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なんか、大ヒットしたドラマの原作だということだったので「さぞかし面白いだろう♪」と、ワクワクしながら読み始めましたが。。。《凛冬之刃》著者:于小千 江苏凤凰文艺出版社しおりは映画館で貰った怪盗キッド。コナンの映画見ていないけど。1998年当時、主人公の王响は元は国営の鉄鋼工場で鉄鋼を運び出す機関車の運転手をしていましたが2018年現在はタクシーの運転手をして生活しています。20年前、彼は息子の王阳と妻を亡くし、現在はもう一人の息子王将と二人暮らしをしています。そしてある交通事故をきっかけに王响は再び20年前のあの忌まわしい事件に巻き込まれていく。みたいな感じですかね?2018年の話と1998年の話が交互に描かれているので、気を抜くと「あれ?今どちらの時代だっけ?」と一瞬「時代の迷子」になっちゃいますね~。いちおう「王阳が生きているからこれは1998年の話ね。」で確認していました。ところで、最初の方で既に「20年前、1998年に王响の息子の王阳は亡くなった」という描写があるのに、1998年の物語の中で王阳が全然死なないのよ(゚Д゚)ノ王阳は何らかの事件に巻き込まれて亡くなったと想像できますが、全然死なないので20年前どういう事件が起こったのかいつまでもわからないままなんですわ。あまりの進みののろさにうんざりして、途中5~6回読むのをやめました。最後の3分の1で急に真相が明らかになっていくのですが、ショッキングな事件が明るみに出たり、意外なトリックが使われていたりと結構盛りだくさんです。でも、トリックがちょっと。。。可能のようでもあり「そんなわけあるかい!」と言いたくなるようでもあり。まあ。意外といえば意外なのでテレビドラマ映えはしそうだなぁと思いました。あと、小説中の文章表現が大げさすぎてちょっと引いちゃったんですけど、作者紹介を読んだら、この作者の人は脚本家でもあるらしいです。主人公の心情とか細かく描かれていてお腹いっぱいになっちゃった(;^_^Aとりあえず、個人的感想としては「普通の推理小説」かなぁ。アガサクリスティとか横溝正史とかの小説の中に出てきてもおかしくはないトリックだと思いました。私みたいなひねくれ人間が読んだ感想ですよ。あくまで。素直な心で読んだら、ハラハラドキドキの面白いミステリーだと思います。でもやっぱり《坏小孩》の方がリアル感があってより面白かったなぁ。やっぱり。
2024.06.26
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まだまだ冷めていなくて、毎日昼休みにニヤニヤしながら読んでいます。と、いうわけで(?)最終的にヒロイン曦光を射止める林屿森についてまとめました!いつもの市民センター学習スペースで午前9時から午後3時まで!ぎっちりノートに書き出しましたわ(バカ)。もう誰かに読んで欲しいとかではなく、自分がまとめたいだけです(病気)!盛大なネタバレあるから、これから《骄阳似我》を読もうと思ってる人はご注意を。林屿森。28才。大企業グループを形成する盛一族の会長の外孫。お金持ち。頭脳明晰。優秀な脳神経外科医として活躍していましたが、交通事故による怪我のため医師の道を断念し一族のグループ企業の本社に入社。ビジネスの世界でも頭角を現します。高身長。イケメン。その後、主人公・曦光が働く会社に副社長として移籍します。上巻を全部読むと分かるんですけど、最初から林屿森はとにかく曦光にベタ惚れ。彼女を好きな気持ちと自分の医師生命を絶つ原因を作った曦光を恨む気持ちが彼の心の中で戦って最初は結構謎の行動にでていますね~。林屿森が交通事故に遭ってしばらく自宅療養をすることになった時、曦光が週一で彼に書類を届けることになりますが、書類を届ける係が曦光と知った林屿森は適当な口実を設けて毎日彼女を自宅に呼びつけたり。←表情はあくまでもクール2階から落下して入院することになった曦光。けがはすぐに退院できる程度の軽傷でしたが林屿森は裏から手をまわして(元医者なので色々コネがある)10日間入院させ、その間適当に口実を設けて彼女の病室に入り浸ったり。←表情はあくまでもクール曦光のせいで医者生命を絶たれることになったのに、彼女はその出来事を全く覚えていない…そんな彼女を恨む気持ちはあるけれども、彼女を愛する気持ちを変えられない林屿森の心の葛藤が随所にちょっとずつ描写されていて、読めば読むほどハマっていった私ですよ。その後、林屿森は彼女を恨む気持ちをきっぱり捨て曦光を愛し続ける選択をします。で、ここから林屿森の I LOVE 曦光♡な気持ちがはっきりと表れてきます。いままではクールな態度で隠されていたんですけどね。上司として曦光に残業を命じ、二人きりで残業したり、林屿森の友人の結婚式に曦光を同伴させたり。結婚式に着ていく服を持っていない曦光をブティックに連れて行き彼女が試着した服を全部買ってあげたり。結婚式の会場で林屿森の友人知人は同伴した曦光を林屿森のの彼女だと勘違いします。曦光は「みんな私をあなたの彼女だと誤解してない?」と彼に問いますが「いいじゃんいいじゃん♪ずっと彼女がいなくてかっこつかないと思っていたんだ。わたくしめ、眉目秀麗、人柄も優れており、あなた様にとっても損はないと思いますが?」と、ちょっとおちゃらけた感じ。最初のクールな彼とは180度違いますね~(;^_^Aで、色々あって今度は曦光の友人の結婚式に出席することになった林屿森と曦光。彼女の友人が林屿森を曦光の彼氏だと勘違いして結婚式に招待しました。その結婚式で、大学時代の想い人・庄序から責められて泣き崩れている曦光に林屿森がはっきりと告白。「こんな状況で告白なんてちょっとずるいと思うんだけど。」と。しかし曦光はまだ庄序を忘れられないと返事を保留します。「それでもいい、僕に君を追いかけさせて。君を振り向かせて見せるから。」と高らかに宣言。ひ~(@_@。!すごい直球勝負だね。その後、どういう顔をして林屿森に会っていいか困った曦光は会社でも林屿森を避けまくりますがこの林屿森を避ける曦光の行動、結構成功して会社では林屿森にほとんど会わずに済みます。実はこれ、曦光が困っていると察した林屿森が彼女に会わないように気を付けてあげていたからなんですね~。あ~。大人だな~。やさしいな~。すてきだな~。そんなある日、林屿森は、彼の医者生命を絶った原因を作ったのは曦光ではない別の女性だったということを知ります。曦光が原因で交通事故に遭い医者生命を絶たれたが、彼女を好きな気持ちは変わらない。過去の出来事には蓋をして、曦光を好きでいる自分として生きて行こうという結論に様々な葛藤の末にやっとたどり着いていた林屿森。なのに、そもそも曦光は無関係だった?!じゃあ自分のこの2年間の葛藤は何だったのか?!結局質の悪い笑い話なのか?!と林屿森の心はぐちゃぐちゃ。ショックで膝から崩れ落ちる感じ(←私の想像です)そして会社を休みしばらく傷心の旅へ…(ここのところはベタすぎてちょっと笑った)その後、自分の想いを綴った手紙を旅先から曦光に出し、もうすぐ帰るよ、と。(ここもベタすぎてちょっと笑った)その後、とうとう曦光からOKの返事をもらい、幸せいっぱいの林屿森なのでした♪と、最後の部分は疲れて駆け足になっちゃいましたけど、だいたいこういう感じ。上巻全部通して読んで初めて林屿森の曦光に対する気持ちが終始一貫して変わらないことが分かります。顧漫さん、こういう恋愛感情の描写がとても上手です。プロだから当たり前だけど。もう何度も読み返しちゃうわ~。《何以笙箫默》を読んだ時もこういう状態になりました。確か。曦光を追いかける!と決心した後の林屿森の真正面から曦光に想いをぶつける明るさ、優しさが良いです。あ~、こりゃカッコつけすぎてタイミングを逃した庄序はとても彼にかなわないなと思いました。頭脳明晰でお金持ちでイケメンで高身長で・・・と、下手するとヒロインに振られる男2号になりそうなんですけど、「明るい」「優しい」という性格の良さで男1号の座を守りました!次に読む本はまだ決まっていませんが、この《骄阳似我》でしばらく時間がつぶせそうです♪
2024.06.02
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《骄阳似我》上巻を読んだのは5年くらい前ですが、当時庄序の言動がよく理解できなくて「なんだこいつ。急にキレ散らかして。」と思っていたんですよね。大学時代、クールな立ち位置で曦光の猛アタックにもリアクションをほぼしなかったのに半年後、曦光が彼氏と二人で彼の前に現れた時に人が変わったように感情的に曦光を責めて…という部分がちょっと分からなかったんですけど、下巻を読んでやっと意味が分かりました。というわけで、今日は市民センターの学習コーナーに行って庄序の行動履歴を整理しました!朝8時半から午後3時20分まで!休憩なし!ぶっ続け(*‘∀‘)中国語の試験勉強をする時の10倍の集中力を発揮する私(;'∀')小説を読みながら庄序の部分をピックアップしていきましたが、結局庄序が登場しない場面もついつい読み耽ってしまい、4時から美容院の予約をしていたので最後は駆け足よ。というわけで庄序くん。南京にあるA大学の学生。頭脳明晰で教授陣の覚えもめでたい超優秀な学生。イケメンで高身長。家は貧しいが自尊心はエベレストより高い。という設定。① 大学3年の夏休み。庄序が資産家の家に家庭教師として訪問した時、彼の生徒である高校三年生の姜锐の従妹の曦光に出会う。後に彼女が彼と同じA大学の同級生であることが判明。⓶ 庄序に一目ぼれした曦光は庄序に猛アタックを開始。最終的に曦光は庄序に正式に告白するが、庄序はあっさり拒絶。③ 庄序は就職説明会でほとんど面接の申し込みができなかった曦光を助けて、上海のいくつかの企業の面接申し込みを取り付けることに成功。④ ルームメイトの容容への有名企業からの面接通知の電話を曦光がわざと取り次がなかったという疑惑でつるし上げにされている時、庄序は傍観するのみ。曦光は孤立。⑤ 勉強が苦手な曦光。彼女が教授に提出した卒論の全面書き直しを命じられ、卒業できるかどうかのピンチ状態に。その場面を偶然目撃した庄序は彼女の卒論のタイトルで完璧な論文を書き上げ、彼女にメールで送付。そのおかげで曦光は無事大学卒業(^-^)⑥ 卒業後、友人たちとの飲み会の後、二人きりになった庄序と曦光。曦光の葡萄の例えの話で、庄序は曦光と心が通じ合ったと勘違い。本当の勘違い。⑦ 卒業後、外資系の大手銀行に就職した庄序。てっきり上海の会社に就職したものと思っていた曦光は上海にはいないし、電話も通じない。あちこち探して、最終的に彼女の従弟の姜锐の家を尋ねたら、お手伝いさんが「曦光お嬢様はうちの姜锐ぼっちゃまと一緒に国外へ留学しました。」と聞かされてが~ん。(お手伝いさんは「留学」と「遊学」を勘違いしていたというオチ。曦光は2か月間ヨーロッパで遊び回った後帰国していた。)⑧ 半年後、同級生の結婚式に彼氏と二人で現れた曦光を見てが~ん。結婚式場の廊下で曦光を捕まえ、ブチ切れて「裏切者」的な言葉で曦光を罵る(;´д`)⑨ ⑧の時の曦光の「彼氏」というのは嘘で、二人はその時は実はまだ付き合っておらず、曦光はまだ庄序を想っていた。しかし、庄序に嫌われていると思いこんでいる曦光は庄序に惨めな自分を見せたくなくて林屿森と恋人のふりをして強がっていたのだった。⑨ 真相を知った庄序は曦光を「なんであの時恋人だなんて嘘ついたんだ!」「あの時は自分にもチャンスがあったってことじゃないか!」「オレがどんな間違いを犯したっていうんだ!曦光!?」と狂ったように責める。で、「あなたがいつあなたが私を好きと思わせてくれたっていうの?」ときっぱり曦光に断られる。という流れ。長いね~。これでも10分の1くらいに縮めたんだけど。庄序が②で曦光の告白を断った理由は小説内でははっきり描かれていませんが、私の推察では、・「自分の生活に急に登場して引っかき回すうざい女」と思った・資産家令嬢の曦光に引け目を感じていたのどちらかだと思っています。いずれにしろ、最終的に庄序は曦光が好きになったらしいんですけど、この庄序、全く曦光に意思表示をしないのです。プライドが高すぎるから?カッコつけたいから?彼としては、言葉にしなくても③とか⑤の行動で好意を示したつもりになっていたみたい。でも、性格的にニブい寄りの曦光には通じていなかったみたい 笑。③の企業面接の申し込みを手伝ってくれたのは曦光はただの「友達として」と思っているらしい⑤の卒論に至っては容容が曦光に濡れ衣を着せたのを容容の代わりに謝罪してくれたお詫びの行動と思っているらしい(曦光は庄序と彼の幼馴染の容容が付き合っていると勘違いしていた)庄序としては、卒業して外資系の大手銀行に就職して成功すれば、資産家令嬢の曦光と釣り合う男になれる!それまでは我慢我慢…とかなんとか思っていたんでしょうけどね。たぶん。②で庄序が曦光を拒絶した時に曦光がにっこり笑って彼に「あなたが私を拒絶しても、私はずーっとあなたのことが好きだから!覚えておいて!」と言った時、ノーリアクションだったくせに内心では曦光のその言葉をずーとっ心のよりどころとしてたらしいんですけど。曦光がどういう行動に出ようと常にノーリアクションだった庄序がアホとしか言いようがない。⑧の時点で曦光を責めないで素直に告白していれば彼女を手に入れられたかもしれないのに。あっ、⑦の後で彼女を探し出して、彼女に想いを伝えることができた可能性もあったしね。③と⑤の行動で彼女に想いは伝わってると思い、⑥で自分たちは両想いだと勘違いする庄序がアホです(本日2回目の「アホ」)プライドを捨ててもっと早い段階で積極的に意思表示をするべきでした。人を疑うことなく真っすぐに育ってきたお嬢様の曦光が相手ならなおさらよ。最終的に「今さら何言ってんの?!」的な剣幕で曦光から拒絶された庄序はここで退場。10年後を描いた下巻の番外編でやっと庄序は曦光を吹っ切ります。この番外編を読んで私もほっとしました。「庄序くん。これから幸せをつかんでね。」と。というわけ、庄序についてはこれで終わり。自分が書きたかっただけです。誰も興味ないと思います。終わりまで読めた人います? 笑
2024.05.25
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先週、10年ぶりに下巻が出版された《骄阳似我》を読みました。とりあえず結末ははっきりしたものの、上巻を読んだのが数年前なので上巻の詳細を覚えていなくてまたまた上巻を読み直した( ̄▽ ̄)と、ここまでは以前のブログでも書いています。そしたら、上巻の庄序の言動の意味などが下巻で判明するなど、下巻を読んだことによって上巻がさらに面白く感じるようになってしまい、今週はどこへ行くにも《骄阳似我》の上巻または下巻を持ち歩いて、ヒマさえあれば適当なページを開いては読み耽っています。同僚のランチの誘いは断って、コンビニおにぎりを2個食べて、後は昼休みが終わるまでひたすら《骄阳似我》上巻または下巻を読んでいます。この《骄阳似我》は顧漫さんの小説の中では比較的普通っぽいのかなと個人的には思いますが、主人公が二人ともまっすぐに相手に意思表示をするんですよね。ヒロイン曦光は資産家の令嬢。そして美人。人に引け目を感じることなく真っすぐに育っているのでその行動力は友人たちを驚かせます。同級生の庄序を好きになって即座に猛アタック!!しかし彼は実は幼馴染の容容と付き合っていたと知ると(悲しい気持ちを隠して)「あっ、そうだったんだ。ごめんごめん!」と彼から離れます。めそめそ彼に縋り付いたりは決してしない。それが曦光。そして後に曦光の心を射止める林屿森はこれまた資産家一族の御曹司。彼女が実はまだ庄序への想いを断ち切れないでいるのを知っていて、真正面から曦光に告白、曦光が自分を好きになってくれるまで待つよ!と失恋で実は傷ついていた曦光をやさしく包み込みます。まあまあこういう感じなのですが、庄序と林屿森の二人の男性の対比が良いです。北風の庄序と太陽の林屿森。曦光と庄序は同級生だけど、林屿森は彼女たちより6歳年上。6歳も年下の曦光に一目ぼれし、失恋で傷ついた彼女を優しく包み込み、彼女に振り向いてもらえるのを焦らず待つ林屿森が良いです(^-^)下巻の終盤で林屿森を「選んだ」曦光に庄序が激しく詰め寄る場面は、かなり夢中になりました。(実は庄序は曦光を好きだったらしい。原作をよ~く読み込まないと分からないけど)「彼(林屿森)に出会って、真っすぐな目でに私に『好きだ』と言ってくれた時、彼を『選んだ』んじゃなく、私はこれから彼と人生を歩んでいくと決めたの。」適当に訳しちゃったけど曦光のこのセリフが良いです(^-^)庄序はもっと早く曦光に気持ちを伝えるべきでしたね。と、こういうふうに毎日毎日《骄阳似我》漬けの私。久々にハマった(;^_^Aできるビジネスマン、そして医師、そしてやさしい、そしてお金持ち、そして高身長、そしてハンサム。いくら小説中とはいえこんな都合のいい登場人物がいていいのだろうか?と、冷静になったら思いますけどね。とりあえず空想の世界に浸りたいです。昼休みに読んでいて「はぁ~面白い。みんなもぜひ読んで!」と思わず言ってしまったけど職場に中国語分かる人いないのよね~。《骄阳似我》を読んだ日本人の人、どなたか感想を語り合いたいです!
2024.05.23
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先週、《骄阳似我(上)》出版後10年を経て出版された《骄阳似我(下)》を読みましたが何しろ《骄阳似我(上)》を私が読んだのは5年前なので細かいいきさつをよく覚えていなかったので《骄阳似我(上)》を再読することにしました。金曜日の朝30分早く出勤して始業時間まで読み、昼ご飯を10分以内で食べ昼休み中読み、帰宅後、眠たくなるまで読み、土曜日の午前中に読み終わりました。5年前に読んだ時より内容がくっきりと理解できました。先週読んだ《骄阳似我(下)》に《骄阳似我(上)》の伏線回収的なやりとりがあったからかな?5年前に読んだ時は庄序の行動がいまいち理解できなかったんですよね。庄序。この小説の主人公である曦光の大学の同級生。学年一の秀才、高身長、ルックス良し、女子学生の憧れの的。この庄序がとにかくとにかくとにかく寡黙な人なのよ。あんたに感情はあるのかい?と問いたいくらい。曦光が彼に告白した時も返事なし。曦光がとある事件の犯人と疑われ、寮のルームメイトからつるし上げをくらっている時も冷静に傍観。偶然二人きりになった時(高考の付き添いの時)もま~ったく話が弾まない。実は庄序は曦光が好きだったらしいんですけど、読者の私にもその気持ちがまったく見えませんでしたわ。そんなこんなで、大学卒業後、真正面から曦光に告白した彼女の上司の林屿森にさくっと彼女を取られちゃうんです。大学卒業して半年後、曦光が恋人(林屿森)を連れて同級生の結婚式に現れた時に庄序は「裏切られた!」的な言葉を曦光に浴びせるんですよ。大学の時には見せたことのない感情的な態度で。「大学時代、私はあなたにずっと嫌われていると思っていたわ。今の彼ははっきり私に好きと言ってくれる。それの何が悪いの?!」と返されて退場。庄序…あんたそんなに完璧に気持ちを隠したら誰だって分からないよ…と、思わず私も(心で)つぶやきました。「クール」って言っても限度があるよねぇ。曦光の恋人・林屿森は元外科医(事故に遭い左手を負傷し離職)で資産家一族の御曹司、高身長、ルックス良し、性格良しと、医学の道をあきらめたという過去エピソード以外は非の打ちどころのない王子様的キャラクター。庄序は母子家庭出身で母親は病気で入院していて苦労して大学に通っていた。普通の少女漫画だったらおぼっちゃまの林屿森が脇役となるパターンなんですけどね。というわけで、もしドラマ化されるとしたら(しないだろうけど)楊洋にはぜひぜひ暗~いこじらせエリートの庄序役をやってほしいわ。なんだかぴったりな感じ(^-^)《骄阳似我(上)》を読んだらまた《骄阳似我(下)》を読みたくなったので、明日から持ち歩いてまた読もうと思っています(無限ループ?)
