映画はほとんど観ない。別に嫌いじゃないのだが、楽器を買って、CDを買って、本を買って、写真を撮るのも好きで、と好きなものばっかりじゃ困るので、あえて観ないようにしている。映画に行く金があったらCDを買いたい、という気持ちもある。だから、タダ券が手に入ると観に行く。
今回は「武士の一分」を妻と二人で観てきた。結論からいうと面白かった。観て損はしないと思う。
観る前は「キムタクに時代劇ができるの?」と思っていた。それなりに雰囲気を持った俳優だとは思うが、器用な演技ができるようには思えなかったので。始まって15分ぐらいは正直って違和感があった。どうしても「ロンバケ」や「ビューティフル・ライフ」のイメージが離れなかった。しかし、30分ぐらい経つと、そんな違和感もなくなった。うまく溶け込んで、あの独特の“藤沢ワールド”を作っていた。
全体のイメージは「たそがれ清兵衛」に似ている。海坂藩の下級武士の設定であるキムタクが盲目になりながらも“武士の一分”をかけて果し合いをする、という、いたってシンプルなストーリー。架空の藩である海坂藩は庄内藩をモデルにしているらしいが、同じ東北ということで盛岡が舞台だった「壬生義士伝」にも似ている感じがした。「壬生義士伝」は最後は悲惨な結末だったが、「武士の一分」は一応ハッピーエンドなので、安心して観られた。
今の世の中にあって武士道に基づいた生活を、なんて言ったら笑われてしまうが、お金がないわけではないのに給食費を払わない親がいたり、ほとんど働かないで給料をもらい続けたり、観ているくせにNHKの受信料を払わなかったり、という人たちを見ていると、プライド、誇りはないのか、と問いただしたくなる。
私はマンガは嫌いではないが、電車の中では絶対にマンガは読まないようにしている。特に週刊誌のマンガ。大人が公衆の面前で見るものではないと思うから。改めて断っておくが、今ではマンガは優れた文化だ。特にアニメーションとなると世界で日本の右にでるものはいない。しかし、あくまでもサブカルチャーの域を出るものではない。
つまらぬ例を挙げたが、私が言いたいのは、自分なりに“やせ我慢”をすること”が必要じゃないか、ということだ。立場、状況を考えてその場にあった行動をとる、ということは損得は抜きにして絶対に必要なことだと思う。
そんなことを感じた映画だった。
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