今が生死

今が生死

2013.06.11
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カテゴリ: 生き方
今日は84歳で亡くなった母の月命日である。命日は平成4年5月11日なので先月11日にはお墓参りに行ってきた。腎臓を悪くして血液透析をしていたが、死因はベッドから落ちたために突然亡くなってしまったみたいだ。病院の落ち度として大騒ぎする家族もいるが、自分も医師なので何も言わないでお世話になりましたとお礼を言って引き取ってきた。

とやかく言ってもどうしょうもないことだったかもしれないが、不憫な母のことより、病院や医師がさぞかし困っているだろうとそちらのことの方を先に考えて母にすまなかったと思っている。妻は私の両親を自分の親のように大事にしてくれて感謝しているが、自分はといえばそのことだけでなく他のことでもあまり親を思いやってこなかったと後悔している。

一緒に住み、妻といつも和やかに暮らしていたのでその時はさほど思わなかったが、亡くなってしまった後は自分は仕事のことばかり考えていてあまり親孝行してこなかったと悔やんだ。

今ご高齢の患者さん達に尽くしている気持ちの何分の一でも自分の親に尽くせたらなと思うが過ぎてしまったことでどうすることもできない。

私が35歳の時、国立病院に勤めていたが、もっと勉強したい、博士号も取りたいと甲府から相模原にある大学病院に転勤することになった。その頃はまだ両親は田舎で暮らしていたが、よく電車に乗って相模原まで泊まりに来てくれた。その頃大学を卒業したての研修医は大体25~6歳で、自分は少し年取っていて、引け目を感じていた。そのことをちらっと漏らしたら「母がそんなことはすっかまちょし!」と言ってくれた。それがすごく力強く感じられ年齢のことなど気にしないで研修できたように思う。その後博士号ももらえて両親が喜んでくれたがあれがせめてもの親孝行だったかなと思っている。

毎月11日が廻ってくる。生前孝行できなかったのでせめて月命日に心からの追善供養しようと思っている。





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Last updated  2013.06.11 21:29:11
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