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今日から7月に入りました。そんなわけで、6月に読んだ本のまとめです。2013年6月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:2472ページナイス数:98ナイスお友だちからお願いしますの感想三浦さんならでは…な節回しに思わず笑ってしまうこと何度か。気分転換に少しずつ読み進めるのがいいかも。表紙が素敵だな~って思います。読了日:6月1日 著者:三浦 しをん桜ほうさらの感想ものすごく辛いことが起きても、生きていくことが、ただただしんどくても、宮部さんの時代物を読んでいると、「きっと何とかなる」って開き直れる、そんな強さを感じるみたいです。長屋に住む人々同士の繋がり方も温かいです。やっぱり宮部さんはすごい…宮部さんの書かれるものにはずれはないなって思います。読了日:6月9日 著者:宮部 みゆきBRUTUS (ブルータス) 2013年 6/15号 [雑誌]の感想いろんな古本屋さんが紹介されていて面白い。ひとつのジャンルに精通していたり、お店の個性が伺えるところが実に興味深い!遠方の書店ばかりなので、一軒一軒巡るのは難しいけど…行ってみたいなーという夢は膨らみます。読了日:6月10日 著者:銀婚式物語の感想続きが出ていたんだ~!って先ずびっくりして。読んでみたら陽子さん、正彦さんのことがひたすら懐かしくて、お二人とも変わらないなーと思いつつ、25年の歳月には重みを感じたりして…つい、ほろりとくるものが。いつまでも、いつまでもこんな二人のままでいて欲しいです。ファージ、長生きしたんですね。そういえば我が家で昔飼っていた猫も、鼠を連れて来ては部屋中スプラッタ状態にしてくれたなあ…^^;読了日:6月11日 著者:新井 素子人魚姫 探偵グリムの手稿の感想登場人物(犯人候補)の範囲が狭い分、結末に予測がつきやすかったな、物語に広がりがなかったかなと感じました。童話をテーマに、子供も読めるように書かれてる辺りがもの足りなく思えたのか…自分的にはもっと大人向きに、「毒」のような部分も欲しかったです。(ないものねだりですね…)読了日:6月16日 著者:北山 猛邦ブルーマーダーの感想映像化された作品から入って、原作本を読むのはこれが初めて。暴力団とか出てくると展開が何でもありになっちゃう先入観があって敬遠してました。ミステリじゃなく、警察小説として読めばいいことにやっと気づいた^^;映像化作品から入った分登場人物が役者さんのイメージで想像しやすい。この作品も映像化してもらえたらいいな、と思います。読了日:6月18日 著者:誉田 哲也キアズマの感想後半、たたみかけるように読んでしまう。主人公たちが感じている疾走感、背負っている業のようなものまでも、一緒に味わっているように感じさせる文章に毎回やられてしまう…!とても好きなシリーズです。続きが出るようなら嬉しいです。タイトルの意味だけが今回ちょっとわからなかった(笑)読了日:6月22日 著者:近藤 史恵読書メーター読書のペースはなかなかあがらず。それでも、以前より読めているのではないかと思う今日この頃。気温が上がってきたらそれも難しいかな。夏の文庫フェア、いろいろはじまってるみたいですね。角川書店と新潮社の小冊子を貰ってきました。図書館本すら読み切れずに返却してしまってる状況で自分で購入した本をひたすら積んでいく行為が許されるとも思えず。ジレンマ抱えてます…。でも、十二国記の新刊『丕緒の鳥』は購入してきちゃいました。新作…何年待ったことでしょう。この本が読めるよう、図書館から借りてる本を早く読み終えられるように頑張ります。
2013.07.01
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5月に読んだ本です。2013年5月の読書メーター読んだ本の数:5冊読んだページ数:1457ページナイス数:57ナイス空耳の森 (ミステリ・フロンティア)の感想シリーズ外の短編集だと思って読んでしまった^^;シリーズ2作目が未読だったので、(1作目もかなり前に読んだので)思わせぶりな記述がすごく気になる…。シリーズ物ならその旨あらすじのところにでも書いてくれればいいのに~。そんなわけで順不同になりますが、これから『アルバトロスは羽ばたかない』を読み始めます☆読了日:5月1日 著者:七河 迦南アルバトロスは羽ばたかないの感想先に「空耳の森」を読んでしまったのだけど、それでもこのラストに気付けませんでした。読後、再度「空耳…」を読み返したらいろんな記述に納得がいき、最後の展開に胸が熱くなりました。希望は“にもかかわらず”持つもの…一人ひとりの子供たちが抱え持つ背景が重いものだけに考えさせられること多かったです。読了日:5月8日 著者:七河 迦南キラリキラリの感想かくたみほさんの写真、好きです。写真の向こう側に、写真におさまり切れないほどの眩しい光を感じるところや、空気がやわらかく伝わるところや、視線の向けられる先にはっとするところなんかが。大事にしたい写真集です。読了日:5月17日 著者:かくたみほ少年十字軍 (一般書)の感想宗教の是非、信仰の有無は別物として考えた方がいいんじゃないか、とこういう物語を読むたび思います。「十字軍」など、神の名をかたるものの、醜聞に満ちた行為も多く、げんなりすることが多いけど、純粋な気持ちで信仰している人も多かったわけで一概に否定することも難しい。無垢と狂信は紙一重…。子供であることが、非力であることが、理不尽な選択ばかり強いられることがとてももどかしく感じる物語でありました。読了日:5月25日 著者:皆川 博子リカーシブルの感想『ボトルネック』くらい後味悪く、どんより感を引き摺ってしまったらどうしよう…なんて思ってたけど懸念でした。後半、畳み掛ける様に、面白く読みました。登場人物たちのその後を思うと心配ではあるけれど、主人公の芯の強そうな所なんかは信じられる気がしました。読了日:5月29日 著者:米澤 穂信読書メーター6月はもう少し本が読めるようになっていますように。
2013.06.10
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2013年4月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:1678ページナイス数:51ナイス何者の感想言葉にすると、気持ちが薄っぺらいものに感じてしまうのは何故だろう。言葉の使い方が上手な人は、ぎゅっと想いを凝縮させることが出来るのに。出来ない人はどれだけそれを積み重ねようと伝わってくるものが薄っぺらなままだ。うちに抱えているものはたくさんあるのに、それをうまく伝えられる手段がないのは悲しい。それに苦しい。twitter恐怖症になりそう。他人を観察するのと同じくらい自分を客観視出来ればいいのか。他人と比較することをやめればいいのか。読了日:4月1日 著者:朝井 リョウ私と踊っての感想図書館から借りたので「交信」が読めず残念。「二人でお茶を」「私と踊って」などが印象に残りました。読了日:4月5日 著者:恩田 陸月のさなぎの感想薄荷と雪矢、空とカイ。ふた組の関係が相似してみえ、同じエピソードを二度辿って読んでいるように感じました。性別を持たない子供達という設定を興味深く思いながら読みました。文章の醸しだす雰囲気が好きだったので別の作品も読んでみたくなりました。読了日:4月13日 著者:石野 晶掏摸(スリ)の感想「絶対悪vs天才スリ」という文句に惹かれて読んでみたのだけど、そういうお話ではなかったような…^^;読了日:4月17日 著者:中村 文則犬とハモニカの感想江國さんの観察眼、どれだけ鋭いんだろう。物語はフィクションなのに、まるでその場に居合わせて、目の前の情景を事細かく(人物の内面まで!)綴っているかのよう。人物にのめり込み過ぎない、距離感が好きだなと思います。読了日:4月22日 著者:江國 香織完全なる首長竜の日の感想映画化されるのに興味を持ち、原作を手に取ってみたら人物設定等がかなり変更されているのに驚いた。曖昧に、核心部分をはぐらかされてるようなもどかしさ。それが独特の読後感を残しているのでしょうけれど…。読了日:4月23日 著者:乾 緑郎トルコで私も考えた トルコ料理屋編 (トルコで私も考えた トルコ料理屋編)読了日:4月25日 著者:高橋 由佳利読書メーター今月一番の収穫は『トルコで私も考えた トルコ料理屋編』でしょうか。学生時代、友人から借りて「面白い!」と読みふけり、トルコという国に興味が湧き、結局自分でも購入し、結婚する時も持参した漫画の最新刊です。著者さん、今ではトルコ料理屋さんを開いているんだなーと感慨深くなりました。お店に行ってみたいなあ…すごーくすごーく遠いけど。漫画本に紹介されてるトルコ料理、美味しそうなんだもの!
