今が生死

今が生死

2012.07.24
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カテゴリ: 生き方
今受け持っている重症患者さんは89歳の末期胃がんの男性、92歳の肺がんの男性、85歳の腎不全の女性、92歳の嚥下性肺炎の女性、71歳のパーキンソン病末期の男性患者さん、等々で一刻も心が休まる時はない。

いずれの患者さんもいつ死を迎えてもおかしくない人ばかりだが、病状の起伏に一喜一憂し、悪くなれば心が落ち込む。以前「医師の資質」を当ブログで取り上げたことがあったが病状によって喜んだり悲しんだりしていたら身が持たない。そのような人は医師に向かないかもしれない。もう何十年も前、医師になって5年目くらいの頃、患者さんが突然亡くなった時、慌てふためいて憔悴しきっていたとき、年配の看護主任に「医師はそのようなことでじたばたするものではない」とたしなめられたことを覚えている。

人は病気になることもある。それは治る病気のこともあるし治らない病気のこともある。また必ず年取って老化し、いつか死ぬ。それは分かっていても病状が悪化すると苦しい。

何人もが同時に悪化して苦しみが極限に近くなった時上記のようなこと、つまり高齢者には寿命があり、末期ガンは悪くなるのは当たり前、割り切らなければ自分が生きていけないではないかと言い聞かせてみたが、そのことは頭ではよく分かっても苦しいのである。

そこで「やるべきことをすればいい。結果は考えるな」と言い聞かせてみた。これであまりダメージを受けないようになった。人生ものの考え方だと思う。どのような職業でも、どのような立場でも、「結果にとらわれないでベストを尽くす!」この考えで行くべきだと思った。





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Last updated  2012.07.24 23:31:20
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