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Apr 22, 2005
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カテゴリ: カテゴリ未分類
彼が会社を辞める日が、あと数日にせまってきた。
最終日の二日前が私の休日で、彼も急遽その日を休みに変えたと言う。
初めて、朝から二人で出かける事になった。
なるべく朝早くね、と約束する彼。車で空港の近くまで遠出。

当日はドライブ日和のいい天気。ここ最近の嫌な事が忘れられそうなくらい。
フリーマーケットで散策して、その後お昼を食べにショッピングモールへ向かう。

階段を上ろうとした私達の前に、小さな女の子とお父さんが歩いていて、
女の子の靴が脱げたので、彼が拾って渡してあげた。
その瞬間、その親子の微笑ましい姿が、強烈に彼のイメージとダブって見えた。

彼が、自分の子供と手を繋いで歩いてる姿が一瞬そこに見えたような気がした。
厳密に言うと、彼と奥さんと子供とで、近い将来きっとまたここに来る予感。
彼と子供を見守る妻の目線が、私の物であり、これは私の未来でもあるの…?

一瞬頭に浮かんだ親子三人の眩しい映像は、単純に未来を予想しただけなのか、
私の希望が見せた幻なのかは解らない。


そして空港近くの海岸へ降りて、そこから飛行機の離発着を眺める。
彼は、小石を海へ投げて遊び始めた。

白い小石が飛んだり跳ねたりする様子に、一喜一憂する今の彼は、
会社での悩みを抱えてるサラリーマンでもなく、誰かの旦那さんでもない、
ただの無邪気な少年の様に、私の目には映っていた。

私がずっと写真を撮っていると、彼はおもむろにカメラを取り上げ、
二人が入るように構えて写真を撮った。初めてのツーショット写真。
『こういうの、普通は彼の方が「困る」なんて、
嫌がったりするものじゃないのかな?いいのかしら?』
もちろんこの写真は、彼には渡さないし、人目にも触れさせないけど。

夕方、海の側の高層ビルに登って、展望台から飛行場を眺めた。
眼下にはさっき遊んだ遊園地も見える。

双眼鏡を覗いたり、窓から飛行機を眺めたりしていると、
思わず二人の顔が近づく。気付くと、慌てるように離れる。
彼は私に指一本触れようとはしない。

念願かなって、この日初めて二人でカラオケ。
彼が唄ったのは、『君のために出来ること』。

すっかり日も暮れて、帰る事にしたけれど、「もう少し時間があるなら、
翠に見せてあげたいものがある」とまた別の場所に車で向かった。

着いた先は、山の中腹にある街一帯が見渡せる夜景スポットだった。
駐車は出来ないので、ゆっくりと走ってくれる。
幾千の光が宝石箱の様で本当に綺麗。
「翠にはここの景色をぜひ見せてあげたくて、何故かなぁ…、
どうしても、この子には何かをしてあげたいって思ったんだ。
自分にはこんな事ぐらいしかしてやれないけど。」と言った。

彼はとても優しい、優し過ぎて、残酷だ。
諦めなければいけないと判っていながら、この日一日で、
どれだけ彼のことを好きになってしまったか。。。





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Last updated  Apr 22, 2005 07:05:24 AM
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゜・*:.。.翠 .。.:*・゜ @ Re:冬の星座(08/22) また少しだけ編集しました。
゜・*:.。.翠 .。.:*・゜ @ Re:疑惑(07/05) 後半少し編集しました
゜・*:.。.翠 .。.:*・゜ @ Re[1]:距離感(06/18) 法務探偵Qちゃんさん >目に見えない距…
法務探偵Qちゃん @ Re:距離感(06/18) 目に見えない距離・・・ 確かに、あり…

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