2013.05.01
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2013年3月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2055ページナイス数:89ナイスビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)の感想乱歩がテーマとなっていて、興味深く、楽しく読みました。乱歩の少年探偵団シリーズが推理小説の原点って人…多いんだろうな。自分の場合は学校の図書館におかれていた少年探偵団物は本自体が古く、表紙絵も不気味で手に取り難かった覚えがあります。実際読んだのは大人になってからでした。むしろ大人向けに書かれたものを高校生くらいに読んだのが最初の出会いです。乱歩の未読作品、まだまだたくさんあるので、読んでみたくなりました。読了日:3月2日 著者:三上延残り全部バケーションの感想読んでて楽しい伊坂さん、でした。テンポよくて、ユーモアがあって、わくわくして、伏線が効いていて♪ラストの先を知りたいような、期待させるような終わり方も◎。 台詞の一つ一つに含みがあって、それがまたいいんだよなあ…。読了日:3月6日 著者:伊坂 幸太郎夜の底は柔らかな幻 上読了日:3月16日 著者:恩田 陸夜の底は柔らかな幻 下の感想残りページ数を鑑みて、「これで本当に完結出来るのか?」と不安に陥りつつ読了。最後の一文は悪くない。けど、腑に落ちない感じもする。…とはいえ下巻は一気読み出来る勢いがあったし、物語も恩田さんらしく、好きな空気感だったので柊は満足です。読了日:3月16日 著者:恩田 陸猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社ノベルス)読了日:3月22日 著者:北山 猛邦ばらかもん(7) (ガンガンコミックスONLINE)の感想劇の練習中のなるちゃんの表情とか、大爆笑しながら読みました。先生もいいこというなあ…としみじみしたり。読了日:3月23日 著者:ヨシノ サツキみしかか! ヨシノサツキ短編集(ガンガンコミックスONLINE)読了日:3月23日 著者:ヨシノ サツキ謎解きはディナーのあとで 3読了日:3月29日 著者:東川 篤哉読書メーター相変わらず少ない冊数だけど、先月よりは小説読めたと思います。
2013.04.01
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黒猫の薔薇あるいは時間飛行の感想詩的だと思います。文章も、人物の背景に浮かんでくる情景も。ふたりのように、急がない恋もいいなと思います。続編が楽しみです。読了日:2月3日 著者:森晶麿曲がり角のボクら読了日:2月9日 著者:中村 明日美子片恋の日記少女読了日:2月9日 著者:中村 明日美子鉄道少女漫画読了日:2月11日 著者:中村 明日美子君曜日 ─鉄道少女漫画2─読了日:2月11日 著者:中村明日美子君と僕。 (1)読了日:2月11日 著者:堀田 きいち君と僕。 (2) 読了日:2月11日 著者:堀田 きいち君と僕。 (3)読了日:2月13日 著者:堀田 きいち君と僕。 4 の感想15,17話目が好きです。何度も読み返してしまいそう。読了日:2月13日 著者:堀田 きいち君と僕。 5 読了日:2月15日 著者:堀田 きいち君と僕。 6 読了日:2月17日 著者:堀田 きいち君と僕。 7 読了日:2月17日 著者:堀田 きいち君と僕。 8 読了日:2月17日 著者:堀田 きいち文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)読了日:2月18日 著者:宮木 あや子君と僕。 9 読了日:2月19日 著者:堀田 きいち君と僕。(10) 読了日:2月19日 著者:堀田 きいち君と僕。(11)読了日:2月19日 著者:堀田 きいち君と僕。(12) の感想1⇒12まで一気読みして、この続きは夏まで待たんといけないとは…すごく悲しい(T_T)というか、待ち遠しい☆読了日:2月20日 著者:堀田 きいち屍者の帝国の感想素材はいいもの、面白いものが揃っているのに、出来上がった料理は自分の口には合わなかった…そんな印象。消化不良とか??頑張って頑張って読み終えた…最後は無理やり飲み下した感じです。読んでいてその場面が映像としてイメージ出来なかったのが痛いかなー…と思います。長い間格闘して…読み終えた今はちょっぴり解放感(笑)読了日:2月27日 著者:伊藤 計劃,円城 塔読書メーターなんていうか、漫画ばっかり(笑)漫画はどれも娘に薦められたものです。堀田さんの『君と僕。』はほのぼのした展開で、大好きです。『屍者の帝国』には本当にてこずりました。故に、漫画に逃げたかなと思います。そんなこんなで今日から三月に突入~。
2013.03.01
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一月。読んで感想を書き残すなど出来てませんが…。そんなとき、読書メーターのまとめ機能は便利ですね。2013年1月の読書メーター読んだ本の数:12冊読んだページ数:1898ページナイス数:68ナイス解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の感想面白かった…と思えば面白かったような気がする。後半は一気に読んだし。ただ時系列が行ったり来たりするのは自分には読みにくかった。恋愛に関する描写も感情移入できなかった。映画化されるようだけど、金庫を開ける場面をどれだけ緊迫かつ芸術的に描けるかが重要で、言葉を発しない筈の主人公がモノローグとはいえ心の声をえんえん「音」として聞かせたりしたら興醒めしそうな気もする。言葉を発せず、表情やしぐさだけで気持ちを表現できるような配役だったら観てみたいかも。読了日:1月7日 著者:スティーヴ・ハミルトンばらかもん 1 (ガンガンコミックスONLINE)の感想娘に薦められて読みました。ほのぼのした感じが好感持てました♪読了日:1月9日 著者:ヨシノ サツキばらかもん 2 (ガンガンコミックスONLINE)読了日:1月11日 著者:ヨシノ サツキ県庁おもてなし課の感想民間感覚ってそんなに優位に語れることかな…。身内に公務員がいなければ、批判諸々そういうものかとすんなり読めたかもしれません。公務員にもいろんな職種があるし、だからこんなふうに、ひとくくりに「公務員」にされちゃうのばかりは納得いかなかった。「お役所仕事」と言われても仕様がない、そんな面も確かにあるだろうけど…でも、グダグダって…?役所の仕事ってそう表現されるような仕事しかしてないわけじゃないよね?読了日:1月11日 著者:有川 浩ばらかもん(3)(ガンガンコミックスONLINE)読了日:1月12日 著者:ヨシノ サツキ世界から猫が消えたならの感想猫好きにはたまらないタイトル!装丁!に惹かれて読みました。何処かで読んだような感はありますが、ラストにはしんみりしてしまいました。チョコレートも、映画も、猫も柊には消えて欲しくないものばかり…自分だったらどう選択する?と考えながら読みました。読了日:1月13日 著者:川村 元気犯罪の感想こんな人生、こんな人間関係は嫌だな…と思い続けた後に読む最後の一編(「エチオピアの男」)にどれだけほっとしたことか。続けて『罪悪』も読みます。読了日:1月19日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハばらかもん(4) (ガンガンコミックスONLINE)読了日:1月19日 著者:ヨシノ サツキ黒執事 コミック 1-15巻 セット (Gファンタジーコミックス)読了日:1月22日 著者:枢 やなばらかもん(5) (ガンガンコミックスONLINE)読了日:1月22日 著者:ヨシノ サツキばらかもん(6) (ガンガンコミックスONLINE)読了日:1月25日 著者:ヨシノ サツキ罪悪の感想前作の『犯罪』よりはさらさらと読んでしまえたかな。後味は決していいものではないんだけど^^;読了日:1月26日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ読書メーター漫画本が多いなあ…
2013.02.05
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本年もどうぞよろしくお願い致します。明るい話題と、笑顔のたえない、良い一年となりますように。今年こそは集中力を取り戻し、本をたくさん読むことが出来ますように。昨年はなかなか本を読むことができなかったり、感想を書くことも難しくてブログの更新も滞ってばかりでしたが、閉鎖してしまうのも寂しくて。左手人差し指の痺れ、上腕部の痛みは頚椎ヘルニアによるもの…と診断を受け治療を受けてましたが、さっぱり症状が改善しないので、11月末頃に、よくよく検査しましたら「脊髄空洞症」と言われました。原因はわからず、治療も薬もなし、とのことでとにかくこの痺れや痛みとうまくつきあっていくしかないようです。そんなこんなな状態に居る柊ですが、たまにでも日記を更新した時にはつたない感想、話題にお付き合い頂けたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
2013.01.01
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ふと、気がつけば二カ月以上更新していませんでした。本もろくに読めてない、映画にも行けてないとなると日記を書くのも難しいものですね。珍しく本を読み終えても感想を書くぞ~という意欲が湧いてこず。どうしてだろう…自分の中で何かが失われてしまったみたいです。一か月半ほど前から左手指が痺れる、左肩の肩甲骨~上腕部がしくしくと痛むなどの症状に見舞われ、色々検査してもらったところ「頚椎椎間板ヘルニア」では??との診断を貰いました。ですが、痛み止め、しびれ止めの薬を貰うものの効き目はなく。仕事や家事に支障をきたし、パソコンのキーボードを打つのもしんどい状況にいます。本のページをめくるにも指先にぴりぴりした痛みが走り痛みをこらえるのが辛くて同じ姿勢で座り続けるのも難しい。(映画館に行っても集中できない)こんなに何もかもに意欲を殺がれ、集中力を欠いて自分に対するいらいらは募る一方です。定期的に病院を受診し、物療を受けるものの効果は半信半疑で(笑)まとまった文章を打つのが難儀なので、最近はTwitterでぽつぽつ、つぶやく程度です。そんなわけで、柊の近況についてはこちらを覗いて頂けると嬉しいです。柊の読書メーターは→こちら柊のつぶやき(Twitter)……症状が改善してくれないと、日記も続けられそうにありません。閉じてしまおう、とは思いませんが更新されずとも、見捨てずにいてくれたら嬉しいです
2012.07.10
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こういう緊張感をもたらしてくれる映画は好きだなあと思います。決して、金城武さん演じる特異な風貌のキャラクターが好みだというだけじゃなく。猟奇的な、凄惨さを感じる場面もあって「ぎょえー」と内心叫んだりもしてましたが。法を順守するべきか、良心を信じるべきか…で迷いを見せる主人公。どちらかに偏り過ぎても、と思うけど実際どうだろう。罪を憎んで人を憎まずなんてこと可能なのかしら。金城さん演じる捜査官にはその辺もっともっと揺れ動いて欲しかったのですが、この展開ではそれも難しいかなー。1917年という時代背景も、小さな村で起きた事件という閉鎖性も、ミステリの題材としてとても興味深かったです。…にしても、「レッドクリフ」以来、本当久々に金城さんを観た気がします~。 *映画の公式HPは→こちら
2012.04.23
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女性が傷つけられたり、暴力を受けたりといった設定は、あらすじとしてあらかじめ知っていたとしても胸くそ悪く、後味が悪いものです。とはいえ、サスペンスものの映画としては上映時間が若干長めであるにも関わらず最後まで飽きさせないのは見事だと思います。謎解きを依頼した一族の人間関係が、わかりにくくて最後まで「それは誰で、誰の息子(もしくは娘)??」なんて状態だったのが残念。小説なんかだと、人物関係を確かめるべくページを遡るなんてことが出来るのですが映画ではそういうわけにもいきません…。(柊は原作未読なのです☆)謎解き部分にそう、驚きは感じられなかったもののこの映画の一番の見どころだったり、惹きつけられるのはリスベットの特異なキャラクター、です。痛々しさの権化、みたいな表情と外見をしていながら容赦ないところも持ち合わせていて。彼女見たさに、(もしも続編も作られるのであれば)それもまた観に行きたいと思うだろうな。彼女のその後知りたさに、「原作読んでみたいな~」と思う柊です… *映画の公式HPは→こちら
