しかし今後、人口が減少していく中でも株価上昇が見込めるとすれば、それは独自に成長分野を見出して成長していく企業、人口が増加している海外の市場を開拓していく企業、そしてROE(Return on Equity:株主資本利益率)を高めていく企業だと思います。ちなみに2014年末時点でアメリカのS&P500指数採用企業の平均ROEは14.4%ですが、日経平均採用企業の平均ROEは8.7%に過ぎません。歴史的にも日経平均採用企業のROEはS&P500指数採用企業の半分近い水準です。
EORはEquity on Return(利益に対する株主資本の割合)の略で、ROEの逆数です。逆数にしただけで何の意味があるのかというと、株主資本が分子に来る事によってより、「利益が一定の中でも株主資本を減らす事が重要」という、日本企業の本質的な問題が分かりやすくなるからです。上述の通り、利益を増やすのは当然の如く日々企業が努力していることなので、今更繰り返す必要もありません。重要でかつ比較的難しくないのは、株主資本を減らす、という作業なのです。