別ヴァージョンの人間史 by はやし浩司

別ヴァージョンの人間史 by はやし浩司

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2007.08.21
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カテゴリ: 日々の随筆
【今朝・あれこれ】(8月21日)

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今朝は、目をさましたとき、
寒さを感ずるほどだった。
このまま暑さがやわらいで
くれるとうれしい。

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●ひとりの老人 

介護センター(特養)は、介護度によって、部屋が分かれている。母は介護度が5に近い4だから、いちばん重度の老人たちが集まる部屋にいる。全体で、10~15人ほどのグループになっている。そのうち数人は、鼻からくだを通したままで生活をしている。

 その中に、1人、背の高い男性がいる。いつも帽子をかぶっている。食事のときだけは、介護士の人が帽子をはずすのだが、その食事が終わると、すぐ自分でかぶってしまう。こうした(こだわり)は、老人の世界では、珍しくない。

 介護士の人に手を引いてもらえば、トトトという感じだが、歩ける。まだよいほうだ。それに食事も、自分でできる。私はいつしか、母を見舞うたびに、その男性のことが気になるようになった。見た感じでは、長い間、知的な生活をしてきたような男性のようだ。今は無表情で、反応もほとんどない。が、顔には、その痕跡がしっかりと残っている。

 その男性がどういう人だったのかということについては、だれも教えてくれない。聞いても、「教えられないことになっていますから……」と言って、断られる。だから私も聞かない。こういう世界では、(今の姿)が、すべて。ここに住む老人たちには、未来もないが、過去もない。

 しかしその老人は、そのまま私の近未来の姿でもある。「ああはなりたくない」と思っても、強力な磁石で引きつけられるように、やがて私もああなっていく。例外はない。またそれを避ける方法もない。70歳のときはだいじょうぶでも、80歳になるとわからない。80歳のときはだいじょうぶでも。90歳になるとわからない。遅かれ早かれ、そのときは、私にも確実にやってくる。

 が、不幸かといえば、そうではない。介護センター(特養)へ入居できるだけも、ラッキーなほうだ。24時間態勢で世話をしてもらえる。母にしても、「トイレへ行きたい」と一言、声をかければ、そのままトイレへつれていってもらえる。国の補助と私費を加えれば、1人あたり、35~40万円(月額)の世話をしてもらえる。ハンパな額ではない。

 実際には、「入居待ち」といって、入居届けを出してから、実際に入居できるまで、みな、半年から2、3年は待つ。介護度が高くても、入れるとはかぎらない。大声を出して暴れたりするような老人は、嫌われる。ふつうは入居できない。病気治療が必要な老人も、入居できない。入居に先立って、面接があるのは、そのためと考えてよい。

 で、冒頭に書いた男性だが、介護士の人が話しかけても、まったくの無表情。視線も動かさない。ぶ然とした表情で、食事をしたり、テレビを見たりしている。あとは一日中、その場所で、座っているだけ。「私なら、一日とてそんな生活には耐えられないだろう」と思うのだが、おそらく、辺縁系の中の帯状回あたりが損傷しているのだろう。(やる気)そのものが、起きないらしい。

 では、どうすればよいのか。私はその男性を見ながら、いろいろ考える。

(1) 生きがいというより、(やるべきこと)を今から見つける。
(2) 肉体の健康と、脳みその健康を維持する。
(3) いろいろなことに興味をもち、バリエーションを広くしておく。

 もっともそれをしたからといって、5年先にやってくることを、10年先に延ばすことができるだけ。へたをすれば、(ムダな長生き)ということになってしまう。……とまあ、考えは堂々巡りする。そして私が得た結論は、こうだ。

 「とにかく、今を大切に生きよう」と。今、この時点で、(やるべきこと)を見つけ、肉体の健康と、脳みその健康を維持する。いろいろなことに興味をもち、バリエーションを広くしていく。老後になってからでは、遅いし、また老後になってから、それを始めても、意味はない。

 老人たちの世界を見るようになって、私の世界は、ぐんと広くなったように思う。人は、子どもの世界を見ながら、自分の過去をみる。しかし老人の世界を見ることによって、今度は自分の未来を見る。