2012.03.03
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どうすれば罪悪感や、喪失感といった気持ちから立ち直ることが出来るんだろう…。必死に抗っている間は気持ちを保っていられるけれど、その先に何も見つけられなかったら自分はどうなるんだろうって不安にならない人はいない。時が癒してくれるのを待てない人は?どうすればいいの?オスカー少年の傷つき方が半端なくて、観ていてとても痛々しいのですが、それだけ「不在」を感じさせるほどに少年から愛され、信頼されていた父親の大きさも、その一方で感じていました。出番は決して多くないんだけど、少年の行く末を心配し様々なことにトライさせようと奮闘していた(それがプレッシャーにならないよう、とても愛嬌のあるしぐさで)トム・ハンクス演じる父親がとても素敵だと思いました。その反面、存在感が薄いように思われたサンドラ・ブロック演じる母親。終盤の「あ!」という展開に、柊も泣きましたとも!しあわせの青い鳥は…救いや希望となるものは、やはり身近なところに見つかるものかな…と。根本的な解決策が見つかるわけではないから、すっきりしないものも残るけど苦しいと思う時には涙して、思い出したいときにはたくさんの思い出をかき集めてそうしてちょっとずつ前を見て生きていくしかないんだな、と改めて感じた次第。 *映画の公式HPは→こちら
2012.02.27
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ラストの衝撃を今もまだ引き摺っています。すごい。こんなラスト、観たことない。何といっても冒頭の、プロローグにあたる部分がすごくいい。甘美な音楽と、詩を感じさせる映像と。この部分だけでも、もう一回観たいなあって思います。こういう“終末”の描き方があったんだなあ…って、監督に「してやられた」感が強いです。状況を説明してくれる台詞なんてほとんどなくて、第一部のジャスティンの章なんて結婚式の手ぶれありまくりの映像をひたすら視点をぐらぐらされながら眺めている様な感じで、正直「酔うか、寝るか、どっちかだ。」と思いましたが。引き寄せられ続けたのはジャスティン演じるキルスティン・ダンストの何かを訴えかけようとしている目と、シャルロット・ゲンズブールの佇まい。いやいや、なんといっても何かを象徴的に描こうとする映像と、音楽でしょうか。登場人物がどんな過去を持ち、どんな今を歩んでいるのか、どんな考えを持っているのかなんてことは必要最低限にしか描かれていなくて。むしろ終末を迎える直前の、よんどころない心理描写にのみ焦点があてられていて。巨大惑星が衝突したら。「自分は死ぬんだな」って自分の個人的な死よりも、「自分以外のすべても消えちゃうんだな」っていう方に考えが向くように思う。普通だったら、自分が死んだって世界はそんなことお構いなしにいつも通り続いていって死ぬ側にしてみればそれはひどく悔しいことのように思えるのだけど。自分が死ぬ時に、世界も一緒になくなるんだなと思ったらそれは悔しさをぶつける相手もなく、安堵とも違うけれどでもなんか、ほっとするような気持ちが心のどこかにあるような気がします。そのなんとも言えぬ気持ちこそが「メランコリア」なのではないかと…。これまで観たラース・フォン・トリアー監督作品は強烈な印象を通り越してトラウマになってしまいそうなものばかりだったので観る前は期待7割、びくびく感3割という感じだったのですがこの作品は「観てよかったなあ」と思います。映画館を出た後、ついつい何度も空を見上げてしまいます。雲の合間から「メランコリア」が見える気がして。…あ、やっぱり余韻を引き摺ってる☆ *映画の公式HPは→こちら
2012.02.20
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中・高校の行事に「校内合唱コンクール」が設けられている理由がなんとなく、わかる気がしました。必ずといっていいほど男子生徒は真面目に歌ってくれないし、真面目に取り組みたい人と、それを恥ずかしがって揶揄する人とで対立するしクラスの雰囲気は一度は険悪になるし、先生は傍観して、適当なはっぱをかけるだけだし…ねえ。でも本番何日か前になると急に練習に熱がこもったり、嘘みたいに団結するクラスが出現したりして歌うことにも慣れてきて、紆余曲折を経てようやく至れる境地があるというか。合唱の醍醐味って聴くだけじゃなく体験してみないとわからない。この小説を読んでいたら、その頃の出来事とか、歌ってみて気持ち良かったこととか、体の内から、それが自分も体験したこととして蘇ってきて、「ああ、あの行事があって本当に良かったなあ」って思いました。クラスで歌うって、決して仲の良い人とだけ声を合わせることじゃないものね。でも、歌うことで、歌っている間だけは様々な事情を受け入れて一つの歌を作り上げようと声を合わせる。それって、とても大事なことを学んでいるのかも…。彼らの合唱、聴いてみたいです。この小説は現在本屋大賞にノミネートされているみたいですね。もしも大賞を受賞したら映像化される可能性も出てくるなあ…。そしたら、彼らの合唱聴けるかな?なんていうふうにも思いました。ノミネートされている10冊のうち柊は4冊しか読んでませんが。読んだ4冊はどれも読み甲斐のある作品だったので、どれが選ばれても嬉しい。この賞は、読み終えた後で気持ちが明るくなる、前向きになれるような作品が選ばれて欲しいです。…なんとなく。 柊の読書メーターは→こちら柊のつぶやき(Twitter)……
2012.02.13
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様々なエピソードに触れるたび、自分の過去や現在に置き換えていろんなことを考えました。「幸せってなんだろうね…」ぶっちゃけ、お金で苦労するのはしんどいと思う。でも自分がやりたいことを見つけられずに無為に時間を過ごす事はそれ以上に辛いと思う。答えは人の数だけあって、どれが正解ということもなくて、ただ自分の選択を後悔することがなければ、それが一番“正しい”のかもしれない、と思う。登場人物一人ひとりの気持ちがわかり過ぎる分、茶川さんと淳之介くんのエピソードは涙涙でした。義理や恩義といった気持ちを越えて本物の親子へ、そしてライバルへ。どんなに大変な作業でも、辛い状況に置かれても、“小説家”に出来ることは「書くこと」だけ。でもそれは書くことがやっぱり好きだから、で。二人それぞれが同じ覚悟を決めて、前を向いていくシーンにはすごく励まされました。映画の途中途中に、戦後からの復興のシンボルとして東京タワーが映し出されるのはなんだかそれだけでしんみりした気持ちに。鈴木オートの一平くんも、淳之介くんも、大きくなったなあ…。鈴木オートの堤さん演じるお父さん、たばこ屋のもたいさん、相変わらず愛すべき人物で好きベタだろうとなんだろうと思い切り泣いて、心のお洗濯をさせてもらえました。安心して観ることのできる映画です。 *映画の公式HPは→こちら
2012.02.11
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最近読み終えた本、二冊です。「舟を編む」三浦しをん著読んでいると“言葉”に憧れる気持ちがどんどん、強くなっていきます。言葉を生みだしたり、編んだり、紡いだり出来る人がとても羨ましくなります。自分は読むことしか出来ません。読むことが好きで、これまでたくさんの言葉や文章を読んできた筈なのに、それらの言葉は自分の中の一体何処に消えちゃったんだろう…?そんなことを思ってしまいました。辞書を作り上げるのってとても長い時間を必要とするんですね。出版社ごと、辞書のひき比べなどしてみたくなります~。 「ロートケプシェン、こっちにおいで」相沢沙呼著謎解きより学校生活での閉塞感、行き場のなさ、孤独感のようなものに印象が強く残ってしまって、読後すっきりできなかったのがもったいなく。須川くんの妄想には度々笑ってしまいました。酉乃さんはホントのとこ、須川君のことをどう思っているのでしょう??出番は少なくとも八反丸さんの存在感はすごい。続編があるならこの三人に焦点を当てた一話完結(連作)ミステリが読みたいです♪ 柊の読書メーターは→こちら柊のつぶやき(Twitter)……
2012.02.04
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好悪の感情を越えて、圧倒されてしまう。登場人物たちの抱える絶望に、一緒に呑み込まれてしまいそうになる。なかなか、映画の世界から現実の世界に戻ってこれない…そんな状態に陥る映画は久しぶり、という気がする。冒頭が先ず衝撃的で。ニュースでもなく、ドキュメンタリーでもなく、フィクションの背景として震災の映像がスクリーンに映し出されたことが先ず衝撃でした。不意打ちというか。不愉快であるとか、明確な感情が湧く以前に理解できない理由で、いきなり肩を突き飛ばされたような痛み。その行為が受け止められず、感情が無になって呆然としてしまうような感覚に先ず掴まって。どんなにいい映画であっても、今はまだ震災を物語の背景として使って欲しくない、と柊は先ず思ってしまいました。実際に被害にあった場所を撮影に使ったとしても、また、セットを作りだしたのだとしても、どちらにしても自分の中に芽生えた違和感が拭えないまま。震災を、主人公の心象を象徴する映像として選んだのだとしても、柊の心の中には別の痛みが疼いてきます。出来れば、震災とは関わらない設定にして欲しかったです。…ってそのことは別として。暴力的なシーンや、信じられないような発言に思わず目を伏せてしまいそうになるのですが主役の二人、住田と茶沢の容赦ないやりとりに惹きこまれて、最後まで目が離せませんでした。物語の設定、台詞の一つ一つが痛々しいの一語に尽きるのだけど、最後の場面にはぐっとこみあげてくるものがありました。未来が見えなくて、不安に押し潰されそうで、死ぬことを選んでおかしくないような状況にあっても心の中に希望の灯は、ちゃんとともる。灯れる。たとえそれが不確かな、夢みたいな想像に過ぎなくても。一度それを夢見たらまだ生きられる。そんな瞬間を目撃したような気がします。それにしても、痛々しすぎる映画だ…。主演二人の演技は素晴らしかったです。若いからこそ、体現できる世界観かも。次にどんな作品を選んで、どんな役を演じてくれるのかすごく期待してしまいます。 *映画の公式HPは→こちら
2012.01.27
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短編ひとつ読み終えるたび、胸の奥で輝く星が、ひとつずつ増えていく感じ。読み終えた後もその輝きは消えなくて、自分を元気づけてくれる感じ。うまい。うま過ぎる!物語に惹き込む、出だしの一文も。ぴりっと〆る最後の一文も。情景がぱっと頭に浮かんでくる比喩の一つ一つ、その文章も。胸を締め付けるような現実も、せつなさも、ユーモアも、この作品集には溢れていて読み終えてしまうのが本当にもったいなくて、いつまでも森絵都さんの作品世界に浸っていたかった。どの作品が一番好きか、なんて答えられない。どれも好き。それでも、あえていうならユーモアたっぷりの「クジラ見」とか、「クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の…」や「ラストシーン」「母の北上」が好きだなあ…って思います。長編にはない、短編ならではの味わいってあるよなあって思います。それを心ゆくまで堪能させていただいたように思います。至福…のひとときでした 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2012.01.21
