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時間を節約して心がすさんでいく現代人と
時間どろぼうと
その時間を人々に取り戻してくれた女の子のお話なんだけど
私自身、そんな現代人ぽさに取りつかれていたようで
前半のほとんど、時間が惜しくてパラパラと
飛ばし読みをしていた(笑)
しかし後半になるにつれて、
物語のクライマックスでそうなるのと同じように
私の時間の進み方は少しずつ止まったようになってきて、
最後の数章は、まるまる全部読むことができました。
ちょっと不思議でした。
私が今まで小説を読んでこなかったのはまさにこれで
どこか時間の無駄のように思えてしまっていたところがあったのです。
自己啓発本とか、実用書とか
日々の生活にすぐつながるとか、役立つことはよく読んできたんだけど。
ほんと、今考えると現代人ぽくてやだなぁ。
そんな私がこの本を手に取ったことは、
きっと神様の粋なはからいだろうと思います。
自分に起こったことには、やっぱりいつも意味があって
神様が私に足りないものを、
身近な人や、出来事に姿を変えて
伝えてきてるんだろうなぁ、とよく思ったりします。
神様っていうのは、宗教とかそういう意味ではないのですが。
それできっと今回、神様は妹の手を借りたんでしょう。うん。
ちなみに、読んでいてつい目がとまって離せなくなった一文は
「人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。」
だった。
やせほそる、というのがとてもリアルに感じて
しばらく、ここから目が離せなかった。
そうそう、それから数日前のブログで
私は理論立てた文章のほうがどちらかといえば得意で
歌詞が書けない、と書いたけど
その理由も、何となくこれだったのかなぁ、とわかった。
実用的な文章ばかり読んできて
物語を読んでこなかったのに
読んでこなかったものを書けるわけがないのかも
本当にこの物語の中では
人は、特に主人公のモモは、本当にかんたんな言葉で言うんだ。
すごくはっとすることを。
それで私の心は、何だか洗われるようだった。
そう、きっと心を表現するってこういうことだって。
難しい言葉を使おうとするのは、頭で考えて
理屈をつけようとしているんだ。
何だかとても、私になかったものをいろいろ知った。
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