今が生死

今が生死

2012.10.11
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カテゴリ: 教育
今あちこちで医学会総会が開かれている。私もあす神戸で開かれている日本消化器病週間に参加するために出発する。

今朝、内視鏡検査をしていたら姉が脳梗塞で救急病院に運ばれたとの電話がかかってきた。病棟の患者さんが車椅子に載っていて意識がなくなって倒れたという。検査をしていても気が気ではない。午後の外来には重症の人が次から次に来た。腎機能が急激に悪化して緊急透析をしなければならない人、発熱して嘔吐している人、肺炎が疑われる人、重症だから明日も来てくれと言えない。自分は学会参加のため不在である。他の医師も学会に参加していて、自分の代わりに託そうにも不在である。

最近はその学会が大型化している。例えば消化器病週間(DDW)では消化器病学会、内視鏡学会、肝臓学会、消化器集検学会等いくつもの学会が一緒に合同で学会を行うことが多い。参加する方からするとDDWに参加すれば同時にいくつもの学会に参加できて、一挙にたくさんの参加証をもらえるので参加者には都合いいので多勢参加することになる。結果として医者がいなくなり重症患者さんが困ることになる。

学会等に行かなければいいのだが行かないと単位が貰えない。最新医学からも遅れてしまう。参加したいが外来予約患者さんや入院患者さんのために学会参加を諦めている人も多い。

医学会総会は当に医師達のための総会である。患者さんの為ではない。新しい医学知識を身につければ間接的に患者さんのためになるではないかという人がいるが、患者さんのためという視点は学会開催者の頭の中にはこれっぽちもない。病院を空っぽにして患者さんのためになるわけがない。

医師は患者さんのためにあるのではないのか。その彼らが患者さんをほっぽり出して学会を開いていていいものだろうか?今はインターネットという便利なものもある。それらも有効に使って病院を空にするような開催の仕方は止めてもらいたいと思う。医師は何のために存在するのかを常に考えてもらいたいと思う。





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Last updated  2012.10.11 22:59:18
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