今が生死

今が生死

2011.07.10
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カテゴリ: 生き方
大河ドラマ「江」で秀吉の朝鮮出兵が演じられていた。欲しくてたまらなくてやっと得た自分の子が死んでしまいそのショックからの出兵とドラマでは暗示していたが、実際には日本を征服し、その次には外国という秀吉のあくなき征服欲が原因だったと思われる。

草履取りとして信長に仕え、百姓、足軽から太閤にまでなったその能力はたぐいまれなものだった。戦略だけでなく人の心をつかむ天才で、部下や並みいる諸大名を難なく従がわせてしまった。

母親思いの優しい一面もあったが天下をとることだけが願いで人民の幸せなど幅広い教養は身につけていなかった。トントン拍子で出世して何でも思い通りになると思ってしまい、向上心のあるいい青年だったが成功成功の連続でスポイルされてつまらない老人になってしまったのだ。

自分の考えに反対する利休を切腹させ、天下人の自分に反対する人間がいるわけはないという気持ちになっており、独裁政治であった。

一般に年齢を重ねると経験を積んで賢くなると言われているが、秀吉の場合は天をも味方につけて幸運の連続で苦労知らずで上り詰めてしまった。結果、その晩年はただのがんこじいさんであの若かりし頃の輝きの片りんもない。苦労しなければ年をとってもただ馬齢を重ねるだけで、むしろ退化する場合もある。

常に向上心を持っていたがそれは武力や権力に偏っており、学問への向上心の余地がなかったことが悔やまれる。何百年に一人と言ってもよい才能を持っていた英雄の最後は残念なものだった。秀吉に学問を教える人が大勢いれば歴史は変っていたかもしれない。





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Last updated  2011.07.10 21:51:47
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