2024.05.19
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《骄阳似我(上)》は2013年に出版された顾漫さんの小説。私は2018年に読みました。読み終わった時に「(上)とあるからいつかは(下)が出るのかな?」と思いましたがその時点で出版から5年経過していたし、(上)もハッピーエンドっぽく終わっているので「このまま(下)が出なくてもこれはこれでいいかな?」と思っていました。しかし、先月ネット巡回をしていたらなんと今年3月に《骄阳似我(下)》が出版されていたのを発見!一瞬でポチしました!なんと(上)が出版されてから10年経っていますよ。すごいね。そして届いたのが昨日。付録もいっぱい(^-^)ミニポスター、カード2枚、ミニカード1枚そしてお手紙1通。このお手紙がすごい!《骄阳似我(上)》で林屿森が曦光に送った手紙のレプリカよ!封筒には消印も押してある。本格的~!林屿森さん、かなりの達筆ですわ。最後のサインがカッコいい(*´▽`*)というわけで、昨日帰宅したらポストに届いていたのですが、早く読みたすぎて昨日、夜12時までかけて100ページほど読み、今朝早めに出勤して始業までの30分間読み、昼休み8分でご飯を食べて50分間読み、家に帰って夜10時までかかって読み終わりました。約5時間くらいかかっていますね。たぶん。内容としては(上)で恋人同士になった林屿森と曦光のその後の物語です。曦光はお金持ちの一人娘。自分の親が50%の株を所有している会社にコネ入社して普通の社員として働いています。林屿森は曦光の上司です。が、彼はもともと外科医で自動車事故に遭い手を負傷してしまい手術ができなくなり医者を辞めて彼の一族が50%の株を所有している会社(曦光のいる会社ね)に副社長として配属されました。これが(上)から続く状況ね。まあ、つまりお金持ち出身同志の恋愛ってことで物語の進展はゆったりほのぼの(*´▽`*)また、二人のラブラブ場面も顾漫さんらしく全くベタベタしていなくてユーモアたっぷり。顾漫さんの文章大好きなのよね~♡(下)では林屿森が医学の世界に戻る決心をし、会社の経営を曦光に託すことにします。曦光は会社経営に興味を持ち、経営者としての修業を始め・・・と、お仕事の場面もあるにはありますが、大部分は主人公二人のあまあま場面です。二人、同じ会社にいますからね、その気になればいつでも会えますしね。この物語、顾漫さんの文章で綴られているからこそ読んでいて面白いのですが、ストーリーとしてはそこまで起伏が感じられない普通のお話だと思います。なので、ドラマ化はかなり難しいかな。ドラマ制作者が小説中の顾漫さんの「行間」を読み取れなかったらクソつまらない恋愛ドラマになりそう。曦光と彼女の元カレの庄序の場面はそこだけシリアスでした。曦光のきっぱりとした態度が快かった。というわけで、《骄阳似我(下)》読み終わったわけですが、再度言いますがストーリーとしては結構ふつうの恋愛小説なのですが、顾漫さんの文章が秀逸!短い文章で要点を掴んでいる感じ。作者紹介であだ名はカメ。なぜなら遅筆だから。そして、ストーリー及び登場人物に対しての要求がとても厳しく全ての文章、全ての言葉に何度も斟酌を加え修正せずにはいられないから。注意深く事を進めるから。なので、「カメの歩み」なのです。(はるさめ訳です。超適当(;^_^A)とあったのでちょっと納得。顾漫さんの作品中の言葉はすべて彼女が選び抜いた言葉なのね。
2024.05.15
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職場に映画好きの人がいて、私も映画好きなので昼休みにちょくちょく雑談してるんですけど、その彼が「岡田将生の『ゴールドボーイ』ってタイトルの映画、中国の小説が原作らしいよ。」と教えてくれました。彼は私が中国語を勉強している事も知っています。それを聞いてすぐネット検索したらその映画は中国の《坏小孩》という小説を原作にして制作されているらしいです。中国でもドラマ化され大ヒットしたらしい。というわけで、ポチっていた《坏小孩》が届き、昨日(5月3日)の朝から読み始めて今日(5月4日)夕方に読み終わりました。《繁花》は1冊読むのに1ヶ月半かかったのに、これはほぼ2日。つくづく私は「お子様脳」だなと思います。どっしりとした「ザ・文学作品」よりやっぱりこの《坏小孩》のようなスリルたっぷりのエンターテイメント小説の方が好きなんですよね。《坏小孩》は全部で370ページですが、1ページの字数が少ないため本来なら1日で読み終われると思います。それなのに2日もかかってしまったのはストーリーがあまりにもスリルたっぷりで読みながらドキドキしすぎて呼吸が苦しくなり、途中10回くらい休憩をとったからです(笑)もともと物語の中に過度に入り込んでしまう性質なのですがこの《坏小孩》はキツかった!苦しすぎて途中で読むのやめようと思ったくらいです(←?)「ううっ。。。もうダメ。。。(;一_一)」と思ったら読むのをやめておやつを食べたり洗濯したり外出して買い物に出たり映画を見に行ったりして気を落ち着かせました。で、落ち着いたらまた読書再開という具合に。というわけで、この小説、文句なしに面白いです。まず冒頭でいきなり殺人事件が起きます。これがもろに火曜サスペンス2時間ドラマ風で最初から面白そうな雰囲気♪両親が離婚して母親と二人暮らしをしている少年・朱朝阳の家に幼馴染の丁浩と彼が妹のように可愛がっている女の子・夏月普の二人が孤児院から逃げ出してきたことから物語が進んでいきます。読み始めは「真面目な優等生の朱朝阳が孤児の二人に感化されて闇落ちしていく話?」となんとなく考えていましたが、そんな単純な話ではなかったみたい。何を書いてもネタバレになりそうなので中身については書けません。ごめんなさい<(_ _)>雰囲気的には東野圭吾風味です。とにかく面白い。面白い。昭和なおばさんの私は森村誠一の「魔少年」を思い出しました。これは日本語訳も出ているみたいです(邦題「悪童たち」)私、中国語の小説は絶対中国語で読むと決めていますが、この小説は日本語で読んでもかなり面白いのではないかと思いました。東野圭吾の小説を中国語で読んでもその面白さが損なわれないのと同じように。
2024.05.04
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ネットで注文した《繁花》。今年の2月27日に届いて、今週火曜日(4月16日)にやっと読み終わりました。1冊読むのに約1ヶ月半!せっかちな私ににしてはかなりの時間をかけてしまいました(汗)ハードカバーで今時珍しい糸綴じの立派な本。値段も高いし。しおりは最近書店でもらった「名探偵コナン」♪「面白そうな小説何かないかな~。」と思っていたところに「ドラマ《繁花》が今中国で話題!」という情報をキャッチしました。ドラマ原作を調べてみたら茅盾文学賞受賞の作品だったので「茅盾文学賞受賞かつドラマ原作に選ばれるなんて、さぞかし面白い小説に違いない。」と考えて即座にネット書店でポチしたのです。しかし、本が届いて早速読んでみたらいきなり序章からつっかえて「文章が短くて淡々としていて読みにくい!」「人物の会話部分に引号(“ ”←これね日本で言うカッコ)が無くて分かりにくい!」「話が意味不明!何これ?!」みたいな感じで、不満だらけ。面白いと思えなくて全然先に進めませんでした。序章の中に陶陶という人物が市場で会った友達の沪生に街のゴシップを延々と話して聞かせる場面があります。人と会う約束があり、早く立ち去りたい素振りを見せている沪生を引き留め、目をギラギラさせて(私はそうイメージしました)しょうもないゴシップを結末まで沪生に聞かせる陶陶がどう読んでみても理解できず、この陶陶のゴシップ話には何の意味があるのか?と悩み、最終的には早川書房のサイトに載っている日本語訳の試し読みも読んでみましたが、日本語訳にも期待した注釈などはついておらず、中文で読んで理解した以上の情報は得られなくてガックリ。実は序章だけで4~5回読んだのです。が、全然つかみ切れなくて、最終的に「ええい!読み進めばどうにかなるさ!」と、ヤケクソ気味で先に進んじゃったんですよね。というわけで、序章を把握しないまま無理やり先に読み進めたわけですが、先に書いたとおり、文体が短く淡々としていて私にとって違和感ありまくり!こういう形式、あとがきを読んだら「话本的样式」とありましたけど、知らない。勉強不足ですみませんね。慣れない文章かつ没入できないストーリー展開でなかなか先に進めなくて10ページ読んでは3~5日放置 → 再び手に取った時に話を忘れているので2~3ページ戻ってから読み進める・・・みたいな感じでかなりノロノロになりました(汗)あまりにも入り込めないので落ち込んでしまい「中国ではベストセラーなのはなぜ?面白さはどこにある?誰か教えて!」と一時期ずっと考えていました(←ヒマだね~)。最終的に自分なりに出した結論としては、この作品は上海今昔(いまむかし)そして上海よもやま話を楽しむものなのではないか?ということです。普通、というか私の好きな小説の形式は「この先どうなるの?ドキドキワクワク♪」となるような普通に楽しめるものですが、この小説は「上海でこんな人物がいてこんな出来事があったよ。こんな人物もいてこんな出来事もあるよ。」という「上海あるある」を書き連ねているのではないか?という考えにたどり着きました。序章の中での陶陶の異常ともいえるおしゃべ場面も「上海にはこういう、おしゃべりでお調子者で浮気性の男が結構いるよ。」という紹介のための序章だったのかも?自分なりのこの着地点を見つけてから、ようやくなんとか作品の中に入っていけるようになりました。ストーリーは現代と過去が交互に語られているのですが、大体70年代初めから90年代までの上海の街の様子とそこに生活する人々が描かれています。作品中に通りや建物の固有名詞がたくさん出てきますが、これ全部実在する通りや建物ですよね?中国人だったら、とりわけ上海人だったら絶対具体的にイメージできて、小説を楽しめるのではないでしょうか。私は旅行(というか本を買う目的で)何回か上海に行っていますが、上海経験のごくごく浅い私でさえ、読んでいて知ってる地名等が出てくると「そうそう!花園飯店の近くにクラシックな映画館あったよ!」「花園飯店の前の百盛でよくお土産とか買ったよ!」「静安寺にあったヒルトンホテルにも泊まったし!」「上海行ったら絶対淮海路歩くっしょ♪」とちょっと嬉しくなりましたもんね(^-^)。とりあえず、主人公は阿宝、沪生、小毛の3人ですかね?陶陶も入るのかな?とにかく、ものすごくたくさんの登場人物がいて章によっては前述の4人以外の人物が中心になったりします。とにかく上海の街の描写が詳しい。個人的には阿宝と彼の幼馴染の少女蓓蒂の交流の描写が一番好きです。美少女(と私は想像しました)蓓蒂はその後、どういう人生を歩んだのか?やはり亡くなってしまったのか?作者にスピンオフ作品としてリクエストしたいくらい気になっています。最初は「もう無理・・・読み進められない・・・orz.」とくじけそうになったこの《繁花》、独特の文体にも慣れて、途中からは楽しく読めました。さすが茅盾文学賞受賞作品ね(権威に弱い私)。今日(土曜日)は朝9時から市民センターの学習コーナーに行って《繁花》のまとめをしましたよ~。小中学校の頃の課題の読書感想文は大嫌いだったけど、これは楽しい♪読んでいる途中で気になる部分にふせんを貼るのですが(1枚目の写真参照)、ふせんの部分をささっと確認しようとしたら、ついつい全体を読み込んでしまい、結局夕方5時過ぎまでかかってしまいました。というわけで、《繁花》はここまで。最初はどうなることやらと思いましたが最終的には円満に読み終えられて満足です。そういえば、序章で「こいつ、サイコパスか?」とさえ疑った陶陶のゴシップ話、小説のラスト近くで思い出したように伏線回収されていました。「全くわからん<(`^´)>」とブツブツ(心で)言いながらもちゃんと序章読んでてよかった。また、この作品の独特の文体に1ヶ月半もはまっていたので、リハビリのため、普通の文体の小説を早く読まなくちゃと思っているところです。
2024.04.20
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この前まで小説《人世间》を読んでいました。空想のお話が大好きな私にとって(←おばさんのくせに)「ドキュメンタリーなのか?」っていうくらい中身の詰まったこの《人世间》にはなかなか入り込めず、上・中・下合わせて約1500ページを読み終わるのにかなりかなり苦労したんですよね。で、気分を変えようと次に手に取ったのが《会有天使替我爱你》ね♪《旋风少女》の作者、明晓溪さんの小説よ~( ̄▽ ̄)しおりはコレ↓オイリリーというアメリカの子供服のタグです。かわいいでしょ?長女(25才)が3~4歳頃によく着せていました。「読書の時のしおりになる!」と思うと何でもとっておく人(←私)。というわけで、《会有天使替我爱你》。昨日(土曜日)の午後から読み始めて今日(日曜日)の午後8時に読み終わりました。難しい文章が全然無く、読んでいて全く疲れないので300ページだけどサクッと読み終わりました。本にふせんが3つしかないことからもどんだけサクッと読めたかお分かりになると思います。ストーリーは、小米と裴翌はラブラブの恋人同士でしたが、車に魅かれそうになった小米を庇って裴翌は死んでしまいます。「たとえ君が僕を嫌いになっても、君が僕を忘れてしまっても、僕がこの世界からいなくなっても僕はずっと君を愛してるよ。」「(僕がこの世界からいなくなったら)僕の代わりに天使に君を愛してもらうよ。」という裴翌の言葉を信じる小米は裴翌の心臓が移植された若者・尹堂曜を探し出し、彼のいる大学に転校してどんどん彼に近づいていき・・・みたいなお話ね。最初はごく普通の学園ドラマ風で、謎の転校生・小米が学校一の金持ちイケメン尹堂曜に強引に近づいて尹堂曜にウザがられるというコミカル要素も多少あったんですけどね。後半3分の2は謎のメロドラマ展開( ;´Д`)①何かっつーと起こる感情的な言い争い⓶何かっつーと泣いて沈黙する小米③何かっつーと心臓発作を起こしちゃう尹堂曜①~③の繰り返し。しかし、明晓溪さんの別の作品《第一夜的蔷薇》を読んでこういう展開には慣れていたので、「あ~。はいはいはい。またこの流れね( ̄▽ ̄)」と受け流してサクッと読み終わりました。まあ、《人世间》と違ってストレスなくスラスラ読めたので良かったと言えます。ところで、この《会有天使替我爱你》、18年前の作品ですが、今読むと古く感じますね~。今だったら赵乾乾の《致我们单纯的小美好》《致我们暖暖的小时光》とかが人気でしょうか?今の中国の女子中学生、高校生は明晓溪の小説読むのかな?というわけで、何が言いたいかというと明晓溪といえば、やっぱり《旋风少女》よね(●^o^●)ということです!若白センパイ最高!今でも大好き!
2024.02.04
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や~っと読み終わりました!《人世间》下。上中下合わせて約1,500ページ。長ぇよ!(;゚Д゚)/気になる部分やツッコミどころに貼った大量のふせん。昼休みに会社のデスクで読んでいる時には仕事用のふせんも使っちゃいました。しおりは市内の書店のレジでもらった三笠書房の「知的になるには読むシカない!」。というわけで、《人世间》下巻は2001年から2016年くらいまでのお話。中巻のラストは、主人公周秉昆が骆士宾という悪役の人とつかみ合いの喧嘩になるところで終わるのですが、下巻の最初ではいきなり12年が経過していますよ。つかみ合いの喧嘩の末、骆士宾が亡くなり、周秉昆は過失致死(別の罪状かも?)の罪で12年間服役していたことになっているんですね。その間は空白です。この《人世间》。内容は・・・何なんだろうね?大ざっぱに言うと中国のA市という市にある光字片という貧民街(←この言葉使っていいの?)出身の周家の三兄弟と、周家の末っ子周秉昆の幼馴染たちを通して、文革から現代中国社会の変遷を描いたお話です。下巻はそのうち2001年以後のお話。①周家の長男周秉义は品行方正で優秀な人物で、高考復活後北京大学に進み、幹部の娘と結婚し中央政府の役人となる。②周家の長女周蓉は文革中に北京の詩人と結婚し、娘を出産。文革終了後に離婚。離婚した夫が娘をフランスに連れて行ったのを追いかけて自分もフランスに行き、そのまま娘と12年フランスで生活する。フランス帰り。母娘そろって結構イケイケ。③周家の末っ子周秉昆は文革中にわけありのシングルマザー郑娟と結婚し、彼女との生活を優先させて高考が復活しても大学には行かず、兄のコネも利用することなくずーっとずーっと底辺の労働者として真面目に働く。④光字片に住む周秉昆の幼馴染と木材工場や醬油工場で周秉昆と知り合った仲間たちは文革後、大学に行く者もありましたが、大半は以前と変わらない労働者階級。①~④の人物たちとその家族や関係者のお話。主人公は周秉昆(のはず)ですが、章によっては周秉义が主役になったり周蓉が主役になったり。まるで「文化大革命とその後の中国のあゆみ」という教科書を読んでいるようでした。周秉昆の息子楠楠がアメリカ留学中に銃乱射事件に巻き込まれて亡くなったり、周蓉の娘周玥がお金持ちの社長と不倫関係になったりと現代っぽいエピソードも入れつつ、教科書で読むような中国の出来事やそれによって発生する問題を①~④の人物を通して描写していました。特に396ページから400ページの周蓉とその夫(再婚した2番目の夫ね)蔡晓光の会話はまるで「中国の医療制度の問題点」という社会の教科書の一単元でした。「ひぃ~!教科書やん!」と思ってなんだか恥ずかしくなっちゃった(←なぜ?)。というわけで、この《人世间》、しっかり読めば文革中から現代までの中国の変遷がよく理解できると思います。本当にNHKのドキュメンタリーを見ているみたい。周家の三兄弟が長男周秉义:北京大学卒の支配階級(政府の役人)長女周蓉 :ちょっと進んだフランス帰り次男周秉昆:限りなく底辺に近い肉体労働者と三人三様の社会階層の人間となるのも中国社会を隅々まで取り上げたいという作者の考えでしょうか?また、中国社会の変遷を詳細に描いている割には1976年の第一次天安門事件ははっきり描かず「匂わせ」で表現したり(わかる人には分かる描き方)1989年の第二次天安門事件は周秉昆が服役中に起こって小説中では全くなかったことになっています。その点では本当に「優等生」な小説だなと思ったり。とりあえず、文革中から現代までの約50年間を小説中の登場人物と一緒に過ごしました。あと、《人世间》を読んでいると、日本人の私から見たら中国人は信じられないくらいコネに頼る民族みたいに思えるんですけど、これがオーバーに描写しているのではなく真実ならちょっと驚きですね。ほんとなの?