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二足歩行型ロボットを見たとき、「中に人が入っていたりして…」って疑った経験を誰もが持っていたりするのではないでしょうか。それをそのまんま、映画に作っちゃうところが「すごいなー」って思います。しかも、中に入っているのがおじいちゃんというのがミソですね。観客はロボット(潮風)の中に鈴木さんというおじいちゃんが入っていることを知っているのでしぐさや行動のひとつひとつにぷぷぷ、と笑ってしまえるのですがそれでも中盤以降は、ロボットが本物だと信じている人達を騙している事態を、どう収拾付けていくのか気になって気になって。なので、ラストはうまくまとめたなあって思います。やっぱり誰も、誰にも憎まれて欲しくないもの。一緒に鑑賞したお客さん達には鈴木さんと同じ年代の方たちが多くて、映画館内には始終くすくす、楽しそうに笑う声が響いてました。そのおかげで柊も映画を観ながら心おきなく、笑うことができました。工業用のロボット等と違って、二足歩行型(人に近い形)のロボットを製作することの意味ってなんなんでしょうね。疑似人間を作り出したいという願望なのかなあ。柊には近未来、SFの物語世界しか想像できないのですが。 *映画の公式HPは→こちら今年最初の(映画館での)映画鑑賞は「ロボジー」になりました。「ヒミズ」も観たいと思いましたが、最初はやっぱり笑いたいかな…と。先日DVDにて「モールス」観ました。「ぼくのエリ 200歳の少女」のハリウッドリメイク版です。 物語など大きく変えられることがなく、ほぼ忠実にリメイクされてました。きれいに、すっきり、よりわかりやすくまとめられた印象です。主人公の少年のその後がオリジナル版よりもはっきりした形で想像させられてしまう感じがより、せつないかなあと思いました。荒削りな印象があっても、柊はオリジナル版の方が好きかも。どちらも、わりきれない、やりきれない感じが鑑賞後も尾を引いてしまうんですけど…。
2012.01.19
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本年もどうぞよろしくお願い致します。明るい話題と、笑顔のたえない、良い一年となりますように。大晦日の夜は紅白歌合戦を家族で楽しみました。久々に紅組が勝ったので「おお!」と思いました。寝坊をして、昇る瞬間こそ見逃したものの一応、初日の出を眺めることが出来ました。そのあと初詣に行き、毎年買う厄よけの鈴と、お札を買いました。おみくじを引いたら「大吉」でした。しんどいと思うこともきっとあるだろうけどもめげずに頑張っていけたらいいなと思います。
2012.01.01
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表題作の「死者のための音楽」、今年一年を締めくくるにふさわしい短編でありました。最後の一ページ、泣きました。今年、震災、津波ほか多くの方が亡くなりました。そのすべての人に、ここに描かれている様な、心やすらかになれる音楽が届いているよう柊も願ってやみません。それ以外の短編では「黄金工場」「鬼物語」「鳥とファフロッキーズ現象について」が好きです。乙一さん(別名義ではありますが、ついそう呼んでしまいます)らしい怖さと、残酷さと、せつなさとが三位一体となった短編たちだったと思います。 *単行本の装丁の方が内容にあっている様な気がします~本来なら今頃、「今年のベスト本」であったり「ベスト映画」を選んでみるのですが震災以降、自分でも信じられないくらい読書量がめっきり落ち込み、とてもじゃないけど読み終えた本が少なすぎて、そこから“ベスト”を選ぶなんて出来ないなあ…というのが正直な気持ちです。なんとか気持ちを立て直そうと、本に集中しようとしても震災以前のようにはのめり込めなくなってしまって。最近はだいぶ読めるようにもなってきたのですけど。映画も、気持ちが落ち込まないような、難しいことを考えず観られるようなそんな作品ばかり観に行っていたので、やっぱり“ベスト”を選ぶことは難しいかなと。震災以降県内に在る映画館のほとんどが営業を再開してくれたけど、2館だけは建物等への被害がひどくてそのままたたまれてしまいました。寂しいです。とある映画館に行ったら、映画監督、俳優さん、映画関係者からの応援メッセージが壁一面に貼りだされているところがあってすごくしんみりした気持ちになったのを思い出します。震災以前の風景が撮られている映画を観返したら、なんといったらいいのかわからない、うーん、どんな気持ちになるのかも想像つかない。来年は、来年こそは災害のない年であって欲しいです。震災にあって、その日必要な水、食料を得ることだけにあっという間に時間が過ぎてしまう、そんな生活を約1カ月過ごしてみて、「日常」こそがもっとも自分の望むことだと実感しました。来年は、明るい話題、笑顔にことかかない一年になってくれますように。皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。来年もどうぞよろしくお願い致します。 柊の読書メーターは→こちら柊のつぶやき(Twitter)……
2011.12.31
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『金色の獣、彼方に向かう』恒川光太郎著胸をふさがれるような暗さ、それを突き放して観察するような冷たい視線。とても対照的なんだけど、その距離感が不思議な世界を生み出すよう。恒川さんは『夜市』で味わった強烈な印象がなかなか拭えずにいたのだけど、『金色の獣、彼方に向かう』でまた少しその雰囲気を深めたように感じます。どこか懐かしさを覚えるような、そんな怖さが魅力だったのだけどこの作品集では「懐かしさ」とは違う、もっと異なる感情が底辺にあるように思います。異界に対する懐かしさ…というよりは畏怖の感情の方が強い、と思う。それはこの作品集に登場する金色の獣に由来するのでしょうが。冒頭の「異神千夜」、それから「森の神、夢に還る」の二編が特に好きです。 『夢違』恩田陸著正直、「怖い」とは思えませんでした。お話の展開と内容が良く理解できなかったからかも…。高評価な意見を多数見聞きするだけに、自分がそんな風に思えなかったことが残念で仕方ありません。この作品は不思議な夢の数々を、解釈したいわけじゃないのね。むしろ夢は何処からやってくるのか、と問う形。柊は、夢は内側にあるもので、誰かが干渉出来るものじゃないと思っているから、自分にはこの物語を理解することが出来なかったのかな…。それはこの物語の設定そのものに違和感を感じ続けたということだから。久々の恩田さんの長編だっただけにのめり込めなかった自分が残念です☆ 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.12.25
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「もっと観たいな」って思います。これだけじゃ、物足りない…!といいますか。え、ここで終わり?みたいな。まだまだ、序章みたいな感じがしますもんね。一人ひとりのエピソードを掘り下げたり、様々な事件に出くわしたり、いくらでも物語を広げていける「幅」がありそう…。単純にアクションシーンにハラハラさせられるのもよいし、「悪」とは何か、「悪が悪を制する」ってどういうことなのかとか、もっともっと考えさせてくれてもいいと思う。配役も魅力的でしたしうーん…続きがあるなら、作ってくれたらすごくうれしいです。 *映画の公式HPは→こちら
2011.12.22
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このシリーズは予告で流れるテーマ曲を聴いただけで「観に行かなくては!」って気になってしまいます。観た後は…柊はシリーズ中この作品が一番好きかも… 。前日にテレビで放映された「1」を観たのだけど、この手の映画は、やはり映画館で観なくちゃ勿体ない、と思います。画面の大きさ、音響など、迫力あるシーンを120%堪能するにはやはり劇場まで足を運ばなければ。シーン初めの重さを感じさせる銃声音からしてぞくぞくっと感じさせられてしまって。最後の最後までハラハラさせられる展開で。ラストはなんだかせつないなあ…としんみりさせられて。金髪の女性の殺し屋が「虫も殺さぬ顔をして…」って感じで好きなんですが女だからって容赦しないのねー。この女優さんまたどこか別の映画で観たいなあ。 *映画の公式HPは→こちら
2011.12.20
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主役の男の子が可愛い!ロボット同士のボクシングに人々がこんなに熱狂するかしらん?なんて最初は思ってたけど、映画が面白くてラストの試合の場面では内心「やっちゃえ、やっちゃえ!」と盛り上がって観てました。ATOMというロボットは一体何者?どうして廃棄工場に?本当に、人の言葉がわかるの?という疑問符はそのままに。マックス少年とロボットの交流…というより、長いこと会ったことのなかった父親と息子の交流に的を絞って描いていたのが良かったんだと思います。ロボット同士のボクシング(リアル・スティール)に夢中になるあまり借金を重ねるどうしようもないお父さんがヒュー・ジャックマン。周りからみたらどうしようもない人かもしれないけど、父親には格好いい人でいて欲しい、という息子の想いを見事なまでに体現してくれていて、素敵でした♪もう少しスッキリはっきりした終わり方だったら、爽快感があがって良かったのになあ…というのがちょっとだけ残念でした。 *映画の公式HPは→こちら
2011.12.17
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ミステリを読むというよりは、高次な思考をトレースしているような。エドガー・アラン・ポーの作品解釈を窺っている様な。知らぬ単語の羅列に戸惑いと気後れを感じるものの、わからないなりに読み進めても、その思考の行きつく先に翻弄されるような心地が気持ちよくしまいには読み終えるのがもったいないような、残念なような気になってしまいました。ポーの作品のあらすじにかなり踏み込まれているのでそれらの作品が既読であればなお一層楽しめたのでしょうが、柊が記憶に在るのは「黒猫」ぐらいでそれがまたまた残念。黒猫とあだ名される教授(美青年)と付き人(ポーの研究者、語り手)の私。この二人のやりとり、関係がまた絶妙というか、心地良くて。短編である分着地点が強引かなと思う部分や、あえて描かず想像に任せようとする部分が気になったりもしますが。それはあくまでちょっぴりで。シリーズ化されるのかどうかはわかりませんが、柊としてはこの二人のその後が読みたいです。そしてこの作者の全く別の次なる作品にも期待したいかな…って思います。図書館から借りて読んだので、とっても慌ただしかったけど出来れば一編一編もっと時間をかけて読んでみたかったな。時間をおいて再読してみたいです。そのときには元になっているポーの作品をいくつか読んでおきたいな。装丁の絵が可愛い。手に取ってみようと思ったきっかけはこの絵に寄るところが大きいです(笑) 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.12.14
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柊にとって源氏物語といえば大和和紀さんの「あさきゆめみし」です。「あさきゆめみし」のおかげで源氏物語のあらすじや、人物相関図が頭に思い浮かべられます。これをよむまでは光源氏とはただの浮気性、マザコンではないか…と思ってました。だけど、「あさきゆめみし」を読んでからは光源氏にはそれだけの魅力があるのだろう、と…光源氏を取り巻く様々な女性たち、その一人ひとりに興味が湧き、感情移入出来るようになりました。そんなわけで、映像化されるとあって一番の関心事はやはり配役で、次は平安絵巻を彷彿とさせる衣裳だったり、小道具だったり、演出だったりするのです。しかもこの作品では物語と現実とを対比させつつ描く、とのことなのでその辺にも興味が湧きました。でも実際観てみると…想像とは違った作品に仕上がっていたかも。物語の世界か、あくまで現実か、どちらかを中心にして描き切った方が良かったのではないかという気がします。光源氏と道長、六条御息所と紫式部…そんな重ね方が安直というか必要かな、なんて。物語と現実とを繋ぐ役割として陰陽師、安倍清明が登場しますが存在感あり過ぎて、源氏物語じゃなくて別な映画を観ている様な錯覚を覚えたし☆(いやー、この安倍清明好きなんですけど。別な映画で一本観たいわという気がしました。)光源氏を演じた生田斗真くん、頑張ってましたけど現実パートの東山さんに負けてる、という感じが否めない。まあ、描かれる源氏物語がほんとに源氏の若かりし頃、序盤でしかないので仕様がないとも思うのですが。真木よう子さんの桐壺・藤壺は好き。凛としたイメージが役に似合っていると思います。多部未華子ちゃんには「可愛い」というイメージがあるので葵の上というよりは橘の君のが似合う気が。(すいません、柊の中の勝手なイメージです)六条御息所は田中麗奈さん、もっと年齢が上の女性の配役を想像していたけど生霊となって姿を現す場面は想像以上に怖ろしく、また哀しくもあって好きでした。男の人からみれば「怖い女」と思われるのだろうけど、ここまで深く誰かを愛せるものだろうか、愛することが出来たらいいなとどこか羨ましく思ってしまう女性です。光源氏も、彼女のことを疎ましく思っても仕方がない気がするのだけど「すべては私の責任」と受け入れちゃうあたりが憎めないんだなあ…きっと。むしろここから…という部分で「物語」のパートが終わっちゃってるのが残念です。うんうん、むしろこの先が知りたい、観たいのに。「あさきゆめみし」再読しようかな、なんて思ってます。 *映画の公式HPは→こちら
