言霊屋から贈る 『アメリカでのチャレンジ日記』

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世界のいたる

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2005.12.18
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カテゴリ: カテゴリ未分類
俺はバスに乗り、フィッシャーマンズワーフに向かった。
フィッシャーマンズワーフはベイサイドのお洒落な街、東京で
言うなら『お台場』のような感じだろうか。週末は観光客で
とても賑わっているサンフランシスコの人気スポットだ。

巨大クリスマスツリーが飾ってあって、その前でマナブとハンと
待ち合わせをしていた。俺はひとつの不安を抱えながら、急ぎ足
でそこに向かった。



ひとつの不安を抱えながら・・・



道に迷ってしまったこともあり、11時10分を過ぎた辺りに
やっと到着した。マナブとハンはすでに到着して俺を待って
いてくれたが、やはり彼らも俺と同じ不安を抱えていた。






その不安とはいったい何なのか。





そう、





天気が雨だったのだ。








紙と墨を使う路上詩人に雨は大敵だ。雨が降ると活動は不可能
と言っても過言ではない。3人はなんとか雨がしのげる場所が
ないものかと懸命に探した。




雨に濡れた道を見ながら歩いていると、ある部分だけ道が濡れ
ていないことに気が付いた。上を見るとそこには歩道橋がかか
っていた。



三人は顔を見合わせた。





「よし、ここでやろう!」






早速、準備にかかった。



黒の布を敷物にし、ミニ額に入れた作品を約20点、大き目の
画用紙に書いた作品を15点、並べていった。ミニ額は
マナブと共同作業で作成した。



作品を並べていると、前を通り過ぎていた人の足が徐々に止ま
り始めた。やはり『書』の持つ魅力はアメリカ人にとって、
とてもインパクトがあるらしい。朝11時ということと、小雨が
パラついているということもあり、フィッシャーマンズワーフは
いつもほどの賑わいではなかったが、作品を並べ始めた2分後に
数名のアメリカ人が興味を示してくれたことに、とても手応えを
感じることができた。



約10分後、すべての作品を並べ終え、宣伝の文章を考えようと
していたら、ジャンバーを着たひとりの男が近づいてきた。
何やら言いながら、その男が胸のポケットに手を入れたときに
一同は凍りついた。





「ま、まさか拳銃!?」




そして、出てきたのは・・・








POLICEのマークの入った金色に光るバッジ!







そう、彼はポリスマンだった。


「ここではできない、撤退するように!」と。





開始後わずか10分、ポリスマンの注意により撤退せざるを
得なくなった。が、同時にひとつの情報を得ることができた。



その場所は所有の敷地内だからダメだけど、少し離れたところ
だといいらしい。3人はその場所を目指して移動することに
した。



荷物をまとめて移動する頃には、雨が強く降り出していた。
もう、傘なしでは歩けないくらいの勢いで雨は降っている。
ポリスマンがいいと言っていた場所が解った。そこは普段、
晴れた週末なら、アクセサリーや風景画、似顔絵やTシャツ
など、さまざまな露店が出ているストリートだ。


以前、視察にきたときにチェックをしていた場所だった。
だが、当日は雨が降っていたので誰もいなかった。


少し歩くと、少しの区間だけアーケードがある通りを見つけた。
三人は躊躇うことなく、早速そこを陣取ることにした。
10メートル先にはレストランが立ち並ぶお洒落な通りだ。
すぐ後ろのベンチで黒人の女の人がわめき散らしていたのが
気になったが、まぁ、それぐらいは仕方がない。


3人も徐々に慣れてきたので、一瞬のうちに布を敷き、作品を
並べた。










その風景がこれ。














2005-12-18 16:07:10




ついに第一歩を踏み出すことができた。
俺の向こうに写っているのが↑↑↑マナブだ。






2005-12-18 16:07:10



しばらくここに根を張れそうな気がしたので、俺たちの宣伝を
書くことにした。日本語だといろんな言葉が浮かんでくるが、
英語は一瞬にしてボキャブラリーを貧困にさせる。
いたるの書いた文章を見て笑ってやってくださいな^^!