2024.01.27
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1980年代後半、私が高校一年生の時、朝のホームルームで「三分スピーチ」というのがあって、生徒が毎朝順番に一人ずつ前に出て何か話をしなくてはいけませんでした。話の内容は自分の趣味とか創作小説とか面白かった出来事など。ある朝、Nちゃんという友達が「私は中国に旅行に行きたい。そして中国四千年の歴史を味わってみたい。」というような話をしていて「ふ~ん、中国ね…。」と思ったこを今でも覚えています。また、別のTさんというクラスメイトは歴史オタクで、私に劉邦の奥さんの呂后の怖~い話を教えてくれたり、一緒に映画「西太后」を見に行ったりしました。というわけで、私は高校一年生の時から中国に少なからず興味があり、映画《大桥下面》を見て涙したり、「クイズまるごとHow much」というクイズ番組で「万元戸」という言葉を知ったり、NHKのドキュメンタリーで改革開放の波に群がる農民たちの様子を「へぇ~。」と思いながら見たりしていたのです。というわけで《人世间》の「中」。内容は1976年から1988年までの約10年間の中国の時代の流れです。主人公(だと思う。たぶん)の周秉昆とその周囲の人が遭遇する様々な出来事を通して中国が歩んできた「時代」を詳細に描いています。480ページ(;´д`)長かったよ~文革が終了して「高考」が復活し若者たちは立身出世のチャンスを求めて大学に行こうとします。秉昆の兄と姉もそろって北京大学に進学しますが、末っ子の秉昆はシングルマザーの郑娟との結婚生活を優先させ、文革終了後も工場で働いて給料を得る生活で送っていこうとしています。そこでお父さんの周志刚!お父さんは秉昆に姉や兄のように大学に行くよう言い、行く気のない秉昆と激しい言い争いになります。この場面ね。私にも子供が二人いるのでお父さんの気持ちとシンクロしちゃったわ~。特に中国のこの時代は大学を卒業するだけで幹部になれるじゃないですか。読みながら「お父さん!秉昆を説得して大学に行かせて!」とお父さんを応援しました。が、結局秉昆は大学には行かなかったのよね~。残念残念。A市の底辺の家庭が生活する地区出身で秉昆と同じ工場で働いていた呂川は大学に行き卒業と同時に幹部候補生となって同じ地区の仲間とは違うエリート人生を歩んでいるのにね。物語としてはやはりNHKのドキュメント番組風味が強いです。物語の中に邓丽君(テレサ・テン)というワードが出てきて、この先はニュースとかで結構自分も知っている中国かも?と思いました。あとは中国の住宅問題!この時代の住宅は会社や国から「分配」されるものらしいのですが、この住宅の争奪戦が結構細かく書いてありましたよ。秉昆の幼馴染の春燕は姉が二人いる三姉妹。上のお姉さんとそのご主人が三姉妹のお母さんの住む実家に住んでいるのですが、お姉さんの夫とお母さんの仲がめちゃくちゃ悪くていつも喧嘩。実家を出ていく出て行かないの騒動になります。そこで二番目のお姉さん登場。「今まではお姉さんが家賃無しで実家に住んで甘い汁を吸っていたんだから今度は私の番ね。」と実家に乗り込もうとします。じゃあ、上のお姉さんは実家を出て行ってどこに住むの?みたいなトラブル(内容をしっかり覚えていないのでちょっと違うかも)この小説、こういう主人公以外の登場人物の枝葉的なエピソードが非常に多くて、この春燕三姉妹の住宅騒動のエピソードでは「いや、脇役の春燕の家族の事なんて知らんがな。」と、心の中で関西弁になってしまいました!描かれているエピソードはその時代その時代の世相が細かく反映されていて読みごたえはあります。が、長い。くどい。早く話を進めてくれ!とせっかちの私は思ったのでした。思わずふせんにこういうメモまでしてしまいましたよ(;^_^A中巻の最後は、秉昆の妻郑娟が未婚で産んだ息子楠楠の本当の父親が現れて楠楠を秉昆と郑娟の夫婦から奪おうと策略を巡らせているところで終わっています。最後らへんでやっと「小説」(私が思うところのね)らしくなってきた!でももう疲れて下巻を読む気力が無いわ~。もう百度一下して結末だけ確認しようかな。ところで、改革開放の波に乗って、幹部が乗る自動車が「上海」から「桑塔纳」になったという描写があったわ!懐かし~!1999年に中国瀋陽に行った時「桑塔纳」まだめっちゃ走っていたのを思い出しました(^-^)今回のしおりは「无敌最俊朗」よ~《全职高手》の主人公、叶修の別IDね♪
2024.01.15
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《人世间》上・中・下三巻セット。買ってすぐに奥付を確認しました。↓44回も増刷されるなんて、これはめっちゃ面白い物語に違いない!ワクワク(*´▽`*)と、思いますよね?この奥付を見たら。最初はこの物語の主な舞台となるA市の共乐区という底辺の市民が住む地域の成り立ちの説明でした。歴史的背景から丁寧に丁寧に丁寧に(本音:うんざり)説明してあり、もうここでなんとなく嫌な予感がしてきた私。やっと主人公の周秉昆が出てきたのが18ページ目で、最初彼の印象が薄く、感じが悪かったのでまさか彼が主人公とは思いませんでした。が、読み進めて行くと彼がずっと出てくるので「もしかして、この周秉昆が主人公なの?」と認識し始めたのが30ページ目くらいです。物語は文化大革命下の周秉昆のA市共乐区での日常生活を中心に描かれています。周秉昆は周家の三人兄妹の末っ子、兄は国の命令で瀋陽の兵団で働いていて、姉は「上山下乡」運動により農村で小学校の教師をしています。都市部の家庭の子供は1人だけ家に残ることが許されているので、文革期にもかかわらず彼は都市部に残ることができたのです。さて、というわけで物語の内容はというと、これは「文革時の都市部の人びとのくらし」という、社会の教科書の単元の一つか何かですか?と問いたいくらい物事の説明がくわしい、というかしつこいです。途中で何度か気が遠くなりかけました。工場で働く周秉昆とその仲間たちの日常の出来事が中心で、ちょっとした出来事に関する説明がくどくどしくて「ここは読まなくていいかも」と察した部分は読まずに飛ばしたりしました。話の進展が遅すぎてうんざりしちゃって耐えられなかった(;^_^A最後の100ページに差し掛かるあたりから、周秉昆と彼が一目ぼれしたシングルマザーの郑娟の仲が進展したり、周秉昆が革命委員会宣伝部の文芸部に異動したりと物語が動き出してきましたよ。続く中巻は少しは面白くなるの?と無理やり思い込むように自分を奮い立たせていますがうんざりしてもう読みたくない!というのが本音。でも日本のネットショップで買ったので高かったのよ。読まないともったいない?読む時間が無駄?どっち?笑ところで、上記のとおりこの小説は生活の中の事象の説明や登場人物の心情の説明などは「もういい!」ってくらい詳しいんですけど、日本人の私にとって・大三线・批林批孔・九一三事件などは全然知らないのに(勉強不足?)、これに関しての説明は全く無し(@_@。これは中国人にとって説明の必要がない当たり前の事象なのね。がっくし。张春桥という人名もなんの説明もなく出てきて、「誰?」と思って調べたら四人組の中の一人でした。四人組なんて江青女史しか知らんかったよ。。。orzこういう小説を楽しむためには、中国の近代史をしっかりと把握していないといけないなぁというのが《人世间》上巻を読んだ感想というか結論です。主人公の周秉昆についてですが、思慮が浅いというかまだ人間として成長しきっていないところが心配です。まだまだ考えが甘い。これから読み進んでいけば彼の成長が見られるんでしょうか?誰か教えて。最後に、個人的に心に残った超どうでもいいエピソード周秉昆の父周志刚が農村で働く周秉昆の姉周蓉に会いに行きますが、途中で一人の眼鏡をかけた青年を見かけます。この青年は道にハマって動けなくなった車を動かせるようにするため必死に助けているところでした。周志刚が後に再び青年に会った時に心の中で「彼はあの『眼鏡』じゃないか。」と驚くところで周志刚が心の中で青年を「眼鏡」と呼んでいたことがわかるのです。というこの「眼鏡」というあだ名エピソードがなぜか一番ツボでした。マクドナルドで読んでいて、思わずプッと吹き出してしまいました。また、その眼鏡のツルが壊れていて、ツルの代用品として電線が使われていたという記述もなんだか物資不足時代の「あるある」な感じで個人的に面白かったです。というわけで、あけましておめでとうございます。今年もどうにかこうにか中国語を続けて行けたらと思っています。しおりは今はなき 「SPORTING GEAR HAI」というブランドの洋服のタグ。もう25年以上前。好きすぎてタグをずっと保存していました(^-^)
2024.01.03
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今日午後6時ごろ帰宅しマンション玄関に入ったら、郵便配達の方がちょうど配達のための呼び出しインターホンを鳴らそうとしているところでした。表示されていた部屋番号を見たら家の番号だったので、「あ、それうちですけど。」と言ってその場で荷物を受け取ろうとしました。が、それはできないということだったので、郵便局員さんと一緒にエレベーターに乗り、私が部屋の鍵を開けて家に入ってからサインをして荷物を受け取りました。届いた荷物はコレ梁暁声《人世間》。先日読了した《主角》と同じく第10回茅盾文学賞を受賞した作品です。茅盾文学賞受賞作品は他に《白鹿原》も読みましたが、なかなか読みごたえがありました。中国語の小説、次に何読もうか~?とかなり迷っていた時、茅盾文学賞受賞作品なら結構ハズレがないのではないかと思い当たりました。キーワード:茅盾文学賞でネットで色々見ていた時、この《人世間》がドラマ化されていることを知り、「ドラマ化されるくらいだから絶対面白いに違いない。」と思いポチりました。で、今日届いたわけなんですが、開けてみてそのボリュームにびっくり(@_@。1冊約500ページの全三巻!ずっしりとした重量感!持ってみたらすごく重くて、「こんなに大量に読めるかな?」とかなり弱気になりかけたんですけど、最終巻の奥付の2022年6月北京第44次印刷との記載に44回も増刷されるなんてすごい!めっちゃ面白い証拠よね( ̄▽ ̄)と元気を回復しました!私、本は何回増刷されたかでその面白さを判断するんです。やはり何回も増刷される本は間違いなく面白いんです。というわけで、今日はぐっすり寝て、明日から読み始めます。まずはしおりを決定しないとね♪(←毎回これから始まる 笑)
2023.12.15
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やっと読み終わりました《主角》下巻・今回のしおりは楊洋がCMをしていたコルゲート(歯磨き粉)の箱で自作よ!けっこう調子が良かったので当分はこれを読書時のしおりにしようと思いました。ところで、いきなり話は変わりますが、私、中国語は発音以外はほぼ独学で、初心者用の文法書を苦労して探すところから始めて、どうにかこうにか勉強を進めていって、中検準1級に当たった時にかなり苦労したんですね。1990年代末から受け始めて、2007年くらいにや~っと合格したのかな?準1級(昔は2級といいました)はトータルで30回近く受験していて、うち6~7回合格しています。(合格した後も中国語のレベル確認のため受けていた。)準1級の試験勉強は主に過去問です。試験前に過去問をやっていて見慣れない言い回しに出会った時、いつも「こんなひねった言葉普通使わないよね?ほんっと重箱の隅をつついてる問題!こんな勉強意味があるの?」と(心の中で)悪態をついていたのです。しかし、今回読んだ《主角》や巴金の一連の作品を読んでいると「あ、これ準1級の長文問題に出てきた言葉だ。」などと思い出す言葉がたくさんあるんですよね。私、準1級の過去問をいやというほど(ほんとにいやというほど)やっているので、準1級の昔の問題をもはや覚えちゃってるんです。というわけで、何が言いたいかというと中検準1級に出題される問題はとくに高レベルの語彙というわけではなく、普通に中文の小説を読むうえで必要な一般的な言葉たちなんじゃないのか?ということです。あくまでも個人的感想ですけど。というわけで本題。《主角》の下巻。下巻の読み始めは、「主人公の憶秦娥に言い寄る劉紅兵は最後まで憶秦娥と添い遂げるのかな?劉紅兵はちょっとチャラい雰囲気があるからやっぱり別れちゃうのかな?」というようなゴシップ好きのおばさんのような気持だったのですが、劉紅兵、まさかああいう末路を辿るとは…(;´д`)小説は秦腔という伝統劇に打ち込む主人公を中心に描かれています。また、文革後の中国の時代の流れが反映されています。主人公の憶秦娥は生まれ持った才能とそれに加えたゆまぬ努力のおかげで十代半ばでデビューし大スターとなりますが、女優として成功した以外、私生活方面はあまりうまくいってなかったみたい。また、デビューして以来、憶秦娥は常に主役として劇団を支えてきましたが50歳を過ぎ、次世代の女の子に主役を譲る時が近づいて…というようなお話です。あまりくわしく描くとネタバレになるので、これくらいで。面白かったので是非読んでいただきたいです。読みながら憶秦娥の40年にわたる演劇人生を彼女と一緒に一気に駆け抜けました!最後は気持ちが彼女と一体化していた私。ずぶずぶにのめり込みましたわ。登場人物で注目したのはなんといっても楚嘉禾!常に憶秦娥と主役を争う二番手ポジションにいるんですけど、万年主役の憶秦娥と実力の差がありすぎて、彼女を妬んで隙あらば憶秦娥の足を引っ張ろうとしている。小説の中で楚嘉禾は憶秦娥のことを「たかが炊事場の火起こし女だったくせに」「尻軽のクソ女のくせに」みたいに胸糞悪くなるくらい貶めているんですよね。心の中でですけど。最終的に楚嘉禾は改心して憶秦娥に「今までごめんなさい 泣。」とか謝罪したりするのだろうか?と思っていましたが、彼女は最後まで腐った根性のままの女性でした!私、こういうヒール役大好きなんです。こういういや~な役が存在してこそ物語が面白くなるってもんです!この役、重要!この小説がドラマ化されたら、楚嘉禾役は誰もやりたくないだろうなぁ。とにかく性根の腐り方が極端すぎてもはやコメディ 笑。もしドラマ化されたら私は絶対主役より楚嘉禾に注目すると思います。それでもって、主役の憶秦娥はやっぱりディリラバちゃんかな?
2023.12.03
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11月4日に巴金の《第四病室》を読み終わり、次の日から読み始め、昨日11月20日に読み終わりました。陳彦《主角》の上巻。しおりは《全職高手》のふろくのプラスチックのカード。葉修です♪私にとって読書時のしおりは重要です。今回選定に30分かかりました!面白そうな本を探していた時に、ねずみのチュー太郎さまのブログを見て「あ、この本、買おう。」と即決しました。決め手はねずみのチュー太郎さまのブログの紹介記事にあった出版日:2018年1月 第1版 2020年5月 第16次印刷↑この部分。16回も増刷されるんだったら間違いなく面白いに違いないと判断しました。読んでみたらやはりめっちゃ面白かった!いちおう純文学とカテゴライズされているらしいんですけど、読者をひきつけるエピソード、登場人物が満載で面白いテレビドラマのようだと感じました。1976年、貧しい農村で暮らす11歳のチビでやせっぽちの女の子が、秦腔の劇団に訓練生として入り、つらいあれこれを耐え抜いて女優として大成するというお話。まだ上巻までしか読んでいませんけどね。※秦腔…陝西省の伝統劇この大ざっぱなあらすじだけでも面白そうでしょ?主人公の易青娥は町の劇団で太鼓叩きをしている叔父さん(易青娥の母の弟)の伝手で劇団の訓練生になることができます。しかし、このおじさんというのがかなり破天荒な人物で、常に何か問題を起こしています。最終的に舞台上で暴発事故を起こしたという罪で懲役刑となります。そして易青娥は彼の姪であるというだけでとばっちりを受け、劇団訓練生から厨房で働く炊事員に配置換えになってしまうのです。その後、他の訓練生と宿舎で顔を合わせるのもつらく感じるようになった易青娥はかまどのある厨房で寝起きをすることにしました。↑ここ!かまどの部屋で寝起きとか、まるでシンデレラやん!ギャハハハ(;・∀・)と一人でウケる私。そういえば「キャンディキャンディ」のキャンディもイライザたちに陥れられて馬小屋で寝起きさせられていたっけ。こういうお話、少女漫画によくあると思いません?主人公が一旦とことんまで落ちぶれるパターン。その後、かまどの部屋で一人黙々とトレーニングをしている易青娥を見た謎の老人(いや、別に謎じゃないけどね)から特訓を受け、易青娥はその才能を開花させます。その後、易青娥はとんとん拍子に劇団の看板女優になりますが、その評判が省の上層部にまで知れ渡り、彼女は省の劇団に配置換えを命じられます。省の劇団に入る時に易青娥は名前を憶秦娥と変えます。省の劇団では「よそ者」と言われ、最初は相手にされませんが、負けずに黙々と訓練を続け、省の劇団でも主役を立派にこなすようになった憶秦娥。というわけで上巻はだいたいこういう感じ。憶秦娥は19歳くらい?小さい頃はただただつらい訓練に耐え芸を磨いていくことだけを考える生活でしたが主役を演じる経験を積むにつれて、「主役とは?」ということを深く考えるようになった憶秦娥。これから主演女優としてさらに成長し、また、壁にぶちあたっていくのでしょうか。とりあえず、舞台上の憶秦娥に一目ぼれし、どこまでも彼女の「追っかけ」をする幹部の子弟の劉紅兵との仲がどうなるのか気になります。明日から下巻を読みます。まずしおりを決めなくちゃ!笑
2023.11.21
