The Life Style in The New Millennium

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Master21

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2003.12.07
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ター坊は、お母さん方の親戚とは疎遠で、
ほとんど会ったことがありません。
というのも、お父さんとお母さん方のお婆ちゃんと
仲が悪くて、顔を合わせれば喧嘩をしてい
たからです。お父さんは代々の公務員の家系、
母は代々の農家の家系でしたので、風習の
違いもかなりあったのでしょう。
そんなわけで、たまに、お母さん方のお婆ちゃんが
訪ねてくるのも明るい時間帯ばかりでした。
そして、夕方になれば、
「それじゃ、私は失礼するわ」
と帰って行くそうです。

女二人が寄れば何とやらは、親子の場合も
言えるようで、お母さんとお婆ちゃんも、たまに
出会うと「ああでもない」「こうでもない」
といろんな話をしていたようです。
別にお父さんの悪口とは申しませんが、
それに類する話だったのでしょう。
話題に花が咲いて、出前でも取ってやれと
「あんた、何食べるの」
と3歳のター坊にお婆ちゃんが聞きます。
「うーん」
とすぐに答えられないター坊、お婆ちゃんは、
「チャーハンにしよか」
といいます。食べ物の名前の浮かばないター坊は
言われるままに「うん」と答えたのでしょう。
お婆ちゃんが近所の食堂に電話すると、
しばらくして店員さんがチャーハンを運んで来ました。
これから、小さな事件が始まるとも知らず
お婆ちゃんとお母さんは、テレビを見ながら
いろいろ話をしています。
ター坊の事なんか忘れて夢中になっています。
ター坊が焼き飯やチャーハンが好きなのは、
この時からかもしれません。
「すごーく!!おいしい」と思ったそうです。
あの電話を使えば、おいしいモノが運ばれてくる!
それしか頭にないター坊は
生まれて始めて自分の意志で電話をかけたのでした。
何番にかけたら、どこにかかる、なんて知ったことではありません。
おいしいモノ。
ター坊の頭にあるのは、それだけです。
お母さんとお婆ちゃんはテレビに夢中になっているので
ター坊が電話をさわっているのに気づきません。
実はター坊は、一つだけ電話番号を知っていました。
110。
プッシュホンなら3歳でも押せます。
・・・もしもし・・・
と叫ぶ婦人警官をしりめに
「あーああー」
と叫んでター坊は電話を切りました。
これで、終われば良かったのですが
最近は逆探知というのがあります。

しばらくして、いつも見慣れた警察の制服ではなく
サラリーマン風のスーツ姿の男性と女性がやってきました。
そして、周りを見回してコッソリ警察手帳を見せました。
「何かあったのでしょうか?」
お婆ちゃんもお母さんもビックリ。
「いえ、別に・・・電話した覚えはありませんが」
「でも・・・テープもあります」
テープから聞こえてきたのは
電話に出た婦人警官の声
・・もしもし・・・何かあったんですか?
・・・もしもし・・・
婦人警官は反応がないので必死で呼びかけます。
・・・もしもし・・・
そして、ター坊の声
アーアー・・・
続いて婦人警官が
もしもし・・・どうしたんですか?
と叫ぶ声でテープは終わっていました。

どうやら、二人の警察官は、何かの事件が起きて
幼い子供が必死で連絡しようとしているのではないかと思い、
大急ぎで飛んで来たというのです。真剣な表情の警官に
「テレビに夢中になって、気がつきませんでした」
とは言えず、お母さんとお婆ちゃんは、ただひたすら
「すみません。申し訳ありません」
と謝るしかなかったそうです。






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Last updated  2015.08.29 10:58:43
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