2011.12.12
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毎週火曜日の夜放映のドラマ版を娘たちと一緒に楽しんでます。そのせいでしょうか。小説の登場人物たちが頭の中ですっかりドラマの配役通りにすり替わってしまいました。それはそれで楽しいですけども。「殺しの際は帽子をお忘れなく」を読んでびっくり。ドラマは決して原作通り映像化されるわけじゃないのですね。明かされるトリックは同じでも、「動機が違うー犯人が違うー!」ってそっちの方に驚いてしまいました。1巻目の内容については影山執事の暴言は記憶に残っていても事件の詳細はきれいさっぱり忘れてしまっているので、ドラマ版との比較が出来ませんが一話ずつ、犯人が違ってたり、異なるエピソードが盛り込まれていたりするならば一話分で二度おいしいではないか…(比較して楽しめるのではないか?)なんて思ってしまいました。このトリックは果たして実現可能なのか?と思うものもあるのですがそこは「安楽椅子探偵」モノ。実証や証拠といったものは二の次、物語の外にあるのでしょう。影山執事の相変わらずの暴言と、麗子お嬢様の抜けっぷりが楽しいミステリでした。…それにしても。風祭警部、濃いわー。演じている椎名さんが嵌り過ぎているのかもしれないけど。風祭警部の台詞、読んでいると椎名さんの声が聴こえてきます(笑) 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.12.10
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『水底フェスタ』辻村深月著 うーん。どろどろなお話を読んでしまいました、という印象。登場人物の印象が最初と最後でがらりと変わるあたりは辻村さんらしいな、と思いましたが…。閉塞的な場所でまかり通る自己中心的な倫理観には寒気がしました。こういう登場人物、ストーリーなら別に辻村さんでなくても…と思わないでもない。閉ざされた村、というシチュエーションに横溝正史を連想してみたり。(見立て殺人は起きたりしませんが、なんとなく。)金田一耕助探偵のキャラクターが明るい分、横溝作品の方が明るく感じられたりして。読後、全く救いが感じられないままだなんて辻村さんの作品にしては珍しい~と思いました。 柊の読書メーターは→こちら次は最近観た映画の感想など。「猿の惑星 創世記」人は人間以上の知力、能力を持つ存在が現れるのを本能的に恐れているのかもしれないなと思います。柊は猿、チンパンジーが苦手です。元祖、「猿の惑星」の結末にぞっとしてからか。チンパンジーが共食いをすると知ってからか。「猿の惑星」=怖い映画だと改めて思いました。知能を持つということは果たして幸せなことなのかどうか…そんなことも考えました。 泣ける、と宣伝にうたわれていましたが柊は怖さの方が先に立って泣くどころじゃありませんでした。シーザー(薬物投与により知力を持ってしまった猿)に感情移入出来るかどうかで評価が分かれるような気がしますが。柊はシーザーには感情移入できなかったです。やっぱり怖いです。ハリー・ポッターシリーズでマルフォイを演じたトム・フェルトンが猿の飼育係として出演してましたがこちらでもやはり意地悪な役どころでした。いつか意地悪じゃない、正反対の役柄で観れたら面白いなあ…なんて思いました。「ツレがうつになりまして」うつ病の辛さはなった人でなければわからないし、それを支える人の気持ちは支える側の人でなくちゃわからない。いつ頃、どうすれば完治するのか不透明な病気だから、もしも自分や家族がその病気にかかってしまったらどう接したらいいのかわからず、迷って辛いだろうなと思います。映画はコミカルな場面もあるし、妻役の宮崎あおいちゃんが可愛らしくて観ていてどっぷり落ち込んでしまうことはなかったけれど、うつ病にかかってしまった夫ツレを演じた堺さんのしんどそうな、表情を観ていたら演技と分かっていてもやっぱりしんどくて、胸がふさがれるような思いにかられました。どうにもならない気持ちを抱えて涙をこぼす場面には柊も思わず泣いてしまいました。うつ病にかからないですむ方法があるなら、知りたい、かかりたくないと思いました。だけど病気になった原因ではなく意味を考える、という台詞は深いなあと思いました。観た後で原作本を買いました。 自分に何が出来るかわからないけど、バナナ、牛乳、納豆を意識して摂るように心掛けようなんて思いました。柊のつぶやき(Twitter)……
2011.10.15
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近況です。相変わらず読書のペースはとろとろ…。「読書の秋」といいますが、巷の空気は秋を通り越して一気に冬めいてきたような。昨日は灯油の移動販売車が家の前を通り過ぎてゆき、「ひええ。」と慄いてしまいました。朝早く起きるのも辛くなってきたりして。(眠くて眠くて)そんなわけで最近読み終えた本の感想を少々。『エアーズ家の没落』(上下)サラ・ウォーターズ著読後、「もう一度作品をはじめから読み返したら、そこにはまったく違った物語が広がっているんだろうな。」…と思いましたが上下巻の長さと、結末のわり切れなさとが相まって、読み返す気力までは湧いてこなかったかも…。作品全体に漂う雰囲気は好きです。一番集中して、引き込まれて読んだのは上巻の終盤付近でしょうか。合理的な説明がつくのか、つかないのかはっきりしないまま高まる恐怖感がなんとも言えず。ただ、下巻以降の語り手と館に住む女性との恋愛のエピソードはラストへの伏線になっているとはいえ、柊には物語への関心が殺がれてしまうことになってしまってしんどかったかも。語り手の医師にも女性にも感情移入が出来なかったからかなあ…。サラ・ウォーターズの初期の頃の作品が好きです。『夜愁』あたりから作品の雰囲気が違ってきたように思うのですが気のせいかしら。(じつは『夜愁』は上巻だけ読んで放置状態…汗)それでもこの著者の描く時代、その細密な描写はリアルにその空気を感じさせてくれるので(まるで映画でも観ているみたいに)その文章を味わうだけでも充分満足感を得られます。 『オーダーメイド殺人クラブ』辻村深月著辻村さんの本にしては珍しく登場人物たちに感情移入出来ないまま読み進んだのですが、なぜか、後半の展開にはとても共感できました。…ふ、不思議だ。空を見てきれい、と思うことすら「イタい」ことだと、周りから外されるかもしれないと怯えなくちゃいけなくなるなんて…中学生って辛い年代だなあと思います。年取ることで失うものもあるけれど、年を取ることで解放されることもあると思いました。それに気づける大人になれるかどうかも大切だ、って。タイトルはおっかないけど、読み終えたときにはすごく救済感があります。この“救われる”感じ、完璧なハッピーエンドとは言えなくても、前に進んでいく感じは辻村さんの作品ならではだと思います。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.10.10
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ふと、気がつけば前回の更新から一カ月以上経ってしまいました。げげ。日々の忙しさにかまけてろくにパソコンさえ開けずじまいで過ごしてました。この一カ月で読み終えられたのは近藤史恵さんの『サヴァイブ』一冊のみ。(←事実!)(読書メーターに短文の感想を寄せただけで必死…すみません…)夏休み期間は映画館にも足を運べず、ストレス溜めておりました。そんななか、ようやっと最近2作品を観に行けたのでその感想など書いてみたいと思います。先ずは一本目。「神様のカルテ」映画館でこんなに泣いたのは久しぶり…というくらい泣きました。どんだけ涙腺弱くなっているんだろう⇒自分。映画は終始静かな雰囲気。子供の頃から単純に、病気や怪我を治してくれるのがお医者さん…と思ってきました。でも、治せない病気…もあるんですよね。病気を治す、治療法を模索するのも大切。だけど、治せない病気を患っている人に、病気のことを理解しつつ寄り添ってくれる人も必要。自分がもし患者の立場だったら…栗原先生みたいなお医者さんに傍についていて欲しいと願うと思います。死ぬことも、痛みに耐えることも、怖いから。栗原先生の奥さん、ハルさん…演じられた宮崎あおいさんが「菩薩さまのようなひと」とインタビューか何かで言われていたけど、本当にそんな雰囲気。栗原先生…果報者です。ホント。ハルさんが身に纏っている様な穏やかさが自分にもあったら…と思うけど…無理だ~ *映画の公式HPは→こちらそして二本目。「探偵はBARにいる」映画の舞台は北海道、札幌。ススキノ。街の雰囲気がそのまま物語に、登場人物に、映画という形に具現化したようで。「この街でなきゃ」という作り方に好感を持ちました。(「アヒルと鴨のコインロッカー」「重力ピエロ」「ゴールデンスランバー」が仙台じゃなきゃ成り立たないみたいに、地方色が色濃い映画作品が増えてきた…のは気のせいかしらん。そういえば、「神様のカルテ」も長野県が舞台でしたし。それってとっても喜ばしいことのように思えます。)コメディじゃないんだけど、映画のあちらこちらに笑いを誘う場面があって。凄惨な場面もあるのに引きずらなくて。探偵演じる大泉洋さんと助手を演じる松田龍平さんのコンビがすごくいい、です。とくに松田さん演じる、眼鏡かけていて性格がすっとぼけてて、かつ空手が強いという役柄は柊的にツボでありました…。続編製作が早くも決定したのだとか。主役二人のやりとり見たさに、足を運んでしまう予感がします…☆ *映画の公式HPは→こちら
2011.09.17
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心ほぐれる、あったまる。どれも瀬尾さんらしいユーモアが感じられるお話でした。人が内側で抱えている喜怒哀楽や感じ方、考え方は見えにくいものだけど見えないからといって存在しないわけじゃない。ちょっとしたきっかけや、偶然や、後から思えば奇跡みたいな瞬間にそれは垣間見られて、特別な時間を作り出す。そういう時間はそれこそ、言葉や物語や、形として残さなければあっという間に薄れていってしまう記憶かもしれないけれど、ここに綴られた物語はなんというか、そういう時間と記憶の結晶のように感じられました。小説だからフィクションの筈なんだけど、登場人物たちが感じた気持ちは自分にも覚えがあるような、想像出来るような、確かにあるものに感じられたからかな。取分け好きなのは「ランクアップ丼」で次は「ファーストラブ」で、読んだ後に装丁の天丼の絵をしみじみ眺めると胸がいっぱいになります。 どのお話もデートの相手が「??…!?」なのだけど、そういうデートもいいよね、と思えてきます。また、瀬尾さんのこういうお話集、読みたいです。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.08.08
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以前、中野京子さんの『怖い絵2』を読んだ時に、18世紀頃にヨーロッパの解剖学教室が抱えた諸事情、墓あらし、死体売買などのエピソードに触れ、「あ、これは小説の題材になりそう…。」なんて思ったのです。そしたら、皆川博子さんによる本書『開かせていただき光栄です』が書店の平台に並び始めて「おお、これはどんぴしゃな題材。読まねば読まねば。」と思ったわけです。 【内容情報】(「BOOK」データベースより)18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む。二転三転するあらすじに惹きつけられるのはもちろんのこと、18世紀ロンドンの風俗史ごと味わえちゃうのがこの本の一番の魅力だと思います。まるで映画でも観ているような。以前『死の泉』を読んだ時よりも、皆川さんにしては平易というか、ユーモアがあるといいますか物語に入っていきやすい文章なので、一気に読めちゃいました。参考資料にあげられている書籍にも興味が湧いたりして。機会があればそちらも目を通してみたいです…。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.08.04
