人」と「義憤に駆られる侍」と
「心に秘めた恋」。うーん、とても日本の美。

主人公の"のえ"も弥一郎もめちゃくちゃ台詞が少ない。
視線があり、仕草が語る。そういう『行間』を読む映画。
強さも弱さも、感情の動きも風景や風の強さで見せる。
何も語らないその姿が何よりも心に響く「画」になっている。
…素晴らしい…!
もの凄くいろいろと観る方に委ねたこの作りに、いらつく人もいると思うけど、
この「美学」が判らないならそれはただ「残念だったね」と言うしかない。

本当に、この映画で感動できないなんて、残念な日本人だわ。

のえ の痛みも喜びも怒りもほとんど言葉にはされていない。
弥一郎の決意も苦々しさも、弥一郎の「暴挙(ある意味…ね)」の真意を汲んで、
頭を垂れる者もくどくど語ったり、言い訳も慰めもない。
だからこそ、観るの受け取り方が「試される」気がする。

好きなシーンは沢山あるけど、一番は のえ がラストで弥一郎の家を訪ねるとこ。
たった一人で家にいた弥一郎の母親が満面の笑顔で、
「"あの事"があってから、うちを訪ねてくれたのはあなたが初めてよ」
と言ったシーン。泣いちゃいました。もーハンカチ、だだ濡れですよ。

そして、この物語は「結末」さえはっきりは語られない。
弥一郎は国元に帰ってきた殿様にどんな沙汰を言い渡されたのか、
のえ はそれでも弥一郎を待っているのか、この国はどうなっていくのか。
「答え」がない。
でも、それは大したことではない…気がしてしまう。
このグレイゾーン感が嫌いな人はものすごくもや~っとしたままだろうなぁ(^_^;)

私も彼らのように自分の嫌な人間や嫌いな人間にも
礼を尽くすことのできるような人間になれたら…と思いましたよ。
昔の人はもっとこんな風な「美しさ」を持っていたんだろうなぁ。





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最終更新日  Jun 8, 2008 12:50:23 AM
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