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11月3日文化の日は今年は金曜日。三連休だ~♪とはいっても何も予定はないので「この連休は引き続き初級テキストの音読でもしようかね。」と予定していました。が、ポチっていた巴金《第四病室》がちょうど木曜日に届いたので予定変更。連休はこれを読んで過ごすことにしました。《第四病室》だけを収録した本が見つからず、仕方なくすでに読んでいる《寒夜》と一緒に収録されている本を買いました。しおりは「こわいもの係シリーズ / 角川つばさ文庫」ね。昨日(11月3日)の午後から読み始めて、今日の夜読み終わりました。長編ではないのでがんばって集中すれば1日で読み終わるかも。お話は、胆のうの病気のため入院することになった「私」の日記形式となっていて、彼が入院した三等病室(入院費が一番安い最低クラスの病室)で起こる様々な出来事が描かれています。1940年代の中国の病院。病院とはいえその環境は劣悪です。入院患者は動くことができない者もいるので、尿瓶(いわゆるポータブルトイレね)で用を足すのですが、この尿瓶は病院に雇われている雑役夫たちが決まった時間に各ベッドの尿瓶を回収して中身を捨てて戻してくれることになっているみたいです。尿瓶にはもちろんフタなんてないから病室には常に悪臭が漂っている。。。ヒィ~印象に残っているのは、尿瓶に尿がいっぱいになっているのに意地悪な雑役夫が知らんぷりし尿を捨ててきてくれないとか、患者が大便をしたいから大便用の器を持ってきてくれ!!と叫んでいるのに雑役夫がまったく来てくれないとか、大や小に関する出来事ばかりで、読んでいる間中「ううっ…臭い…汚い…。」という思いがずっとつきまとっていました。糞尿を始末する雑役夫たちは入院患者に食事を配る仕事もしていますが、「この人たち、ちゃんと手を洗っているのだろうか…?」と関係のないことが頭から離れませんでした 笑。三等病室ということで、入院患者はお金に余裕のない人たちです。また、病院では包帯を固定するテープやトイレットペーパーや治療に使用する薬はその都度患者がお金を出して買わなくてはならないというシステムになっています。主人公と同室の11号ベッドの患者は会社での仕事中にけがをしたにもかかわらず会社は「本人の不注意で怪我したんだから会社は治療費を出さない」と、彼の治療費を出そうとはしません。治療に必要な薬を買うことができないので11号ベッドの患者はいつまでたっても治療を受けることができず、毎日毎日生理食塩水の点滴をされるだけ…2号ベッドの老人が入院する際、彼の息子はあちこちから借金をしてやっとのことで入院費を納めました。医者は「あなたのお父さんは栄養のある食事が必要だから、滋養のあるスープを食べさせなさい。」と指示します。(病院の食事は粗末なもので、お金のある患者は自費で病院外の食堂から出前を取っています。)それを聞いた老人の息子は「私一人の給料で家族全員を養っていて余裕が全くなく、父の入院費もやっとのことで払ったのに、このうえ滋養のある食べ物を買うお金なんかどこにあるのか…」と途方にくれます。主人公の隣の6号ベッドの患者は、左腕の骨折で入院していましたが、入院中に伝染病にかかっていることが判明し、しかし治療に必要なお金を払うことができず、ほったらかしにされ…と、いう感じで、とにかくお金、お金。お金の話。医者も看護師も「お金を払わないと治療できないよ。お金を借りられる友達とか親戚とかいないの?いないなら仕方ないねぇ。」ってな感じでサクッとクールです。今すぐ治療しないと命に係わるのに、お金を払えないからと患者を放置。また、雑役夫たちも三等病室の患者にはかなり乱暴な対応です。いくら呼んでも来なかったり、苦しんでいるのにわざと見て見ぬ振りしたり。途中で主人公が偶然お金持ちが入院する一等病室を見かける場面がありますが、そこは地獄のような三等病室とは別世界。当然個室で、入院している人は立派な服を着ていて、何なら専用の召使までいる様子。乱暴な雑役夫もこういうセレブの前だとペコペコと丁寧な対応をするのかなぁと想像しましたが、粗暴で不潔な雑役夫たちなんてまずお金持ちのお世話役には選ばれないでしょうね。というような病院の中で唯一楊医師という女性の医師が三等病室の患者にも真摯に向き合い、主人公の「私」とも心を通わせます。この楊医師がこの物語の「希望」とされているみたいです。物語の中ではこの楊医師が最後どのような道を歩むのかは明らかにされていませんが、理想を追求し、立派な医師へと成長していくんだろうなというような希望を読者に抱かせるような流れになっていますね。この物語は今まで読んだ巴金の作品の中では比較的ハッピーエンドな雰囲気でした。《家》とか《憩園》とかはラストでお金持ちの没落の予感が感じられたし、《寒夜》はタイトルどおりめっちゃ暗かったですもんね。巴金の小説は《家》を最初に読みましたが、これはお金持ちの豪華で浮世離れした生活風景が描かれていました。この《第四病室》それと対極で「ザ・現実」といった印象でした。《家》は1933年の作品、《第四病室》は1946年の作品。10年以上の時を経て作風がガラッと変わった?とも思いましたが、文中で使用されている成語などで両作品共通のものをいくつか発見したのでやっぱり巴金の作品だなぁと思ったのでした。
2023.11.04
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今日はお友達のブログで、楊洋が今度《凡人修仙传》というドラマに出演するらしいという記事を見つけ、もし《凡人修仙传》の原作小説があったらぜひ買いたい!と思いました。ドラマ化されるような小説は大陸ですごくヒットしたと思われ、多くの人に受けたということは少なくとも面白くなくはないはず!と確信して。私、常に面白い中国語の小説を探していますが、今読む面白そうな本がなかなか見つからなくて苦労しているのです(=_=)話は戻って、《凡人修仙传》。これはネット小説で色々調べたら20巻以上あるらしい 汗。ということで長すぎるという理由で《凡人修仙传》は止めておくことにしました。7月半ばに巴金《憩園》を読み終えてからこっち、なかなか次に読む本が見つかっていない状況です。というわけで、このブログを読んでいる方(がもしいらしたら)面白い中国語小説の情報を教えてくださ~い(●^o^●)ジャンルはフィクション。純文学からラノベまでなんでもOKです!今、手掛かりが何も無くて困っています。どうぞよろしく~♪
2023.09.05
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内容に似合わないおしゃれフォントの表紙。文字は金色よ。中国人のセンスって。。。この本は珍しくブックカバー方式でした。カバーを外すとこんな感じ。やっぱりおしゃれフォント(笑)。しおりは書店のレジでもらった少女漫画のしおり。「偽りのフレイヤ」?この《憩园》は先日読んだ巴金の《家》《春》《秋》の「激流三部曲」の続編とみなされている作品ということだったので読んでみました。ネット書店の人は私の注文を受けて「こいつ、今、巴金にはまってんな。」とニヤニヤしていることでしょう。《海的梦》という短編と抱き合わせ商法となっていましたが、(《憩园》だけだとページ数が足りなくて本が薄くなってしまうから?)《海的梦》は飛ばして《憩园》だけ読みました。小説家である「私」は16年ぶりに故郷に帰ってきて、安ホテルに滞在して小説の執筆をする予定でしたが、街で偶然旧友の姚国棟と再会し、誘われて彼の屋敷に逗留することになります。姚国棟が住む広大な邸宅は以前は楊一族が住んでいましたが、楊家は没落し、最終的に邸宅を売りに出し、それを「私」の友人の姚国棟が買い取ったのです。「私」は姚国棟の邸宅で召使と言い合いをする少年を目にします。この少年は邸宅の旧所有者、楊家の子息でした。彼は庭園に咲く花を摘もうとして屋敷に侵入し、姚家の召使に咎められているところでした。「私」はこの楊家の少年と徐々に親しくなり。。。みたいなお話。この「私」が邸宅の旧所有者・楊家と現所有者・姚家をつなぐ役割をしています。《家》《春》《秋》の三部作のラストは、高一族が住む邸宅を売り払う決定をしその後一族が徐々に引っ越して行き、寂しくなっていく大邸宅…という場面で終わりますが、「一族バラバラになった高家はその後どうなったのかな?」という疑問の答えが《憩园》の楊家ですよね。きっと。「私」が姚家の庭で会った少年は楊家の三男・楊夢痴の次男です。この楊夢痴という男、飲む打つ買うの三拍子そろった奴で、お金を使うことしか能が無く、彼が楊家の没落の原因となったと言っても過言ではない、どうしようもないダメ男です。最終的に家族から追い出され、愛人に財産を持ち逃げされ、物乞いのような身なりになってとある祠に住み着いています。妻と長男からは絶縁されていますが、次男の少年だけは父親を気に掛け、父の好きだった花を持って父の住む祠を度々尋ねます。この少年の父、楊夢痴は典型的なダメ人間ですが、性格はそんなに悪くないみたいと私は思いました。誘惑に抗えない弱い人間なのかな?また、「私」が逗留している邸宅の現在の所有者・姚国棟もお金持ちで跡取りの息子もいて幸せな家族に見えますが、彼は先妻と死別していて現在の妻と息子は血がつながっていない、そこからくるギクシャクした関係が小さな影を落としている。。。楊家は没落して姚家に家を売り渡したけど、その姚家もまたじわじわと不幸のフラグが立ちつつある。。。そんな感じでしょうかね?って全然内容説明になっていませんけど。とりあえず、絵にかいたような転落人生を歩んだ楊家の三男・楊夢痴のキャラが強烈でしたわ。読みながら《家》に出てくる高一族の高克定おじさんの末路もこの楊夢痴みたいなのかな?と思っていました(高克定おじさんは別宅に京劇俳優を囲い、二人でアヘン三昧の生活をしていた)。そしたら、《憩园》に収録してあったフランス語翻訳版の序文に「《憩园》の中の楊夢痴はまさに《家》の中の高克定である。」と、きっぱりと書いてあって笑っちゃいました。こういう部分も《憩园》が《家》の続編と言われる所以でしょうかね?あと《憩园》の中の邸宅は《家》の高一族の邸宅と描写がそっくりです。というわけで、ひとまず巴金はここまでにしておきます。次は何を読もうかな~。おすすめがありましたらどなたか教えてください。
2023.07.13
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巴金の《家》《春》《秋》の激流三部曲を一気読みした後、巴金の作品をもう一つくらい読んでおこうかなと思ってネットで買った《寒夜》が月曜日、帰宅したらポストに届いていました。というわけで火曜日からすき間時間に読書。読書。《寒夜》の初版本の表紙を使用したらしい暗~~い表紙デザイン。せめてしおりくらいは元気に!ということでしおりは角川つばさ文庫の「ぼくら」シリーズです。朝、早めに出勤して30分。昼休み大急ぎでお弁当を食べた後の45分。で、今日、金曜日にどうしても読み終えたかったので家に帰ってからもずっと読んで23時に読み終わりました!お話としては、主人公・汪文宣の悲しい一生。彼は自分の母親と同居していて、その母親は妻と非常に仲が悪いのです。彼の母は常に嫁の樹生の粗探しをし、何かというと彼女に嫌味をぶつけています。そして気の強い樹生はその度に夫の汪文宣に不満をぶつけ、時には家出をすることもあります。そのような状況の中で息子であり夫である汪文宣は母親と妻との間に入ってうまくいくよう仲裁するでもなく、どちらか一方の味方もできず「あ~あ。この争いはいつまで続くのかなぁ。いつか終わるといいなぁ。」と、ずっと指をくわえて傍観している感じ。姑の嫌味に耐えかねた妻が姑に反撃しようとすると、汪文宣は「ボクのママをいじめないで。」的なうるうるした目で妻を見つめるらしいです。(妻が彼に向けたお別れの手紙でそう書いていました。)なんかいやだよねぇ。こんな夫。妻の樹生はなんでこんなヘタレな男性と結婚したんだろう?と思いましたが、文中にちょっとだけ(ほんとにちょっとだけね)彼女と知り合った若い頃は理想に燃えて事業を興そうとした時もあったみたいなことを書いてあったので、若かった彼はもっとましな男だったのでしょうかね?とにかく、汪文宣は何も行動しない人。何も発言しない人。会社でも全く目立たず、存在感の無い人。小説中では彼の愚痴っぽいセリフがたくさんありますが、ほとんどが「と、彼は心の中で思った。」ばっかりで、実際に発言はしないんですよね。ガクッって感じ。ほんと、やだ、こんな男。物語の出だしから汪文宣は体調の悪い元気のない男として登場しますが、中盤から本格的な肺病になって、血の混じった痰を吐いたり本格的に吐血したり。それで会社も辞めさせられたり。悲惨だな~(;´Д`)悲惨だな~(;´Д`)とずっと思いながら読みすすめました。とにかく、楽しい場面が一つもなかった。なんでこんな暗い話なんだ?ここまで悲惨だともう逆にコメディだよね?ってくらい終始ジメジメしていました。主人公の汪文宣は。心で思ったり、願ったりするだけで実際には全く行動に移せない汪文宣。「僕は何も悪いことはしていないのに、なぜぼくだけこんなに辛い目に遭うんだ?!」と度々(心の中で)叫びますが、それは自分からは何一つ行動をしなかった彼にも少なからず原因があるのでは?と思わざるを得ませんでした。まあ、肺病になったのは彼のせいではありませんけどね。あと、巴金の《家》《春》《秋》を読んだ時に、「教科書みたいな文章で読み易い!」と感動したことを書いていますが、それとは打って変わって、この《寒夜》はなんだかやさぐれている感じがしました。具体的にどこが?と言われるとうまく言えませんけど。というわけで、以上が《寒夜》の感想です。とにかく、いつも言葉を発しようとして結局は飲み込んでしまう汪文宣にイライラします。そういえば《家》の高三兄弟の長男・覚新もこんな感じだったかな?と思いますが覚新は大金持ちだったので生活に困窮する汪文宣と比べたらまだましだった?
2023.06.17
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全部で604ページ!!!先週から読み始めました。少し早く会社に行って始業前の20分と、お昼休み急いでお弁当を食べた後の45分。帰宅後は仕事で疲れ切っているので読むことができず。以上のような感じで読み進めて、この週末で何としても読み終わろうと決心し、土日の全時間を7割くらい費やして、今日(日曜日)の23時30分に読み終わりました!土日で320ページ読んだわよ。ゼイゼイ。字数は42万7千字ですってよ(@_@。今回のしおりは「少年探偵 響」ね♪前作《家》や《春》の時も思いましたが、巴金先生の文章、めちゃくちゃ読み易いんです。個人的には「お手本みたいな」文章と感じていますが、中国文学に詳しい方、この巴金先生の文章はなぜこんなに読み易いのか説明してくださいませんか?内容としては、名門、高家の崩壊の過程が描かれています。《家》は高家の三兄弟、《春》は三兄弟の従妹の淑英が主役でしたが、この《秋》では、はっきりとした主役がいないような気がしました。強いて言うなら一族のすべてのもめごとの尻ぬぐいを押し付けられる高三兄弟の長男の覚新でしょうかね。どのもめごとにもまんべんなく参加させられている気の毒な覚新 笑。前半は、一族の甘やかされて育ったクソガキ(汚い言葉でゴメンナサイ)やマダム同士のマウンティングの描写などで、これらの描写によって、じいちゃんが亡くなった高家はろくな人間が残っていないよということを説明して一族崩壊の暗示をしているのかなと思いました、前半はまあまあつまらなくて、読むのに苦労しましたが後半、高三兄弟の次男覚民と従妹の琴とのキスシーンくらいから目が離せなくなってきましたよ。まさかこういう作品でキスシーンが出てくるとは思わず、思わず二度見してしまいました 笑。で、後半はとにかく人が続々と死んでいくんですよね~。血を大量に吐いたりして。すぐに医者を呼ぶべきなのになんだかんだグズグズして行動に移せない場面が何回かあって、読んでいてかなりハラハラしました。あとアヘン中毒のおじさんとかそのおじさんが京劇の女形を囲っているとか。もう色々エピソードが出てきて最後まで飽きずに読めました。登場人物で一番気になったのはやはり覚新でしたね~。覚新は一代で高家を興したおじいさんの長男の長男。長男としての責任感は。。。あるのかないのか、とにかく、争いごとを嫌い一族の年上のおじさんやおばさんの言いつけには逆らえない。たとえそれが理不尽な言いつけでも歯を食いしばって守る。こんな感じの人間です。従妹たちが困っていても、その親であるおじやおばの機嫌を損ねるのが怖くて従妹たちを見殺しにする。覚新は我慢しすぎて死ぬんじゃないか?とさえ思うくらい一族のおじやおばには絶対服従なんですよね。歯を食いしばりすぎて奥歯割れてるんじゃない?とも思いました。作者の巴金先生も、読者が覚新のことが気になっているんじゃないかと思って「尾声」で覚新のことに触れています。。。。って考えたらこの《家》を始めとする三部作の影の主役は覚新だった?という個人的な結論に至りましたがどうなんでしょう?とりあえず、読み終わってすっきりしました。とにかく巴金先生の文章は読み易いと思いました。何度も言っていますが。中級くらいの教科書が終わった学習者の人、読んでみませんか?おすすめです。(あ、まず《家》を読んでね。)
2023.05.21
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連休は外出の予定がなかったので、読書&読書。この前読んだ《家》の続編、《春》を読みました。473ページの超長編。今回のしおりは曽根まさこ先生の「私が死んだ夜」ポストカードよ~ん♪前作《家》では四川省の名家、高家の覚新・覚民・覚慧の高3兄弟が主人公でしたが、この《春》では彼らの従妹、淑英が主人公です。高家は広大な邸宅に祖父その四人の息子とその家族が暮らしていて高3兄弟と淑英は同じお屋敷で兄弟同然に育っています。この《春》は淑英の心情の描写から始まっています。彼女は祖父(前作《家》中で既に亡くなっています)が生前に取り決めた縁談のことを考えて憂鬱になっているんですね。・60歳の老人の妾として無理やり嫁がされることになった召使の鳴鳳は自分の 運命を悲観して湖に投身自殺・好きな人がいるにもかかわらず親が決めた結婚相手に嫁いだが、夫が亡くなったため 実家に戻されてきた従姉の梅。その梅は実家に戻った後病死・わけわからんことを言い出した一族のおばさんのせいで臨月で町の外の辺鄙な 家に引っ越しさせられ、満足なケアを受けられず難産のため亡くなった兄嫁…というような周囲の悲惨な女性たちを見てきた淑英は「自分はあんなかわいそうな女性にはならない。」と思いつつも女性としての自分の無力さを自覚していて、それを打開するために悩み、もがきます。《春》は淑英の成長が主題なんでしょうかね。しかし、彼女の成長の過程っていうのが非常にのろく感じて、わたしゃちょっとイライラしてしまいました。とにかく何かって言うと一族の年頃の女の子が集まって花園を散歩したり湖で船に乗ったりするんですよ。そういう時、淑英は花を見たり、湖の水面を見ながらいつも物想いに耽ってるのです。「淑英!憂いてないではよ決断せい!」と何度(心の中で)つぶやいたことか。だいたい邸宅の中に花園や湖や人工の山があるって。。。この高家、どんだけお金持ちなのよ!?お嬢さんたちや奥様たちやその他の親族の優雅な生活の描写にかなりのページが割かれていたと思います。高家は一つの邸宅に4家族が住んでいます。序列は家族内ではなく一族全体の中で決めるので、例えば孫世代の淑英は家族内では長女ですが、同じ世代の女子の中では2番目の年長者なので、年上の親族からは二妹と呼ばれているけど年下の従妹たちからは二姐と呼ばれている。。。というふうに同じ人物でも呼ばれ方が二通りあるのでこんがらがっちゃって。。。更に、奥さんたちは張氏、周氏などと名字で呼ばれている。。。(@_@。私、中国語の本を読む時、メモは絶対とらない主義なんですが、これはとうとう家系図を書いてしまいました。なんだか負けた気分。。。orzそれから、物語の中で一番イライラさせられた人物は高3兄弟の長男・覚新かな?とにかくザ・長男って感じの事なかれ主義、自分が我慢することで丸く収まるならという考えでとにかく誰に対しても強く出ることができず、弟や従妹たちが頼ってきても、ヘタレな対応しかできずいつも失望させてしまう。。。いい人なんですけどね。と、かなりとりとめのない内容になってしまいましたが、2023年ゴールデンウィークはこの《春》で終わりました!《家》もそうだったんですけど、この《春》もかなりの読み易さでした。《囲城》の銭鐘書や《陸犯焉識》の厳歌苓の文章は私にとってすごく読みにくくて、最初の数ページを何度も読み直したんですけどね、この《家》《春》の2冊は1回でサクッと意味がつかめました。どうしてなのかは説明できないんですけど。中国語教室の教材にいいのでは?と思いました。私が先生ならこれ教材にするな~と思いました。文中に出てくる成語もかなり中検の問題によさそうな感じだし(常に中検目線)。次女(現在東京在住)の部屋から盗んできた世界史資料集。時代背景が良く分からなくて、20世紀初めの中国の部分をちょっと読んでみました。あと、続編の《秋》も買っているんですけど、連休では《春》を読むので精一杯でした。《家》→《春》と面白さが無くなってきているのであまり読む気になれません。夏休みに予定がなければ読むかも?