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小説の核となるのはアイデアか、展開か、文章そのものか、はたまた行間か。この小説集は作家の乙一さんが、読者から応募したアイデアを基にリメイクした作品なのでどれも「完全なオリジナル」ではない…でも、乙一さんらしさが加味されてるという不思議な短編集です。だからかな…黒乙一が好きな柊としては、物足りなさを感じたりもします。とくにあとがきなどを読むと、リメイクするにあたって、元になった作品に対する遠慮といいますか、「この部分だけは壊しちゃいけない」というような制約を無意識にもかけていたように感じられそう云う手加減、匙加減をまったく意識させない「乙一さんオリジナル」が今度は読みたいよー。…という気持ちにもなりました。収録されている作品中好きなのは「青春絶縁体」と「ホワイトステップ」です。「コンビニ日和!」も楽しかったけど。柊は毒舌の応酬が好きなのかもしれません…。絶対こんなこと言えない、言える相手もいない、でも小気味良いという会話が好きです。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.07.22
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音楽について、身近な人について、宗教や信仰や自分を取り巻いているものなら、なんでも。それについて考えや思いを巡らす事はすべて、自分と向き合う、自分を掘り下げていくことに繋がっている…と感じました。主人公の鳴海くんは信仰や、オルガンを弾くこと、家族について、ものすごくイライラを募らせて、不満を抱えて、孤立することを選んでいるように見えるけど考えることからは逃げてない。それって実はものすごく大変な、精神力のいることだと思う。人によって興味を持つもの、好きなものは違うけれども鳴海くんにとってのオルガン、音楽に共通する「なにか」を持っている人には鳴海くんが考えることによって、どんどん自分という人間を理解しようと、手掛かりを得ようとしていることが、感覚としてわかる…ような気がする。それは自分が自分と1対1で向き合うことが出来る唯一、不可侵の場所でそこにはどんな親しい人であろうと、生身の人間が入り込むことのできない精神の世界で。そこに到ろうと努力する人もいれば、つらくて考えることを放棄する人もいる。偏見かもしれないけど、音楽や絵画などの芸術分野に関わる人の多くは弾くことや描くことを通じて自分と対峙する、その手段を持っている人だと思う。楽譜通りに弾くだけじゃなく、対象をそのまま描き写すのでもなく。対象と向き合い、自分自身をそこに投影したり、話しかけたり、闘ったりした跡がそこに表れてこなければ「表現する」とはいえない…気がする。柊は信仰心は持っていないけど、神様みたいなものを意識してしまう瞬間はあります。信じてないのに、不思議だなと思うことはあります。。信仰をもつことはいいことかもしれない…でも妄信してしまうことが怖いのです。柊はキリスト教系の大学に通っていたことがあり、在学中は礼拝堂でパイプオルガンの前奏、後奏を聴くのを楽しみにしてました。聖歌隊の讃美歌とか、クリスマスに聴くメサイアとか。音楽を聴いていると信仰心などなくても、不思議なほど敬虔な気持ちになれたのを思い出しました。メシアンの「神はわれらのうちに」を聴きながら読みたい…と思いましたがうちにはその曲のCDはないので、代わりにバッハを流しつつ。なんだかとりとめのない感想になってしまいました。この物語、感想書くの難しいよー。中学生対象の課題図書でしょう?中学生たちがこの本を読んでどんなことを感じるのか、考えるのか応募される感想文を読んでみたい気持ちでいっぱいです。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.07.17
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心にぽっかり穴があいてしまったかのような喪失感。長かった。終わってしまった。もう次を待たなくていい。「ラストを見届けるまでは何があっても死ねないぞ!」と思っていた。それくらい、待ってた。でも、そういう思いで長い時間待ち続けることが出来た物語も、とうとう終わってしまった。一つの物語とお別れする。それだけでもう胸がいっぱいになってしまった。 *映画の公式HPは→こちら原作を読んでいるから、展開もラストも知っている。それでも、たたみかけるような展開だった。最後の場面に向けて、駆け足で走り去っていくような。映像として観るにはあまりにつらすぎると覚悟していた場面すら、「さらりと流し過ぎてしまっているのでは?」と思えるくらい先を急ぐ展開で、当初は「これで最後。」という感慨すら覚える暇もなかったのだけど。原作で言うところの第33章めの場面はやっぱり悲しくて、悔しくて涙が出てきた。心の底で物語(映画)の“最後”を意識したのはこの場面からだと思う。最後の対決する場面や、エピローグよりも印象が強い。いい意味でその人に裏切られた、「してやられた」と思うからだろうか。つらい出来事にばかり見舞われてきたハリー・ポッターだけど、それと気づかずいろんな人がいろんな思いで彼を守ってきた。そのことにすごく胸を打たれる思いだった。(いっそぼろぼろ泣いてしまいたかったのだが、3D眼鏡がそれを邪魔した。ううー、やっぱり、出来れば2D字幕版で観たかったと思う。)凝った演出のないシンプルなエンドロールだったけど。その向こうに約10年に及ぶ長い長い道のりを感じた。終わってしまった。そう実感している一方で、信じられずにいる自分もまだいたりする。
2011.07.15
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なんて、鮮やかな印象を残す人なんだろう…。辻村さんという作家さんは。作品を読み始めたときと後とでは、登場人物の印象ががらりと変わってしまってる。通して読めば、それは確かに同一人物なのに。いかに人は、自分は、一面でしか物事を見ようとしていないか思い知らされる。読後すぐに最初からページを読み返してしまうのは、見落としてた部分を確かめたくなるから。何気ないセリフの奥に隠されていた真意をようやく知って、「やられたー」と思う。それがむしろ心地良かったりして。お見事です。完敗です。この作品には双子の姉妹が登場します。柊には双子の娘がいるので(一卵性双生児といわれてる)なんとなく、重ねて読んでしまった。過去に娘たちに「双子の繋がりをわかってないね。」と言われたことがあって、そのときはどきり、としたけど親からしてみれば決して“同じ”に見えたことは一度もないです。姉と妹という見方をしたことも一度もないです。どっちが先に彼氏を作ったり、結婚したりするんだろうねと冗談めかして質問してみたことがあります。「作らないし、出来ないよ。」なんて言ってる顔がその日を想像して寂しそうに見えたから互いに遠慮しあうかもしれない…なんてふと思いました。まあ、現実はどう転ぶのかわかりませんが。驚いたのは『子どもたちは夜と遊ぶ』の狐塚くんと恭司くんが登場してくれたこと!ああ、なんて粋なはからい。懐かしい人に再会して、元気にやってるのを確認して、ちょっぴりほっとした気持ちになりました。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2011.07.11
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一編読み終えるごとに、自分の周りの現実がふっと遠のいて、しんとした静けさに取り残されてしまうような、そんな余韻にずっと浸っていたいような気持ちになりました。比喩のひとつひとつに溜息が出るような感嘆をおぼえ、それをいつまでも胸の奥にしまっておきたいのに、いつかは忘れてしまう…自分の記憶力の悪さを呪いたくなりました。一人の人間に対し、必ず一つは何か語れるような物語があるんだろうか。在って欲しい。自分にもそれがあって欲しいと望んでしまいました。でも、きっとただ流れを語るだけじゃこんな余韻には浸れないんだろうな。的確にそれを伝えられるような、言葉を選び出す、使いこなすセンスがないと。そんな能力を与えられた人が、作家さんという職業が、心底羨ましいです。小川さんの『猫を抱いて象と泳ぐ』が文庫化されたみたいですね。買いに行きたいです。再読したいです。 柊の読書メーターは→こちら
2011.07.10
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不朽の作品、記憶に刻まれて忘れられない作品ってあるなあ…ってしみじみ感じます。最初に『時をかける少女』に出会ったのは筒井康隆さんの原作本でした。原田知世さんで映画化される…っていうのがきっかけで手に取ったんだと思います。読後、すごーく気になったのが“ラベンダーの香り”で、当時はそれがどんな花でどんな香りのするものなのか知らなかったので、その匂いが知りたくて堪らなくなったのを覚えてます。ラベンダーの香り=タイムスリップ(今はタイムリープというのか)と繋げて捉えてしまうのはこの小説による影響で、実際その香りを初めてかいだ時は想像と違っていることに驚いたんだったか拍子抜けしたんだったか…。なのに今は自宅の庭にラベンダーを植えていたりするのだから不思議だなー。原田知世さん主演の「時をかける少女」を観たのは原作を読んで、ずっとしばらくたってからだと思います。当時テレビで流れた予告編が怖くて。ホラー映画なんじゃないかって思い込んでたから。角川映画だったし。この映画を初めて観たときもラベンダーの香りはまだ想像上の香りだったと思います。原田さんは可愛らしいけれど台詞は棒読みに近くて観ている方が照れくさくなった気がするな…。この映画を観たときは、未来人っていうのはドライというか、冷たいなあという印象を抱いた気がします。自分と関わった人の記憶を消してしまえるなんて、冷たいなあ…と。だからその分ラストシーンの印象は強烈で、どうしてもその後どうなったのか想像してしまって。そこから、数年(数十年?)経過してアニメ版が作られると聞いた時は驚きました。「今更?」と。続編とも違うし、全く話をなぞっているわけでもないし。でも、アニメで描かれることに初めは抵抗があったけれど、観れば映像が斬新で惹きこまれ未来から訪れた人との淡い恋と、せつない別れに素直に共感することが出来ました。そして2010年、現代版「時をかける少女」。物語は原作、原田知世さん主演作の続編と言っていいと思います。設定が変化して、この映画の主人公自身が今度は未来人として、過去へ旅する。なんていえばいいんでしょうね。消された筈の記憶が、記憶より強い想いが封印を解いて溢れ出す、それが重なっていくところに胸が痛くなりました。出来ることなら、あかりのお母さんには原田知世さんが…なんて思わなくもないですがそれは思い入れが強過ぎるってものでしょうね。「未来で、待ってる」はアニメ版の台詞だったかしら。どの作品も、強く未来を待ち望む気持ちで締めくくられるのが印象に残ります。観たあとにせつないのは、記憶を消されたからじゃなくて、記憶を消されてなお忘れられず、残されてる強い想いに胸打たれるからだと気付きました。今ではラベンダーの香りをかぐと「時をかける少女」を思い出すようになってしまった。こんなに世の中にラベンダーの香りが氾濫するようになるなんて想像もしていなかったなあ…。それが未来を知るということかしらん?時間の流れって決してとめられないのに、時に過去が無性に懐かしくてたまらなくなる。未来よりも大切なもののように感じられるときがあるなんて、そんなふうに感じる時があるなんて、何だか自分が年を取ったみたいで嫌だなあ☆
2011.07.02
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大事な人、大切な場所。それが失われそうになると、人は心の中を流れていく時間を止めてしまうことが出来るんだな…って思いました。自分の受け取り方次第で未来にだって、ちゃんと楽しいことや素晴らしいことが起こりうるのに時間を止めてしまうとそれ以後に起こることは全て色褪せたものにしか目に映らなくなってしまう。それはとてももったいないことだと、自分でもわかっているのにな。そう云う心持ちが、後悔やなんかひっくるめてすべて愛おしくていじましくて、でもやっぱり寂しいと思ってしまいました。でもなあ…。本当は羨ましいのかなあ…そう云う人や場所に出会えたタキさんが。