 グラフにたとえていうなら、それまで「正の世界」しか知らなかった人が、「負の世界」を知るようなものかもしれない。介護というのは、重労働である。子育てには、まだ(未来)という(希望)がある。しかし介護には、その(希望)もない。だからそれから発生する精神的な負担感には、相当なものがある。それが重労働を、さらに重苦しいものにする。

 しかしそんな介護でも、ほんの少しだけ視点を変えると、それをそのまま自分の人生観の中に生かすことができる。自分の人生をより豊かにすることができる。おかしなことだが、介護センターから出たとたん、私とワイフは、いつもこんな会話をする。

 「あれもしよう」「これもしよう」「今のうちにしておこう」と。

 あの男性は、あの男性なりに、私に、それを教えてくれている。


●健康

 昨日は、2単位(40分x2)も、運動をした。あとで知ったのだが、気温は、36度を超えていたという。全身、汗ダクダクでの、2単位である。

 おかげで今朝(8月21日)は、気分爽快。体も軽い。よかった。私はまだまだ現役。現役でがんばれそう。

 で、私のばあい、脳みその健康度は、将棋で知ることができる。毎日、1回は、パソコン相手に将棋をさす。それが脳みその健康度を知るための、一つのバロメーターになっている。相手はパソコンだから、能力はいつも一定している。

 それに簡単に勝てるときは、脳みその調子もよいということになる。反対に、簡単に負けるときは、脳みその調子は悪いということになる。

 昨夜は、簡単に負けてしまった。これは暑さのせいだと思う。暑いと集中力がつづかない。


●マガジン1000号

 もうすぐマガジンが1000号になる。ときどき、「1000号になったら、どうしよう」と考える。しかし結論は、こうだ。

 「号数に関係なく、そのまま書きつづけよう」と。

 1000号を超えたら、もう号数は気にしないようにしよう。書けるときまで、書く。それでよい。できれば、読者のみなさんには、まぐプレ(月額300円)の有料版を読んでほしいと願っている。しかしこれはあくまでも、「できれば……」という話。


●三男

 三男は、今、タイ人の友人と、タイへ行っている。昨日、成田を発つと電話があった。タイ人の友人というのは、バンコックで、JALに勤めている友人だそうだ。成田空港へ研修に来ていたらしい。

 ところで昨日、沖縄の那覇空港で、台湾の飛行機が爆発炎上した。私もワイフも、その模様をテレビで見ながら、一言も口をきかなかった。最後に、飛行機の爆発と同時に、機長が窓から脱出する様子もテレビで流された。瞬間、目頭が、ジンと熱くなった。機長というのは、そういうものだ。

 三男がパイロットになると言ったとき、私は三男にこう言った。「お前は、最後の最後まで飛行機に残る覚悟はできているか」と。それに答えて三男は、こう言った。「その覚悟はできている」と。

 あの機長も、最後の最後まで、飛行機に残っていたらしい。乗客が全員脱出してから、窓から外に出た。爆発と同時に、下に落ちた。が、下で、数人の人たちに体を受け止められたようだ。よかった。ほっとした。

 このところ、飛行機事故のニュースを聞くたびに、ドキッとするようになった。が、一言。

 みなさん、飛行機に乗るなら、JALにしなさい。パイロットの「質」がちがう。外国では、空軍のパイロットだった人が、そのまま民間機のパイロットになるようなケースが多い。が、日本は、ちがう。訓練の度合いがちがう。

 とくに航空大学の卒業生は、ちがう。2年間という全寮制の大学で、みっちりと訓練を受けている。が、それだけではない。さらに入社してからも、この先1年半程度の訓練を受ける。とくにJALの訓練は、きびしいことでよく知られている。「パイロットなら、みな同じ」と考えるのは、正しくない。

 免許証にしても、この日本では、ふつうの飛行免許証のほか、双発機用免許証、事業者用免許証、計器飛行用免許証などなどが必要。気象予報士の免許証も必要だし、1級通信士の免許証も必要。さらく旅客機ともなると、機種ごとに別々の免許証も必要。つまりこの日本では、それくらい安全運行には、力を入れている。

 安いから……と、台湾の飛行機に乗っていると、あぶない。そうそう同じ国内便でも、JALだけは、国内で飛行機の整備をしている。それも忘れてはいけない。

 飛行機は、JALで! 多少値段は高いが、あなたの命には、かえられない!






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Last updated  2007.08.21 09:18:56
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