今が生死

今が生死

2020.06.12
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カテゴリ: 先端技術

新型コロナでは感染の有無をPCR、抗原検査、抗体検査などで調べているが、今回はPCR検査について述べたいと思う。Polymerase Chain Reactionの頭文字をとってPCR検査と呼んでいるが日本語ではポリメラーゼ連鎖反応と訳されている。これは少量のDNAを増幅して検出しやすくする方法で1983年にマリスと言う人が発明してノーベル賞を受賞している。これはDNAの複製方法なのでコロナウイルスはRNAなのでRNAをDNAに変換してから増幅していくことになる。まず検体を試験官の中に入れて耐熱性DNAポリメラーゼ(DNAを増やす酵素)、DNAプライマー、ヌクレオチド(核酸)を加えてサーマルサイクラーと言う機械で加熱、冷却、過熱を繰り返してDNAを増やして測定することになる。その過程は1)95度、30秒、2本差のDNAを1本鎖にする。2)60度に冷却してDNAの断片(DNAポリマーという)を加えて1本鎖のDNAに結合させる。3)72度に加熱してDNAポリメラーゼ連鎖反応でDNAを伸長させて2本鎖にして複製させる。これを1サイクルとして40サイクル位繰り返し100万倍くらいに増やす。
それをアガロース電気泳動で分画し染色、紫外線照射、写真撮影して肉眼で陽性か陰性を判定する。大変煩雑、精巧な検査で当初日本では検査体制が整わず韓国に大分遅れをとったと言われた。今までの通常の診療ではB型肝炎ウイルスの診断にこのPCR検査が用いられていたが頻度はまれでそれほど多数に使用されていなかった。韓国で即座に検査できたのはSARS流行時に蔓延した時の対策として準備していたものと思われる。現在はスイスロシュ社の機器が性能が良いとして世界市場を占めている。日本では当初結果が出るまで3日位かかっていたが、PCR検査は上記のように大変複雑で技術もいるし金もかかる検査で普段あまり検査していなかったのでいきなり大量の検査をしなければならず戸惑ったためと考えられる。今後はもっと広く迅速に検査できると思われる。





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Last updated  2020.06.12 16:03:19
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