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2016.01.28
短歌鑑賞:紀貫之の一首 後藤瑞義
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短歌鑑賞:紀貫之の一首
後藤瑞義
百人一首の有名な歌でいまさら鑑賞といわれても困ります。インターネットでも色々(解釈は大差
はないと思いますが)書かれていますから参照にしてください。
ただ、あらためて読み返しまして多少目に止まったところがありました。たとえば、「人」とか「心も」
の「も」とか、「花」とか「香ににほひける」の「香に」とか、実作者の私としては、興味をもったので
した。
作歌を始めたころは、なにも分からず、誰かの真似をして歌らしくしていたのを覚えています。そのうち、
一般化はいけないのだ、具体的に、あるいはリアリティがあるような歌がいいというようにぼんやりと思い
始めたのです。そうしたわたしの考えからして、「人」という表現、あるいは梅ではなく「花」という表現
にまず注目したのです。これは、いわゆる一般化ではないでしょうか。「あなた」とか「君」とか「汝(な
んじ)」とかでなく「人」という表現です。花もしかりです。花では桜と間違えられます。
正岡子規が「古今集」をけなし、その選者である紀貫之をけなしていることは有名な話です(「歌よみに
与ふる書」に書かれています)。子規が何をもって貫之をけなしたのかは分かりませんが(私の勉強不足で)、
たしかにこの一般化は子規の、写生やリアリティに重きを置く子規にとっては許せないことかもしれません。
ただ、貫之は貫之で子規とは別の基準、写生やリアリティとは別の基準で歌を作っていたのではないでしょ
うか。この歌なども、なにかおおらかさのようなものを感じるのです。
人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける
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最終更新日 2016.01.28 15:45:42
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