2011.07.01
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柊の感想をひとことで言い表すのなら「主役の男の子がとってもかわいい」に尽きます(笑)S・スピルバーグ監督とJ・J・エイブラムス監督が組んで、それぞれの代表作を足して2で割ったら、確かにこんなふうな映画になるなあ…って思いました。物語や場面場面の展開なんかは、「何処かの映画で観たかしら」なんて既視感があるのですが最後まで飽きさせずにひっぱっていくのは、撮り方や構成が上手いからだなと思います。…というより、物語をひっぱっていく少年少女たちがすごく魅力的だからですね!「このとんでもない状況下で言うことはそれか~」みたいな、少年の台詞や少年たちが取り組んでる自主製作映画の、陳腐なんだけど目が離せない素人っぽさや大筋とは関係ない部分で製作者が楽しんでるんじゃないかな~って雰囲気がこの映画にはあるんですよね。少年たちの妙にハイテンションな言動や、明るさや、淡い恋心なんかの繊細な表情の方が観た後にぐぐっと印象に残ります。「くるぞくるぞー」ってお約束的な脅かしや、ぎょっとさせられるような迫力あるシーンよりもずっと。柊はこの映画が好きです。なんといっても、主役の男の子がとっても可愛かったから(爆) *映画の公式HPは→こちら
2011.06.24
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5月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:889ページツナグただ文字を追うのではなく、久しぶりに感情がはいった読書が出来た気がします。辻村さん、ありがとう…。死者に会うという設定は勿論フィクションではあるけれど、自分ならあの人に会いたい、と切実に願ってしまい、久しぶりにその人に会いたくて会いたくてたまらなくなってしまいました。それが叶わないことが悲しくて、無性に泣けてしまいました。読了日:05月29日 著者:辻村 深月田舎の紳士服店のモデルの妻子育てや人との関係に感じる漠然とした不安感。自分はそれをうまく言葉に出来ず、もやもやとしたものを抱えるばかりだったけど、それを言葉にすれば、こんな風に表現されるんだな…ってなんだか視界がすっきりした気がしました。宮下さんの書かれる文章が好きだなあ…って改めて思いました。読了日:05月21日 著者:宮下 奈都ソフィー (創元推理文庫)現在(いま)を生きることを奪ってしまうほどの大切な過去を持つということは…やっぱり不幸せなことなのでしょうか。濃密で、美しい刹那的な時間の中でしか生きられなくなってしまった…ということは悲しい事でしょうか。読了日:05月06日 著者:ガイ バート読書メーター3/11の震災以来読書ペースはがくん、と落ちてしまいました。毎年、年100冊は読みたいなんて目標を立てているけど今年は早々に「無理だわー」と落ち込んでます。ちゃんと以前のように感想を書きたいと思うのだけど、何か綴ろうと思っても体の中がからっぽみたいに感じられて何にも言葉が浮かんでこない。多分本を読んでいるときも、ちゃんと物語に集中できていなくて半分気もそぞろ…な感じで文字を追ってしまっているからだと思います。何に対しても深く考えられない、気が散漫になってしまって集中力がまったくなくなってしまったみたい。悲しいです。その点映画の場合は2時間、はっきり外界から切り離されるので読書より集中出来るみたいなのが救いです。ブログタイトルに偽りありだなあ…。それでも読書メーターには短いながら感想をちょこっと書きするよう頑張ってみてるので、こんな形で載せてみました。
2011.06.10
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ジャック・スパロウが画面に登場するたび「あはは」とウケているおば様方がいて、それくらい心から、芯から映画を喜べたら、楽しいだろうな~って羨ましくなりました。 *映画の公式HPは→こちら今日は公開初日で、これからご覧になられる方も多いと思うのであまり多くを書くことはやめておこうと思います。でも、それでもなにがしか書いてしまいそうな気もするので、先入観なく映画を観たいという方はご覧になってから以下をお読みになることをおすすめします。柊は警告しましたよ!?そんなわけで以下反転。映画を観た後にシリーズ1~3を全部観返したくなりました。今作から登場しなくなった登場人物たちが無性に懐かしくなった…というのもあるし。海賊の物語であるのにも関わらず、海の上、船でのシーンが少なく物足りなく感じたというのもあります。ジャック・スパロウ船長…海賊なのにあまり自分の船に縁がないように思えてきました。たまにはブラック・パール号を颯爽と駆って欲しいです~。ペネロペ・クルスはじめ、新しい登場人物たちも頑張っていたけれど、ジャック・スパロウと対をなす、影の主役はバルボッサなのでは…と改めて感じたりしました。最初は敵役として登場したバルボッサだけれど、シリーズを通してバルボッサとジャックが1対1でやり取りする場面が一番印象強く、ユーモアも感じます。いろんな小さなエピソードを拾い損ねている気もしたし。そういうのは「またまた続編が作られる布石?」なんて勘繰ってしまう原因になりそう。ラスト付近のジャックとアンジェリカのやりとりは実に意味深で笑ってしまった。エンドロール後のおまけのシーンも「ひえー、それで終るのか~。」ってその後を色々想像してしまう内容でしたし。ジャック・スパロウって…ジョニー・デップが演じているというよりもジョニー・デップそのものって感じがしてきちゃいました。
2011.05.20
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観終えたとき、体中がこわばってました。顔も。随分と歯を食いしばりながら観ていたみたい。相当緊張して観ていたんだと思います。終わった瞬間、ぶわっと涙が湧いて出てきそうになったんだけどあれはどうして、何の涙だったのか、自分でもよくわからずにいます。強いて言うなら解放かしら。黒鳥の演技に、ここまで精神的に追い詰められることを要求されるだなんてバレエ音楽の作曲者であるチャイコフスキーも驚いているんじゃないかと思います。人間誰しも二面性を持っている存在だと思うし、それ以上に複雑なものだとも思うけど表に表わされるのは見られてもいい都合のよい部分だったり、或いはその逆だったり意外に一面的なもののような気がします。自分の人間性というか、その二面の両方を見ることが出来るのは実は自分自身だけなのかも。だけど表現者は違う。必要とされれば、自分の見せたくない部分も“表現”の名のもとにたくさんの見知らぬ人の前にそれをさらけださなくちゃならない。新しい自分を表に引き出せることを楽しめる人もいれば、相当ストレスに感じる人もいるに違いない…なんて思います。ナタリー・ポートマン演じるニナが、主役を演じたい、でもなかなか要求されるような黒鳥を演じられなくて…ってどんどん自分を追い詰めて、破綻していく様は観ていて怖かったです。役を追及しているというよりは、どんどん自分を精神的に破壊していっているようだったし。それでも、自分の殻を破ることが出来ない…っていう苦しみ以上に主役を演じるのは自分だっていう執着の方が強くて…その迫力に傍で観ている方は「負けた」っていうか、ただただ圧倒されてしまうのかもしれないな、と思いました。バレリーナであるニナと、その役を演じたナタリー・ポートマンがぴったり重なって見えました。そのどちらも、役になりきるためなら、体を傷つけることも気持ちを追い込むことも、その目的のためだけにやってのけてしまうだろうな、と思えてきました。スクリーン上で白鳥を演じる彼女の表情のほとんどは、繊細で、臆病で、常に追い詰められている顔をしているけれど、その表情を作り出すために表に見えぬところで、常人には考えられないほどタフな精神を培っていそうでそれがもう、この映画そのものというか、観ている方に緊張を強いるほどのエネルギーだったんじゃないかって思います。 *映画の公式HPは→こちら
2011.05.16
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PART1を観たときは、まさか後日大地震が起きるなんて想像もしていませんでした。近くの映画館は再開の兆しなく、はっきりいって続編を観るのは諦めかけてました。市内にある(小さめの)映画館で特別に上映を開始した!…と聞いた時も余震が不安で、足を運んでみよう…という気持ちにはなかなかなれなかったし。だけど、「映画観たい」気持ちはおさえられるものじゃなかったです…。普段足を運ぶシネコンの画面に比べるとかなり小さな画面。それでも…予告編、本編の上映が始まると何故だか涙がぶわっと湧いてきてなんかもう止まらなくなっちゃって。泣ける映画じゃないのに、「変な人」と隣の席の人には思われただろうなー。映画の方がフィクションなのに、映画を観ている自分の方に現実感がない、という感覚に陥るのは初めてです。映画を観られるって幸せね。「映画を観られるときに、一本でも多く観に行く。」って気持ちが強くなりました。「DVDになったときにでも…」なんて気持ちを宥めようとしたけど、それって嘘だもの。映画は映画館で観たいのです。出来る限り。…で、映画のお話ですが。震災が起きてなかったら、フィクションをフィクションとして、もっと楽しむことが出来たかなーって思います。2の主要人物が出揃うまでの説明が長い…と感じたし。あまりに人が簡単に殺されちゃうし。「生き返る」なんてことはありえないと、過去を取り戻すことなんて出来ないことを現実で嫌というほど思い知らされた後だったし。「完璧な答え」がこれで良かったのかな。別の答えがあっても良かったんじゃないかな…なんて思ってしまった。物語が持っている“雰囲気”にいいようにまとめられちゃったかな…なんて気がします。他の方はどうご覧になったのでしょう。この答えに納得された方の方が多いのでしょうか。とはいえ二宮くん、松山くん、本郷くんファンにはたまらない映画であろうことは間違いなく。今回柊の娘たちは事情により一緒に観に行けなかったのですが、二宮くん&本郷くんファンの娘たちが一緒に観ていたならば「きゃー!」だと「ぎゃー!」だの「ぎょえー!」だの横でかなりうるさかったと思います…。うんと楽しみにしていたので、娘たちにも観せてあげたいのですが(内容的にどうかはこの際問わず)後日DVDにて、自宅で思う存分悲鳴を上げつつ観る方が娘たちには幸せかもー?なんていうふうにも思いました *映画の公式HPは→こちら今朝の新聞にて、近くの映画館が5月20日から上映を再開すると記事が載っていました。嬉しいよー。(…が、上映再開作品の中に「GANTZ PERFECT ANSWER」は含まれておらず。「再開したら観れるかもー」と期待を膨らませていた娘たちはがっかりするだろうな…ー。前売り券は他の映画館で使用して下さい、と告知した手前、上映してくれないのかな。)5月20日といえば、「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」の公開日。おお!再開した映画館で、大画面で観られるかも…。11日から公開の「ブラック・スワン」も観たいけどそちらは何処で観ようか検討中です。余談ですが…太宰治の原作を映画化した「パンドラの匣」が観てみたいです。この映画は津波の被害にあった南三陸町で撮影されたものと、映画館のロビーに貼られていた記事で知ったので。毎日のように滅茶苦茶になった田んぼや、がれきの山をテレビなどで見せられているけれど震災以前にあった風景が見てみたい。悲しいかもしれないけど、多分「元の姿にかえしたい」って気持ちの方が強くなると思うのです。
2011.05.08
