今が生死

今が生死

2021.03.19
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カテゴリ: 健康

今は医学界もコロナ一色で重要な問題も隅に追いやられている。一時はピロリ菌が胃がんとの関連で脚光を浴びていて何処の学会でも花形だったが今は影が薄い。それでも内科学会誌3月号に2020年度の教育講演会の内容として大分大学の村上和成先生の「ピロリ菌感染と胃がんとの関連」の講演内容が掲載されていた。
胃がんによる死亡者数は過去30年に渡り、年間約5万人だったが最近急に減少してきて2018年は44000人で6千人位減少している。その減少要因は2013年にピロリ菌除菌が保険適応されその条件として胃カメラ検査が必須になったことが大きいと述べていた。除菌後の胃がん発生状況は多くの研究を総合するとオッズ比0.46となり、胃がん発生リスクは約半分程度に減少する。しかしピロリ菌を除菌してもそれまでに胃粘膜に胃がんの発生母地である萎縮や腸上皮化生性変化が起こっているので、期待したほどの胃がん減少率にはなっていない。しかも別の研究によると除菌後の期間が長くなればなるほど胃がん発生が増えてくるとのことである。
しかしいずれにしても胃がん死亡者数は減ってきている。データー上は「除菌すれば胃がんに罹らない」というような明瞭な結論は得られていないが、胃がん発生を約半分抑えることが出来るのでピロリ菌陽性の人は積極的に治療(除菌)した方がよいと考える。





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Last updated  2021.03.19 20:20:00
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