2023.05.07
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ごぶさたです。最近はKevin's English Room / 掛山ケビ志郎に身も心も沼っちゃっててすっかり英語モードでございます(;^_^A↑こんなテキストまで買ってしまう始末(笑)めあては巻末に載っているKERの鼎談ですけどね(笑)というわけで、英語に走る前に中国語もどうにかしないと!と思いとどまり、数年前に北京から買ってきた↓を読んでみました。これは北京の書店で「中学生が読むべき推薦図書」みたいなコーナーに平積みになっていて、「学習者としてはこういうのも一通り読んでおかないと。」と思って買いました。しかし、この巴金の《家》、教科書に載るくらいの有名作品みたいなので、買ってはみたものの「なんか堅苦しそう(-"-)」と思って数年間ほったらかしていたんです。で、今般、イヤイヤながら読んでみたらめっちゃ読み易い!とびっくりしました。文章が「王道の中国語」というかなんというか、お手本通りな感じでかなり読み易く、サクサク読めました。私がそう感じただけかもしれませんけど。また、このお話は1900年代初頭の中国の高家という富豪家族が中心となって繰り広げられるのですが、登場人物がその立場ならではのあるあるな悩みや考えを持っていてその行動にも意外性がないのでその点もある意味読み易いです。例えば、高家の親戚の娘の琴は男性と同じ学校に行きもっと勉強したいと思っているが、「女に学問なんて必要ない。」という考えの母親に反対されて悩んでいる。高家に売られて召使として働いている鸣凤は、自分の将来はせいぜい主人の一声でどこかの家の妾にでも行かされるくらいだろうなぁ。と考えて毎夜眠れずにいる。高家の本家の長男、觉新は相思相愛の幼馴染の女性、梅がいたのに祖父が決めた女性とお見合い結婚をすることを粛々と受け、さらに20歳そこそこで父親が亡くなったため、やりたかった勉強も諦めて高家の家長として、弟二人、妹二人の親代わりを務めている。…とか、まあこんな感じ。男尊女卑、身分の上下、家族の中でも長男とその他の兄弟の線引きがはっきりしているので、読んでいて登場人物の心情などが分かり易いです。とりあえず、これは高家という富豪の大家族が時代の流れに従って形を変えていく物語。富豪の大家族っていうと《红楼梦》とか、日本の作品だと「楡家の人びと」とかを読んだことがありますが、やはり富豪の家だと色々な描写が描き易いんだと思います。この《家》だと、親戚全員が住む広大な邸宅、豪華なお正月の食事風景、高家三兄弟の祖父の66歳の誕生日の盛大なお祝い風景などの描写が細かく描かれてあって想像力を掻き立てました。高家三兄弟の末っ子の觉慧は新しい考えを持つ若者として、今まで誰も逆らったことのない高家の最高権力者の祖父にも反抗するようになりますが、そこから、時代の流れも相まって「古き良き高家」が徐々に変化していくんですね。長男の觉新はどんなに理不尽なことでも「自分が我慢して済むなら」と無抵抗で受け入れていましたが、祖父に反抗して自分の意見を押し通す末っ子の觉慧に刺激されて、ラストはちょっとだけ新しい自分になっちゃいますよ。「無抵抗で自分の意見が全くない」觉新に「なんなの?この人。」と半ばあきれながら読んでいましたが最後ちょっとだけ生まれ変わってくれたので嬉しかったです。というわけで、書きすぎるとネタバレになってしまうのでこれくらいにしておきますが、この《家》、原書でもかなり読み易いです。中国語の原書に挑戦してみたいなぁ。と思っている人、ぜひどうぞ。お手本のような文章だと私は思います。これ、あと2冊続編があるらしいんですけど、それはもう読まなくていいかなと思っています(笑)。
2023.04.12
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(横に《全职高手》の小説を並べてみました(^-^))この《蝴蝶蓝与全职高手》、全部で435ページあるんですけど《全职高手》をめぐる評論やインタビュー記事等は最初の75ページだけで、後の360ページはすべて小説本編をそのまんま抜粋したものだったんです( ;∀;)ものすごい水増し。言いたくないけどさずがのチャイナクオリティ。商売上手というかなんというか。《全职高手》とタイトルに付ければアホな読者(注:私のことよ)が買うとでも思ったのか?。。。買ったけど。おまけに著者の所に蝴蝶蓝さんの名前はないしこの本の著作権は一体どうなっているんでしょうか?!でも、まあ最初の75ページだけでも結構読みごたえがありました。私、「《全职高手》面白い~(≧▽≦)!」と誰彼構わず力説していましたけど具体的にどこが?となるとうまく説明できなかったんですよね。この《蝴蝶蓝与全职高手》ではいくつかの視点から《全职高手》の魅力を述べています。思い出せるものをいくつか書きます〇圧倒的リアリティネット小説というと、架空の世界のお話が多いのですが、この《全职高手》は現代の現実の世界が舞台となっています。もちろん中国にはゲームのプロリーグなんてものは存在しませんが、作品中で描かれる栄耀のプロの世界は現実に存在するバスケットや野球やサッカー等のプロスポーツの世界と通じるものがあり、選手の年俸、移籍、トレード、選手育成、引退、チームの経営など、様々な現実的な問題がかなりリアルに描写されていて読者にとって身近で受け入れやすい作品になっています。私もハマりこんで読んでいた時は、「栄耀」のプロリーグは現実に存在するんだと時々錯覚しちゃってました(アホ)(;^_^A〇人物像主人公の葉修はもちろん、脇役のキャラクター達も細かく書き込みがなされていて、葉修だけではなく、脇役の人物にも熱心なファンが付いている。ちなみに私の推しは方鋭さんね(^-^)V〇少年漫画の王道《全职高手》は主人公がゼロから出発して、努力と訓練を重ね、最終的に頂点を極めるという少年漫画の王道ストーリーになっています。まあ、大きく上記のようなことが書いてありました。読んでみて私がどこが面白いと感じていたかが明らかになったのでよかったとしましょう。個人的には、シーズンオフの選手たちの移籍問題、契約問題などが本当にスポーツニュースを見ているようで面白かったです。後は、選手たちは栄耀プロリーグの試合に初めて出場した年をデビュー年としていますが、スターを多く輩出した年を「花の〇季」とか呼んだりして、これは日本の芸能界と似ていますよね。あと「あの選手と自分は同期なのに向こうは今や大スターで自分は未だ芽が出ない(・_・)」とか悩む選手がいたり。本当にめっちゃリアルなのよね。それから《全职高手》がアニメ、ドラマ、映画で良い結果を得られたのは、著作権を管理する会社がうまくコントロールしていたからだとも書いてありました。アニメ化する際は、ファンの期待を裏切らないように人物像にはかなり厳しく条件を出したらしいです。アニメ化やドラマ化するにあたり多少のストーリーの改編は避けられませんが、改編する時も原作の趣旨から外れないように細心の注意をはらったそう。あとアニメとドラマでイメージを統一するため、同じ登場人物の声優さんはすべて同じにしているそうです。(そういえばアニメとドラマの葉修の声優さんは同じでしたね。)そう考えると葉修役に楊洋が選ばれたのはかなり幸運だったかもしれませんね。だって楊洋は葉修を演じるにはハンサムすぎですもんね。著作権管理会社さん、楊洋の葉修役をOKしてくださってありがとう!まあ、楊洋も役作りのために体重を5キロ増やしたりして頑張ったらしいですけどね。と、まあ、とりとめのないことをつらつら書きましたが、結局何が言いたいかというと《全职高手》はマジで面白い(≧▽≦)対象年齢11~14才だけどね 笑ってことです。しかし、こういう立派な評論文まで書かれたんだから、大人も読んでいいんですよね。今回のしおりは一葉之秋(葉修バージョン)ね(^-^)
2022.07.17
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《全职高手》が好きすぎてとうとうこんな本まで手に入れました!《蝴蝶蓝与全职高手》。《全职高手》の解説本らしいです。一つのテーマにつき4ページくらいの文章が90個(!)入っています。テーマは「蝴蝶蓝インタビュー」とか「叶修引退」とか「千机伞」とか「職業選択」とか「包子入侵」とか色々。ファンなら絶対読みたい内容ですよね(^-^)《全职高手》は読み終えてから3年以上たっていますが、今思い出してもやっぱり面白い!読みだしたら夢中になること請け合い!( ̄▽ ̄)!一番記憶に残っているのは、プロリーグシーズンオフの時のお話、選手たちがよりよい待遇を求めて移籍したり、2部リーグに転落し、解散することになったチームの選手が次の所属先を探したりと、様々な駆け引きが交錯する場面です。スポーツ新聞でプロ野球の記事を読んでいるみたいでかなりリアル!こういう部分のこだわりがオタクっぽいなぁと思いました。そしてまた、そこがこの作品の大好きなところなんです。日曜日に出勤したので明日振替休みなのですが、がんばって1日で読みたいです。435ページあるけど。
2022.07.12
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ととろさんのブログに、《全職高手》のアニメ映画の感想が書いてあって内容からして↓が原作となっているみたいだったので、昨日読んでみました。上海の書店で買った《巓峰栄耀》。大・大・大長編《全職高手》の番外編です。すでに一回読んでいますが、ととろさんのブログを拝見してまた葉修たちに会いたくなって再読しました。昨日は日曜日だったのでお昼から読んで夜までに読み終わりました。↑この本、スカスカというか何というか、行間が広くて字数がとても少ないです。1ページの字数を少なくしてページ数を無理やり増やし、1冊の本にして発売したのではと想像します。おかげで早く読み終われたんですけどね。《全職高手》本編は栄耀プロリーグの第9シーズンから始まっているのですが、この番外編の《巓峰栄耀》は栄耀プロリーグ第1シーズンと第2シーズン、つまり《全職高手》の物語が始まる以前、栄耀プロリーグ創世期のお話です。百花チームの初代キャプテン孫哲平とか嘉世の初代副キャプテンの呉雪峰とかレアな脇役の登場秘話がファンにとっては嬉しい(^-^)。特に葉修の初代相方・呉雪峰なんて、たしか本編では2行くらいしか書かれていないんですよ!チーム興欣を結成した葉修は気功師のプレーヤーを探していたのです。その時に葉修の嘉世時代の副キャプテンの呉雪峰の職業が気功師だった。彼はもう引退して外国に住んでいるけどね。みたいな説明があるのですよ。本編全19巻のうちで、呉雪峰の事が書かれているのってたぶんここだけだったと思うのですが、わざわざそこを拾って番外編につっこむとは、作者自体がこの作品の熱狂的なマニアなのかも 笑。あとは本編でもおなじみの喩文州とか王傑希とか韓文清とか黄少天とか張佳楽とかのちょっと昔のお話。なんというか本編あってのこの《巓峰栄耀》って感じの本なので、本編を読んでいない人がいきなりこれを読んでもたぶん意味が分からないでしょう。《全職高手》ファンへのサービス短編集ですね。この本を買う人はきっと《全職高手》を全巻持っているに違いありません。前にもブログで上げましたが、付録にはこういう新聞がついていました♪小説の内容に基づいて詳しい記事が書かれていてものすごく手が込んでいる!この本、字数が少ない割に45元もするのですが、この付録の新聞にお金がかかっているのかも?2019年の暮れに上海の書店で買いましたが、万引き防止のためか《全職高手》シリーズはすべて鍵のかかるガラスケースに入っていました。店員さんを呼んでケースを開けてもらいましたが、ちょっとイケメンのその店員さんが非常に不愛想だったことを今でも覚えています。というわけで、読んでいる時に辞書を引いた言葉棋逢对手 qi2feng2dui4shou3 <成>好敵手に出会う;<喩>技量が伯仲している.角逐jue2zhu2 武力で争う;(広く)力を競い合う.たたかう.炮灰pao4hui1 <喩>無理やりに戦場に送られた兵士.回合hui2he2 (戦闘・試合などで)渡り合う回数.対戦の数.【小学館中日辞典】いかにも少年漫画に出てきそうですね。字面は簡単だけど、意味が面白い(^-^)と私は思いました。
2022.06.20
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やっと解放された~( ̄▽ ̄)これで本当の本当に云荒ワールドとはおさらばだ~!( ̄▽ ̄)!この《朱顔》、ドラマ化されていてもう撮影は終わっているらしいです。主役は肖戦!(何年か前のガセネタでは主役は楊洋でしたが(;^_^A)《鏡》シリーズ全六巻とその番外編の《朱顔》上下巻の全八冊!とうとう終わったよ!私、いまいちのめり込めなくて、読むスピードをどうしても速くできなかったんですよね。何度も途中で読むのをやめようかと思いましたが、この‘セット、めっちゃ高かったので「読まないともったいない。」とつまらないケチケチ根性が出てしまって、なんだか知らないうちに最後まで読んでしまいました。実は読む時間の方がもったいなかったかも。《鏡》シリーズの主役は真嵐、蘇摩、云煥。今回の《朱顔》は朱顔と時影。私は《鏡》シリーズでは云煥が一番印象に残りました。蘇摩は最初「絶対的センター☆」くらいの派手さで登場したのですが、最後はちょっと印象が薄かったです。真嵐は(私の印象では)最後までぱっとせず。今回の《朱顔》では、主役は朱顔と時影ですが、私は蘇摩の幼少時代の描写が一番心に残りました。作者が《鏡》シリーズで描き足りなかった子供の頃の蘇摩を描きたかったのかな?《朱顔》は《鏡》シリーズの約200年前の云荒が舞台なので、蘇摩はまだ60歳の子供なんですよね(蘇摩は鮫人で寿命が約1000年あるのよ)砂漠の部族のリーダーに無理やり嫁がされた朱顔が、結婚式から逃げ出す時に偶然出会った鮫人の子供・蘇摩をお屋敷に連れ帰って面倒を見るのですが、この蘇摩がめっちゃかわいい!生まれてからずっと空桑人から虐げられて育った蘇摩が朱顔から優しくされて、彼女に懐いていき、「姐姐、姐姐」と朱顔にひっついて回る姿がかわいかった。後半、色々あって朱顔と離れ離れになってしまうんですけどね。「姐姐を探すんだ!」という決心で何度も何度も一人で旅立とうとする姿が涙を誘いました。生まれて初めて優しくしてくれた朱顔姐姐に亡くなった母親の面影をみていたのでしょうかね?とにかく、私の中で《朱顔》の主役は蘇摩でしたわ。と、いうわけで肝心の朱顔と時影の主役カップルはというと。う~ん( ̄ー ̄)まあ、普通?まあまあこういう類のラノベでよく見るラブストーリーですわ。恋愛ものなら恋愛ものに集中すればいいのに、途中に空桑人と鮫人との民族間の攻防が結構なボリュームで入ってくるので、なかなか二人の気持ちの積み重ねが見えない。時影が死ぬ時に(後に生き返るけどね)朱顔に「お前のことが好きだった」と告白するのですが、これ、結構いきなりなのよ。時影が朱顔を好きという「匂わせ」描写がそれまでにほとんどなかったので、唐突すぎて唖然としました。あと、朱顔がとにかく「思い立った瞬間に行動に移す」タイプで、騒動の渦中に飛び込んで面倒を増やす場面が何度も何度も何度も。いちおう名門一族のお姫様という設定なのに、無理があるのでは?とか、もういろいろ。あと。小さい頃から朱顔を育ててくれた鮫人の召使・渊が時影に殺されてしまい、朱顔はその時は怒りに燃えて「渊のために復讐する!師匠(時影のことね)、あなたを殺す!」とか言ったくせに、最後は自分から時影に迫って最後までいっちゃうし(キャ~(●^o^●))その時その時の感情で行動する朱顔も意味不明。もう頭の中は?マークでいっぱい。時影は神官の職に就いていましたが、実は現皇帝の長子。周囲の様々な思惑の中で皇太子となるべく神職を辞することになります。で、空桑人の皇帝は代々白の一族から皇后を選ばなければならないという掟があり、時影と朱顔は最終的に相思相愛になりますが正式な結婚は不可能ということになるのですよね(朱顔は赤の一族のお姫様なので)。で、最後どうなったかというと時影は皇帝の座にはつかず、摂政として政治のサポートをするポジションに移って、朱顔と正式に結婚する…という無理無理な結末。・・・というわけで、おい!( ゚Д゚)皇帝の座を捨てて愛する女性と一緒になる道を選ぶというこの少女漫画的展開!《且試天下》でもそうだったんですけどね。男たるもの女より皇帝としての責任を果たすことが大事だろ!と、《且試天下》に引き続き今回も怒る常識的おばさん 笑。若い女の子が読んだら「好きな人のために皇帝の位を捨てるなんてロマンチック♡」という感想になるのかな?私は納得できませんでしたけどね。古い頭だから。冒頭にも書いていますが、この《朱顔》、ドラマ化されててもう撮影は終わっているらしいです。とりあえず、蘇摩のエピソードを無くして、主人公二人の感情をもっと丁寧に積み重ねられたら、いい感じのラブストーリーのドラマになるのかなと思います。主役は肖戦。これはぴったりですね。※この小説の中には空桑人、冰族、鮫人の三つ民族が出てきますが、読んでいる時頭の中で、空桑人は「kongsangren」、冰族は「bingzu」と読むのに、鮫人は「さめじん」と読んでいたんですよ。さっき気づいたんですけど。
2022.06.16
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《鏡》シリーズの続編である《朱顔》、上巻をやっとの思いで読み終えました!このお話は《鏡・双城》の物語が始まる約200年前から始まっています。云荒大陸は空桑人の王朝に支配されていて、王朝には皇帝の他に六つの貴族が存在しています。主人公の朱顔はその中の赤の一族の王の一人娘。現在18才。怖いものなしの性格で、こうと思ったら絶対に思いを突き通す。めちゃくちゃ気の強いお姫様なのよ。8才の時に空桑王朝の代々の皇帝が葬られている神殿の立ち入り禁止の地に迷い込み、そこで神官になるために修行をしていた15才の少年時影に助けられ、その縁で8才の朱顔は時影を師匠として山の中の神殿で修業をすることになります。13才になった時、初潮が始まった朱顔は女人禁制の神殿で修業を続けることが不可能となり、家に帰ることになります。そして、物語の冒頭は18才になった朱顔が父王が強引に決定した砂漠の部族の王との結婚式の夜に脱走しようとするところから始まり、追手に取り囲まれて絶体絶命となった朱顔をカッコよく現われた朱顔の元師匠・時影が助けるとことから始まります。と、まあ。こんな感じでつかみはオッケー☆彡って感じなんですけどね。なにしろ主人公の朱顔の性格が子供すぎて受け入れられなかったわ( ̄ー ̄)とにかくまーっすぐな性格。好きな人には全力で好き!と表現するし。彼女の初恋の相手は渊という鮫人の召使なんですけどね。厳格な彼女の父の前でも隠さず「渊が好き!」と言っちゃって、そのせいで渊はお屋敷から追い出されちゃうし、で、渊を探して危険な場所に飛び込んで行って、結局渊の命を危険にさらしてしまうし。尊敬する師匠・時影が渊を殺してしまった!と思い込んで、師匠に向かって睨みながら「絶対渊の仇をとってやるから!」と言っちゃうし。で、結局渊は死んでいなかったと知ったら急に「えっ?師匠は渊を殺してなかったの?じゃいいわ(^-^)」と、恥ずかしげもなくまた師匠に慣れ慣れしく近づこうとするし。。。もうね、赤ちゃん。赤ちゃんなのよ。気持ちと行動が直結。純粋と言えば聞こえはいいけど、そのせいで、いつもいつもトラブルメーカーになるのよ。私は好きになれなかったわ~。読んでイライラしちゃった。もうおばさんだからね。小さい頃はハイジとかキャンディとか、気持ちのままに行動するヒロインに心奪われていましたけどね。今だとルールを重んじるロッテンマイヤーさんとかフラニー・ハミルトンの気持ちの方が共感できるわ~。と年を感じる今日この頃。上巻の最後は朱顔の想い人・渊が結局時影に殺されちゃって、朱顔はかなわないとわかっていながら師匠の時影を殺そうとしますが、想像に反して時影は朱顔の剣に刺されて絶命します。「実は昔から、朱顔、お前が好きだった。」という言葉を残して。時影は朱顔を愛していたがために最後の最後で彼女の剣を避けきれなかった。。。空桑王朝の神官のトップ候補だった時影は「将来、女性の手で絶命させられる。」という予言をされていたのです。そのため、時影は幼いころから「女性に会ったらその女性を殺すこと。」と言い聞かせられていたんですね。なのに、神殿で8才の女の子朱顔を見つけた15歳の時影は朱顔を殺さなかった。。。実は時影は8才の朱顔に一目ぼれしていたのかな?というわけで予言通り時影が朱顔の手によって死んでしまうところで上巻はおしまい。下巻では朱顔はもっと大人な性格になってくれる?付録は金属製のカード(名刺大)と思ったら。裏は鏡になっていました。中国の若者向けの小説はほとんど必ず楽しい付録が付いていますよ♪
2022.06.07
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この間、全六巻の《镜》シリーズをやっとのことで読み終わり「もうこれで《镜》シリーズとはおさらばよっ!!」とせいせいした気持ちだったんですけどね。今日、本棚の整理をしていて思い出しました。《朱颜》という小説。何年か前に「何か面白い小説ないかな~、」とネット巡回している時に「楊洋と鄭爽がドラマ《朱颜》の主役に決定か?」みたいな記事が出てて(たぶんガセ)それを見て「ドラマ化の噂が出るような小説ならきっと面白いに違いない。」と思ってすぐに買ったんですよね。で、本が届いて表紙をなんとなく見ていたら、この小説「《镜》シリーズ前伝」とか書いてあるんですよ。「えっ?」と思って慌てて百度百科を見てみたら、この《朱颜》、《镜》シリーズの後に出版されたものみたい。つまり《镜》シリーズを読んでなかったらよく理解できないかも?と思ってこの《朱颜》を楽しく読むためにその前に書かれた《镜》シリーズ全六巻を買ったのでした。。。…という事実があったのをすっかり忘れていたんです。もともと《朱颜》ありきだったのでした。今日の午後中この《朱颜》を読むかどうか迷っていたのですが、今のところ次に読む中国語原書も決めていないことだし、頑張って読むことにしました。《镜》シリーズをやっとのことで読み終えたんですけどね。云荒ワールドにまた逆戻りか~…と考えたらちょっとうんざりもしますけど、「毒を食らわば皿まで」という気持ちで読みますわ。(ファンの人には失礼ですが、私はあまりハマれなかったのよ。)上巻・下巻とも最初の方に↑このような美しいイラストが数点。↑今回のしおりは付録についていた金属製(?)のカードにします♪実は本を読む前にしおりを決めるのが自分の一大イベントです(^-^)(他に楽しみのない寂しいおばさん(;^_^A)
2022.05.29
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(↑今回のしおりは小説《你是我的荣耀》のおまけの于途カード♪)やっと読み終わったよ《镜》シリーズ。はっきり言って自分的にはそこまでのめり込めなかったんですけどね。「書虫」で全6巻のセットを1万円以上出して買ったので「読まないともったいない。」と思って、気が進まないままグダグダと読み進めました。読む時間の方がもったいなかったかも。んで、この《镜·织梦者》が最終巻ね(^-^)V←やっと終わってせいせいしてる人。いちおう云荒を舞台にした一連の物語は5巻までで終わり。この《镜·织梦者》は全然別のお話です。5000年前に地上から消えた云荒という架空の大陸を舞台にした小説を雑誌に連載している女流作家・萧音。実は云荒大陸は実在していて、5000年前にすでに滅びているのですが、云荒大陸の人々は自分たちが死んでいるとは気が付いておらず、肉体は滅びているけれど、霊として(?)普通の生活をしています。その云荒大陸の「神」・辟邪はこの死者の精神が生活する云荒大陸を存続させるため萧音を织梦者に選び、云荒の物語を創作させるのです。彼女が云荒の物語を描き続ける限り云荒大陸は存在し続ける。そして彼女が創作を止めた時が云荒大陸の滅亡の時。。。みたいなお話。いまいちお話が見えないし、人物設定もブレブレなような気がしてあまりよく理解できませんでした。私の読解力にも問題があるのかもしれませんが(むしろそっち?)。最初主役かと思われた艾美が最終的にあまり目立たなくなっていたし、彼女の性格が一つ目の話と二つ目の話で全然別人格になっているような感じだったし。《镜·织梦者》は《镜》シリーズには入っていますが、別に読まなくてもいいかも?外伝ということだったので、云焕のその後とか読めるのかしら?とワクワクして読んだのですが、《镜》シリーズ1~5に出てきた登場人物は全く登場せず。がっくり。とりあえず、今日朝から読んでいて辞書を引いた唯一の単語饕餮tao1tie41 伝説中の凶悪な獣.古代、青銅器にその形を鋳込んで装飾とした.2<喩>食いしん坊.3<喩>凶悪で貪欲な人間.(小学館中日辞典)意味はだいたい「怪獣みたいな生き物?かな?」と知っていたんですけど、読みは知らなくて、ずっとそのままにしていたのですが、今日文中に何回も出てきたので「もう知らんぷりはできないな。。。」と仕方なく辞書で読みを調べました!この複雑すぎる字!あまり使わない単語なので簡体字にする時に漏れたのかな???