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映画を観たのは3月11日の午前中。思い返してみれば…何の不安も怖れもなく、のんきに過ごしていられた最後の時間でした。近くの映画館では上映していなかったので隣町まで足を延ばして観に行きました。もし、観ている最中に地震が起きていたらと思うと…その日はなかなか家に帰りつくことが出来なかったかもしれない。想像するだけで怖いです。アカデミー作品賞受賞作、というだけでなく柊はコリン・ファースが好きなのでどーしてもこの作品は観ておきたかった。観ておいて良かった。こういう事態になってしまったから、よけいにそう思います。映画を観て思ったのは気持ちを言葉にする、それを誰かに伝えるってなんて難しいことなんだろうということ。英国王が抱えている事情とは異なるかもしれないけれど、喉元からなかなか言葉がつっかえて出てこない苦しさ、もどかしさは観ていてとても理解出来るような気がしました。今、被災地では自分の今の気持ちを言葉にすることが出来ず苦しい思いをしている人がたくさんいるように思います。「つらい」「かなしい」「くるしい」そうはっきりした言葉で、気持ちを外に吐き出せたらどんなにいいか。でも、上手く言えないのですが、柊自身、今自分が「つらい」のか「かなしい」のか「くるしい」のか正直わからないんです。自分の気持ちが、今をどう感じているのか自分のことなのにわからない。わからないから言葉に出来ない。言葉に出来ないなら、出来ないままでも構わないのだけれど、そうしているとどんどんわだかまるものが溜まってきて、気持ちだけじゃなく体まで重たくしていくみたいで…。言えない、というのは他の理由もあります。柊の場合は幸いなことに、ライフラインさえ復旧してしまえば、ほとんど以前と変わらない生活がおくれています。だから、津波の被害にあわれたり、大切な人を失ったり、家を壊されたりした方達が間近にいるのに、自分自身が多少の不便さを不満に感じたりしたらいけない、それを口にしたらいけないという想いがあります。恐らくは、自分なんかが「つらい」「かなしい」「くるしい」と言っちゃいけないと思って、そう思って耐えて、むしろ何も感じていないように、自分は苦しいなんてちっとも思っていないようにふるまっている人が、たくさんいるように思います。今朝読んだ新聞記事に胸が痛みました。津波で大勢の生徒、教師が犠牲になった学校があります。子供が行方不明のままで、今も探し続ける親たちがいます。その一方で、生き残った子供達、その家族も家に閉じこもるようにしてつらい気持ちで過ごしているそうです。「生きててごめんね。」って…そんな気持ち、自分にわかってあげられるだろうか。自分の子供が生き残ってくれて、嬉しくても、喜べない、そんな気持ちあっていいんでしょうか。言葉に出来ない気持ちが、苦しさが今、ここにはたくさんあるような気がして、たまらないです。「英国王のスピーチ」、印象に残っているのは実は最後のスピーチの場面じゃなくてラストに流れていたベートーヴェンの音楽だったりします。スピーチの場面で、背景に流れていたのは交響曲第7番の第二楽章、葬送行進曲。続いて流れたのはピアノ協奏曲第5番「皇帝」。きれいな、旋律だったなあ…。観ながらどうしてここで「葬送行進曲」を使ったんだろうって思ってたけど。今それを思うとまるで暗示だったように思えてやりきれません。 *映画の公式HPは→こちら
2011.04.24
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想いがたくさん詰まったパンのおはなしです。先日Pastoral Louiseさんより、手作りのパンとお菓子が手渡しで届けられました。Pastoral Louiseさんとは地震以後、rose_chocolatさんの橋渡しにより、知り合うことが出来ました。地震のあと、食料の備蓄が尽きたらどうしよう…という状態にあったときから、ずっと心配して気にかけてくださってご自身も被災し、不自由な生活を強いられているのに、柊の家のために手作りのパンとお菓子を焼いて、届けて下さいました。パンを焼くために必要な材料や、ガソリンを入手するにも大変なときなのに…。ありがとうございます。家族みんなで「美味しいね!」って頂きました。是非是非、Pastoral Louiseさんの、地震以後に綴られた日記を、その後どんな活動をされているかを読んでみて下さいませんか。得意なことがあって、それで人の気持ちを救うことが出来るなんて、すごいことだなあと思います。それが、自分自身が大変な時に行うことなら尚更です。パンが届けられる前には、家にあった材料で失敗なく作れるピザ生地のレシピをメールで教わり、ツナ缶やコーン缶を使ってピザを焼いたりもしました。レトルトのごはんや缶詰でなんとかやりくりしていたとき、家にあった小麦粉で「まさかあったかいピザが焼けるなんて~!」ってどれだけ柊が感激したか…想像してみてください。Pastoral Louiseさん、rose_chocolatさん、本当にどうもありがとうございました。パンにまつわるおはなしをもう一つ。地震(3.11)の翌朝、柊は職場がどんな状態になったのか心配で見に行きました。そうしたら、職場の近くにパン屋さんがあるのですが、お店の人が前日に焼いたパンを「無料で配布してます!」って呼びかけてたんです。びっくりしました。その頃はまだ、それ以後何処の店舗も閉まったままでいつ食料が買えるか、手に入れられるかわからない不安な状態におかれるなんて全然柊は実感していなかったんですね。取り敢えず…なんてそのときは軽い気持ちで柊は食料を手に入れるための最初の、行列に並びました。並んだけど、柊の順番が来る頃にはもうパンはなくて、ラスクが数種類残っているくらい。お店の人、「すみません、すみません。もうパンはなくて…」って。あやまられるなんて。むしろ無償でラスクを頂けるだけでも、とてもありがたいことと思えるのに。そのラスクがその後貴重な糖分摂取になったことは言うまでもなく。こういう出来事が地震の直後にあったから、柊は地震の後も気持ちが荒まないで済んだのかなあ…なんて思います。地震で怖い思いもしたけれど、今回柊は人の気持ちの温かさにいっぱい触れたことの方が体験として大きかったです。幸いなことに、柊は自宅が大きな被害にあわず、家で避難していられましたがそうなるとほとんどと言っていいほど周りの情報がはいってきません。携帯は即、バッテリーが切れて充電も停電中は出来なかったし。(車でバッテリー充電できるやつを買っておくべきだったと深く後悔。しかし、その後車でバッテリー充電した揚句、ガソリンを空にしてしまったという車があったらしいです…。電池で充電できるものを用意しておくのがベストかしら。)そんなときは自分たちだけが家で孤立しているんじゃないかって不安感に押しつぶされそうでした。インターネットが全然繋がらなくて駄目だったとき、携帯でtwitterが見れるようになった時。地震以前に、日常で言葉を交わしていた方々とお話しできたとき。どれだけ、柊がほっとしたことか。励まされたことか。インターネットに繋がれるようになったときは、皆さまから寄せられたメッセージをようやく、読むことが出来て、すごくすごく、嬉しかった。お水や生活物資を送りたいと申し出てくれた方もいて、本当に涙が出るほど嬉しかったです。言葉をやりとりすることが、それが出来たことが、一番しんどかったときの柊を支えてくれました。みなさん、本当に、本当にどうもありがとう。どんなふうに、感謝の気持ちをお返ししていけばいいのかわからずにいる柊ですが…こんな柊ですが…どうぞ、これからもよろしくお願い致します。
2011.04.06
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こんにちは。ようやくインターネットに繋がることが出来ました。地震から約二週間が経過しました。柊の住んでいる地域では水、ガスがまだ復旧していません。ガソリンも手に入りにくい状況です。食料や生活必需品は毎日少しずつ、手に入りやすくなってきています。(牛乳、ヨーグルトはまったくみかけられません。卵、パンは見つけられたら奇跡!)皆さまから寄せられたメッセージをようやく受け取ることが出来ました。そのことがとても嬉しいです。本当にどうもありがとうございます!!なかなか皆さまのところにお返事に伺うことも出来ない状況ですがちょっとずつ復帰のご挨拶に行くことが出来たら…と思っています。数日前からお仕事場にも短時間ですが自転車で通っています。日々、柊は柊に出来ることを頑張っています。行動出来ることが嬉しいです(*^^*)それでは、また♪
2011.03.27
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地震から一週間過ぎました。 柊はこの二日間お天気が良かったので自転車で町内をまわり、情報収集と買い出し等を行っていました。 生活用品を購入するのに3~4時間並ぶのは当たり前。 柊は給水日と買い出しを一日交替に行うペースで動いています。 行列に並ぶと知らない人同士でも自然と情報収集のための会話が始まったりして気分転換にもなります。 こちらにもたくさんメッセージを頂いてると教えて頂きました。 お一人お一人にきちんとお返事出来なくてごめんなさいm(__)m 情報収集にもインターネットは有用な筈なので、なんとかしたいのですが、どうしてもうまく繋ぐことが出来ません。 インターネットの接続をお願いしていたケーブルテレビ会社が津波被害を受けた塩竈市にあり、そのためなのかなとも思います。 毎日いろんな、たくさんの方に声をかけて頂いたり、励まされたりしています。 こんなにたくさんの方に心配していただいたり、情報を寄せて頂いたり、助けて頂いたりして、自分はいつかお返しすることが出来るんだろうか・・・と不安になるくらいです。 柊は、「自分は被災した。」と思わないことに決めました。 生活はちょっと?不便だけれど、少し前の時代にタイムスリップしたと想像して頑張ろう・・・。 家族の無事がわかって、自宅に居られるのですから。自分の場合はホントに、以前の生活より少し不便になっただけの事なんだもの。 大きな被害を受けられた方がたくさんいるので、こんなふうに考えるのは不謹慎なことかもしれないですが・・・どうか許して下さい。 明日の午後にはお天気が崩れて来るみたいだから、行動するのは早いうちかな。 そんなふうに明日の事を考えながら、柊は頑張っていきます。
2011.03.13
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今日携帯からTwitter(@dokusyobiyori)にアクセスすることに成功! インターネットは不通だけど、こちらから沢山の励ましの言葉、情報を受け取ることが出来ました。 この日記にも届いているのかな・・・。 一人一人にお返事するのも難しい状況ですが、柊は元気です。頑張ります。 心から感謝しています。 本当にありがとうございますm(__)m 食料や燃料不足、不安はあるけど、いつかお腹一杯美味しいもの食べて、長風呂に入って、「あの時は辛かったけど、乗りきってみせたぜー!」って笑ってみせるんだ。 読みかけだった本を紛失してしまったことが残念無念。 読書を楽しめるのも日常があってこそなのですね。 何もかも復旧したときには「こんな面白い本が、映画があったよ」と是非教えて下さい。 その時が楽しみです。
2011.03.13
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今はまだ元気です。 電気がようやく復旧。 ガス、水道はダメ。 食料、水、燃料不足が深刻。 五日間で食料配布は一度きり。一世帯に食パン(八枚切り)一枚。 テレビで避難所に食料等配られているのが映っていますが、それはまだ良い状況かもしれない。 助け合ってる様子も映ってるけど、近くのスーパーは窓が割られ盗難も起きてる。犯罪が身近に起きるほど人の気持ちが殺気だってきてる。 怖いです・・・。 水や食料探しに行きたいけど外を出歩くのが怖いんです。 家にあった備蓄で持ちこたえてるけど、いつまでも閉じこもり、じっとしているわけにはいかない。自分が水を探しに行かなくちゃいけない! テレビで報道される計画停電のニュースや福島原発の状況、悲惨な津波被害の映像は気持ちが萎えるだけ。 欲しいのはどこで安全に水が得られるかという身近な情報です。 元気がもらえるのはラジオから聞こえてくる応援メッセージ。音楽に気持ちがほっとして泣けてくる。 インターネットは繋がらないので、携帯のメール機能で更新してます。 家族や親戚、友人知人にメールを送ってみるものの返事がほとんど返ってこない状況。 無力感に襲われそう。 外は雪が降ってる。寒いー{{(>_<;)}} 辛いけど、子供達を不安にさせたくない。 津波に遭遇した人達に比べたらずっとずっと恵まれてる方だと思うから。 お腹が空くのは生きてる証拠。いつかきっと食料が配布されると信じてるから、まだ数日は耐えていられる。 理性だけは失いたくない。 今日も頑張って乗り切ろう。
2011.03.13
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