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2008年05月28日
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テーマ: 精神の世界(125)
カテゴリ: 宗教
ブッダの『真理の言葉(法句経)』を読んでいます。

『つとめ励むのは不死の境地である。怠りなまけるのは死の境涯である。つとめ励む人々は死ぬことが無い。怠りなまける人々は、死者のごとくである。このことをはっきりと知って、つとめ励みを能く知る人々は、つとめ励みを喜び、聖者たちの境地を楽しむ。』

言葉としては、非常に易しく説かれているけれど、読んだ途端に、このような説法をする境地が明確に自覚できる者は少ないだろう。凡そ宗教説法が生まれる基本的境地が、ここで語っている者の境地なのである。

イエスもまた永遠の命に到る道と、滅びの道とを分別して法を説く。勿論ここでブッダが説く内容とも等しいものである。

『つとめ励むのは不死の境地である』と『つとめ励む人々は死ぬことが無い』の二つの言葉によって、「命の境界がある」ということと「死の境界が滅せられている」という二つの理を証す。即ちつとめ励みによって、この理が証す境界を覚り得たかという問いが含まれているのであり、未だ覚り得ていないなら、即ちつとめ励めよという説法なのである。

そこで、未だ覚り得ていない者の状態が示されている。即ち『怠りなまけるのは死の境涯である』と『怠りなまける人々は、死者のごとくである』という二つの言葉であり、「死の境界がある」ということと「命の兆しが見えない」という二つの理を証す。

ここで気を付けて欲しいのが、「命と死という二つの境界」が、言葉の上では、或る一つの世界が二分され、分別されているかに見えるということである。勿論ブッダもイエスも、そのように一つの世界を二別に分別している訳ではない。即ち命の世界と死の世界という二界が出来ている訳ではなく、命の世界が現れる所には死の世界は無いのであり、死の世界が現れる所には命の世界が無いということである。

このように、命の世界を言葉で示すことは非常に難しい。それ故、「命を見出す者は稀である」と云われているのである。「悟り」とは何あろう、先ずはこの「命の境界」を見出すこと、これを出発とした理智の無限修行に於ける一々の果のことなのである。

斯くして「命の境界」を悟った者には、なおも続く経典の言葉が、常日頃自分が努めている道でもあるが故に、自分自身が今語っているかのように、容易く理解出来る。

『道に思いをこらし、堪え忍ぶこと強く、常に健く奮励する、思慮ある人々は、安らぎに達する。これは無上の幸せである。』

『放逸に耽るな。愛欲と歓楽に親しむな。怠ることなく思念をこらす者は、大いなる楽しみを得る。』

『賢者が精励修行によって怠惰を退けるときには、智慧の高閣に登り、自らは憂い無くして、他の憂いある愚人どもを見下ろす。恰も山上に居る人が地上の人々を見下ろすように。』

『いそしむことを楽しみ、放逸に怖れを抱く修行者は、微細なものでも粗大なものでも、すべての心の煩いを焼き尽くしながら歩む。恰も燃え盛る炎のように。』

ニルヴァーナに到るとは、まさしく此の様なことなのである。即ち死すべき境界にある一切を焼き滅ぼし、世界の影も形も後に残るもの無きが如くに為すのである。





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最終更新日  2008年05月28日 10時36分03秒
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