2005-12-18 16:08:15



そしてこれはマナブが書いてくれた宣伝文。「インスピレーション
で言葉を書くので、それを見てあなたが価格を決めてください!」
という内容。



2005-12-18 16:08:15




そして最後に、ハンが書いてくれたハングル文字。
ひょっとして韓国人のお客さんが来るかもしれないからということ
でわざわざハンが書いてくれた。



2005-12-18 16:08:15











雨の影響もあり、人通りはそれほど多くはなかったが、それでも
30分で20人ぐらいは足を止めて見て行ってくれた。
「値段を聞いて、今から行くところがあるから帰りに寄るよ」と
言ってくれた人も現れた。








「おーーーーっし!いいぞ~!」






ハンのサクラっぷりもかなり良かった^^






マナブも氣合いが乗ってきて、昔、ホームセンターで働いていた
ときに慣らしたお客様への声賭けを活かし、道行く人々に声を
かけ始めたそのとき、またしても、ある障害が立ちはだかった。





別のポリスマンに止められてしまったのだ。


「ここはレストランの近くだからダメだ!」と。









仕方無しに片付けていると、ひとりの黒人男性が現れた。彼は
この雨の中、緑のレインコートを着て、両手に大きく茂った木を
持っている。道路沿いに置いてある木の陰に椅子を置き、自分
の持っている茂った木で自分の身を隠すように腰を下ろした。

何をするのか見ていると、向こうから歩いてくるカップルの観光客
が通り過ぎる瞬間に、自分の持っている木を動かしながら、
「ウオォ~!」と言って驚かしているのだ。それを見て思わず笑っ
てしまった。なんという単純なサプライズ!それをされたカップル
は大喜びで、次に驚かされる人を写真に収めるために、わざわざ
カメラを構えて待っている。




ゆくゆくそのおじさんと話してみると、なななっ、なんと、
24年も同じことをしているらしい。すごい人がいるもんだなぁ~
と感心してしまった。



ポリスマンに注意されて撤退する俺たちに、そのおじさんが
いろんなことを教えてくれた。例えば、閉まっているショップの前
だと注意されないとか、どこの場所がいいだとか・・・。
そして最後に、「Don‘t give up!」あきらめるな!
と声をかけてくれた。それがなんとも嬉しい一言だった。







ここで、三人は昼食を取りながら作戦会議を開くことにした。



『interesting!』



みんな感じていたことは共通していた。一歩踏み出すことによって
漠然としか見えてこなかったことが少しずつ明確になってきた。
どの場所が良くて、どの場所がダメだとか、アメリカのポリスマン
は意外と優しいとか^^





いろいろ話し合った結果、ダウンタウンの地下にあるパウエル駅
の構内に行こうということになった。



夕方4時過ぎに、パウエル駅に到着した。
デパートと繋がっていることもあり、人通りはとても多かった。
笛を吹いているストリートミュージシャンがひとりいた。




そして、またポリスマンの姿が・・・




でも、ミュージシャンがいるのにも関わらず、ポリスマンは何も
言っていないようだったので、人の流れに邪魔にならないような
場所を見つけ、作品を並べることにした。




すると早速、アジアンのおばさんや黒人の男の子が興味を示して
くれた。



2005-12-18 16:10:06



すべてを並べ終え10分ほどすると、ふたりのポリスマンがやって
きた。




ポリス 「何やってるの?」


俺 「私は日本の書道家で、作品を見てもらうためにここに
   います」


ポリス 「売ってるの?」


俺 「いえ、売ってません」


ポリス 「ただ、質問したかっただけ、ありがとう」


俺 「・・・」


ってことは、許可してもらえたんだーーーーーーーーーー^^!



おぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお~、イエッス!




見せるだけならいいけど、売るのはダメだと知っていたから
とりあえず無難な返答をしておいた。後のことは後で考えれば
いい。とっさにそう思った。



ダウンタウンのパウエル駅の地下で、しかもポリスに公認されて
路上詩人としてデビューできたことがミラクルだと思った。




俺たちはツイてる!




すると、別のポリスマンが現れた。彼はさっきのポリスマンより
年齢も上で、貫禄も上回っていた。そのポリスマンがまた違う
ことを言い出した。




ポリス 「ここは駅の構内だから、こういうことはやっちゃ
     いけない」

俺 「あそこのミュージシャンは何も言われていないですよね?」




その後、ポリスマンが言ったことは、俺たちの英語力では理解が
できなかった。ただ、ダメだということだけが伝わってきた。



2005-12-18 16:10:05




仕方なしに三人は荷物を片付けた。結局、ひとつも売ることは
できなかったが、一歩踏み出してみていろんなことを知ることが
できた。



俺は、この経験がニューヨークで生きることを確信している。




自分の夢リストに書いた、たった一行の言葉、




「サンフランシスコで路上に出る」




すべてがそれに向かって動き始めた瞬間、それを実感できた
貴重な一日だった。ニューヨークに行ってからのいたるの
活動を是非、楽しみにしていてください。
ありがとうございます。



2005-12-18 16:10:05




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Last updated  2005.12.19 06:25:13
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