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2005年06月16日
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カテゴリ: ポンポコ日記

百恵ばあちゃんが亡くなったのは、春、桜の季節である。
連絡を受け、百恵ばあちゃんの家を訪れた。
百恵ばあちゃんは静かな顔で横たわっていた。
穏やかな表情をしていた。
しかしあのニコニコの笑い顔はそこにはなかった。

私は通夜を手伝う事にした。
当時、私の故郷では、通夜は自宅で、葬儀は自宅か寺でやるのが一般的であった。
通夜は文字通り、家族、親類縁者が夜通し起きて、死者を送り弔らった。

私は夜の9時過ぎまで家の前で受付の手伝いをした。
それから、親類の方や近所の方に交じって、祭壇の前で酒を飲みながら、ばあちゃんの生前の
話にふけった。
何故かしら、親戚の方の中に私のことを知っている人がいて、他の方に話している。
「へエー」
「ホントに!」
「まあ!」
私のことを聞いた方は決まって、私の方を見つめ、そしてニコニコしたり、くすくす笑ったりした。

そのうち、残っているのは、ほとんどが親戚縁者になると、座から堅苦しさはなくなり、くつろいだ
雰囲気になってきた。
その頃になると、私は親類の方達とも親しくなり、そして、酒が進んだ。

暫くして、私は、祭壇のロウソクが消えかかっていることに気付いた。
新しいロウソクに替えるために、祭壇の前に座る。
その頃、私はすっかり出来上がっていた。
後ろから友達が
「おい百恵ばあちゃんのために、お経をあげてやれよ!」
と声をかける。
「えっお経が出来るの?」
親戚の一人がビックリして声をあげる。

亡くなった祖母が時々お経をあげていた。
幼い頃それを聞いていた私は、簡単なお経をうろ覚えに覚えていた。
止せば良いのに酔っぱらった私は、数珠を持ち、お経を唱え始めた。
うろ覚えのお経は酔いのために一段と怪しい。
鉦を敲く。酒で力の加減がおぼつかなく、鉦はぐらぐら揺れる。

くすくす… やがてウァッハッハ…
私のいい加減なお経に、座は笑いの渦。
敲いたことのない木魚を敲く頃には、笑い声で私のお経は聞こえない位だった。
敲く度に木魚は揺れ、祭壇が揺れた。

「おいおい力の入れ過ぎだよ!」
友達が心配して声をかける。
「大丈夫だよ。これ位でないと、あの世まで聞こえないよ!」
「まだあの世までは行ってないよ!」
「えつ?」
「だってまだ葬式前だし、骨焼いてないし…」

慌てて百恵ばあちゃんの遺影を見る。
心なしか厳しい表情をしている様にも見える。
私は繰り返していたお経を端折って無理矢理終わらせることにした。
ポクポクポク…
テンポも早くなる。
祭壇は一段とぐらぐら。
ようやくお経の最後の部分。
ホッとした私は最後の鉦を力強く敲いた。
チーン!
…一寸力強過ぎた。
ごろごろごろと鉦が転がった。
祭壇が一段と波打つ。
そして…
ガターン!
遺影が滑り落ちた。
私は慌てて前のめりになり、お棺越しにそれを受け止めようとする。
シッカと遺影を受け止めたが、一寸前のめりになりすぎた。
お棺に抱きつく様な形になり、祭壇にぶつかる。

一瞬間をおいて、祭壇が音を立てて崩れ落ちた。

シーンと静まりかえる室内。
やばいなー…
私はそっと後を振り返った。
皆こちらをじっと見ている。
そして…
次の瞬間爆笑の渦。

「あーあ! やっぱりばあちゃん、彼のことが心配で心配で戻って来たんだ!」
「これじゃー成仏出来ないわねー!」
皆好き勝手なことを言いながら笑い転げている。

それから座が弾む事弾む事。
不謹慎のそしりを免れないが、本当に座が弾けにぎやかになった。

百恵ばあちゃんの長男の方が言う。
「いや、こっちの方が良いよ。
ばあちゃん、賑やかな事が好きだったから喜んでるよ!」
「そうそう」
相づちをうちながら皆の笑いが続く。

それこそ生きた心地がしなかった私に、
「気にするな。ばあちゃん、逢いに来たんだよ」と皆さん声をかけてくれ、そして盃に次々に酒をさす。

朝。
小用に立った私は、親戚の女性が一人、玄関の土間に立っていることに気付いた。
こちらに向けた背が波打っている。
泣いているのかと思い、直ぐには声をかけられなかった。
暫くして
「どうかなさいましたか?」
と声をかけると、その方は、顔を上げて振り返った。
笑い顔であった。
「いやー、いくら何でも、笑い転げながら出ていくわけにはいかないでしょう!
通夜やってたんだから。隣近所の方から何て言われるか分からないわ!
今、呼吸整えて、表情作ってるの!」
その方はそう言うと、2・3度大きく深呼吸をして厳しい表情をして出て行かれた。

暫くして、私も友達の家を出た。
一寸と霧が出ていた。芽吹き始めた木々の葉がしっとりと濡れている。
桜の花びらが落ちてくる。
辺りからは、まだ暮らしの音は聞こえなかった。
私は、何となく友達の家の方へ振り返った。
一寸、上を見回す。
まだ百恵ばあちゃんが、その辺りにいる様な気がしていた。





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Last updated  2005年06月17日 11時34分35秒
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