2022.05.22
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しおりは「角川つばさ文庫」。数年前に書店でもらったもの♪《镜》シリーズ第6巻。・・・これは今までとは違う理由で読むのが遅くなりました、第5巻で、破壊神に魂を売り渡し強大な力を得て云荒大陸の新たな支配者となった云焕ですが、この巻では国の再興を企図する空桑人と鮫人の連合軍を相手にした戦いで敗れることが既定路線っぽかったんです。お話の雰囲気として。まあ、破壊神(悪魔)と契約を結ぶような奴は最後は滅びて当然ですよね。一般的にはね。それで、「はあ~。云焕、もうすぐ死んじゃうのかなぁ。なんか辛いな~。」と云焕が戦いに敗れて死んじゃう場面をどうしても見たくなくて、かなり休み休み読む結果となってしまいました。この物語の主人公は苏摩、真岚、云焕の3人だと思うんですけど、この中で最も入り込めたのが云焕だったのです。ちなみに作者もそうなんじゃないかと思いますけどね。何しろ《镜》シリーズ第2巻のサブタイトルは《破军》ですよ。破军は云焕のもう一つの呼び名。つまり第2巻の《镜・破军》はまるまる云焕の巻ってことなんです。真岚、云焕には専用の巻はないのに。《镜・破军》ではこの云焕の幼い頃の過酷な体験、そして師匠慕湮との出会いが細かく描写されていて、これを読むと「云焕は血も涙もない冷酷な軍人と恐れられているけど、本当は寂しがり屋で愛を求めてさまようかわいそうな子供なのよ。」と同情的というか母親的な目線ができあがってしまうのです。その上で今回の《镜·神寂》よ。悪の化身となってしまった云焕は、ストーリーの流れ的には空桑人と鮫人の連合軍に殺されるんだろうな~というのが分かってしまっていたのでその場面に行きつくのがつらくてつらくて何回も休憩を入れてしまって先に進めなかったのです(←結局かなり夢中になっている人)で、とうとう云焕が西京に殺される(実際はここでは死なないけど)場面は、もうほとんど超速読、ぱぱぱっと1ページにつき最初の1行、真ん中の1行、最後の1行という感じでストーリーが最低限わかる程度で飛ばし読みしました。だってかわいい云焕が痛めつけられるところ見たくないもん。結局、この100年間云荒大陸を支配していた冰族の沧流帝国は滅び、空桑人が政権を奪還し、鮫人は碧落海に帰っていってめでたしめでたし・・・というところだったんですけどね、私はやはり云焕のその後が気になるわ~。次の第6巻は番外編らしいんですけどね。ここで云焕は輪廻転生して最愛の人と再会したりするんだろうか?再会できたらいいけどな~とか想像しちゃいます。個人的にはこの《镜》シリーズの主人公は孤独なダークヒーロー・云焕!彼は何十万人もの人民を虐殺した罪深い支配者であるけれど、やっぱり憎めないのよね~。これは彼に対する作者の思い入れが強いからなのかな?だって云焕の描写にはかなり気合が入っているのが伝わってくるので。気のせいかもしれませんが。師匠の前ではただの云焕少年に戻ってしまう彼がたまらなく愛おしかったわ~。母性本能をくすぐる子でした♪それに比べて主人公の一人苏摩は・超絶美形・鮫人・盲目・人形遣い・実は人形は彼の双子の兄弟・海国の皇帝の生まれ変わり・その他いろいろとかなり盛沢山だったけど、なかなか動けなかった感じ。設定が多すぎて作者にとって動かしにくいキャラクターになっちゃったのかな?とりあえず《镜》シリーズ、本編はなんとか読み終わりました。やはり云焕が西京にやられる緊迫した場面を思い出すと胸が痛むわ~。って結局はまっちゃったんですけどね(;^_^A云焕。この絵が一番イメージに合っていると思います♡
2022.05.15
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《镜》シリーズ第4巻のこの《镜·辟天》。全部で426ページありますが、連休を利用して4月30日、5月1日、5月3日の3日間で読み終わりました!今回のしおりはマリメッコの布バッグについてたタグ♪読み始める前に、何気なく裏表紙の「あらすじ」を読んだら得体の知れない強大な力が破军を覚醒させた。家族が次々と死んでいくのを目の当たりにし、絶望の境地にに身を置いた云焕は最後の手段を選択する ― 彼は破壊神と契約を結んだ。その結果強大な力を授けられ、沧流帝国の政権を掌握して云荒に君臨する支配者となる。みたいなことが書いてあったので、登場人物の中では云焕を贔屓している私としては読むっきゃないっしょ(≧▽≦)って感じで読み進めたんですけどね。拷問部屋に閉じ込められ、一ヶ月にもわたり凄惨な拷問を受け続けているという設定の云焕はなかなか登場しません。半ば過ぎでやっとお姉さんの云烛に助け出されたと思ったら、拷問により身体のすべての関節を破壊された云焕は自宅でずっと寝たきり。もともと国の優秀な軍人だった云焕ですが、平民の出身で有力な後ろ盾のない彼は、常に周囲からの妬みにさらされていて、たった一回の失敗で罪に問われ、砂漠で紛失した如意珠を持ち帰ることが彼の罪を許される条件となっていました。その後色々あって結局如意珠は手に入らず、彼は投獄、その後凄惨な拷問。姉に助け出されたけど寝たきり。寝たきりの間に、云焕の一族は皆殺しにされ、寝たきりの弟を守るため姉の云烛は命を懸けた術を使い最終的に死亡。ここまでで全体426ページの半分。「はぁ~。云焕はいつ「悪の将軍」として覚醒すんの?ひっぱりすぎじゃね?」とイライラしつつも「覚醒したら今まで彼を虐げてきたやつらにスカッと復讐するのかな?」とちょっとワクワクもしていたのです。が、悪の化身として覚醒した云焕、いまいち迫力が無い。ケンシロウとか悟空とかフリーザとかのようなイメージで、指をパチンと鳴らしただけで敵が消えるとか吹っ飛ぶとか圧倒的な力を持った云焕を想像していたんですよ。しかし、今のところそういう場面はなく、なんか知らないけど強大な力を持ったと思われるっぽい云焕に恐怖を抱いた国民が彼に屈服している感じ。彼の何がそんなに恐ろしいのか?破壊神との契約で彼が手に入れた「強大な力」というのが具体的にわからないのよね~。みんな何を恐れて彼に従ってるんでしょ?というわけで、戦いの場面とか、力を示す場面とかもうちょっと迫力が欲しいと思いました。過去の思い出で感傷に浸る場面は細かく細かく描かれているのにね。やはり女性作家なので得意不得意が現れているんでしょうかね?このシリーズ、あと2巻で読み終わるんですけど読むかどうか迷っています。あまりのめりこめない。。。どうしよ。でも云焕のキャラは好きです♪たぶん最後は幸せにはなれないような気がしますけど。
2022.05.04
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昨日やっとの思いで読み終えた《镜》シリーズ第3巻《镜·龙战》。ところどころ夢中になる部分はあったものの、全体的に登場人物が多くて誰に注目していいのかわからなくなり、集中して読めなくてうんざり気味でした。特に、最初、圧倒的な主役と見ていた苏摩が人物設定ばっかりやたらと凝っててその割にはあまり活躍しないのが大きな原因だったと思います。今日、「はぁ、どうしようかな~。」と迷いつつ第4巻の《镜·辟天》を手に取って本の裏に書いてある「あらすじ」を読んだところ、この巻は我らがダークヒーロー云焕が主役みたい。云焕は破壊神と契約を結び、強大な力を手に入れて国の政権を掌握するらしいわよ。彼は冷酷無比な軍人ですが、剣の師匠・慕湮の前では素直で師匠思いの良い子なのです。完全に冷酷な人間ではないというのが師匠とのふれあいの場面の描写で伝わって来て、母性本能をくすぐるのよね~( ̄▽ ̄)ほんとはいい子なんじゃない?と。というわけで、《镜》シリーズ第4弾《镜·辟天》、読みますよ~。426ページもあるけど。云焕の行く末が気になるわ。あまり幸せにはなりそうにないけど。しかし、中国の小説は裏にあらすじを書きすぎだと思います。半分ネタバレ状態じゃないのよ。今回のしおりはマリメッコの布バッグについてたタグです。(本を読む前にまずしおりから決める人)
2022.04.24
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この《镜》シリーズ、全部で6冊あってこれはその3巻目。全部で392ページあって、朝早く目が覚めた時や昼休みにちょこちょこ読んでいましたが物語の進みが遅くて辛かった。。。やっぱり私には合わないわ。「途中まで読んじゃったからとりあえず最後まで読まないと。」という義務感だけで読み終わりました。面白くなくって(個人的感想よ)かなりノロノロになりました。架空の世界の物語。1巻で、現在云荒大陸を支配している冰族を倒すため、本来なら敵同士である空桑人の皇太子真岚と海国の鮫人の王苏摩は同盟を結びます。で、この巻では、お互い協力して7000年前に封じ込められた神龍の封印を解いたり100年前に車裂きの刑になってバラバラになった真岚の体の一部を探しに行ったりします。また星尊帝のお墓に眠っている財宝を狙う盗宝者の若きリーダー音格尔の物語が始まって、「あ、また新キャラ登場?」とうんざりしましたが、これは結構面白かったです。この《镜》シリーズ、2巻の云焕といい、この音格尔といい、いわゆる脇キャラが良いです。テレビドラマもこういう人たちを主役にしていたらもっと面白くなったかもしれませんね。音格尔は砂漠の代々墓の盗掘を生業とする一族の若きリーダー。(18才)彼は先代のリーダーの息子なのですが、後継ぎ争いで命を狙われることを恐れた母親に誰にも接触できないようなほぼ監禁状態で育てられています。小さい頃の彼の友達は書物だけ。そんな彼に優しくしてくれたのは年の離れた兄ですが、その信頼していた兄に毒殺されかけ、その毒が身体から抜けないまま大きくなりました。なので彼はかなり体の弱い青年です。で、今回星尊帝のお墓の盗掘。彼とその部下たちは様々なトラップをくぐり向けて宝物にたどりつきます。が、またまた兄に殺されてしまうんですね~。しかし、その時1巻で大活躍した苗族の少女、那笙が登場して万能薬を差し出し、ぎりぎりのところで音格尔の命を救います。実は私、この《镜·龙战》の中で、この音格尔の話だけは面白いと思って、かなり集中して読んでいたんですよね。音格尔が死んだ時、「ええっ?死んじゃうの?なかなか良いキャラクターだったのにもったいない。」と思いましたがすぐ不思議な薬で助けられたのでほっとしました。それにひきかえ、全編を通しての主役と思われる苏摩はいまいち魅かれないわ~。鮫人、海国の王の生まれ変わり、盲目、超絶美形、生きている人形の人形遣いとたくさん特徴はあるのにね~。なんか薄いわ~。百度百科からお借りした音格尔くんの画像。フルネーム音格尔·卡洛蒙。少数民族をモデルにしたのかな?彼が主役でも十分面白いドラマになりそう。さて、次の巻はまたまた云焕が出てくる予感。今。持ち帰った如意珠がニセモノだったことが判明し、牢獄につながれて拷問を受けているところ。また復活するのかなぁ。というわけで、なんだかんだ言いながらまだまだ読み続けます。たぶん。
2022.04.24
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中検は先週終わったことだし、またまた《镜》シリーズ再開しようかなと思って手にとりました。第三弾の《镜·龙战》ね。実は自分的にはあまりのめり込めなくて、今日は80ページ弱しか読めませんでした。中国では大ヒットしたらしいんですけどね。全6巻大人買いしたので(高かった)、読まないともったいないなという気持ちのみで。この回の主人公はまた美形の鮫人の人形遣い・苏摩に戻ったみたい。現在、空桑人の皇太子妃白璎の協力を得て七千年前に封印された海国の龍神の封印を解こうとしているところ。そこで、なぜか空桑人の王朝の開祖・星尊帝の皇后・白薇が七千年の眠りから目覚めて海国が滅ぼされたいきさつを語り出すんですよ。↑現在、こんな感じかな?自分的には描写がくどすぎると感じています。もっとスピーディーに進められないのかな?私がせっかちな性格というのもあるんですけど。あと、この小説を原作にしたドラマ、お金をかけた割にはコケちゃったらしいですね。原作が、原作が、とうるさく言うつもりはないんですけど、主役の鮫人の人形遣いを演じる李易峰さんがイメージ違いすぎますね~。いや、李易峰さんは悪くないんですけどね。もうちょっと線が細くて妖しげな雰囲気がある美形がよかったみたい。私は予告編しか見ていませんが、李易峰さんは普通に力強くカッコいい感じで、苏摩の妖しいまでの美しさが表現しきれていなかったと思います。個人的には、この原作なら、絶対云焕を主役にした方が良いドラマができたと思うのですがね。
2022.04.03
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といいつつ、なぜか午後2時に終了しました。午後3時ごろ帰宅し、家でぼーっとしていました。疲れているので中国語の勉強をする気になれず、それならと体を休めようと昼寝をしようとしても眠れず…そこで漫画の本棚を見てみましたが今読みたい気分の漫画が無く…で、これ《旋風少女》4巻。もう何度も何度も読んでいますが読むたびに夢中になってしまいます。百草の小学生並みの単純さ、若白センパイの現実にはあり得ない完璧な自己犠牲精神。この極端すぎるキャラ付けはまさに王道の少女漫画の世界だなと思います。あ~、いつも思うけど、これ、少女漫画で読みたいです。といいつつ、明暁渓さんの文章自体がキラキラで少女漫画の雰囲気たっぷりなので小説だけで十分楽しめますが。物語は、足の怪我を抱えながら試合に出て、満身創痍の状態で追い詰められた百草が最後の力を振り絞って必殺技を繰り出す…ってところから急に7年後に飛んでいて、7年後の世界では百草と若白センパイはもう結婚していて二人の間には芽芽という3歳の女の子がいて幸せに暮らしている…っていう、これまたモロ少女漫画な終わり方なんですけど、この「空白の7年間」を小説にして欲しい!っていうのが私の希望ですね。いちおう《午后熏衣茶》という小説の番外編で結婚してすぐの百草と若白センパイがゲスト出演していたけど、もっと読みたい!ラストでは亦楓と暁蛍の息子と百草と若白センパイの娘が恋仲になるという小説の構想があることを匂わせてはいますがね。作者の明暁渓さん、最近は新作の発表がないみたい。ブームが終わったとか?とにかく、「《旋風少女》の続編、読みたいな~。」と再度自分の気持ちを再認識した午後でした。
2022.03.20
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镜シリーズ第2巻、《镜·破军》の主人公、云焕さんは現在云荒を支配する冰族の国、沧流帝国の若き少将。祖先が敵である空桑人と婚姻関係を持ったという罪で彼の一族は砂漠の果ての空际城という冰族が暮らす辺境の町に追放されそこで暮らしていました。云焕が9才の頃、砂漠の民が沧流帝国の圧政に耐えかねて空际城に住む冰族18人を人質にとり、政府に砂漠の民の待遇の改善を求める反乱を起こします。沧流帝国政府は18人の人質を見捨て、反乱を起こした砂漠の民の制圧に乗り出します。政府としては、辺境の地に住む身分の低い国民なんて助ける価値もないってことなんでしょうね。実は18人の人質の中に9才の云焕少年がいたのですが、人質にされ後ろ手に鉄の手枷をされ、冰族に恨みを持つ砂漠の民に拷問され、死ぬほどの暴力を受け、その後。人質としての価値が無いとみなされた云焕少年ら人質は反乱を起こした砂漠の民からも見捨てられ、そのまま暗い穴に放置され…忘れ去られた人質たちは一人また一人と死んでいき、死体は腐乱していき、そんな中で生き延びていた云焕少年は偶然穴のそばを通りかかった、後に彼の剣の師匠になる慕湮に助けられるのです。およそ人間には見えない子供らしきものが、発狂しているかのように石の壁に頭を打ち付けようとしていた。人が来たのに気づくと、すぐさま、もがきながら腐乱した死体の間を縫って彼女の前に這ってきた。両手は背後で手枷をはめられ、全身からひどい臭いのする膿を流しながら、白い歯を見せ、彼女が懐から出した桃に飢え死にしそうな獣のようにかぶりついた。(てきとー翻訳(;^_^A)これが云焕を助けた時の師匠・慕湮の記憶ね。いや~悲惨だな~。ショッキングだな~。ちなみに18人の人質のうち、生き残ったのは云焕少年ただ一人ね。こういう凄惨な幼児体験が彼の人となりに影響しているのかな?姉の抜擢に伴い、帝都に住むことを許された彼は頭角をあらわし、異例の出世で若くして少将まで登りつめます。しかし、冷酷、厳格、非情な性格で部下からの人気は低そう。また、鮫人を奴隷、家畜、消耗品としかみなしておらず、今まで数え切れないほどの鮫人の命を奪っています。←これが後に云焕にとっての大きな悲劇につながります。彼が心を開くのは彼を厳しくも愛情を持って指導した剣の師匠・慕湮と姉の云烛の二人のみ。特に慕湮には師匠に対する愛情を超えた感情を持っているらしい。この《镜·破军》では、如意球の捜索を政府に命じられた云焕が10年ぶりに砂漠の国に帰ってきて師匠に再会しますが、政府の方針に従って残酷、冷酷、非情な行いをしていることは師匠には内緒にしたいらしいですよ。(でも師匠は気付いていますけどね。)冷酷無比な沧流帝国の少将だけど師匠の前では素直でかわいい子供なのよ。このギャップがねぇ。なにかおばさんの心をくすぐるのよね~。この云焕、結局政府から命じられた如意球をまだ見つけられていないんですよ。見つけられないまま帝都に帰ったら、任務を遂行できなかったということで厳罰に処せられ、凄惨な拷問を受けるという運命が待っている…どうなるんでしょ?この镜シリーズ、巻ごとに主人公が変わるというシステムらしいので、次の3巻では云焕の行く末は分からない可能性が大きいです。完全無欠のヒーローでは決してないんですけどね、こういう影のある主人公は結構女子に人気でますよね。
2022.01.30
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镜シリーズの第2巻《镜·破军》、第1巻の《镜・双城》が自分的に「いまいち」っていう微妙な感想だったのであまり気乗りのしない中読み進めました。結局しおりは私の好きなキャラクター・方鋭さん(^-^)この《镜·破军》は面白かった!主人公は第1巻では敵国の軍人だった云焕さん。第1巻でこの物語の舞台となっている架空の世界の構造が説明されているのですが、鮫人、冰族、空桑人のどの視点で見るかによって「正義」と「悪」が入れ替わっていきますね。しかし、普通に見ると冰族は「悪の帝国」のような権力構造ですけどね。なんか、人前に姿を現さない「智者大人」という謎の人物が頂点に立っているみたい。この云焕、冰族の帝国の軍人さん。若くして出世し、冷酷な仕打ちで部下には恐れられています。しかし、剣の師匠、慕湮を尊敬し、また母親のように慕っていて、師匠の前では「素直な弟子」となるのです。尊敬する師匠が鮫人に殺されてしまった時の云焕さんの発狂ぶりがすごかったわ。鮫人を匿ったと疑いをかけられた砂漠の民への拷問がえげつなかった。。。全編にわたる云焕の心理描写に夢中になります。云焕はいわゆるダークヒーローなのですが、彼の気持ちもわかる部分があるのですよ。思わず肩入れしてしまう、《双城》じゃなくてこっちの方をドラマ化すればよかったのに、と思ってしまいます。ただ云焕を演じるのはかなり難しそう。云焕はとりあえずラストでは生死不明となっていました。この後また物語に登場するのかしら?悲しい運命だったらもう出てこなくていいなぁ。云焕がつらい思いをするところもう見たくないもん。(と、いつのまにか云焕推しになっている人)
2022.01.24
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《镜・双城》をやっとの思いで読み終えて、「もう続きはいいわ!」と思っていましたが日曜日でヒマだったのでちょっとだけ第2巻の《镜·破军》を覗いてみました~!今度のしおりはぺこぱ松陰寺さんの写真に決定( ̄▽ ̄)第1巻の《镜・双城》の内容が各種族及び国の歴史の説明中心でラストで、百年前に冰族に滅ぼされた王朝の復興を願う空桑族皇太子真嵐と数千年前に空桑族に滅ぼされ、それ以来云荒で奴隷としての扱いを受けている鮫族のリーダー蘇摩が同盟を結んで冰族を倒そうという約束をするのです。なので、今度の第2巻《镜·破军》では、鮫族と空桑族の連合軍と現在云荒を支配する冰族の戦いが始まる?と思っていました。が、全く違ってて、この巻の主人公は第1巻では「敵」だった冰族のエリート軍隊「征天軍団」の少将云焕の物語だったわ。冰族って敵だ敵だと思っていましたが、彼らの内部でも色々複雑な事情があるみたい。今回の主人公の云焕は支配階級である冰族なのですが祖先が生き残った空桑族と婚姻したことで首都を追放され厳しい環境の砂漠で育っています。十代の頃に許されて云家の人間は首都に住むことになります。首都の軍隊においてその才能を発揮した云焕は最年少の少将となり、実績を積みますが第1巻で那笙や西京を捕まえようとして冰族の飛行する機械・風隼を墜落させてしまいその罰として死刑になるところだったのです。しかし、死刑にはならず、代わりに砂漠の国に墜落した伽楼罗という新しい飛行機械の回収を命じられます。砂漠の国は所謂「死の国」、墜落した伽楼罗はすでに砂に埋もれて見つけるのが非常に難しい。実はこの任務はほぼ死刑に等しいのです。というわけで、果たして云焕は伽楼罗を発見することができるのか?というストーリーなのかな?まだ最初しか読んでいませんが。百度百科から持ってきた云焕のイメージ画、いわゆる「敵方」の人物も詳しく描写するあたり、ガンダム形式なのかしら?彼の性格は富や美女に興味が無く、意思が強く、勇敢で決断力があり頭脳も能力も優れていてほぼ弱点が無い。ってことですよ~。立場も性格もシャアみたい?
