今が生死

今が生死

2021.06.07
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カテゴリ: 健康

先日母校から同窓会ニュースが送られてきて医学部創立100周年記念にヒポクラテスの木を植えたとの記事が出ていた。
ヒポクラテスは紀元前460年頃生まれのギリシャの医者で「医者の心得」を書いた「ヒポクラテスの誓い」で有名な人である。ギリシャのコス島生まれの人で、コス島にあったプラタナスの木の下で弟子たちに医学を教えた事よりその木はヒポクラテスの木と呼ばれてきた。
1969年に新潟の浦原宏博士がその木に由来するDNAを持った球状果実をコス島から持ち帰り発芽させたものが元になり東大緒方富雄博士宅で育てられ次々に色々な所に贈られ、今回の木は大阪市立大学病院長 原充弘さんが育てていたものを譲り受けたものである。ヒポクラテスの精神を引き継ぐ象徴として末長く大事に育ててもらいたいものだと思う。
ヒポクラテスは医学を原始的迷信や呪術から切り離し、臨床と観察を重んじる経験科学に発展させた人とも言われている。「人生は短く術の道は長い」として医術者は生涯をかけて術を究めるために精進しなければならないと説いている。
病気は血液や胆汁等の4つの体液の混合に変調が起きた時に起こるのでその変調を正常に戻すのが医療である。その変調を起すのは自分自身の生活様式や自然環境、政治環境などの周りの環境によっても引き起こされるので環境整備も医療にとって重要と述べている。治療は自然治癒力を待つことになるがその為には体を安静にすることが必要であると述べていた。
現在の新型コロナ感染の猛威はヒポクラテスのいう環境要因からの病気と考えられる。新型コロナウイルスは自然発生か人為的なものかと聞かれたらもともと他の生物に共生していたウイルスを人間に感染するように変異させた人為的な病原ウイルスと考えられている。ヒポクラテスの時代からみると2500年も経過しており、その頃に比べれば科学も医学も随分進歩している筈だが見ての通り世界中がそのウイルスに負けて大混乱に陥ってしまった。
ヒポクラテスの時代にはウイルスの存在は分かっていなかったので、流石のヒポクラテスもウイルス病が発生した時は対応に困ったことと思うが、「術は長い」とした精神は受け継がれてきたと思う。遺伝子情報を元にワクチンを作成したファイザー、モデルナの研究者達には心から敬意を表する。確実な有効性が証明されており、今猛威をふるっているウイルス感染症に輝かしい対処法を呈示してくれた。一刻も早く全世界への接種が推進されることを切望するものである。





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Last updated  2021.06.07 13:48:58
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