今が生死

今が生死

2013.03.25
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カテゴリ: 読書
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春になって咲きそろったヒアシンス

今回も小説、ジェーン・エアから。屋敷の主人でお金持ちの40歳位のロチェスターから求婚されれた19歳のジェーン・エアは夢のような結婚式を迎えた当日、ロチェスターには狂人の奥さんがいることが発覚し、彼女は夜が明けないうちに着の身着のままでその屋敷を出て、一銭も持たずにあてもなくさすらい、倒れる寸前にある一件の家の中に入れてもらえてそこでしばらくお世話になった。

その家は2人の姉妹と30歳位の牧師の男性が住んでいたが、その男性がジェーン・エアに村の学校の先生の仕事を探してくれた。その学校のオーナーの娘は飛び抜けて美人だが、それを鼻にかけることはなかった。お金持ちだがそれにスポイルされていなかった。コケティシュだが、薄情ではなかった。几帳面だが意味もなく利己的ではなかった。明るくて賢くて思いやりがあって、女性であるジェーン・エアから冷静にみても素晴らしくチャーミングだったが自分はそれに全く気づいていなかった。

その女性がジェーン・エアを家に入れてくれた男性を好きみたいで自分の家に遊びに来てくれなどとさそうが、彼氏はつれない態度をして、全く関心がないように振舞っている。ジェーン・エアの観察では彼氏も彼女を好きだが、それを表現することが恥ずかしくてぎこちなくなっているみたいだと見ていた。果たしてこの二人の行く末がどうなるかはまだ分からない。美人薄命と言われるがそんな綺麗な人が美男子でもなんでもない男性に恋をして、その男性からは冷たくされて果たして今後幸せになれるだろうかと心配している。

7歳で亡くなった私の長姉のことを以前このブログで書いたが、母から聞いた話だとその長姉は上記の女性に近かったのではないかと思われる。母は姉妹中で一番器量が悪くて自分は不美人ということをずっと気にして生きてきた。ところがその母から生まれたその子は目はぱっちりして人並み外れて可愛くて算数やあいうえおも近所の子供よりずば抜けてよくできてしかも思いやりがあった。
病気(肺炎)で重症になり、母が心配して声をかけると「おかあちゃんこそ頑張って」と熱で真っ赤な顔をしながら自分を気遣ってくれたとのことで、母はその話をするたびに涙を流していた。そのあと生まれた子は皆その子とは比べ物にならない凡庸な子供だったがその子達が生き残って賢くて可愛かったその長女は死んでしまった。母にとってはどれだけ無念だったかと思う。

ジェーン・エアの小説に出てくるその美少女の将来はまだ分からないが、私の長姉は7歳で亡くなってしまったので、そのように稀有な人はやはり早く死んでしまうのではないかと想像している。

本当に素晴らしい人は世の中にはそんなにいないのではないかと思う。でも長姉も生きていれば素晴らしい女性になったかもしれず、どこかに素晴らしい人はきっと生き残っているだろうと思った。





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Last updated  2013.03.25 21:49:30
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