2022.01.09
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中国では売れたらしいけどね。私には合わなかったわ。というか、この小説、どうも若い女の子向けらしいわよ。私のようなおばさんははなから対象外だったとも思えるわ。ポケモンのカードをしおりにしてピカチュウに励まされながら読んだけど、きつかった。とりあえず、以下、小説中に出てくる種族とか国とか。中州 →普通の人間が住む普通の地域云荒 →伝説の楽園と言い伝えられる大陸空桑族→数千年前に云荒で王朝を開いた種族。開祖は星尊帝。妃は白薇。鮫族 →海国に住む種族。出生時は性別が無く成長過程で女性と男性に分かれる。 彼らの国、海国は数千年前に星尊帝に滅ぼされ、鮫族は奴隷として云荒 に連れていかれる。寿命が長く約1000年生きる。冰族 →約百年前に空桑族の王朝を滅ぼし、現在云荒を支配している種族。 と、まあこういう感じ。中州から来た苗族の少女・那笙、空桑族の皇太子・真嵐、その妃・白瓔、鮫族の王の血を引く蘇摩、元空桑族の王朝の将軍・西京、鮫族と中州人のハーフ・慕容修…(その他登場人物多数)。と色々な人物の思惑が交錯してかなり複雑な物語となっています。中でもかなり詳細に描写されているのが彼。鮫族の人形遣い・蘇摩。百度百科さんからお借りしたイメージイラスト。鮫族特有の青い色の髪を持ち、自分とそっくりの人形をまるで生きているかのように自由自在に操る盲目の超絶美形男子よ。性格はかなりワルなんだけど、ガンダムにおけるシャアのように、女子に人気がありそうだわね。蘇摩は鮫族で、幼い時、籠に詰め込まれて奴隷として市場で売られるのですが、生まれつきお腹に大きな瘤があり、なかなか買い手がつきません。鮫族の涙は宝珠として珍重されるため、最終的には涙を採取するために買われますが蘇摩は少ししか泣かなかったため、目をえぐり取られます(ヒィィィィ(;´д`))。(鮫族の眼はさらに貴重な宝珠となるらしい。)その後、その美しい容姿に目を付けられ、将来の皇太子妃として修業していた白瓔の召使として送り込まれ、皇太子しか解くことが許されない白瓔の額の封印を解いてしまい云荒を追放され…で100年後、この《镜·双城》が始まるわけね。蘇摩が操る人形・蘇諾は、最初普通の人形(ただしご主人様の蘇摩にそっくり)だと思われたのですが、実は母の胎内にいた時の双子の兄弟で、生まれる前に争い、蘇摩が勝って蘇諾を飲み込んで生まれてきたらしい。なので蘇摩が生まれてきた時お腹に大きな瘤があり、後にその瘤を取り除いた時に中から赤ちゃんの蘇諾が出てきたってわけ。つまり蘇諾は人形のふりをしているけど蘇摩の双子の兄弟ってわけよ。と、小説中でこの蘇摩が一番深くその背景が描かれているので、主役は蘇摩?といいつつ、読み終えた時点でもまだ主人公がだれかはっきりしない…(=_=)この《镜》シリーズ、全部で6冊ありますが、続きを読まないとわからないんでしょうか?でも、もう読みたくないなぁ。とりあえず、現在強大な力を持つ冰族の国を倒すために、長年敵対関係にあった空桑族と鮫族が同盟を結んだところ。それぞれの種族の中にもこの同盟をこころよく思っていない人物がいたりして、これからまた裏切者が出てきそう。「続きはどうなる?ワクワク」みたいな感じだけど、なんか私の心にはまらないというかなんというか。もうこれ以上読まないかも。おばさんにはつらいわ。
2022.01.08
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お正月休みが終わるまでになんとか読み終わろうと思ったのですがピカチュウの力を以てしても(しおりにした↑)無理でした(;・∀・)・・・この小説、本当にヒットしたのかな?というか私の好みに合っていないのかも?なかなか入り込めなくて読むのがノロノロになっちゃったわ~。で、残り後100ページになってもまだ主人公が誰か分からない。いちおう那笙という普通の女の子が狂言回しの役割をしているみたい。狂言回し:芝居などで、筋の進行に終始かかわっている役柄。 【大辞林】三省堂那笙ちゃん。旅の途中で誰かとはぐれる度に偶然に新しい旅の道連れが登場して、その人物がすべてこの物語における重要人物なのよ。こんなうまい偶然ある!?いくら小説にしても偶然すぎるよねぇ。という、このわざとらしさがひっかかってなかなか進めなかったのよね。読み始めは、100年前まで云荒を支配していた空桑族の王朝の残党と現在云荒を支配している冰族の王朝との覇権争い?と想像していたのですがね。読み進めていくと、数千年前、空桑族の王朝に滅ぼされ空桑族の奴隷にされた鮫族も秘密裏に軍を組織して海国の再興を狙っているみたい。結局は3つの民族の戦いってこと?で、以前の記事でも書いた超絶美形の人形遣い苏摩は実は鮫人で、すべての鮫人の希望の星とされている人物らしいわよ。彼こそが海国を再興してくれる救世主だ!と。「右手」はかつての空桑族の皇太子真岚(の右手)。雪山を進んでいた那笙が偶然にこの「右手」を発見し、その封印を解いてしまうのよ。その時にその「右手」にはまっていた指輪「皇天」が那笙の手にはまり抜けなくなる。つまり那笙は「皇天」に選ばれし者ってこと?慕容修は中州の商人の息子だけど、母親は鮫人。旅の途中で那笙と同行することになるのですが、云荒に一人で向かう息子を心配した母親が云荒に到着したら西京という用心棒に息子を守ってもらうよう約束済み。あと炎汐という鮫人。那笙が旅の途中で慕容修とはぐれ、冰族の兵士に追われていた時に同じく冰族に傷つけられた炎汐に出会い、持っていた薬草で彼の傷を治してあげる。それから慕容修の用心棒の西京。彼はもともと空桑族の王朝の将軍だったけど、国が無くなった今、飲んだくれのお侍さんになってるわ。お侍さんって変だけど、それしか呼び方が思いつかない。那笙は慕容修を探しに来た賭場で西京にも会うのよ。というわけで、以上、私が見たところの物語の主要人物。すべてドラマ映えするキャラクターよ 笑。全員と面識があるのは那笙だけだという事実。実は何もできず、周囲に迷惑をかけるだけの普通の女の子の那笙が影の主役?しかし、那笙はかなりイラつく人物よ。天真爛漫なのはいいとして、とにかく考えが足りない。自分には何の能力もない癖に感情にまかせて行動し、人に迷惑をかける。というわけで、実はここまで読んでほぼほぼ「民族紹介」みたいな内容であまり進展していないのです。感想としては「那笙めっちゃムカつく」くらいしか思いつかないという( ̄▽ ̄)288ページで新たに「云浮翼族」っていう民族も出てきちゃってウンザリしているところです。《镜》シリーズ、全部で6巻あるんですけど1巻ごとに完結すると思っていたのですよね。しかしこの進み具合から考えるとどうも続き物みたい。。。なんかイマイチ入り込めないのですが、最後まで読めるかな?自信ないけど。
2022.01.03
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大晦日です。色々バタバタして読むひまがないわ。今日もちょっとしか読めなかった…(=_=)云荒という国なんですが、外の世界の人々からは「伝説の楽園」と言われていて多くの者が云荒を目指すのですが、たどり着くまでにはめっちゃ険しい山脈などがあり、途中で死んでしまう者も多く、最終的に云荒に到達できるものは多くはないのです。しかし、人々に「楽園」と言われている云荒も実は平和な国ではなく、100年前にそれまで云荒を支配していた空桑族の王朝が冰族に滅ぼされ、現在は冰族が云荒を支配しています。現在、云荒では「空桑」という言葉は禁句となっているらしい。空桑族の王朝が滅びた時、皇太子の真岚は冰族の手で車裂きの刑にされ、ばらばらになって各地に飛び散りますが、100年ぶりに苗族の女の子、那笙が皇太子の片手を見つけその封印を解きます。その後、那笙はその「手」と一緒に云荒まで旅をします。空桑族の王朝が滅びる時、空桑族の十万に及ぶ国民は云荒の中央にある湖。鏡湖の下に造られた无色城という都市に逃げ込み、100年以上の眠りについています(死んでる?)。真岚の「手」は、无色城から迎えに来た真岚の仲間たちが迎えに来て无色城に連れて行きます。で、那笙はここからまた一人で旅をすることに。「手」とお別れするときに、「手」から「皇天」という不思議な指輪を送られ、この「皇天」が後々彼女を守ってくれることになりそう。と、まあ今日読んだ内容は以上の通り。単なる読書メモです。分かりにくい?まだまだどういう内容の物語かは全くわかりません 笑。あ、あと皇太子妃の額の封印を破った罪で云荒を追放された苏摩が何の目的で100年後の現在、云荒に舞い戻ってきたのかの理由も不明。100ページ以上読んでもまだ主人公が誰か分からないという…(=_=)この《镜》シリーズ、全部で6巻あるんですけどまさか6巻まで読まないと物語が完結しないとか?もしそうだったらげっそり。というわけで、今年はここまで。来年もがんばって読みますわ~。というわけで、来年もよろしくお願いします<(_ _)>新発売の「ソフト君」。今年中にどうしても食べたいなと思って今日コンビニで買ってきたわ。
2021.12.31
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12月29日から年末休暇だったので一気に読んでしまおうと計画していたのですが。なんだかお風呂やらトイレやら無性にきれいにしたくなって掃除してたら1日が過ぎ。「これではいけない!」と思い、しおりをピカチューにしてはずみをつけ読み進めようとしたのですが導入部がめっちゃ長い!長すぎ(=_=)!ヒィヒィ言いながらやっとこさで80ページまで読み進めたところですが未だに誰が主役かはっきりしないんですよね。あと、謎キャラクターがたくさん登場していてどこに注目していいか分からない状態という。。。まず、戦乱を逃れて伝説の楽園と言われている云荒に向かって旅をする苗族の少女、那笙ね。この子が一番普通人。次に謎の盲目の超絶美形人形遣い苏摩(盲目、超絶美形、人形遣いと特徴がてんこ盛り)。最初は云荒に向かう人々の一行に入っていて、那笙と一緒に旅をしていたんです。一行が雪崩に遭った時に那笙の命を助けるので、いい人?と思ったのですがその後那笙を見捨てて姿を消すんですよ。実は冷酷非情な人物?と思ったら実は100年前までは云荒の王室の奴隷として王族に仕えていたのですが彼が皇太子妃になる女性、白璎の額の封印を破ったことが云荒に戦乱をもたらす原因となったらしい。苏摩は鮫族の人間で、ということは鮫族って100年以上生きるの?今回云荒に戻ってきた目的は何?主人公は彼?あと、「手」!「手」よ!「手」!那笙が苏摩に見捨てられて、雪山を一人で進んでいた時に偶然に見つけたのですが、この「手」が那笙に様々な助言をし、一人で云荒に向かおうとする那笙を守ってくれるんですよ。この「手」、自分で動けるし、話もできるんですよ。しかし・・・「手」って・・・ちぎれた「手」ってかなりグロテスクだと思うのですが、ドラマになったらどうなるんでしょう?この「手」はかつて云荒を支配していた王朝の皇太子、真岚らしい。今、かつての仲間が迎えに来て、那笙の前から去っていったところ。あと慕容修。那笙が旅の途中で見つけた、同じく云荒に向かう少年。この子は、中州から云荒に商売に行くところ。お母さんが第二~三夫人(とにかく本妻ではない)かつ鮫族なので中州の家で冷遇されているらしい。今回云荒での商売を成功させて第一夫人に見直して欲しいと期待している。あと、慕容修の旅の道連れとして、みすぼらしい中年男とか、書生とその恋人(?)とか出てきますが、この人たちはたぶん主要人物ではないと思います。というわけで、これらの登場人物、まだ云荒に到着していませんよ( ̄▽ ̄)結局一体誰が主役なんだ?
2021.12.30
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この《镜·双城》は作者・沧月さんが書いた镜シリーズ全6冊の最初の1冊です。だいぶ以前に購入していましたが、冒頭からなかなか入り込めず、5ページ読んでは中断し、再度頑張って読もうとしてもいまいち興味が起きなくて中断し…てなことを繰り返して、今日(日曜日)や~っと第1章を読み終えました!物語は、戦乱の地を逃れ伝説の楽園・云荒を目指し吹雪の中険しい崖を進んでいく一行の描写から始まります。その一行の中で出会った苗族の少女那笙と盲目の人形遣い苏摩の登場が第1章の主な内容。那笙は明るい性格の女の子。人の未来を占うことができるという特技を持っています。苏摩は何か複雑な背景を持っている様子。彼が操る人形苏诺は苏摩にそっくりでまるで人間のような動きをします。云荒を目指して吹雪の中を進んでいた一行は、云荒を目前にして雪崩に遭い、那笙と苏摩を残して皆亡くなってしまいます。その後、二人は雪の中を進んでいき、ついに云荒に…っていう感じ。たったこれだけ読むのに休日の今日休み休みで半日かかっちゃったわ~(;^_^A謎の盲目の人形遣い苏摩(超絶美男子設定)の登場でつかみはOK!というつもりなんでしょうけどこういう少年漫画的な設定に結構飽きちゃっててなかなか先に進めなかったんですよ。今日やっと第1章を読み終えたよ。ゼイゼイ。とりあえずシリーズ6冊あるので頑張って読みます。たぶんこれから面白くなっていく(はず)と思います。それを期待して。で、今日の単語褴褛 lánlǚ(衣服が)ぼろぼろであるこれ、昔中検準1級のリスニングで出てきて印象に残っていた単語です。決して重要語ではないんですけどね。この小説の中では戦乱を逃れて云荒に向かう人々がボロをまとっているという描写で出てきました。いつか筆記試験で出てこないかな~と思っていますが、未だ出題されず(;^_^A
2021.12.12
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いや~…647ページ。長かったわ。5月30日に読み始めて今日7月3日にやっと読み終わり…ゼイゼイ家ではテレビを見てリラックスしたいので主に昼休みお弁当を食べた後の約40分で読み進めました。早く読み終わりたくて途中大雑把に読み飛ばしたりすることもありましたが「読み飛ばした中に今後のカギとなるエピソードが含まれているのかも。」と後から不安に思ってまた20ページくらい戻って読み直したりと余計に時間がかかってしまいました(;^_^A小説の冒頭でいきなり「白嘉轩はその生涯で7人の妻を娶った。」という記述で始まって、その後、白嘉轩が結婚する相手が次々に難産や病気が原因で亡くなるエピソードが列挙されているので、最初「この小説って結婚した相手が次々死んじゃうという不運でトホホな男のお話なのかな?」と思ったんですけどね。そんな最初の予想とは全く違った骨太の群像劇でしたわよ。軸は主人公の白嘉轩なんですけど、彼は物語の主人公にふさわしく鉄の信念を持った頑固親父でした。彼は終始一貫して自分が正しいと信じた道を突き進みます。村に疫病が蔓延し、村人が「これは悪霊になった田小娥の祟りだ。」と神が祭ってある村の祠で田小娥の魂を鎮めようとお祈りをしているんですが、それを見て「祠は神を祭る場所だぞ!なんで悪霊なんかのために祈るんだ?!」(たぶんこんなセリフ。記憶おぼろ)って言うんですね。わたしゃここの部分を読んで「うまいっ!」と思ってしまいましたよ。悪霊にも屈しない鋼の信念を持つ男、白嘉轩 笑。お話は白嘉轩の使用人の息子黑娃や白嘉轩の長男孝文、長女白灵などその時々で話の中心人物が交代します。村のツートップの片割れで白嘉轩のライバル的存在の鹿子霖は白嘉轩とは正反対の権力や名声が大好き人間で、鋼の意思を持つ男白嘉轩と対比させるためか、すぐ誘惑に負ける意思の弱い人間として描かれていました。末路もそれなり。個人的には影の主役は黑娃だと思います。彼は白嘉轩の使用人鹿三の息子なのですが、最初は野生児で本能で生きているような人間でした。物語の終盤で学問に目覚め立派な人間に生まれ変わろうとするのですが最後は…(;´д`)と、自分が現在思い出せるほんのほんの一部分を書き出しましたが、かなりの長編の割にはお話の中心人物が変わっていくので飽きずに読めました。ただ、ラストがねぇ。…中国の人って後味の悪いラストが好みなの?今まで読んだ後味の悪い数々の小説の中で1、2を争う後味の悪いラストでしたよ。何もそこまで貶めなくても。。。とドン引きのラストでした。あと、今回《白鹿原》を読んでいて思ったこと。私、中国語の勉強をするのって検定試験やHSKを受ける時に試験前の1か月過去問をやる時だけなんですよ。だから1年に1回をしか試験を受けない年は一ヶ月しか勉強しないのです、で、今回《白鹿原》を読んでいて「あ、この慣用句は準1級過去問の長文問題に出てきたな。」「これはHSK高等を受けた時に悩んだ単語だ。」と、10年以上前に受けた試験勉強に出てきた言葉を次々思い出したのです。こんだけ覚えているってことは勉強はまあまあ真面目にやってるってこと?結局何が言いたいのかというと「検定試験の勉強も意外と実践に役に立つよ♪」ってことです。実践っていっても小説を読むときくらいですけどね、検定試験の前に勉強したノート(全部とっている。)かなり掘り下げますよ~。四字成語なんて分解して一文字一文字の字の意味まで調べる時もあります。(中国語オタク(;^_^A)趣味でやっているからこそできる寄り道ですけどね。
2021.07.04
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この《白鹿原》という小説、茅盾文学賞という中国で最も権威があるといわれる賞を受賞している偉大な作品なのです。茅盾文学賞って日本でいう芥川賞みたいなもの?って思うでしょ?いやいや、この茅盾文学賞は4年に一回しか選出されないんですよ。芥川賞より価値のある賞と言えると思いません?というわけで、この超マジな文学作品。文章が立派すぎてなかなか読み進むことができず、最初の25ページを4回も読み直してしまいました(;^_^A導入部を読み間違ってしまったら後々困るから!と自分に言い聞かせて、物語の流れが分かるまで何度も最初から読み返しましたよ ゼイゼイ。明るい気分になるようにと用意した陸奥A子先生のしおりも何の助けにもならず 笑。現在、息も絶え絶えになりながらやっとのことで第6章まで読み終えたところです!主人公はたぶん白嘉轩?長編なのであとで主役交代するかもしれないけど。白鹿村には2大勢力の白家と鹿家があり、白家の若旦那、白嘉轩は妻を6人亡くしています。妻が亡くなる原因は難産だったり病気だったり。「いくらなんでもこれはおかしい。」と、白嘉轩は町の陰陽師に相談に行こうと決意します。ある雪の日、陰陽師に相談しようと家を出た白嘉轩は途中で不思議な白い植物を見つけます。その植物が白鹿の形だったため「これは吉兆に違いない!」と確信した彼は植物が生えていた土地を土地の持ち主である鹿家から破格の条件を提示して譲り受けます。(白家の良質な麦畑と鹿家の作物の取れない(不思議な植物が生えていた)坂道と交換)傾きかけていた白家はその土地を手に入れて以後、7番目の妻を迎えます。その妻は前の6人の妻と違って早死にすることもなく、二男一女に恵まれ、家も豊かになっていきます。その後白嘉轩は二人の息子のために村に学校を作るなど、村人から尊敬されるリーダーとなっていきます。そんなある日、街から帰ってきた医者が都で「革命」が起こったというニュースを持ち帰り…。みたいなお話。ところで、お話の中に朱先生という人物が出てくるんですけどね。白嘉轩のお姉さんの夫の朱先生は頭脳明晰で科挙の試験に合格したにも関わらず任官を拒否して山の中でひっそりと暮らしている人物。随所で白嘉轩に的確なアドバイスをします、この朱先生は主役じゃないっぽいんですけど、この朱先生の描写にかなりのページを割いてあるので重要人物ではあるらしい。まあ、何といっても文章がどっしりしているので読むのになかなか骨が折れます。しばらく中国語に触れていなかったので色々忘れている(;^_^A特に一文字の動詞は手ごわいわ~。撂liao4①(乱暴に)置く.放る.②倒す.③放棄する.うち捨てて顧みない.摞luo4①積み重ねる.積み上げる.②〖量詞〗積み重ねたものを数える.特に撂は中国語を勉強してきてこれまで10回以上辞書で調べたのに今日もまた調べちゃったわ~。←なぜか辞書で調べたことは覚えているという…。よしっ、今日はちゃんと覚えたわよ! …たぶん 笑。
2021.06.06
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中国語の小説というと、ここ最近はラノベの類が主だったので「たまにはガツンと文学!!って感じの小説を読まないと。」と常々考えていました。私、実はこの4月に転勤しておりまして、現在の部署には業務の関係で月1回中国人の通訳の人が来るのです。で、先日その通訳さんが来られたのですが、私、隙を見てその通訳さんのデスクに近づき、いきなり「あの、こんにちは!私趣味で中国語の小説を読んでるんですけど、最近良い本が見つからなくて…。あなたが今までに読んだ本で良かったなと思った小説を教えていただけませんか?ちなみに私が今までに読んできたのは琼瑶、海岩、金庸とかですけど。あと《围城》は大好きで4回くらい読みました!」って話かけたんですよね。初対面なのに自己紹介もせずにズカズカと笑。おばさんは面の皮が厚いんですわ ワハハ。その通訳さん、最初私のいきなりの話かけにびっくりしていたのですが、自分の手帳を破って(私は「あっ破らなくも!メモ用紙持ってきます。」と言いましたけど)「余华、それから郁达夫…老舎、巴金、鲁迅も教科書で習いますね。」と紙に書きながら話してくれました。私は「郁达夫は知りませんねぇ。老舎、巴金は本は持っていますが難しそうなのでずっと置きっぱなしにしています。鲁迅は《阿Q正传》を読みました。余华は《兄弟》と《活着》を読んだかなぁ?」と通訳さんの話の合間に↑のような話をはさみながら聞いていました。通訳さんが名前を出した老舎、巴金って、中国語学習者ならいつかは読むべき作家さんなんだろうけど自信ないなぁ…と密かに思っていたら、その通訳さんが「あっ、そうそう、作者名は忘れましたが《白鹿原》は良かったです。茅盾文学賞を受賞しています。」と紙に《白鹿原》と書きながら言ったんですよね。私、そこでなんかピンとくるものがあって、その通訳さんと話した後早速ネットで《白鹿原》を検索し、茅盾文学賞を受賞した作品でドラマ化、映画化もされている小説だということを知りました。ドラマ化されるってことはかなり人気小説、つまり面白い小説に違いないと考えて即座にネットで注文。今日届きました。《白鹿原》。内容が重そうなので、和らげるため、しおりは陸奥A子先生をチョイス!今のところ、ほんの導入部、15ページしか読んでいませんが、白嘉轩という男性が生涯で7回結婚した…みたいなお話です。白嘉轩が結婚する女性たちが難産とか病気とかで次々死んでいくんですよね。で、今、なにかおかしいと考えて陰陽師に相談に行こうとしているところです。主人公が白嘉轩かどうかもまだ分かりません。645ページもあるのでかなり壮大なストーリーみたいですよ、ワクワク♪♪最近余暇時間はお笑いの動画ばっかり見ていて「これではいけない!」と思っていましたので、しばらく名作文学に浸るわ~。
2021.05.30
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《且试天下》の読後感が全くすっきりせず、「なんでこんな小説が中国では人気だったのか?」と考えていましたが、今日の昼間、なんとなく答えが見つかりました。1.主人公は江湖を自由気ままに渡り歩く女侠・白风夕(美人)と、 謎の貴公子・黑丰息(美男)。二人は江湖の人々から“白风黑息”と呼ばれ お似合いの名物コンビとして有名である。二人は江湖で楽しい日々を過ごしていた。2.実は白风夕は青国の王女・风惜云で、父王が危篤状態となったため江湖を離れ 国に帰り父王の死後、青国の王の座に就く。更に黑丰息も実は雍国の王子という 身分であり、风惜云と同時期に父王が亡くなったため雍国の王・丰兰息となる。3.青国王・风惜云と雍国王・丰兰息は戦乱の世を統一するために協定を結び、 周囲の国を攻め落としていく。二人の前に立ちはだかるのは冀国の王、皇朝。4.数十万の兵を率いて戦っていた风惜云は皇朝が放った矢により瀕死の重傷を負う。5.丰兰息は风惜云を助けるため“雪老天山”という秘技を使う。 その結果、风惜云は完全に回復するが丰兰息は老人のような姿になってしまう。6.风惜云は「戦いでたくさんの人が死ぬのはもう見たくない。江湖にもどるわ♪ 青国のことは丰兰息、あなたに任せたから(^-^)」と丰兰息に言い残して姿を消す。 丰兰息は「あのくそアマ<(`^´)>」と激怒 笑7.风惜云が去った後、忙しく政務に精を出す丰兰息。ある日、窓の外に白い衣をなびかせた 风惜云(今は江湖の女侠・白风夕ね)が立っていて 「私、一つ足りないものがあるって気づいたのよ。それが手に入らないと死ぬ時 きっと後悔するわ。」と丰兰息に言うのです。8.丰兰息は白风夕のこの言葉に「これは驚いた。お前が安心して死ねないと思うほど 気がかりにさせるような物があったとはな。」と嬉しそうに返答。9.白风夕は「私はあなたをさらっていく!文句はないでしょ?」 それに対して丰兰息は「私をさらってどうするつもりだ?」 それに対して白风夕は「当然さらって私のお婿さんにするに決まってるでしょ?」 …って感じで白风夕は丰兰息(江湖では黑丰息ね)を連れ去る。10.その後二人は江湖で自由気ままに仲良く楽しく暮らした。。。らしい。大雑把にいうとこういう感じのストーリーです。(本当にめっちゃ大雑把です(;^_^A)私が、なにこれ!ひどい(@_@。!と思った個所は7~10の少女漫画的ラスト!主人公カップルが国王の身分にあった時は数十万の兵を率いて戦っており、二人は君主として尊敬されていて、兵士たちも王のために命を懸けて戦っていたわけですよ。実際、そこの部分の描写は結構詳しくて「我らの王こそが天下統一の覇者!」とばかりに王のために命を落としていく兵士の詳しい描写もいくつかあります。そんな、大勢の命を握っている一国の王がそんなにあっさり国を捨てるだとぉ?!それも恋愛のために?!無責任だ!無責任すぎる!彼らのために命を懸けて戦っていた兵士たちの思いはどうなるんだ?!と怒り狂ってしまい、昼休みに隣の席の同僚にこの怒りをぶつけてしまいました(同僚は「は?」という反応でしたが。)で、今日は連休でヒマだったので、こんな小説が中国ではなぜ売れたのか?そして私はなぜこんなに怒ったのかを考えていましたが、答えが分かりましたよ。理由は私が大人だからですね~。上のストーリーの7~10は私から見ると無責任すぎる行動ですが中高生女子から見たら「キャ~(●^o^●)さらっていくとかロマンチックぅ~!それに女が男をさらっていくなんて新しくない?」とか思うかもしれませんね。よく考えたら、この小説、若い子向けの読みものでしたよ。「国を背負う責任はどうなる?」なんて面白くないことは考えていませんよね。おばちゃんは頭が固かったよ。これはあくまでもファンタジー小説なんだよね。そう考えたら面白いよね。牧村ジュン先生の漫画、幼稚園くらいのころ夢中で読みました。古本屋で発見したので懐かし~と思って買いましたが、やはりストーリーが受け入れられなかった…。大人になるって悲しいよね。
2021.05.01
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以前の記事を確認したところ、この《且试天下》は今年の1月30日に読み始めていますね。ここ最近お笑いにどっぷりつかってしまって余暇時間のほとんどをお笑いの動画鑑賞に費やしてしまっていたのと、この小説の内容になかなか入り込めなかった、という二つの原因で読み終わるのにかなりの時間がかかってしまいました。う~ん(=_=)私の読解力が無いだけなのかもしれませんが、ストーリー運びが安易というかなんというか。江湖を自由奔放に渡り歩く女侠・白风夕、彼女の真の身分は青国の王女・风惜云。白风夕をサポートする謎の貴公子・黑丰息、彼の真の身分は雍国の皇太子・丰兰息。腕の立つこの二人のコンビは“白风黑息”と呼ばれ江湖の実力者の間でも有名コンビです。あと、金色の瞳を持つ皇子・皇朝とか皇朝を補佐する美青年・玉无缘とか、他にも美男美女がた~くさん出てくるので、最初の設定ではかなりおもしろくなるはずなんですけどね。いまいち乗り切れなかった。。。(=_=)最初は江湖を渡り歩く白风夕と何かというと彼女と絡んでくる黑丰息のコメディタッチも交えながらのちょっとワクワク♪なスタートなんです。白风夕は、父王が亡くなったので、王位を継ぐために国に帰り青国の王・风惜云となります。黑丰息も同じように国に帰り雍国の王位を継ぎ、雍国の王・丰兰息となります。ここから、主人公の二人が王となったここからなのよね~。急に面白くなくなるのは。武功の腕だけで江湖を渡り歩いていた女侠・白风夕は王となった途端、真面目~で冷静沈着な人物になってしまうんですよ。ちなみに黑丰息は江湖で謎の貴公子をやってた時も王になってからもクールな雰囲気はあまり変わっていません。で、この二人が青国と雍国の同盟のために結婚することになるのですが、これって政略結婚?でも元々この二人は両想いなのでは?と色々疑問が。とにかくとにかく、主人公二人が王位を継いでから以降、二人の気持ちが伝わってこないのよ(;゚Д゚)じれったいったら!!《三生三世十里桃花》なんてさぁ。最初から最後まで夜华の白浅に対する愛にあふれた描写でハートを掴まれっぱなしだったのに。この《且试天下》では二人の気持ちが伝わってこない!二人とも王なので表面上は冷静でもいいんだけど、内に秘めた激しい愛!みたいな描写が読みたかったわぁ(←欲求不満)残念~。いちおう、上巻の最初に「人物紹介」のコーナーがあり、そこで詳しく詳しく登場人物の紹介がしてあります、そこで主人公・丰兰息を白风夕は兰丰息の生命に溶け込み、血となり骨となり、彼の半身とも言える存在なのだ!白风夕は感情というものを持たなかった兰丰息に感情を与え、そのことにより白风夕は兰丰息の唯一の弱点となった。不運にもこの唯一の弱点こそが彼の致命的な弱点となってしまったのだ!ジャジャ~ン!と紹介しているんですよ。私、最初「わ~。またまたおばさん好みの激しい愛のお話が読めるのね(●^o^●)」とワクワクしていたのですけどね(←欲求不満)。結局、この最初の「人物紹介」が一番ドラマチックだったという。。。がっくし。江湖の場面と王宮の場面で、人格がガラリと変わる白风夕(风惜云)の人格がにいまいち馴染めませんでしたね~。別々の二つの物語を読んでいるようでした。あと、江湖を一緒に旅していた韩朴とか、途中で姿を消した白琅华とか、皇帝の象徴とされる玄极とか、他にも色々な人物や物が決着がつかないまま物語が終わっていて消化不良でした。韩朴や白琅华は「番外編」でその後が描かれていますが、最初みんながあんなに血眼になって奪い合いをしていた玄极はきれいさっぱり忘れられました。とにかく、まとまりに欠けた小説でした。(あくまでも個人的感想ですからね。)これは楊洋主演でドラマになりますが、原作がまとまっていないので、もしかしたら「原作よりドラマの方が出来がいい」という事態になるかもしれませんね。ネタバレなので書けませんが、ラストには本当に呆れました。昼休みに読みましたが、あまりにもご都合主義なラストに「そんな無責任な!マジ?」「夢見る少女漫画じゃあるまいし!」「主君に天下を取らせるために命を懸けて戦ってきた家臣の気持ちは?」とストーリーを全く知らない隣の席の同僚に↑のようなことを愚痴ってしまいました(;^_^Aこれ、中国国内で結構売れたのよねぇ。なんで?
2021.04.29
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もうどうにも中検の勉強したくなくてさ~。先週からずっと読みかけの《且试天下》(上)を読んでいました~ん(;^_^A主人公は、風のように自由に江湖を渡り歩く女侠・白风夕(イメージカラー:白)と謎の貴公子・黑丰息(イメージカラー:黒)。名前の読み方が同じ二人(feng xi)この二人のコンビは“白风黑息”と呼ばれ、江湖では知らぬものがないくらい有名です。舞台は架空の国で、大東帝国を中心としてその他7つの国があるのですが、現在「王の中の王」である大東帝国の力が弱まっていて、その他7つの国が次の王となるべく虎視眈々と覇権を狙っているところです。いわば戦国時代。自由人、白风夕は、何者かに襲撃され家族を全員殺害され孤児となった韩家の韩朴(10歳)と一緒に旅をしますが、この韩朴との旅のシーンが日本の「水戸黄門」とか「素浪人月影兵庫」とかのロードムービー時代劇っぽくて面白かったわ~。白风夕は武功の腕はありますが、お金を持っていないため、通りがかった黑丰息にたかったり知り合いにご飯を食べさせてもらったりとかなりの図々しさ 笑。あとは賭場でお金の替わりに韩朴(器量よし)を差し出して賭けに勝ちお金を儲けたりとかなり行き当たりばったり。しかし、旅の途中で青国の王が危篤と聞いた白风夕は青国に帰ることにします。実は彼女は青国の王女・风惜云だったのです。おまけに江湖で白风夕とコンビを組んでいた黑丰息は実は雍国の皇太子だったのですよ。本名は丰兰息。青国の王である父が亡くなったため、风惜云(白风夕)は新しい青国の王となります。青国の大軍を率いて冷静に戦いに臨む青国の女王・风惜云(白风夕)、それを陰で見守る丰兰息。その後风惜云は丰兰息と結婚することになりますが、この結婚は政略結婚なのか?はたまた江湖における十年来の仲間である二人・白风夕と黑丰息の間に愛があったのか?っていう感じの所で(下)に続く。簡単に言うとこんな感じのお話よ。純愛ものなのか?国盗り物語的なお話なのか?いまいち大筋が見えません~。私が読みきれていないだけかもしれませんが。個々の場面はいちいち無駄にドラマチックだし、主人公の二人の他にも美男美女がどっさり出てくるのでドラマになったらさぞ映えるだろうなとは思います。しかし主人公が二人とも二つの顔を持っているというのは少しやりすぎなのでは?あと、主人公二人の気持ちが今のところ全く見えない!(下)で劇的に面白くなることを期待してがんばって読みますよ~!
2021.02.25
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土曜日~( ̄▽ ̄)今日も市民センターに中国語の勉強しに行くぞ~!と、昨夜からやる気満々だったのですが、今朝起きた時間が午前8時!寝過ごした~<(`^´)>市民センターが開くのが8時半。顔洗って朝ごはん食べて歯磨きして着替えたりしてたらどうしても市民センターに着くのは午前9時近くになってしまう。。。。そしたらお気に入りの席はたぶんもう塞がっているだろう。って考えたら今日はもう勉強やる気無くなっちゃってテレビを見ていたのですがいちおう中国語関連の何かやんないと、ってことで読書読書。倾泠月著《且试天下》。去年、楊洋がこの小説を原作にしたドラマに出る?というネットニュースがあって、「ドラマ化が噂されるくらいの小説ならさぞ面白かろう。」と考えて購入していたのです。最近の小説によくある架空の世界を舞台にしたファンタジー。7つの国の王が天下を統一する覇者の座を巡って争いを繰り広げる・・・っていうのが大筋らしいのですが、主人公は女性。白风夕 - 一人で江湖を渡り歩く飄々とした雰囲気を持つ女性。 武術の腕は並ぶものがない。 とにかく自由。何にも縛られず自由に生きている。 と、この白风夕という女の子が主人公なのですが、本の冒頭にある人物紹介によるとこの白风夕にはもう一つ风国の王女という身分があるらしい。あと、この白风夕と絡む黑丰息という謎の貴公子が出てくるんですけど、この人も人物紹介によると丰国の皇子というもう一つの身分があるらしい。というわけで、冒頭の「人物紹介」で結構ネタバレしている???普通なら小説のストーリーの中で「えっ?あなた実は丰国の皇子だったの?!」となるはずじゃないですか。なのに冒頭の人物紹介でいきなり裏の身分を明かすってどういうこと?もしかして、先に人物紹介しておかないといけないくらいめっちゃ分かりにくい小説なの?と、のっけからちょっと不安な読み始めでした。今日は60ページまで読みましたが、やはり「人物紹介」があってよかったかも。人物紹介がなかったら絶対人物関係がこんがらがって読むのをあきらめていたと思います。自由人、白风夕は現在とある事情で孤児となった韓朴という男の子と気の向くまま旅しているところ。旅の途中で皇国の皇子・皇朝と出会いちゃっかり食事をご馳走になっています。覇者の印といわれる「玄极」は、今のところ皇朝が手に入れました。今後この「玄极」をめぐって争奪戦が繰り広げられるんでしょうか?というわけで、まだまだ読み始めですが、なかなか入り込めません。掴みが弱い感じです。頑張ってもう少し読み進めたら面白くなるのかな。期待します。
2021.01.30
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